粗利について改めて考えると社長は儲かる、という話

アバター画像 北岡 秀紀

粗利ってめちゃくちゃ大切。
言葉としては知っているけれど意識していないドンブリな社長、結構多いです。

粗利とは、売上から売上原価を引いたもの。
売上原価とは商品の製造、サービスの提供に直接的に必要な金額のことです。

ざっくり言うと売値から仕入れ値を引いた金額と理解すればいいでしょう。

損益計算書(P/L)でいうと…売上総利益というところです。
社長同士の会話だと「粗利」と言う方が通りがいいです。

なぜ粗利は最も重要な利益なのか?

営業利益、経常利益、税引き前当期利益、純利益…数ある利益の中で、粗利は最も重要です。
実際、コンサルティングの現場で、損益計算書をチェックする際、一番はじめにみるのが粗利です。

その理由は2つ。
理由1 粗利が現金を残す源泉だから
理由2 粗利で会社の競争力がわかるから

理由1 粗利が現金を残す源泉だから

ビジネスにおける社長にとっての最大の関心ごとは、手元にいくらのお金が残るかでしょう。
上記のPLでいえば、当期利益(純利益)とあなたの役員報酬がそれにあたります。

これらは、広告費、家賃、水道光熱費、接待交際費、会議費、スタッフの人件費…全ての経費(販売費及び一般管理費)を全て引いて後に出てくるものです。
役員報酬は経費に含まれますが、経費が足りなければ役員報酬から出すのというのが中小企業の実態ですから。

つまり、粗利が少なければ経費を支払う余力は小さいわけで、当然、あなたの手元に残るお金も減ります。

粗利を大きくすることこそが、あなたの手元にお金を残す最も重要ポイントだと言えます。

理由2 粗利で会社の競争力がわかるから

粗利を同業他社と比較することで、あなたの会社の競争力がわかります。
例えば、A社は50,000円で仕入れているものを100,000円で売っています。
B社も50,000円で仕入れているものを130,000円で売っている。

同じような商品を売っているのに、一方は50,000円の粗利。もう一方の粗利は80,000円。
B社の方がお客さんからより高く払っていいと思われているということですから、付加価値が高い、競争力がある、と判断ができるわけです。

また、粗利が過去と比較して減っているときというのは、値引きによって売値が減った、来客数が減っている…など、ビジネスが低迷しているときです。

つまり、粗利を追うことで、あなたのビジネスの競争力が数字でわかるということです。

粗利を増やす方法は2つしかない

では、粗利を増やすにはどうすればいいのでしょうか?
2つの方法しかありません。

方法1 数を売る

粗利10万円の商品を10個売れば100万円。
これを15個にすれば150万円。
粗利は1.5倍になります。

簡単な理屈です。

でも、問題がひとつ。
こんな風に粗利が1.5倍になっても、納品やアフターフォローの数も1.5倍になります。
そのために人を雇ったりしたら、人件費が出て思ったよりお金が残らないということが起こります。

実際、あなたの会社の売上が今の半分だったときのことを思い出してください。
粗利は増えているかもしれませんが、純利益、役員報酬は2倍になっていないですよね?

売上が増えれば、直接的、間接的にたくさんのお金も出ていくことを忘れてしまいがちです。

方法2 粗利率をあげる

もうひとつ。商品・サービスひとつあたりの粗利をあげます。
そうすれば今までと同じ数を売っても、より多くの利益が残ることになります。

小さな会社の場合、最低でも粗利を7割以上にする。(よほど粗利額が大きな不動産などは除く)
そうでなければ、売上がアップしたとき、スタッフや広告費に再投資する余裕はありません。

そのためにはまず仕入れ金額を下げて売上原価を下げます。
大量仕入れ、先払いを材料に交渉するのが一番オーソドックスなやり方です。

粗利をあげるには最後は値上げしかない

しかし、それには限界があります。
仕入れ先にも原価はあるわけで、それを下回る金額で売ってもらうことはできないわけですから。
限界があります。

だから、粗利率をあげるために小さな会社の社長がやるべきことは価格をアップすることです。

同じ個数売れれば粗利「額」は増えることになります。
しかも、同じ個数の販売ですから手間もほぼ変わりませんし、スタッフも増やす必要はありませんから、手元に残るお金が増えるというわけです。

値上げするのは、難しいと感じるかもしれません。。。
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(「値上げを実現するための3つの方法」も参考になるはず)

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