今回は、社長や個人事業主が知っておくべきマーケティングの仕事内容についてお話ししていきます。
マーケティングといえば会社の業績を左右する、大変ながらもやりがいのある仕事です。
そのため人気の職業でもあり、よく新卒の人や転職を考えている人がなるにはどうすれば良いのか調べたり、給料がどれくらいになるのかを気にしたりしていますね。
しかし実は、マーケティングの仕事内容を知っていなければいけないのは、新卒よりもむしろ社長や個人事業主の方なのです。
なぜなら、
- マーケティングの知識を使えば利益を倍以上にできる場合もある
- マーケティングの知識なしにビジネスをやっても失敗するリスクが高い
- 突然の退職などでマーケターがいなくなると会社が回らなくなってしまう
といった要因があるからです。
だからといってもちろん、社長であるあなたが必ずしも長年広告代理店に勤めあげている人のレベルにまで達しなければいけない、というわけではありません。
しかしそれでも、何も知らない未経験という状態では、ビジネスをしていくうえでは話にならないのです。
そこで今回は、社長、個人事業主向けに、マーケティングの仕事内容についてお話をしていきます。
もし仮に、あなたが「優秀なマーケターを雇うから自分には関係がない話だ」と考えていたとしても、とりあえず今回の記事には目を通してみてください。
そうすれば、なぜ社長や個人事業主であるあなたにこそマーケティングというビジネススキルが必要なのか、理解していただけるはずです。
社長がマーケティングの知識を得たことで利益3倍、成約率1.5倍に!
社長や個人事業主がマーケティングの知識を身に付けた方が良い理由の一例として、弊社クライアントの事例を紹介します。
紹介するのは、「英会話学校を経営していた加藤さんの事例」です。
弊社のクライアントでもある加藤さんの事例について、先に結果だけを言ってしまうと、マーケティングの知識を活かした結果、平均単価2倍、利益3倍、成約率も1.5倍という大きな成果を得ることができました。
では、どのようにしてここまで大きな成果を出すことができたのか、詳細を説明していきます。
もともと加藤さんの英会話塾は、自分たちの給料さえ十分に取ることができないような状況でした。
加藤さんはこのままではまずいということで、マーケティングの知識に基づいて、問題点の洗い出しを行います。
その結果、以下のような問題点があることを突き止めました。
- 商品プランが1種類しかなく、過剰なサービスを行っていた
- 過剰なサービスの所為で従業員に余裕がなかった
- 価格の設定が安すぎた
加藤さんはこの問題を解決すべく、2つの対策を行います。
- サービスを細かく分解し、ランク別に3つの商品に分けた
- 全体的に商品の価格を上げた
その結果、加藤さんの英会話学校は、先にも述べたように、平均単価2倍、利益3倍、成約率も1.5倍という大きな結果を出すことに成功したのです。
では、なぜたった2つの対策でここまで大きな結果になったのか、詳細を説明します。
まず、商品の分解を行い、3つの商品に分けたことで、従業員の労力を割かれていた過剰なサービスがなくなりました。
今までは惰性でやっていたサービスが、1つ上のプランの商品として明確に組み込まれることにより、下のプランでは行われなくなったのです。
たとえば、今までは質問に来た生徒に対しては、ついつい個人指導していたとします。
しかし、商品を松竹梅といった形で明確に分けたことにより、個人指導は松のプランでのみ行います、というような線引きができたのです。
そしてもう1つが、価格アップです。
マーケティングの世界には松竹梅の法則というものがあり、3つの商品があると真ん中を選ぶ人が多いという傾向があります。
そこで加藤さんは、真ん中のサービスである竹の価格を、思い切って値上げしたのです。
すると、1つの大きな変化が起こりました。
今までは安価であったため、お金を出していたのは学生さん本人だったのですが、価格が上がったことにより、それが親御さんへと切り替わったのです。
つまり、ターゲットがより資金力を持った層に切り替わったということですね。
その結果、加藤さんの英会話学校は業績が上がり、平均単価2倍、利益3倍、成約率も1.5倍という成果を出すことができたのです。
このように、経営者がマーケティングの知識を持っていれば、みずからが会社経営の見直しを行うことができます。
逆に、もしあなたにマーケティングの知識がなければ、この重要な局面を、部下のマーケターに任せっぱなしにせざるを得ないということなのです。
それは経営者として、あまりにも心もとないですよね?
だからこそ社長や個人事業主には、マーケティングの知識が絶対に必要だと言えるわけです。
社長が知っておくべきマーケティングの仕事内容を詳しく解説
ここまでの説明で、社長がマーケティングの知識を持っていることの意味を理解していただけたかと思います。
そこでここからは、社長が最低限知っておくべき仕事内容について、詳しく解説していきます。
仮に優秀なマーケターを雇うとしても、そもそも雇い主であるあなたにマーケティングの知識がなければ、相手の技量を測ることができません。
さらに言えば、そのマーケターが急に会社を辞めてしまえば、それだけで会社が回らなくなってしまいます。
マーケターを何人も雇える大手企業ならともかく、中小企業の場合は、マーケター1人が辞めるだけで会社存続の危機になってしまうのです。
そうならないためにも、マーケティングの仕事内容については、社長であるあなたがあるていど理解しておきましょう。
そもそもマーケティングとは?
マーケティングとは、「継続的に商品が売れ続け、利益が出る仕組みを作る仕事」のことです。
当たり前な話ですが、いくら良い商品を作り上げていようとも、それを売る仕組みがなければビジネスは成り立ちません。
また、マーケティングの精度が低いと、本来出るはずの利益が出ないということも大いにあり得ます。
そのためマーケティングは、ビジネスをするうえでもっとも重要な要であると言うことができます。
そういった意味ではとても難しい仕事であるとも言えますが、その分、やりがいも大きい仕事です。
マーケターの役割と仕事内容
マーケティングを行う人のことをマーケターと呼ぶのですが、その仕事内容には以下のようなものがあります。
- 市場調査(リサーチ)
- 情報収集
- 集めたデータの分析
- データ分析の結果から仮説の構築
- 戦略の企画立案、実行
- 施策の改善
基本的にマーケターは、これらの仕事について、延々とPDCAサイクルを回します。
PDCAサイクルとは、「Plan(計画) → Do(実行) → Check(評価) → Act(改善)」の略ですね。
ちなみに優れたマーケターは、このPDCAサイクルを回す速度が非常に速いです。
またマーケターには、調査力、分析力、企画立案能力、プレゼン能力などが必要とされます。
中でもとくに必須と言われているのが、企画立案能力です。
この企画立案能力が高ければ、それだけ商品を売るためのアイディアを出すことができ、それを形にすることもできるというわけですね。
そのため、もし優秀なマーケターを雇いたいと思っているのなら、「PDCAサイクルを回す速さ」と「企画立案能力」に注目すると良いでしょう。
社長が最低限持っておくべきスキルや資格
社長や個人事業主が最低限持っておくべきマーケティングの資格やスキルについては、以下のようなことが言えます。
- マーケティングに関する資格はとくに必要ない
- マーケティングスキルについては、一通りできるようにしておくべき
まず資格については、別に何かを摂らなければいけないということはありません。
あくまでも資格というのは、〇〇ができるという証明に過ぎませんので、とくに社長であるあなたには必要ないはずです。
しかし、マーケティングという仕事内容については、一通り、あるていどはできるようになっておくべきです。
「仕事を委任するの間違い」という記事で弊社代表の北岡も説明していますが、マーケティングが止まれば、ビジネスがうまく回らなくなってしまいます。
そのためマーケティングについては、いざというときのために、自分で手を下さないまでも何をどうすればどうなるのか、最低限理解しておかなければいけないのです。
このことから社長や個人事業主は、「マーケターの役割と仕事内容」で説明した仕事内容について、一通り全部知っておくべきだと言えます。
もちろん、マーケターを専門に行っている人ほどの精度は出せないかもしれませんが、それでも最低限、自分でビジネスを回せるように、何をすれば良いのかだけは把握しておきましょう。
【求人担当必見!】マーケターに向いている人とは?
社長の中には、求人も自分が担当しているという人も多いと思います。
そこでここからは、マーケターに向いている人がどのような特徴を持っているのかについて説明していきましょう。
マーケティングという仕事に向いているのは、以下のような特徴を持った人物です。
- 数字やデータを扱うのが得意
- 論理的思考が得意
- アイディアを出すのが得意
- 理解力が高い
- プレゼンテーション能力が高い
- 情報収集が得意
- 行動が早い
- 問題解決ができる
では、これらを踏まえたうえでどうすれば良い人材を見分けることができるのかというところですが、具体的には「筆記試験」、「プレゼンテーション試験」、「採用面接」で確認を行ってください。
まず筆記試験を行えば、数字やデータを扱う能力や最低限の思考能力を測ることができます。
そして次に、1つのテーマを与えて1週間ほど時間を与えたうえで、資料作成とプレゼンテーションをさせてみてください。
テーマについては、「〇〇という商品を女性に認知してもらうにはどうすれば良いですか?」といったように、自社製品の課題解決を行うようなものが良いです。
プレゼンテーションを行うためには、
- 与えられたテーマを理解する能力
- 適切な答えを導きだすための論理的思考力とアイディアを出す能力
- 資料作成に必要な情報を収集する能力
- 相手に情報を伝えるためのプレゼンテーション能力
などが必要になります。
つまりプレゼンテーションのクオリティを確認すれば、目の前の人間にマーケターとしての素質があるかどうか、確認することができるということですね。
あとは採用面接で、行動が早い傾向にある人物なのか、今まで問題に対してどう取り組んできたのか、ということを確認すれば、目の前の人間を測ることができます。
もしマーケターを雇いたい場合は、「筆記試験」、「プレゼンテーション試験」、「採用面接」の3つを行えば、判断がしやすくなるはずですよ。
【一覧】マーケティングの種類
マーケティングと一口で言っても、実は色々と種類があります。
そこで今回は、マーケティングの種類について、一覧表としてまとめました。
マーケティングの種類についてたくさん知っておくと、企画立案をするさいに多くのアイディアを生み出すことができます。
ぜひ社長であるあなたも、「こんなマーケティング手法があるんだ」といったていどには、マーケティングの種類を知っておいてください。
コンテンツマーケティング | コンテンツマーケティングは、読者にとって価値のある情報を発信し、見込み客の獲得、育成を行い、商品の購入に至ってもらうというマーケティング手法です。
※参考記事 |
Webマーケティング | Webマーケティングは、その名のとおりWeb上で行うマーケティングのことです。
Web戦略で重要となるのはどういったコンテンツを発信するのかという部分であるため、本質的にはコンテンツマーケティングであるとも言えます。
※参考記事 |
ソーシャルメディアマーケティング | ソーシャルメディアへの投稿を通じ、自社のファンを作るためのマーケティング手法です。
売上を直接狙うのではなく、見込み客の見込み客を作ることに適しています。
※参考記事 |
インフルエンサーマーケティング | インフルエンサーという、すでに強い影響力を持っている人とタッグを組むマーケティング手法です。
すでに認知度の高い人と組んで行いますので、結果が出るのが早いという特徴があります。 |
口コミマーケティング | 口コミマーケティングは、自社や商品に対する肯定的な口コミを集めるマーケティング手法です。
※参考記事 |
バズマーケティング | バズマーケティングは、口コミマーケティングの一種です。
自社や商品に関するポジティブな口コミを急激に加速させ、認知度を一気に上げます。 |
O2Oマーケティング | O2Oマーケティングは、オンライン(ネット)上でお店の存在を知ってもらい、実店舗に訪れてもらうという手法です。
※参考記事 |
ペルソナマーケティング | ペルソナマーケティングとは、架空の顧客(ペルソナ)を作り上げ、その顧客に対して商品開発やメッセージ作成を行う手法です。
ペルソナを詳細に作れば作るほど、ここで立てた仮説の信ぴょう性が増します。
※参考記事 |
動画マーケティング | 動画マーケティングは、動画を使って自社や商品の認知度を上げる手法です。
大きな資金や凝った動画がなくても、アイディアや戦略次第で大きな成果をあげることができます。 動画という特性上、YouTubeやインスタグラムを使ったソーシャルメディアマーケティングとはとくに相性が良いです。
※参考記事 |
【まとめ】社長ならマーケティングは常に学び続けるべき
今回は、社長や個人事業主向けに、マーケティングの仕事内容についてお話をしてきました。
結論として言えることは、経営者ならマーケティングの仕事内容については一通り理解しておくべきということです。
マーケティングという仕事は、ビジネスをするうえでの要です。
仮にマーケティングを行える人がいなくなってしまえば、会社は機能しなくなってしまいます。
だからこそ最低限のことは、あなただけでも回せるようにしておくべきなのです。
また、マーケティングの仕事を理解しておけば、社長みずからが経営の問題点を改善することもできます。
現に弊社クライアントである加藤さんは、みずから経営の改善に乗り出した結果、平均単価2倍、利益3倍、成約率も1.5倍という大きな成果をげることに成功しました。
マーケティングはビジネスの要であり、学んで損のあるスキルではありません。
だからこそ社長や個人事業主は、常にマーケティングについて学び続けておくべきです。
少なくとも最低限、自分の力でビジネスを回せるくらいには、マーケティングという仕事について理解しておきましょう。