今回はお客さんの心理特性を表す言葉、「サイコグラフィック」について詳しく解説をしていきます。
人はさまざまな心理、もしくは習慣によって行動を起こす生き物です。
そしてそれは購買行動についても例外ではありません。
たとえば、価値のあるものでも嫌悪感を抱いていなければ購入しませんが、逆に何の役にも立たないものでも、良い感情を持っていれば人は購入します。
ロゴが入るだけで売れるブランドものなんかは、まさにその一例ですね。
このことから、マーケティングにおいては人の心理をいかに読み取るか、ということが非常に重要になってきます。
そこで役に立つのが、今回のテーマであるサイコグラフィックですね。
今回はサイコグラフィックについて、以下のような内容で解説をしていきます。
ぜひ今回の記事を参考にして、より多くのお客さんに刺さる商品や施策を生み出してください。
サイコグラフィックの意味とは
サイコグラフィックとは、お客さんを心理的な特性で分類した属性のことです。
サイコグラフィックでは以下のような習慣や考え方をデータとして扱い、人を分類します。
- 価値観
- ライフスタイル
- パーソナリティ(性格)
ちなみにこれらの切り口をサイコグラフィック変数といいます。
たとえば価値観で言うと、「特別な日は豪華な外食がしたい」という人がいる一方、「特別な日こそ自宅でゆっくりした時間を過ごしたい」という人もいますよね?
もしくはライフスタイルについても、「休日はアウトドアな趣味に没頭する人」がいる一方で、「TVゲームなどのインドアな趣味を持って引きこもる人」もいます。
性格についても、「活動的な人」、「消極的な人」、「心配性な人」、「楽観主義者」など、千差万別です。
このさまざまな「価値観」、「ライフスタイル」、「パーソナリティ」を判断基準として人を分類をすることをサイコグラフィックといいます。
デモグラフィック、ジオグラフィックとの違い
サイコグラフィックと同じデータ分類の切り口で、「デモグラフィック」、「ジオグラフィック」という言葉があります。
混同しやすいのですが、それぞれの意味は以下のとおりです。
サイコグラフィック
(心理的属性) |
人を心理的な特性で分類するための切り口。
「価値観」、「ライフスタイル」、「パーソナリティ(性格)」など。 |
デモグラフィック
(人口統計学属性) |
人を人口統計的なデータで分類するための切り口。
「性別」、「年齢」、「収入」、「職業」、「学歴」など。 |
ジオグラフィック
(地理学統計属性) |
人を地理学的なデータによって分類する切り口。
「国」、「地域」、「居住地」、「現在位置」など。 |
これらはどれか1つを参考にするのはなく、3つセットで活用するのが一般的です。
そのため、今回のサイコグラフィックと併せて残り2つについてもぜひ覚えておいてください。
サイコグラフィックデータの活用方法
人の心理的な特徴を抜き出したサイコグラフィック変数のデータを収集すれば、マーケティングに活かすことができます。
なぜなら人の購買行動は心理的要因によって大きく左右されるものだからです。
たとえば自社のターゲットが何に価値を感じるのかが分かれば、その価値を提供することで商品は売れます。
ライフスタイルやパーソナリティについても同様で、ターゲットの生活習慣や考え方を知ることができれば、より刺さる価値の提供が可能となるのです。
このサイコグラフィックを活かしているわかりやすい事例として「ペルソナマーケティング」があります。
ペルソナマーケティングとは、ターゲットとして想定するペルソナ(顧客像)を作り上げ、そのペルソナに刺さる商品を開発したり、マーケティング施策を実施したりといった手法のことです。
たとえば「年齢」、「性別」、「年収」、「家族構成」、「性格」、「趣味」、「習慣」などを設定し、できるだけ詳細なペルソナを作り上げます。
このペルソナを設定する要素の1つとして、サイコグラフィック変数のデータが非常に重要なのです。
仮にサイコグラフィックを無視してペルソナを設定してしまえば、それはただの想像で作り上げたものでしかありません。
そのため実際のターゲットとペルソナで差異が生じてしまい、想定外の結果を招きやすくなってしまうのです。
逆に、サイコグラフィックをしっかり収集したうえでペルソナを作り上げれば、そのペルソナは実際のターゲットに近い存在として作ることができます。
そのため、作り上げたペルソナに刺さる商品を作ったりマーケティング施策を行ったりすれば、高確率で商品が売れるはずです。
ちなみにペルソナマーケティングについては別記事で詳しく解説しているので、そちらも併せて読んでいただくと、よりサイコグラフィックの重要性をイメージしやすくなるかと思います。
⇒ペルソナマーケティングのやり方とは?導入事例とおすすめ本を紹介!
このようにサイコグラフィック変数は、マーケティングを行ううえでは必須ともいうべきデータなのです。
サイコグラフィックデータの収集方法
マーケティングを行ううえで非常に重要なサイコグラフィック変数のデータですが、収集方法としては大きく分けて2つの手段があります。
- お客さんに聞く
- データを参照する
両方ともサイコグラフィックに限った話ではなく、マーケティングを行ううえで必須とも言える施策ですね。
ちなみにこのとき、デモグラフィックやジオグラフィックについても同時に確認しておくと、より効果的な施策を打てるようになります。
それでは1つずつ解説していきましょう。
サイコグラフィックデータの収集方法1.
お客さんに聞く
もっとも確実にサイコグラフィック変数のデータを収集したいなら、お客さんに直接聞くのが手っ取り早く、確実です。
アンケートを取ったり、インタビューを行ったりですね。
アンケートを取りたいなら、メルマガで返信を促してみても良いですし、今ならLINEステップでアンケートを取ると返答率が良いです。
もしくはお客さんと触れ合う機会が多い事業をしているのであれば、直接インタビューをすることで、より細かく、正確なデータを収集することができます。
手段は色々あるので、実際に自社の商品を買ってくれているお客さんが普段どのような人なのか、この機会に1度聞いてみましょう。
サイコグラフィック変数の収集方法2.
データを参照する
精度よりも情報の量を重視する場合は、データを参照してお客さんの行動を分析しましょう。
たとえば、メールの件名を「攻めているもの」と「無難なもの」の2パターンに分け、どちらの開封率が高いかを確認することで、おおまかなお客さんの性格や好みを推し量ることができます。
もしくは広告を出稿するときに、「派手な画像を起用したもの」と「地味な画像を起用したもの」の2パターンを用意し、クリック率を見てみるのもありです。
このようにお客さんの行動をチェックすることで、多くのデータを集めることができます。
まだお客さんのリストが乏しい状態であったり、とにかく多くのサイコグラフィックデータを集めたかったりという場合には、とくに効果的な方法です。
【まとめ】サイコグラフィック変数はマーケティングにおける必須データ
今回は人の心理的属性と呼ばれるサイコグラフィックについて解説をしてきました。
マーケティングにおいて、重要なのはいかに情報を集め、お客さんのことを理解するか、ということです。
お客さんのことを理解しなければ、魅力的な商品を作ることも、刺さるキャッチコピーを考えることもできません。
そしてそのデータの中でも非常に重要なのが、「価値観」、「ライフスタイル」、「パーソナリティ」といったサイコグラフィック変数です。
人は購買行動をするとき、心理(感情)や習慣によって大きな影響を受けます。
だからこそビジネスをするなら、お客さんのサイコグラフィック変数をきちんと把握し、考慮しなければいけないわけです。
たとえば、サイコグラフィック変数をきっちり理解したうえで、その人の価値観に合わせて商品の魅力を説明すれば、よりお客さんに価値を感じてもらうことができます。
そうすればリピート率も上がりますし、お客さんが感じる価値が上がった分、商品の価格を上げても商品は売れるはずです。
サイコグラフィック変数はお客さんやターゲットのことを理解するうえで非常に重要なデータです。
決して軽く見て良いものではないということを覚えておきましょう。