ソーシャルレンディングで資金を借りたい経営者必見!やり方とリスクを解説!

鷲津晴人
ソーシャルレンディングのやり方とリスク

今回は新しい融資の受け方として注目を集めている「ソーシャルレンディング」について説明をしていきます。

 

ソーシャルレンディングとは、お金を借りたい企業(借り手)と資金を運用したい個人投資家(貸し手)をマッチングするサービスです。

ソーシャルレンディングはクラウドファンディングの一種で、融資型(貸付型)のクラウドファンディングとも呼ばれています。

ちなみにクラウドファンディングについての詳しい説明は別記事で行っているので、ぜひそちらの記事も参考にしてみてください。

⇒クラウドファンディングの仕組みやサイト比較!成功例から見る秘訣とは?

 

資金調達について悩む中小企業や個人事業主は多くいます。

とくに、前例のない新しいビジネスを始めようとしている場合やベンチャー企業を経営している場合については、普通の融資を受けにくく、どうしても必要経費が集められない、ということもあるでしょう。

資金さえ集まればこのビジネスは絶対に成功するのに!」、と歯がゆい思いをした経営者も多いはずです。

 

そんなときに使えるのがソーシャルレンディングです。

ソーシャルレンディングを使えば、用意するのは無理だと思っていた必要経費を集められる可能性があります。

 

とはいえ、まだまだポピュラーな資金調達法ではないため「ソーシャルレンディングを使っての資金調達にリスクはないのか?」と疑問に思う社長も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、ソーシャルレンディングについて、

 

  • ソーシャルレンディングの実態や仕組み
  • ソーシャルレンディングで借入をする手順
  • 定番のソーシャルレンディング事業者

 

といった部分を、わかりやすく説明をしていきます。

新しい資金調達の方法を知り、ビジネスの幅を広げるための選択肢を広げてください。

 

 

ソーシャルレンディングでの資金調達の実態とは?

ソーシャルレンディングの実態

 

ここからはまず、ソーシャルレンディングで行う資金調達について、

 

  • メリットやデメリット
  • 融資を受けやすい事業
  • 個人事業主でも融資を受けられるのか?

 

といったところを説明していきます。

ソーシャルレンディングを使う資金調達の実態がどういうものなのか、ここで理解していってください。

 

 

ソーシャルレンディングによる資金調達のメリット

ソーシャルレンディングで行う資金調達には、以下のようなメリットがあります。

 

  • 小回りの利く資金調達ができる
  • 柔軟な審査を受けることができる
  • 比較的早い資金調達ができる

 

まずメリットとして挙げられるのが、小回りが利くということです。

ソーシャルレンディングでは、比較的少ない金額で、数か月程度の期間という小規模な融資を受けることができます。

そのため、必要最小限の短期間だけ借りたり、早期償還をしたりすることで、利息を減らすことも可能なのです。

 

またソーシャルレンディングには、柔軟な審査を受けることができるというメリットもあります。

ソーシャルレンディングがほかの融資と大きく違うところは、審査を行うさいに何を基準とするかです。

ほかの融資の場合、基準にするのは融資する企業になります。

しかしソーシャルレンディングでは、企業より融資が必要なプロジェクトを基準として考える色合いが強いのです。

そのため、あまり実績のない企業であっても、プロジェクトとプレゼンテーションが優れていれば、大きな融資を受けられる可能性があります。

 

そしてもう1つのメリットが、融資を受けるまでの早さです。

ソーシャルレンディングは銀行に比べ、審査の結果が早いという特徴があります。

そのため、スピードが勝負になるビジネスチャンスに、より対応しやすいと言えるわけですね。

 

以上の3つが、ソーシャルレンディングのメリットです。

企業やプロジェクトによっては、これらのメリットが非常に魅力的に見えることもあるのでないでしょうか。

 

 

ソーシャルレンディングによる資金調達のリスク(デメリット)

ソーシャルレンディングには、ここまで説明したとおりさまざまなメリットもありますが、当然、デメリットも存在しています。

それが、金利の高さです。

 

基本、銀行から融資を受ける場合、金利は1%~3%ていどに収まります。

ところが、ソーシャルレンディングで融資を受けようとすると、金利が10%を超えることも少なくありません。

さらに運用手数料もかかってきますので、結果的に返さなければいけない額が非常に大きくなってしまう傾向にあるのです。

この金利の高さが、ソーシャルレンディングにおける最大のリスクとなっているわけですね。

 

ただ、優良な不動産担保があるなど、条件によっては比較的低い金利で借りられる場合もあります。

そのため、とりあえず試しで1度問い合わせをしてみるのも良いでしょう。

 

ただそうは言っても、ほとんどの場合、金利は銀行での融資に比べてかなり高くなってしまうのが現実です。

そのため、ソーシャルレンディングでの資金調達に手を出す場合は、計画している事業が本当に勝算の高いビジネスなのかをしっかりと見極めてください。

返済が滞れば当然担保を差し押さえられることになりますので、無理な資金調達は控えるようにしましょう。

 

このように、ソーシャルレンディングでの資金調達は非常にリスクが高いという側面も持っています。

そういう意味でいうとソーシャルレンディングは、あまり軽率に使わない方が良いとも言えるわけですね。

 

また、ソーシャルレンディングに手を出す前に、1つ確認しておいてほしいことがあります。

それが、現存するビジネスで提供している商品やサービスの販売価格です。

 

実は日本の中小企業の中には、商品価格を下げすぎてしまっている会社が多く存在しています。

そして、それが原因十分なで利益を確保できていない会社が非常に多いのです。

だからこそ、リスクの高い資金調達に手を出す前に、既存のビジネスの利益率に問題がないかどうか、きっちり確認しておいてください。

そうすることで、新しく行うビジネスでは価格設定に失敗しにくくなり、しっかりと利益を取れるようにるはずです。

また、場合によっては商品価格を上げることで、金利の高いソーシャルレンディングからお金を借りなくてよくなる可能性もあります。

 

ソーシャルレンディングをおすすめできる事業とは?

ソーシャルレンディングでは、融資を受けるさいに有利な事業とそうでない事業があります。

中でもとくに融資を受けやすいのは、「不動産事業」です。

不動産事業の場合、運営会社からしてみれば不動産売却によって回収のめどが立てやすく、信頼性を高く評価してもらえるという特徴があります。

さらに不動産事業はお金を貸す側である個人投資家たちからも人気が高く、結果、融資を受けやすくなるわけですね。

 

そのため、基本的にソーシャルレンディングに1番向いているのは不動産事業であると言われています。

先に説明したとおり融資を受けやすいからということもありますが、それだけではなく、融資を受けるまでが早いというメリットも、早急に資金調達をしなくてはいけない不動産事業では非常に重宝されるのです。

 

もしあなたの事業が不動産に関わるものなら、ソーシャルレンディングでは比較的有利に立ち回れるでしょう。

 

 

ソーシャルレンディングは個人事業主でも借り入れができるのか?

ソーシャルレンディングの融資は、個人でも借りられる場合があります。

実際に個人事業主の方が融資を受けた例も存在していますし、そもそもアメリカでは、ソーシャルレンディングは個人向けの融資という立ち位置にもなっているほどです。

 

ただそうは言っても日本の場合、やはり法人に比べて個人がかなり不利になってしまうのは間違いありません。

個人で融資を受けるのは、それなりに難しいことだと思っておいた方が良いでしょう。

 

とはいえ、絶対に不可能というわけでもありませんので、資金調達の1つの手段として考えておくのはありです。

 

 

ソーシャルレンディングの仕組み

ソーシャルレンディングの仕組み

 

ここからは、ソーシャルレンディングがどのような仕組みで回っているのかについて説明をしていきます。

「資金調達がしたい企業」と「資金を運用したい個人投資家」をどうやって結び付け、どう運営しているのか、というところですね。

 

まず、ソーシャルレンディングサービスを運営している会社は、すべて金融商品取引業者として登録されています。

なぜかというと、不特定多数からお金を集めるという行為が詐欺に繋がりやすいため、法律上、金融商品取引業者として監督官庁のモニタリングを受ける必要があるためです。

 

そしてもう1つ、ソーシャルレンディングサービスを運営している会社は、貸金業法の登録もしておかなければいけません。

こちらはお金を貸し出すためのもので、法律上、貸金業法の登録をしていない業者は融資をすることができないのです。

 

このことから、「お金を集める」、「お金を貸し出す」という行為は、すべてソーシャルレンディングの運営会社が行っているということが言えます。

つまり、私たち融資を受ける側は、直接的に個人投資家から融資を受けているわけではなく、あくまでもソーシャルレンディングの運営会社から融資を受けているというわけですね。

そのため個人投資家たちは、厳密に言うと私たちの会社に投資をしているのではなく、ソーシャルレンディング運営会社の資産運用に対して投資をしていることになります。

ちなみにこのとき、個人投資家とソーシャルレンディング運営会社の間には、「匿名組合契約」というものが結ばれていますので、知っておいてください。

匿名組合(とくめいくみあい; 独 stille Gesellschaft; 仏 société en participation)とは、当事者の一方(匿名組合員)が相手方(営業者)の営業のために出資をなし、その営業より生じる利益の分配を受けることを約束する契約形態をいう。つまり、営業者が匿名組合員から集めた財産を運用して利益をあげ、これを分配するのが匿名組合契約である。

(引用:wikipedia)

 

そして実はこの匿名組合契約によって、個人投資家がソーシャルレンディングサービスに投資をするときには、企業名が非公開になっています。

だからこそお金が集まるか否かは、企業名ではなく、事業内容が重要になってくるというわけですね。

 

また、もう1つ気になるのが、ソーシャルレンディングで融資を受けた場合の税金処理です。

ソーシャルレンディングで融資を受けた場合、借入金の会計処理となるため、基本的に税金は発生しません。

ただし、集めた資金を運用したことによって生まれた利益は課税対象となります。

 

また、ソーシャルレンディングで融資を受けた分の返済については、経費にすることはできません。

融資を受けたときに税金を支払っていないため、当然と言えば当然ですね。

ただし、利息分に関してのみ、経費として計上することができます。

 

以上がソーシャルレンディングの仕組みです。

理解しておくと、より効果的に資金調達を行えるようになります。

 

 

ソーシャルレンディングで借入をする手順

ソーシャルレンディングで借入をする手順

 

ソーシャルレンディングで実際に融資を受けるためには、以下のような手順が必要になります。

 

  1. ソーシャルレンディング運営会社に連絡を取り、説明を受ける
  2. 業計画書、決算書、そのた必要書類の用意をし、融資申し込みを行う
  3. ソーシャルレンディング運営会社の審査結果を待つ
  4. 審査に通ったら、担当者と金額、金利、期間などの打ち合わせを行う
  5. ソーシャルレンディング運営会社より融資認可が下りたら、サイトに融資募集が掲載される
  6. 投資金が集まったら、融資が実行される

 

ソーシャルレンディングの運営会社や各種条件によって細部は異なりますが、大まかな流れは以上のような形です。

 

ここで1つ重要なのが、ソーシャルレンディング運営会社に相談したさいに付く担当者です。

初めてソーシャルレンディングで融資を受ける場合、どうしても知識が足りないため、申し込みのやり方や書類の作成方法など、担当者を頼ることになります。

そのため、担当者の対応が悪かったり知識が足りていなかったりすると、成功できるものも成功できなくなってしまうのです。

ソーシャルレンディングを利用するさいは、担当者の質に注目するようにしましょう。

 

 

定番のソーシャルレンディング事業者

定番のソーシャルレンディング事業者

 

ソーシャルレンディングで融資を受けるさいに、安心して使うことのできる定番サービスは以下のとおりです。

 

  • SBIソーシャルレンディング
  • クラウドバンク
  • maneo(マネオ)

 

それでは、1つずつ詳細を説明していきます。

自社のプロジェクトに合っているサービスがないか、確認してみてください。

 

 

定番のソーシャルレンディング事業者1.
SBIソーシャルレンディング

SBIソーシャルレンディング

(画像引用:SBIソーシャルレンディング)

 

「SBIソーシャルレンディング」は、日本の金融業界で有名なSBIグループの100%子会社にあたるソーシャルレンディング事業者です。

そのため、非常に信頼性の高いサービスであると言えます。

また、SBIグループが築き上げた長年の実績も厚く、多くの投資家たちが安心して投資をできるところも、資金調達成功に向けてポジティブな要素です。

審査を通すことさえできれば、比較的融資を受けやすいクラウドファンディングサイトであると言えるでしょう。

⇒SBIソーシャルレンディング公式ホームページ

 

 

定番のソーシャルレンディング事業者2.
クラウドバンク

クラウドバンク

(画像引用:クラウドバンク公式ホームページ)

 

クラウドバンクは、日本クラウド証券が運営する業界大手のソーシャルレンディング事業者です。

個人事業主でも融資の申し込みができ、多様なファンドを取り扱っているため、比較的自由度の高いソーシャルレンディングサービスであると言えます。

また、この記事を書いている2019年5月時点で500億円以上の累計応募金額を誇っており、「証券会社が取り扱う融資型クラウドファンディングシェアNo.1」を謳っています。

そのため、個人投資家の数もかなり多いです。

それだけ融資も受けやすいということになりますので、ソーシャルレンディングでの資金調達を考えているなら、選択肢の1つに入れておくと良いでしょう。

⇒クラウドバンク公式ホームページ

 

 

定番のソーシャルレンディング事業者3.
maneo(マネオ)

マネオ

(画像引用:maneo公式ホームページ)

 

maneoは、三井住友銀行のベンチャーキャピタルからも出資を受けている、業界最大手クラスのソーシャルレンディング事業者です。

この記事を書いている2019年5月時点で、成立ローン金額は1619億5029万円、登録ユーザー数は86576人と、ソーシャルレンディング業界全体を見ても相当数を誇ります。

10年以上の運営歴という確かな実績で、安心して使えるサービスです。

⇒maneo公式ホームページ

 

 

【まとめ】ソーシャルレンディングでの資金調達はリスクが大きい

今回は、ソーシャルレンディングを使った資金調達の方法をお伝えしてきました。

ソーシャルレンディングは、その柔軟性と融資を受けるまでの早さが注目されている資金調達法だということでしたね。

 

しかし一方で、ソーシャルレンディングには金利が高いという大きなデメリットもあります。

返済が滞ってしまった場合、担保に入れていた不動産などを差し押さえられてしまうこともあるため、リスクが非常に大きいのです。

そのため、ソーシャルレンディングを利用する場合は、しっかりと見極め、勝算が高いと判断した事業で手を出すようにしてください。

使い方を間違えさえしなければ、ソーシャルレンディングはあなたのビジネスを成功させる大きな助けになるでしょう。

 

ただし、ソーシャルレンディングに手を出す前に、1つ確認しておいてほしいことがあります。

それが、現存するビジネスで提供している商品やサービスの販売価格です。

 

なぜかというと、日本の中小企業には、しっかりと利益を取り切れていない会社が非常に多く存在しているからです。

無理な価格競争に乗ってしまい、商品価格を下げすぎた結果、自分たちの給料さえまかなえないほど低い利益率になってしまっているところも少なくありません。

そんな状態で金利の高いソーシャルレンディングに手を出してしまえば、新しいビジネスでも安売りをしてしまい、結果、返済が滞り、ビジネスが回らなくなってしまうかもしれないのです。

基本的には、ソーシャルレンディングでの融資は金利が高いため、使わなくて済むなら使わない方が得策です。

しかし、資金不足によって大きなビジネスチャンスを逃してしまうのは避けたいところですよね。

だからこそビジネスの勝算とソーシャルレンディングの使いどころについてはしっかりと見極め、ソーシャルレンディングを効果的に利用するようにしましょう。

 

 

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