今でも使えるAIDMAモデルとは?正しい使い方と成功事例を解説

鷲津晴人
今でも使えるAIDMAモデルとは

今回は消費者行動の基本モデルであるAIDMA(アイドマ)モデルについてお話ししていきます。

 

AIDMAモデルは、「AIDMAの法則」「AIDMA理論」とも呼ばれる、消費者が購入を決定するさいに辿るプロセスを表すフレームワークのことです。

インターネットが普及する前である1920年代に提唱されたもので、主にリアル媒体での消費者行動を表しています。

つまり、実店舗などで使える機会の多いフレームワークであるというわけですね。

 

インターネットが普及しきった近年、AIDMAモデルはもう古いという考え方があります。

インターネットが普及した時代に適応したAISAS(アイサス)モデルや、ソーシャルメディア上での消費者行動を表したSIPS(シップス)モデルなどの登場により、AIDMAモデルはもう使えないと考えている人が多いのです。

 

※AISASモデル、SIPSモデルについては関連記事も併せてご確認ください。

⇒実務に活かせるAISASモデルの活用方法とは?成功事例も紹介!

⇒SIPSモデルを解説!ソーシャルメディアマーケティングにおける4つの消費者行動とは?

 

しかし実際は、AIDMAモデルがもう使えない、なんてことはありません。

確かにAIDMAモデルは古い消費者行動モデルですが、現代でもビジネスモデルによっては、まだまだAIDMAモデルの方が当てはまるという場合も存在しているのです。

 

そこで今回は、今でも使えるAIDMAモデルについて詳しくまとめていきます。

 

  • AIDMAモデルの意味
  • AIDMAモデルの活かし方
  • AIDMAモデルの成功事例

 

これらについて説明していきますので、ぜひ参考にしてください。

 

 

マーケティングにおけるAIDMA(アイドマ)モデルとは?

マーケティングにおけるAIDMAモデル

 

冒頭でも説明したとおり、AIDMAモデルは、インターネットが普及する前である1920年代に提唱された消費者行動のフレームワークです。

消費者が購入するまでの行動を、以下のように5つに区分しています。

 

  1. Attention(認知)
  2. Interest(興味)
  3. Desire(購買欲求)
  4. Memory(記憶)
  5. Action(購買行動)

 

これらの頭文字を取って、AIDMA(アイドマ)と呼ばれているわけですね。

 

リアル媒体の場合、消費者の行動は、基本的にこのAIDMAモデルの順番で行われます。

つまり、AIDMAの1つ1つに対して効果的な施策を行うことができれば、高確率で消費者を購入まで導くことができるということです。

 

それでは5つの行動パターンについて、1つずつ詳細を説明していきましょう。

 

 

Attention(認知)

AIDMAの中でも最初にあたる「Attention(認知)」は、消費者があなたの商品の存在に気付くことを表しています。

どんな商品であれ、顧客が商品を買ってくれる前には、まずその商品の存在を知るというプロセスがあるはずなのです。

 

これを私たち販売者側の視点で考えると、まずは商品を知ってもらわなければ話にならない、ということになります。

つまり、どのように商品の存在を知ってもらうか、という施策を最初に行う必要があるというわけですね。

 

商品を認知してもらう方法にも、色々な種類があります。

 

  • チラシを配る
  • 大きな看板を立てる
  • 口コミを利用する
  • テレビCMを利用する
  • 専門誌に広告を出す
  • 無料セミナーを開く
  • 業界のイベントに参加する

 

例を挙げた以外にも認知させる方法は色々とありますが、重要なのは何を行えばターゲットとしているユーザーに情報を届けることができるのか、というところです。

ここで的確な施策を行うことができれば、消費者行動における最初の関門を突破したと考えて良いでしょう。

 

 

Interest(興味)

Interest(興味)」は、どのようにして商品に興味を持ってもらうか、ということを表しています。

たとえば、

 

  • どうすれば配ったチラシをしっかり読んでくれるのか
  • どうすれば看板に興味を持ってもらえるのか
  • どうすれば無料セミナーに来てもらえるのか
  • どうすれば口コミをチェックしてもらえるのか

 

といったことですね。

 

商品について認知してもらったあとは、いかにして興味関心を抱かせるかが重要である、というのがAIDMAモデルの考え方です。

実際に取れる施策としては、

 

  • ユーザーの目を惹くキャッチコピーを使う
  • 看板やチラシのデザインをついつい目を向けてしまうようなものにする
  • 無料でセミナーを開いたり、無料で何かがもらえるキャンペーンを行ったりする

 

このようなものがあります。

 

 

Desire(購買欲求)

Desire(購買欲求)」は、ユーザーが「この商品が欲しい」という欲求を抱いてくれる段階です。

 

ただ商品にもよりますが、基本的に多くのユーザーはこの段階ではまだ購入に至ってはくれません。

考えてみてほしいのですが、何かを買うさいは常に衝動買いだ、という人は少数派ですよね?

欲しいと思ったあと、本当に購入すべきか考えてから行動する人が大多数だと思います。

そのためDesire(購買欲求)の段階は、「すぐに買わせる」という段階ではなく、「欲しいという気持ちの種を蒔く」ようなイメージを持っておいてください。

 

ユーザーに購買欲求を持たせるために重要なのは、ターゲットの欲求を理解し、そこを刺激することです。

ターゲットとしているユーザーが何を求め、何に悩んでいるのかを明確にし、それを解決できるというアピールを行います。

そうすれば、ターゲティングやユーザーの欲求を間違えていない限り、ユーザーに欲しいと思ってもらえるはずです。

 

 

Memory(記憶)

Memory(記憶)」は、ユーザーが欲しいという欲求を持った状態の先のことです。

 

たとえば、欲しいと思い色々調べるユーザーもいれば、一時期は欲しいと思ったけれどそれを忘れてしまうユーザーもいます。

欲しいという欲求を忘れず、そのまま購入に至ってくれるユーザーばかりならいいのですが、人間の感情は時間とともに薄れるものなので、実際はなかなかそうもいかないのです。

 

そこで、Memory(記憶)の段階でするべきことはリマインドです。

要は、ユーザーに欲しいという欲求を思い出させる、ということですね。

たとえば、チラシを配った1週間後に同じ商品のチラシを再配布したり、1度店舗に足を運んでくれたお客さんにリマインドの電話をかけてみたり、といった施策ができます。

 

ユーザーによっては、リマインドで商品のことを思い出し、そこから欲しいという気持ちが再燃して、購入に至ってくれるという場合もあります。

機会損失をしないように、リマインドができる状況ならきちんと行っておきましょう。

 

 

Action(購買行動)

Action(購買行動)」はその名のとおり、ユーザーが購入に至ってくれる段階を指します。

 

ここで重要なのは、いかに購入に対する障害を取り除き、ユーザーの背中を押せるか、ということです。

たとえば、ターゲットとしているユーザーが買いやすい販売方法はどういったものかを考えたり、ユーザーが購入するさいに不安を抱くことは何かを考えたりします。

要は、ユーザーが買いやすい状況を作り、買わない理由を取り除くというわけですね。

 

リアル媒体でのビジネスの場合、具体例としては、

 

  • 店員が親切である
  • 店構えがきれい
  • 店員のレスポンスが早い
  • 在庫があってすぐに買える
  • 商品に保証が付いている

 

などがあると、ユーザーの購買行動を後押しできるはずです。

 

 

AIDMAモデルとAISASモデルの比較

消費者行動モデルの話をするさいに、よく比較されるのが「AIDMA」と「AISAS」の違いです。

そこでここからは、この2つの違いについて詳しく説明していきます。

 

冒頭でもお話したとおり、AIDMAは、インターネットが普及していない1920年代にアメリカで提唱された消費者行動です。

それに対しAISASは、インターネットが普及した時代の消費者行動として、AIDMAを基に生まれました。

つまりAISASは、時代とともにAIDMAから進化したものなのです。

 

AIDMAとAISASの違いをわかりやすく表にまとめると、以下のようになります。

 

Attention(認知) Attention(認知)
Interest(興味) Interest(興味)
Desire(欲求) Search(検索)
……興味を持ったものをネット上で調べる段階
Memory(記憶) Action(購買)
……実際に購買行動に移る段階
Action(行動) Share(情報共有)
……購買したものをSNSなどで共有する段階

 

この表でもっとも大きく違うのは、AISASの方は購買のあとに情報共有という段階があるという点です。

インターネットの普及により、ユーザーは商品の情報をシェアしやすくなりました。

そのため、シェアしてもらえるところまで計算に入れてビジネスを組み立てていく必要がある、というのがAISASの考え方です。

それこそSNSなどで多くのユーザーがシェアしてくれれば、売上にも大きな影響が出ます。

こういった視点は、インターネットが普及した今だからこそのものだと言えるでしょう。

 

ちなみに、AISASモデルについては詳しく解説した記事がありますので、そちらの方も併せて確認してみてください。

⇒実務に活かせるAISASモデルの活用方法とは?成功事例も紹介!

 

 

AIDMAモデルを自社のビジネスで活用する方法

AIDMAモデルを活用する方法

 

AIDMAモデルは、あまりインターネットが絡んでこないビジネスでは、まだまだ活用することができるフレームワークです。

そこでここからは、実際にビジネスで活用する方法について説明をしていきます。

 

AIDMAモデルに限らず、消費者行動モデルを活用しようとするさいにもっとも重要なのはターゲティングです。

ターゲットを明確にし、またそのターゲットの分析をしっかりと行うことで、AIDMAモデルの各段階における具体的な行動が見えてきます。

 

たとえばAttention(認知)の場合、個人向けの商品であるなら、チラシのポスティングなどが効果的です。

一方企業向けの商品を扱っている場合、ポスティングでは読んでもらえない可能性の方が高くなってしまうため、郵送かFAXでダイレクトメールを送る方が効果が高いと言えます。

 

このように、どのようなターゲットに向けて商品を販売しているのかによって、各段階で選ぶべき行動は変わってきます。

そのため、まずはターゲティングをしっかりと行ったうえで、下記の表を参考にし、取るべき施策を考えてみてください。

※ちなみにターゲティングについては別記事でまとめていますので、そちらの方も参考にしてみてください。

⇒ターゲティングの見直しで利益が3倍になった成功事例!正しいターゲティング戦略の方法とは?

 

Attention(認知)
  • チラシを配る
  • ダイレクトメールを送る
  • 看板を設置する
  • テレビCMを流す
  • テレアポを行う
  • 飛び込み営業をかける
  • イベントや大手モールなどでブースを設置する
Interest(興味)
  • 目を惹くキャッチコピーを採用する
  • 看板やチラシのデザインを工夫する
  • 無料プレゼントを行うキャンペーンを開催する
  • 無料セミナーを開催する
Desire(欲求)
  • ターゲットとするユーザーの欲求や悩みを明確にする
  • ユーザーに刺さるメリットを説明する
  • イベントなどでブースを設置し、商品のプレゼンをする
  • 試供品やトライアル版を渡す
  • 他社とのスペック比較をアピールする
Memory(記憶)
  • 手紙や電話でのリマインドを行う
  • ユーザーが存在を忘れないように認知の施策を増やす
Action(行動)
  • ユーザーが購入しやすい環境を整える
  • 店員の教育を徹底する
  • 店内をきれいに保つ
  • 保証を付ける
  • 限定性をアピールする(期間限定の値下げなど)

 

この表内から自社のビジネスに向いているであろう施策を選び、試してみてください。

 

 

AIDMAモデルの成功事例

AIDMAモデルの成功事例

 

ここからは、AIDMAモデルの成功事例として、資生堂TUBAKIの事例を紹介していきます。

 

資生堂のTUBAKIは、女性用のシャンプーやヘアーコンディショナーの名称です。

TUBAKIをAIDMAモデルで分析すると、以下のような形で上手くいっているのが分かります。

 

 

〇Attention(認知)

TUBAKIが認知度を上げるために利用したのはテレビCMです。

当時、誰もが知っている女優や歌手を起用したCMは、多くの人にTUBAKIの存在を認知させることに成功しました。

 

〇Interest(興味)

莫大な資金をかけ、有名な女優を多く採用したテレビCMは、認知度を上げるだけでなく、ユーザーの興味付けにも大いに役立ちました。

とくにターゲットとなる女性は、共感やイメージを大切にする傾向が強いです。

そのため、「多くの女優が使っているおしゃれなヘアケア用品」というポジショニングをして、ユーザーに強い関心を持たせた、というわけですね。

 

〇Desire(購買欲求)

TUBAKIは、試供品を配るという方法でユーザーの購買欲求を刺激しました。

実際に使ってみることで良さを知ってもらい、「今度買ってみようかな」と思わせることに成功したのです。

 

〇Memory(記憶)

TUBAKIは、テレビCMを大量に流し、また、店舗にも商品を大量出荷しています。

そのため、テレビでも店頭でも、常にリマインドができる状況が整っていました。

このリマインド方法は、資金力のある大手ならではの方法であると言えますね。

 

〇Action(購買行動)

TUBAKIはどこの店頭でも大体並んでいるため、思い立ったそのときに買える環境が整っていました。

そもそも使いきりの日用品ということで、購買に関するハードルはもともと低かったと言えます。

 

 

以上が、資生堂のTUBAKIをAIDMAに当てはめて分析した結果です。

とくにターゲットに合わせた興味付けの方法は非常に上手いので、ぜひ参考にしてみてください。

 

 

【まとめ】AIDMAモデルは消費者行動の基本

今回は消費者行動のフレームワーク、AIDMAモデルについてお話をしてきました。

AIDMAモデルは、インターネットが普及していなかった時代に生まれた消費者行動モデルです。

とはいえビジネスモデルによっては、今でも十分に使うことができます。

 

AIDMAモデルにおいて、もっとも重要なのは、消費者行動を理解したうえで、先回りし、施策を行うことです。

消費者がどのような行動を取るのか知っておけば、そこに焦点を当てて対策することができるということですね。

 

また、AIDMAモデルを上手く使えば、商品価格のアップにも繋げることができます。

基本的に価格は、顧客が感じた価値によって決定されるものです。

そのため、消費者行動に合わせて対策をし、顧客にしっかりと商品の価値をアピールすることができれば、その分、商品の価格を上げることができます。

AIDMAモデルの各段階は、購入に至るまでのプロセスであるとともに、顧客に商品の価値をアピールする大きなチャンスであるとも言えるわけですね。

 

現在オクゴエ! では、実際に商品の価格アップを行い、業績を好転させた3つの事例を紹介しています。

こちらを確認していただければ、ビジネスにおいて商品価格がいかに重要なのかを理解していただけるはずです。

それこそ、価格を上げただけで利益が何倍にも伸びた、なんてことも普通に起こり得ます。

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インターネットが普及した現代において、AIDMAモデルは確かにやや古いモデルです。

しかし、ほかの消費者モデルの基本形でもありますので、ビジネスモデルによってはまだまだ使える場面もあります。

もしほかの消費者行動モデルを使ってもピンと来ないなら、試しにAIDMAモデルに当てはめて消費者行動を分析してみてください。

思いもよらぬ発見があるかもしれませんよ。

 

 

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