今回は、「口コミの効果」について、心理学的根拠や論文、統計データを元に科学的に検証していきます。
- 口コミって本当に売上アップの効果があるの?
- 口コミ集めに手間やお金、時間をかけるだけのリターンはあるの?
- 集めても効果がなかったら嫌だな……
口コミが売上アップに絶大な効果があると聞いたことはあっても、疑いの心がある経営者はたくさんいます。
近年ではネットを使った無料の集客方法がたくさんありますから、効果のあるかわからない口コミ集めに労力を使いたくないと思ってはいませんか?
しかし、あなたのビジネスを「長く」「安定的に」「低コスト」で利益を確保したいと思うなら、口コミを集めた方がいいです。
というのも、口コミは「無料の自動集客装置」となり得るからです。
口コミ効果だけでビジネスが回るようになれば、広告に使っているお金や手間は大幅に軽減できます。
口コミの効果については、心理学や統計データでも証明されている「事実」なので、口コミを使ったマーケティングを取り入れれば、業績アップは間違いありません。
この記事では口コミの具体的な集め方まで解説しているので、必ずチェックしておいてください。
口コミ効果には心理学的な根拠が!論文や統計データでも証明済み!
口コミの効果については、以下3つの観点から科学的に証明されています。↓
- 心理学
- 論文
- 統計データ
これらを確認すれば、今まで曖昧だった口コミ効果について、はっきり理解することができます。
口コミ効果の根拠1.【心理学】人はなぜ口コミに惹かれるのか?
口コミの効果を証明する根拠の1つ目は「心理学」です。
人間は、嫌でも口コミに惹かれてしまう心理を持っています。
その代表となるのが以下の3つの心理です。↓
ウィンザー効果 | 当事者からの情報より、第三者からの情報の方が信頼性・信憑性が増すという心理。
ラーメン屋の店長に「うちのラーメンうまいよ!」と言われるより、「あのラーメン屋うまいらしいよ」という噂を聞いた方が信頼できるのはこの心理が働いているから。 |
バンドワゴン効果 (社会的証明) |
バンドワゴン効果とは、多数がある選択肢を選択している現象が、その選択肢を選択する者を更に増大させる効果。
簡単に言うと「多くの人が支持しているなら間違いない」という心理が働くこと。食べログの評点などがいい例。 (参考:Wikipedia「バンドワゴン効果」) |
ハロー効果 | ハロー効果とは、社会心理学の用語で、ある対象を評価する時に、それが持つ顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる(認知バイアス)現象のこと。
つまり、「口コミが多い」という特徴に引きずられて、良いように評価してしまう心理のこと。 (参考:Wikipedia「ハロー効果」) |
上記の通り、ポイントとなるのは「第三者の評価」です。
「第三者の評価」が多ければ多いほど、人はその対象に信頼を寄せるようにできています。(ウィンザー、バンドワゴン)
そして、「口コミが多い」という特徴が引き立つこと(ハロー効果)で、仮にちょっとでも悪い特徴があったとしても、人はそれを歪めてまで良い評価をしてしまいます。
つまり、口コミの効果が大きいのは、人が絶対に避けられない「心理学」がダブルパンチで効いているからなのです。
口コミ効果の根拠2.【論文】多くの学者が口コミの力を証明!
口コミの効果を証明する根拠の2つ目は「論文」です。
「口コミは商売においてプラスの効果がある」ということを、多くの学者が論文で発表しています。↓
【飯島正樹教授(愛知学院大学・研究者・経営工学)】
本研究では、口コミが持つ品質情報をマーケティングの領域で、どう有効に生かすことができるかを研究した。顧客の満足度を品質価値という尺度で測定することにより、次の結論が得られた。(1)商品購入のためのメディアと商品群の関係を明らかにした。高額商品は親が、自己購入品は友人と雑誌が主要なメディアであることが判った。
引用元:「口コミの効果に関する研究」
【科学技術振興機構(JST)内の論文より】
分散分析の結果から、 口コミの種類によって賛成の度合いや正しさの評価が有意に異なることが示された。しかも、その値は口コミを信用していると仮定すると自然な解釈ができるものであった。(中略)また、分散分析において、回答者自身の行動傾向、すなわち、回答者自身がブランド A と B のどちらを選択するか、に関する情報を要因に含めているので、この結果は回答者自身の行動傾向とは無関係に読んだ口コミの違いによる差であると解釈できる。もし、回答者が口コミを信じていないのであれば、読んだ口コミの違いによってこれらに差がでるとは考えられない。(中略)回答者は口コミを 暗黙的に信じて回答しているのである。
【濱岡豊教授(慶應義塾大学商学部)】
クチコミ・プロモーションでは平均9.0名にクチコミし、そのうち3名が購入する。クチコミが消費者の意思決定に強い影響を与える理由の一つは、企業によってコントロールされていないため、情報の信頼性が高いことにある。企業の依頼によってクチコミしていることがわかれば、その影響は低下すると考えられる。
引用元「クチコミ・プロモーション効果の規定要因」
上記のように、研究者による様々な実験やアンケート調査により、「口コミ」によって人々の消費行動は促進されることが確認されています。
また、濱岡教授の論文では、「第三者の評価だからこそ情報の信憑性が上がる」ことが確認されており、ウィンザー効果がしっかり働いていることも証明されています。
このように、口コミがあなたのビジネスの売上に大きく影響することは、多くの研究者により明らかにされているのです。
口コミ効果の根拠3.【統計データ】数値で表される口コミの威力
口コミの効果を証明する根拠の3つ目は「統計データ」です。
「口コミが売上にどのくらい影響するのか?」については、以下のような実験やアンケート結果によって「数値」で明らかになっています。↓
口コミやレビューのサービス事例としてインターネットショッピングサイトを対象とし、買い物をする際にレビューをどの程度参考にするのかを尋ねた(図表1-4-2-14)。どの年代でも「かなり参考にする」、「まあ参考にする」を合わせると6割強となり、過半数がレビューをある程度参考にしていることがわかる。
(引用元:総務省「第1部 特集 IoT・ビッグデータ・AI~ネットワークとデータが創造する新たな価値~」)
「クチコミ情報が実際に商品購入にどの程度影響を与えているのか」を調査したところ、商品やサービスを購入する際に「クチコミが気になる人」が全体の8割と大半を占める結果となりました。
また、「普段から商品やサービスの購入時にクチコミを参考にして購入を決める人」が全体の4割、「実際にこれまでクチコミを読んで購入を決めたりやめたりした経験がある人」が約7割と、クチコミ情報が商品やサービスの購入に大きな影響を及ぼしていることがわかりました。
(引用元:NTTコムオンライン・マーケティング・ソリューション株式会社「購買行動におけるクチコミの影響に関する調査」)
上記の通り、何かの商品を購入する時に「口コミ」を参考にする消費者は「60〜80%以上」にも及ぶと数字で証明されています。
つまり、逆に口コミがない商品やサービスは、多くの消費者にとって「購入対象」に入らない可能性が高いのです。
あなたの商品・サービスの口コミを集めることは。ビジネスを有利に進めるためには不可欠な活動だと言えるでしょう。
口コミ効果を狙ったマーケティングを取り入れるべきたった一つの理由
口コミ効果を狙ったマーケティング手法は、取り入れておいた方がいいです。
その一番の理由は、口コミは「無料の自動集客装置」になるからです。
口コミを一度発生させ、それを見てあなたの商品やサービスに魅力に感じてくれれば、新しい顧客になってくれます。
そして、その顧客がまた口コミをしてくれれば、また新しいお客さんを呼ぶことになります。
このように、「口コミが連鎖する仕組み」が出来上がれば、あなたは広告を出す費用も手間も時間もかけずに、新規顧客を獲得できるようになるのです。
逆に口コミがない会社は、お客さんを呼ぶために広告を打ち続けなければなりませんから、余計なお金が飛んでいきます。
それだけでなく、本来ならコア業務にかけるべき労力を広告にかけ続けることになるので、サービスの向上がおろそかになり、会社の業績アップにブレーキをかけることになります。
よって、口コミマーケティング(=サービスの口コミを「意図的」に広める)を行えば、低コストでお客さんを集められ、会社の売上・利益アップが期待できるということです。
口コミ効果をあなたのビジネスに取り入れる具体的な方法とは?
口コミ効果を狙ったマーケティングを取り入れる具体的な方法は、当たり前ですが「口コミを集める」ことです。
とにかく、正当な形で「最初の口コミ」を発生させることができれば、そこから「雪だるま式」に広がり、お客さんは増えていきます。
口コミを集める具体的な方法については、主に以下の7つが考えられます。↓
- お客さんに書いてもらう
- 過去のお客さんにメールで返信をもらう
- Google(グーグル)に書き込んでもらう
- 口コミサイトを活用する
- Facebook(フェイスブック)
- Twitter(ツイッター)
- 公式サイト
口コミを集める「本質」は「お客さんにとって価値のあるサービスを提供し続ける」ことですが、テクニックの面を言えば、上記の7つに集約されます。
それぞれの具体的な手順については「【口コミの集め方10選】利益になる収集法、会社を潰す収集法」で解説しているのでチェックしてみてください。
どの方法も難しくないので、できるところから取り組んでみてください。
口コミマーケティングで業績アップの効果があった2つの成功事例
口コミマーケティングを行なって、実際に効果があった以下2つの成功事例について紹介していきます。
- 食べログ
- とある美容院
どちらも実体験に基づくので、口コミの効果を知る上では信憑性がある情報です。
口コミマーケティングの成功事例1.食べログ
口コミマーケティングの成功事例に1つ目は「食べログ」です。
食べログは「口コミの効果」を知る上では一番わかりやすい事例です。
というのも、実際に食べログで高い評点を取っている飲食店ほど簡単にお客さんを集めているという実態があるからです。
友人と飲みにいく店や女性とデートでいく店などを決めようとネット検索すると、必ずと言っていいほど食べログのHPが出てきます。
ほとんどの人は食べログの情報を参考にすると思いますが、その時一番最初に見るのは「評点の高さ」ではありませんか?
評点がだいたい「3.5〜4以上」だと「まぁ失敗はしないだろう……」という認識がありますよね。
でも、いざ行ってみると「大したことない……」「むしろ普通以下だ……」という経験が少なからずあるのではないでしょうか?
このように、「評点が高い=口コミが良い」だけで、消費者は「盲目的」にサービスを利用してしまうのです。
サービスは普通でも集客には困らないお店がたくさんあるのは、食べログで「評点の高い口コミを集める」という戦略をうまく行なっているからです。
口コミマーケティングの成功事例2.とある美容院
口コミマーケティングの成功事例に2つ目は「とある美容院」です。
個人店なので、店名や場所は伏せますが、口コミだけで予約がなかなか取れないほどのお客さんを抱えている美容師がいます。
その方は、お金や労力をかけて広告を打ったり、サイトやブログで集客をしているわけではありません。(公式HPさえありません)
何をしているかというと「ただただ真摯にお客さんへ質の高いサービスを提供し続けているだけ」です。
その個人美容室は、他の大衆美容室との差別化として、「初めから終わりまで一人のお客さんに対応する(同時進行しない)」ことを徹底してきました。(参考記事:差別化戦略の成功例や活用法)
当然、普通の美容室で髪を整えるよりお客さんの満足度はとても高いです。
そのおかげで、お客さんから身内や友人、知人、仕事仲間を紹介してもらうことが増え、今では新規のお客さんを抱えられないほどになっています。
このケースは、口コミの効果を表す事例としては理想の姿です。
広告ツールを使わずとも、「お客さんに価値あるサービスを提供する」ことを続ければ、口コミで自然とお客さんが増えていくのです。
【まとめ】口コミ効果は「無料かつ自動的」に利益を上げる装置!
口コミ効果をうまくを取り入れれば、無料かつ自動的な集客が可能になり、ラクに売上・利益をアップさせることができます。
口コミは、嫌でも消費者を惹きつけてしまうからです。
口コミが人を惹きつけることは「心理学的」に証明されていますし、学者により論文や統計データでも実証されている事実です。
実際に、記事中で紹介した美容院は、広告を使わず口コミだけで抱えきれないお客さんを獲得することができています。
よって、口コミさえうまく発生させられれば「無料の自動集客装置」を得たようなもので、あなたのビジネスは安定的に繁栄していくでしょう。
では、具体的に口コミを発生させるにはどうすれば良いのか?
- お客さまに価値あるサービスを提供し続けること
- 正当な方法で口コミを集める
上記2つを行えば、「口コミが連鎖する仕組み」を作ることができます。
具体的な方法については記事中で解説しているので、再度確認してみてください。
とはいえ、実際にあなたのビジネスに落とし込むことを考えると、何から始めたら良いか迷いますよね。
今すぐに口コミを集めても良いですが、あなたの商品(サービス)が本当にお客さんにとってベストなものに出来上がっていなければ、うまく連鎖させることはできません。
着手する順序を間違えると、無駄な努力になるだけです。
もし、正しい手順で効率よく「口コミマーケティング」を取り入れたいと思うなら、弊社代表北岡のコンサルティングを検討してみてください。
北岡は今までに1000社以上の中小企業のコンサルをしており、成功率は「93.8%」を誇っています。
実際にコンサルを受けた企業の中には売上を「20倍」にした事例もあります。
その中の成功事例も踏まえて口コミマーケティングのアドバイスができるので、高い確率で実利につながりますし、何より結果が出るのは早いです。
それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。