今回の記事では、主に中小企業向けの販路拡大、開拓の戦略をお伝えしていきます。
ビジネスを始めたい、もしくは大きくしたいと考えたときに、「何を売るか」と同じくらい重要になってくるのが「どこに売るか」という要素です。
とくに小規模事業者である場合は大きなシェアを得ることが難しいので、いかに小さな販路を積み重ねていくかが重要になってきます。
とても良い物やサービスを売っているのに、販路を獲得できずに消えてしまう会社も多いです。
そこで今回は、販路拡大、販路開拓に使える戦略を20個紹介していきます。
販路拡大、開拓を考えるときに重要なのは、いかに自社に合った戦略を選べるかというところです。
戦略が20個もあれば1個くらいは自分の会社やビジネスに合った方法が見つかるはずなので、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
販路拡大のためにまずは商品や市場のリサーチから始める
販路拡大、販路開拓を始める前に、まずは自分の商品や市場のリサーチをする必要があります。
そうしなければ、自社に合った戦略を選ぶことができないからです。
そうなると、拡大しても意味のない販路を作ってしまい、結果、キャッシュが尽きて倒産してしまう危険性もあります。
いわゆる、「マーケティング」が必要だということですね。
弊社代表の北岡も別記事で、「社長は少なくともマーケティングだけは経験しておくべきだ」と語っています。
たとえば、急に経理や総務がいなくなったとしても大体の場合はなんとかなりますが、マーケティングが止まってしまえば会社がつぶれてしまうからです。
マーケティングは、それくらい重要だということですね。
(参考:「仕事を委任する」の間違い)
これから販路拡大、販路開拓の戦略をお伝えしていくわけですが、根本にあるのはこのマーケティングです。
自社の商品や市場を調査し、そのうえでどの販路拡大の戦略が適しているのかを考え、選び取ってください。
ちなみにマーケティングを行うなら、行動経済学を活かすのがおすすめです。
そのことについて詳しく書かれている記事がありますので、そちらの方も併せてチェックしてみてください。
⇒悪用厳禁!行動経済学をマーケティングに劇的に活かす21の方法
販路拡大、開拓に使える20の戦略
ここからは、販路拡大、販路開拓に使える戦略を20個紹介していきます。
- ネットショップへの出店
- 自社ECサイトの作成
- ブログ、メルマガによる情報発信
- SNSによる情報発信
- 動画共有サイトによる情報発信
- 口コミサイトによる情報発信
- 見込み客向けのセミナー開催
- 飛び込み営業
- テレアポ
- FAXDM
- 紹介報酬の導入
- ビジネスコミュニティへの参加
- フロントエンド商品の販売
- ダイレクトメール
- 過去の取引先へ挨拶の手紙を送る
- 海外企業とコンタクトをとる
- 業界誌への露出を増やす
- 展示会や見本市への出展
- 行政の支援サービスや補助金を利用する
- コンサルティングを受ける
この20個をすべてやるのではなく、あなたの会社に合ったものを選び取ることで、販路拡大、販路開拓を成功させることができます。
これからそれぞれの詳細を説明していきますので、あなたのビジネスで使えそうなものを探してみてください。
販路拡大の戦略1.
ネットショップへの出店
今の時代、販路を拡大しようとしたときに無視できないのが「ネットショップへの出店」です。
たとえば、Amazonや楽天といった大手ECモールへの出店ですね。
ちなみに、ネット上で物やサービスを売るためのサイトをECサイトといい、ECモールはその中でもたくさんの出品者を集め、出店してもらうサイトのことです。
ECモールを使えば実店舗なしでも日本全国へ商品を売り込むことができますので、店舗の家賃、光熱費、人件費などをかけずに幅広い販路を獲得することができます。
買う方からしてみても、スマホ1つあればすぐに商品を購入できるため、利用者はかなり多いです。
また有名なネットショップへの出店は、それだけで集客ができたり、ある程度の信頼を得ることも可能です。
それこそ個人ビジネスであるせどり(個人物販)が流行った背景には、なんの信頼も資金もない個人がAmazonで大量の商品を売ることができたから、という大きな要因があります。
このように、簡単に全国向けの販路を獲得できるのがネットショップ出店のメリットなのです。
とくに日本のシェアを獲得している大手ECモールは3つあります。
- 楽天市場
- Amazon
- Yahoo!ショッピング
中でもAmazonと楽天市場は、「普段使っているECサイトは何ですか?(複数回答可)」というアンケートで70%以上の人が「普段から使っている」と答えているほどです。
市場規模としては間違いなく日本最大級であるため、販路拡大について考えるなら無視をしてはいけない存在の1つだと言えます。
販路拡大の戦略2.
自社ECサイトの作成
Amazonや楽天といった大手ECモールに出店するのではなく、自社でECサイトを作ってしまうというのも販路拡大に使える手段の1つです。
自社でECサイトを作ってしまえば、出店手数料や販売手数料を引かれることがなくなりますし、規制されることなく自由に商品を売りに出すことができます。
とはいえ、自社でECサイトを作るためには費用がかかりますし、大手ECモールのような強力な集客力は基本的にありません。
そのため、ライバルが多い商品を取り扱っている場合は、自社でECサイトを作ってもあまり良い結果を得られないでしょう。
逆に、独自性が強かったり、コアなファンが多い分野だと、自社のECサイトで売上が伸びる可能性があります。
たとえば、あなたのサイトでしか買えない商品ならばライバルは存在しないため、大手ECモールの出品者に顧客シェアを持っていかれることはないはずです。
もしくはコアなファンが多い商品なら、大手ECモールのように簡素な商品説明がされているサイトより、専門的でより詳しい商品説明がされているサイトの商品が好まれやすい傾向にあります。
自社の商品がどのようなものなのかを分析して、大手ECモールにネットショップを出店する方が良いのか、自社でECサイトを作って商品を売る方が良いのか、判断してください。
販路拡大の戦略3.
ブログ、メルマガによる情報発信
ブログやメルマガで商品との関連性が高い情報配信を行い、濃い見込み客を集めてから売り込みをかけるという方法もあります。
いわゆるアフィリエイターたちは、この方法を使っている人が多いです。
見込み客が知りたいであろう情報を発信して集客を行い、そこに向けて売り込みをかけます。
そうすることで、高い集客力と成約率を得ることができるのです。
もしくは、見込み客を一旦メルマガに誘導し、メルマガ内で教育をしてから売り込みをかけるという手法もあります。
「プロダクトローンチ」と呼ばれる手法で、いきなり商品を売り込むのではなく、「どうしてこの商品を買った方が良いのか」、「この商品を買わないとどうなるのか」といった教育を行ってから売り込みをかけることで、より成約率を高めることができるのです。
ただもちろん、これらを行うためには、アクセスの集まるブログを作ったりメルマガを作ったりと、それなりの準備が必要になります。
とくにブログにアクセスを集めるためには、それなりの時間やお金が必要となりますし、競合が多い分野だとかなり難しいです。
※よく勘違いしている社長がいるのですが、ホームページは、作れば勝手に売上があがるといったものではありません。
そのためブログやメルマガを使った情報発信は、薄利多売系のビジネスではなく、ニッチな分野で客単価が大きい商品を扱うビジネスにより向いています。
販路拡大の戦略4.
SNSによる情報発信
販路拡大の方法として、SNSへの情報発信も無視できない方法の1つです。
とくに最近の若者は、GoogleやYahoo!といった検索エンジンではなく、FacebookやTwitterといったSNSで欲しい情報を検索している傾向にあります。
そのため、まずはSNSの方に情報発信を行い、そこから自社のブログやメルマガに誘導するという手法がとても効果的です。
もちろん、SNS上に直接商品の広告を出すこともできます。
情報の発信先として押さえておきたいのは、以下のSNSです。
- Facebook(フェイスブック) ⇒ 20代以上の利用者が多め
- Twitter(ツイッター) ⇒ 10代、20代、30代の利用者が多め
- Instagram(インスタグラム) ⇒ 10代、20代の利用者が多め
- LINE(ライン) ⇒ 年代を問わず幅広く利用されている
見てのとおり、LINEを除くSNS利用者の多くは30代までの若年層です。
そのため、とくに若者向けの商品を取り扱っているなら、広告費を出してでもSNSを利用する価値があります。
販路拡大の戦略5.
動画共有サイトによる情報発信
動画共有サイト、とくにYouTubeで情報発信を行うといった販路拡大方法も効果的です。
YouTubeで集客を行う方法としては、大きく分けて3パターンがあります。
- 自社で動画を作成する
- YouTubeで広告を出稿する
- ユーチューバーに依頼して紹介してもらう
このうち、1番と2番の方法は、自社で動画を作成する必要があります。
とくに1番は、何本も動画を上げないとなかなか再生数は伸びてきません。
(ほかの媒体からリンクで人を集めることが前提なら話は別ですが)
ちなみにビジネスでYouTubeを使うさいのコツについては別記事でまとめられていますので、そちらの方を参考にしてみてください。
一方、3番の方法は、動画を作らずとも集客を行うことができます。
昨今はユーチューバーの影響力の高さが注目を集めており、いわゆる「企業案件」と呼ばれるものも増えてきました。
紹介料はユーチューバーによってピンキリですが、おおよそ登録者数×1.5円くらいが相場であると言われています。
YouTubeは世界で2番目に使われている検索エンジンである言われており、国内の月間利用者数は6000万人以上です。
ネット利用者の8割がYouTubeを視聴しているというデータもあり、幅広い年代に愛されています。
そのため、非常に大きな販路となる可能性がありますので、販路拡大の手段としては一考するべき媒体です。
販路拡大の戦略6.
口コミサイトによる情報発信
口コミサイトを有効活用することも、販路拡大の手段としては効果的です。
人の購買意欲は、口コミにかなり左右されます。
それは、人が社会的証明に流されやすい心理を持っているからです。
簡単に言えば、多くの人が良いと言っているものは、たとえ自分にとって良いものでなかったとしても、「それは良いものなのだ」と錯覚してしまうんですね。
だからこそ口コミはとても大きな力を持っていますし、人は口コミを求めます。
あなたも食事をするさいにぐるなびや食べログで飲食店を探し、口コミ評価の高いお店を選んだことが1度くらいはあるのではないでしょうか?
- ぐるなび
- 食べログ
- ホットペッパー
- 価格.com
- エキテン
- EPRK
これらの大手口コミサイトで良い口コミを集めることができれば、集客力が上がり、販路を拡大することができます。
口コミサイトによっては、直接販路となることも多いですね。
自社のサービスと関連性の高い口コミサイトがあるなら、ぜひサイトへの掲載を検討してみてください。
ただ口コミには良いものもあれば悪いものもあります。
そのため、どうすれば良い口コミが集まるのか分からないという場合もあるのではないでしょうか。
その場合は、良い口コミを集める方法について別記事でまとめて紹介していますので、そちらの方を参考にしてみてください。
⇒【口コミの集め方10選】利益になる収集法、会社を潰す収集法
販路拡大の戦略7.
見込み客向けのセミナー開催
高額な商品を売っている場合、見込み客向けに安価なセミナーを開催すれば、新たな販路を開拓することができます。
あなたのビジネスに関連するセミナーを開催した場合、そのセミナーに来てくれた人は、あなたの商品に興味を持ってくれる可能性が高いです。
そのうえ、セミナー中にあなたの商品の魅力を伝えたり、商品の必要性に関して教育を行ったりすることもできますので、多少高額な商品であったとしても成約率は高まります。
ただ、そもそもセミナーに人を呼ぶにはどうすれば良いのか、というところで悩む場合もあるかと思います。
その場合は、別記事にてセミナーの集客方法を紹介していますの、併せてそちらの方も確認しておいてください。
⇒【セミナーの集客方法16選】集客効果を上げる3つのコツも紹介!
販路拡大の戦略8.
飛び込み営業
「前時代的である」、「手間がかかる」、「精神的にやりたくない」といった理由でやっていない企業が多いのですが、場合によっては飛び込み営業も販路拡大のためには効果的です。
中には「相手の顔が見えないと信用できない」という人もいますので、そういう人にはとくに飛び込み営業が刺さります。
たとえば年配の社長が多い業界だと、その傾向が強いですね。
また、飛び込み営業は営業スキルに大きく左右される手法です。
そのため、もしあなたか、もしくは部下がとても高い営業スキルを持っているのなら、その営業力を活かすためにも試してみる価値はあります。
もしかすると、「飛び込み営業を今どきやっても効果がない」と思っているかもしれませんが、そもそも人を雇って大々的に飛び込み営業をやるわけでなければ、コストはほとんどかかりません。
そのため、試しに数件だけ、飛び込み営業をやってみるというのも1つの手です。
それで反応が良いようなら、新しい販路を獲得することができます。
販路拡大の戦略9.
テレアポ
ネットの普及によって古いイメージのあるテレアポですが、場合によってはネットでの集客よりも効果的な可能性もあります。
とくに町の小さな工場のようなネットとの親和性が低い顧客を相手にしている場合、下手にメールを送ったりWeb広告を出稿したりするよりも効果的な可能性が高いです。
こちらも飛び込み営業同様、試しに数件電話してみるだけなら大したコストもかかりません。
もし自分の顧客があまりネットに詳しくなさそうなら、テレアポが案外大きな販路になることもあります。
販路拡大の戦略10.
FAXDM
昔ながらの方法ですが、FAXで直接見込み客にダイレクトメールを送ることも販路拡大に役立ちます。
とくに最近の若い社長はネットやメールにばかり目が向いてしまいがちですが、対企業(B to B)の場合はまだまだFAXDMも現役です。
基本的にFAXを送るだけなので、FAXDM代行を使ってもそこまでコストがかからないといったメリットもあります。
ただし、すぐに高い効果を得たいのなら、送るダイレクトメールの製作についてはきちんとお金をかけてセールスコピーのプロに製作してもらうことをおすすめします。
なぜなら、コピーの質によって反応率が数倍単位で変わってしまうからです。
とはいえ、FAXDMの良いところはコストがかからない点なので、今後のためにも1度自社で広告を製作してみるのも良いかもしれません。
効果性の高いFAXDMの作り方については、別記事で説明しています。
そちらの方を参考にしてみてください。
販路拡大の戦略11.
紹介報酬の導入
紹介報酬を導入すれば、お客さんが新たなお客さんを連れてきてくれる、という販路を作ることができます。
「1人紹介してくれれば割引券を贈呈」とか、「1人紹介ごとにキャッシュバック」といった形ですね。
もしくは、アフィリエイトへの広告出稿なんかも紹介報酬に当たります。
ビジネスによっては、大々的に広告を打つよりも紹介報酬を導入した方が効果性が高い場合もあります。
自分のビジネスや顧客を分析し、紹介報酬で結果が出そうなら、そちらの方に予算を使ってみるのも良いでしょう。
販路拡大の戦略12.
ビジネスコミュニティへの参加
ビジネスコミュニティへ参加することで販路を拡大することもできます。
色々な企業と繋がる機会にもなりますので、思いもよらないところから仕事に繋がることもあります。
とくに世界的に大規模で有名なのがBNIです。
BNIは正確にはビジネスリファーラル組織で、コミュニティ内での紹介をメインの活動としています。
そのため、全員が自分のための営業をしてくれて、自分もほかの人のための営業するといった関係を築くことができるのです。
そうなれば、今までは断っていた仕事でも「〇〇さんに紹介すればいいかな」といった感じで話を進めることができますし、ほかのメンバーもそのような形で自分に顧客を紹介してくれます。
(参考:BNI公式ホームページ)
このようにビジネスコミュニティに参加すれば、横の繋がりから販路を開拓することができるのです。
販路拡大の戦略13.
フロントエンド商品の販売
今売っている商品とは違う販路で売れる安いフロントエンド商品を作り、そこから既存商品に繋げる仕組みを作れば、結果として既存商品の販路を広げることができます。
フロントエンド商品は、自社にとってはじめてのお客さんに買ってもらう商品のことです。
いわゆる集客商品と呼ばれるもので、「購入のハードルを下げる」、「自社の良さを分かってもらう」という効果があります。
この辺りは、「フロントエンド商品とは」の方でも説明していますので、併せて確認しておいてください。
フロントエンド商品に多くの顧客を集めることができれば、結果、バックエンド商品、つまり既存の商品を多く売り上げることができます。
そのため、フロントエンド商品を作る場合は、そちらで利益を上げる必要はありません。
フロントエンド商品はあくまでも集客商品であると割り切って、プラスマイナスゼロになるまで広告を回し、集客を行いましょう。
その辺りの話については、別記事で弊社代表の北岡が説明をしておりますので、参考にしてみてください。
⇒集客するためのフロントエンド商品で90%の人が犯す間違いとは
販路拡大の戦略14.
ダイレクトメール
ダイレクトメールを送るのも、新しい販路になり得ます。
FAXDMに比べるとコストがかかってしまいますが、工夫次第ではその分読んでもらえる可能性が上がります。
ダイレクトメールの内容が重要なのはもちろんですが、実は封筒もかなり重要です。
そもそも読んでもらえなければどれだけ良い広告を書いても意味がありません。
そのため、できるだけ社長の手に渡りやすい形式で郵送することが重要になります。
- 封筒を一目見ただけで中身を読むメリットが分かるデザインにする
- 公的文書のようにきっちりとした形式で郵送する
- あえて手書きで住所を書く
- 繰り返しダイレクトメールを送る
など、ダイレクトメールの開封率を上げるテクニックは色々とあります。
送り先に合った方法を使い、まずは手紙を読んでもらえるようにしましょう。
販路拡大の戦略15.
過去の取引先へ挨拶の手紙を送る
歴史がある会社の場合、過去の取引先に年賀状や暑中見舞いを送ることで、自社のことを思い出してもらい、仕事に繋がることがあります。
とくに企業向け(B to B)で仕事をしている場合、このひと手間が案外ばかになりません。
もしあなたが、誰かから社長の座を継いでいるという場合には、ぜひ1度昔の顧客リストを引っ張り出してきて、挨拶の手紙を送ってみてください。
「先代にはお世話になった」という理由で、割の良い仕事を回してもらえるかもしれませんし、高額商品を買ってくれるかもしれません。
販路拡大の戦略16.
海外企業とコンタクトをとる
海外企業とコネクションを作っておくと、国内とは違った販路を獲得できる可能性が高まります。
日本ではレッドオーシャンな市場でも、海外に目を向ければその限りでないからです。
また、日本では当たり前でビジネスになりにくいようなことでも、別の国では大きなビジネスチャンスとなることも多々あります。
そして海外企業の知り合いを作っておくと、日本人とは違った視点で自社の商品を見てもらうことができるのです。
そのため、海外企業とコンタクトをとって仲良くしておくと、WIN-WINの良きビジネスパートナーとなれる可能性があります。
もし海外企業の経営者と知り合う機会があれば、積極的に関係を作っておきましょう。
もしくは、海外企業とのコネクションがなかったとしても、海外市場については常に目を光らせておいてください。
そうすれば、販路拡大のチャンスが見つかるはずです。
販路拡大の戦略17.
業界誌、専門誌への露出を増やす
業界誌、専門誌へ記事や広告を載せるのも販路拡大には効果的です。
業界誌、専門誌への露出はそれだけで信頼性を高める要因になりますし、読者も濃い見込み客となります。
そのため、専門性の高い分野でビジネスをしているなら検討すべき方法です。
ただしその分、雑誌掲載のためのコストは高めです。
また、読者もコア層になりますので、コストの割に情報が届く先は少人数となります。
そのため、多くのお客さんを集めたい場合は、販路としてはあまり向きません。
逆に少人数のコア層をターゲットにしている場合は、業界誌、専門誌への露出は販路拡大の方法として効果的です。
販路拡大の戦略18.
展示会や見本市への出展
業界誌、専門誌への露出と同じで、展示会や見本市へ出展することで新しい販路を開拓できる場合もあります。
とくに展示会や見本市の場合、基本的に見に来てくれる人はかなり濃い見込み客です。
そのため、あなたの商品が注目を集めることができれば、それだけ商品を買ってもらえたり、新しい販路を獲得できたりする期待も高まります。
ただし、コスト面のデメリットは大きいです。
お金もかかりますし、準備に時間もかかりますので、小規模ビジネスにはあまり向きません。
とはいえ興味を持ってくれた人と直接顔を合わせてアピールできる貴重な場所なので、費用対効果を考えて問題ないようなら試してみる価値はあります。
販路拡大の戦略19.
行政の支援サービスや補助金を利用する
行政で中小企業向けに販路開拓の支援サービスを行っていますので、販路拡大に悩んだら、そちらに相談してみるのもおすすめです。
たとえば東京都産業労働局では、国内、海外での販路開拓相談、展示会出展費用の助成金、などを行っています。
(参考:東京都産業労働局)
また、東京都でなくても、地方の商工会などで支援サービスを行っている場合もあります。
基本的に無料で相談することができますので、自社がある地方でも支援サービスがあるようなら、積極的に利用してみると良いでしょう。
販路拡大の戦略20.
コンサルティングを受ける
販路拡大に本気で悩んだら、経営コンサルを受けるという選択肢もありです。
ここまでお伝えしてきたとおり、販路拡大、販路開拓の方法はたくさんあります。
しかし本当に重要なのは、この中から何が自社に合っているのか選び取ることです。
そして、これが難しい部分でもあります。
そのためどうしても販路拡大に悩んだら、経営コンサルに相談するのも1つの手です。
そうすることで、あなたの会社に合った戦略を選び取ることができます。
さらに経営コンサルなら、販路を拡大させた先の戦略まで相談することもできますし、そもそも本当に販路拡大が必要なのかどうかも診断してもらえます。
そのため、どうしても経営に行き詰まっているのなら、思い切ってプロのコンサルタントに頼ってみましょう。
販路拡大のコツは集客と販売を分けて考えること
販路拡大をするコツは、集客と販売を分けて考えることです。
というのも、集客段階から利益を上げようとして、結果販路を縮小させてしまっている社長が実は多いのです。
たとえば、いきなり高額商品を売り込もうとすると、おのずとターゲットは限られてきますし、いきなり売り込みをかければ、それだけ人が離れてしまうことにもなります。
しかし、先にフロントエンド商品を作って見込み客を集めることを考えれば、集客の幅は広がるはずです。
さらに最初から利益を追わなければ見込み客もしっかりと定着してくれますので、結果として販路は拡大されるわけですね。
このように、集客によって見込み客を集めることと販売によって利益を上げることを分けて考えれば、販路の幅は広がります。
販路拡大の良い方法がどうしても思いつかないという場合は、1度集客と販売を分けて考えてみてください。
販路を拡大させずとも利益が上がる事例もある
ここまで販路拡大の戦略をお伝えしてきましたが、会社によっては、必ずしも販路を拡大することが正解であるとは限りません。
そもそも販路拡大の目的が利益の向上であるという会社は多いはずです。
そして販路拡大は、あくまでもその手段の1つに過ぎません。
現在オクゴエ! では、販路を拡大させずに利益を何倍にも上げた事例を動画で紹介しています。
彼らが行ったのは、販路拡大により売上アップではなく、単価アップによる利益の向上です。
紹介している事例の中には、単価を20倍にまでアップさせたものもあります。
もしかするとこの話を聞いてあなたは、「そんなこと普通はできない」と思われたかもしれません。
しかし事例動画を視聴していただければ分かるはずですが、「あること」を行えば、顧客からの抵抗なしに価格を大幅に上げることは可能なのです。
さらに、販路を拡大するとその分商品やサービスを提供するための資金的、時間的コストが高まってしまいますが、価格アップならば、コストは変わらずに利益率が向上します。
そのため、販路拡大よりもまず価格アップを考えるべきという会社も多いのです。
【まとめ】販路拡大、開拓は明確な目的を持って行うこと
今回は、販路拡大、販路開拓の戦略をお伝えしてきました。
販路を拡大しようとしたとき、考えるべきことが2つあります。
- 自社に合った販路拡大の戦略は何なのか
- 販路拡大が本当に必要なのか
まず重要なのは、販路拡大の戦略の中でもどれが自社に合っているのかという点です。
今回の記事では、販路拡大の戦略を20個紹介してきました。
しかし、何でもかんでも実践すれば良いというわけではありません。
しっかりと市場と自社サービスの調査や分析を行い、数ある戦略の中から効果的なものを選び取ることが重要なのです。
そしてもう1つ考えるべきなのが、そもそも販路拡大が本当に必要なのかどうかという点です。
販路拡大の目的が利益向上であるのなら、販路拡大はかならずしも必要ではありません。
なぜなら、販路を広げずとも利益を上げることは可能だからです。
販路を拡大するということは、それだけコストや手間も増えるということになります。
そして中小企業の場合、そのコストに耐え切れず倒産してしまう場合も少なくはないのです。
販路拡大は、あくまでも利益を上げるための手段の1つです。
とくに小規模なビジネスをしている場合は、かならずしも販路を拡大させることが正解ではありません。
そのことを理解したうえで、自社にとってもっとも良い選択を考えてみてください。