ターゲティングとは、どのお客さんとつき合うか?を決める絞り込みのことで、その重要性はマーケティングを少しでも勉強したことがあれば一度は聞いた事があるでしょう。
しかし、これほど当たり前のように言われている概念にも関わらず、多くの会社で実践されていません。
せっかくターゲティングをして、付き合うお客さんを決めたとしてもいざ実行しようとなると腰が引けてしまいます。
広告などのマーケティングメッセージを作るとき、商品を作るとき、「より多くの人にひっかかるように・・・」と考えた事が一度や二度はあるでしょう。
理由はシンプルで、
お客さんを絞り込む → お客さんの母数が減る → 売上が下がる
という思考パターンに陥ってしまっているのです。
しかし、多くの場合、お客さんの母数が減るというのは幻想に過ぎません。
なぜなら、今までのターゲティングできていなかったメッセージの場合よりも、ターゲティングをしたメッセージの方が成約率がグンと跳ね上がるからです。
あるウェブ制作業の実例をあげましょう。
当初、ターゲティングしていない時のウェブサイトの資料請求の割合が、1500アクセスに1件程度でした。
しかし、「●●業界に特化したウェブ制作業」という形でターゲティングした瞬間、300アクセスに1件の資料請求になりました。
つまり資料請求の確率が5倍も増えたということです。
しかも、資料請求後の受注率は、ターゲティングしていない時の1.5倍でした。
業界に特化した制作業者は少なく、資料請求してくる=真剣度が高いお客だけを引きつけるようになったのです。
ライバルも少なく、値段は通常の制作業者の倍近く取っていたにも関わらずです。
この理由はシンプルです。
世の中にはセールスメッセージがあふれています。
しかし、それを全部見る訳にはいきませんから、無意識でセールスメッセージを排除します。
例えば、自宅からオフィスに行くまでにどれくらいのセールスメッセージを見たでしょうか?そこにはどんなことが書いていましたか?
覚えていないはずです。
ですから、「ダイエットしたい人へ」みたいにターゲットを広く取ってしまうと、無意識で無視されてしまうのです。
しかし、「腹筋しているのに、お腹の肉が取れないと悩んでいる人へ」にすると、少なくともこの悩みを持っている人にとっては強いメッセージなっているのがわかりますね。
要するに「私のためのメッセージ」と思ってもらうことがポイント。
そして、そう思ってもらうためには、ターゲティングして、お客さんを絞り込む以外ないのです。
高級嗜好のお客さんと安さを求めるお客さん両方に受けるメッセージなんて作れませんよね?
確かにターゲティングすれば対象となるお客さんは減ります。
しかし、どうやったって全てのお客さんを取り込むことはできません。
ですから、ターゲティングでお客さんを絞り込み、「私のためのメッセージ」と思ってもらい成約率が上げるのです。
その結果、より少ない労力で客数も増やすことになる、というわけです。