レピュテーションリスクを回避する7つの方法!意味や事例、対応策を解説

鷲津晴人
レピュテーションリスクを回避する方法

今回はレピュテーションリスクを回避する方法について解説をしていきます。

レピュテーションリスクは簡単に言うと、会社の評判が悪くなってしまうリスクのことです。

バイトテロで炎上する企業を思い浮かべていただけるとわかりやすいのではないでしょうか。

 

会社の評判というのは、言い換えればお客さんや取引先からの信用や信頼です。

当然ビジネスは、信用、信頼がなければ成り立ちません。

だからこそ経営者は、自社のレピュテーションリスクについてしっかり考えなければいけないのです。

 

そこで今回はレピュテーションリスクについて、以下のような内容でお話ししていきます。

 

  • レピュテーションリスクの意味
  • レピュテーションリスクの事例と発生原因
  • レピュテーションリスクの回避方法

 

レピュテーションリスクは会社を経営するうえで忘れてはいけないものです。

ぜひこの機会にあなたの会社のリスクについても見直してみてください。

 

 

レピュテーションリスクの意味とは

冒頭でもお話ししたとおり、レピュテーションリスクとは企業の評価や評判が悪化してしまうリスクのことです。

レピュテーションが単体だと「評価、評判」という意味なので、そのリスクということで読んで字のごとくですね。

 

企業にとって、外部からの評価や評判というのは非常に重要なものです。

 

お客さんからの評判が悪くなれば商品が売れなくなりますし、金融機関からの評価が悪くなれば資金調達ができなくなってしまいます。

さらに、求人に関しても悪影響が出る可能性が高いです。

 

商品が売れず、資金調達もできなくなってしまえば、経営状況は当然悪化し倒産の可能性さえ見えてきます。

そう考えれば、レピュテーションリスクの重要性がわかっていただけるのではないでしょうか。

 

さらに昨今、実はレピュテーションリスクへの関心が今までよりも高まってきています。

なぜかというと、SNSの普及により良くも悪くも評判や評価の影響が出やすくなったうえに、悪評が広まるリスクも大きくなってしまったからです。

バイトがSNSで不適切な画像をアップロードする、いわゆるバイトテロなんかがまさにそうです。

もちろん画像をアップロードしたバイトは罪にとわれることになりますが、企業の評判、評価が悪化してしまうことも避けることはできません。

 

だからこそ企業経営には、レピュテーションリスクに対する適切な管理、対策が必要となります。

とりわけ経営者は、このレピュテーションリスクというものをしっかりと理解しておかなければいけないのです。

 

 

【種類別】レピュテーションリスクの事例と発生原因

レピュテーションリスクの発生原因には、大きく分けて3つの種類があります。

 

  1. 従業員の不祥事
  2. 会社の不正
  3. 風評被害

 

このようにレピュテーションリスクといっても、さまざまな要因で発生するわけですね。

それぞれのレピュテーションリスクについて、どのようなものなのか事例をまじえて解説していきます。

 

リスク

 

 

レピュテーションリスクの事例1.
従業員の不祥事

従業員の不祥事が原因となってレピュテーションリスクが発生する場合があります。

 

わかりやすい事例だと、ニュースで話題になっているバイトテロがありますね。

お客さんに提供する唐揚げを床に擦り付けてその動画をSNSに投稿したり、食器を洗う流し台で入浴している写真をSNSに投稿したりと、明らかに営業妨害ともとれる行為です。

当然、そのようなことがあったお店は、経営側に悪意がなかったとしても大きく評判を落とすことになってしまいます。

 

また、バイトテロ以外にも、社員や幹部の不適切な行為が発覚する場合もありますし、場合によっては社長であるあなたが無自覚に不適切な行為をしてしまって炎上するという可能性もあります。

日頃からモラルについて意識、教育をしっかり行うことが重要です。

 

 

レピュテーションリスクの事例2.
会社の不正

会社としての不正が発覚してしまい、信用、信頼を落としてしまうというケースも考えられます。

 

脱税が発覚したり、従業員に違法な働かせ方をしていることが発覚したり、ということですね。

たとえば、広告代理店の従業員が長時間残業の末に自殺に追い込まれてしまったり、大手ファーストフード店が名ばかり店長に長時間労働させて残業代を支払わなかったり、という事例があります。

これらの事例についてはメディアにも取り上げられ、企業の評判を大きく悪化させる結果となりました。

 

レピュテーションリスクのことがなくてもですが、常日頃から誠実な会社経営を心掛け、従業員の働き方についても経営者であるあなたが気に掛けるようにしましょう。

 

 

レピュテーションリスクの事例3.
風評被害

消費者のあいだで悪い口コミが広がってしまい、評判が悪くなってしまうというリスクもあります。

とくにネット社会となった昨今は、口コミをチェックしてお店を選ぶ人がかなり多いです。

そのため、大手口コミサイトで悪い口コミが大量に投稿されてしまったばっかりに客足が大幅に減ってしまったという飲食店は多くあります。

 

ただ、一部の悪意あるものを除けば、口コミ自体はお客さんが公平に判断した結果です。

そういう意味では商品やサービスの質を上げなければ、レピュテーションリスクに関係なく生き残ることは難しいでしょう。

 

問題なのは、根拠のない悪評が広がってしまった場合です。

こればかりはどれだけ商品やサービスの質を上げても防ぎきれない場合があります。

この記事を執筆している時期だと、新型コロナウイルスの感染者が出たという真実とは違う噂が広がってしまい、さらなる苦境に立たされた飲食店がありました。

もしくは、退職した元社員が会社の悪い口コミをSNSや口コミサイトに書き込んだことで求人に影響が出た、という事例もありますね。

 

こういった悪評から会社を守るためには、普段からクリーンな経営を心掛け、顧客満足度も意識しておく必要があります。

あとは退職した元社員やクレームを入れたお客さんが悪評をSNSなどに書き込まないように、横柄な態度や失礼な態度を極力とらないように意識しておきましょう。

 

 

レピュテーションリスクを回避する7つの対策方法

レピュテーションリスクを回避するためには、以下の7つの対策を行ってください。

 

  1. 従業員の教育を徹底する
  2. 労働環境を管理する
  3. 商品やサービスの質を上げる
  4. 余裕のある経営を行う
  5. 広報活動を強化する
  6. 企業、人物調査を行う
  7. ネット監視サービスを利用する

 

これらの対策を行えば、レピュテーションリスクを大幅に下げることができるはずです。

それでは1つずつ解説していきましょう。

 

リスクヘッジ

 

 

レピュテーションリスクの回避方法1.
従業員の教育を徹底する

レピュテーションリスクを回避するためには従業員への教育を徹底し、モラルやネットリテラシーを身に着けてもらう必要があります。

前述しましたが、不祥事を起こす従業員に必ずしも悪意があるというわけではありません。

意識や知識が低いばかりに、やってはいけないことを知らずにやってしまうという場合もあるのです。

 

最近だと、悪気なく問題がある写真をSNS上にアップしてしまい、不祥事が発覚するというケースをよく見かけます。

このようなことが起こるのは、従業員のモラルやネットリテラシーが不足しているからです。

 

だからこそ従業員をしっかりと教育することが、レピュテーションリスクの回避に繋がるということですね。

 

 

レピュテーションリスクの回避方法2.
労働環境を管理する

レピュテーションリスクを回避するためには、従業員の労働環境をしっかりと把握し、管理する必要があります。

労働環境の管理ができていないと、違法な長時間残業が発生してしまったり、従業員の集中力低下から事故が起こったりしてしまうからです。

 

さらにブラック企業となってしまい、従業員が会社を恨みながら辞めていくような状況を作り出してしまうと、そこでも大きなレピュテーションリスクが発生してしまいます。

辞めた従業員がネット上で悪い口コミを書き込んだり、会社の不正をリークしたり(もちろん不正はしないことが前提ですが)ということもあるのです。

 

従業員も感情を持った人間です。

だからこそ労働環境のマネジメントについてはしっかりと行っておきましょう。

 

 

レピュテーションリスクの回避方法3.
商品やサービスの質を上げる

レピュテーションリスクを回避するためには、商品やサービスの質を上げるということも重要です。

商品やサービスの質が悪いと、どうしても悪い口コミが増えてしまったり、クレームからのトラブルが増えてしまったりします。

そうなれば当然、レピュテーションリスクも大きくなってしまうわけですね。

 

中小企業の場合、商品の質を上げることはもちろん、接客の質を上げることも非常に重要となります。

商品や接客の質を上げることでお客さんにファンになってもらい、リピーターを獲得できるようになるからです。

 

事業が上手くいくかを左右する大きな要因の1つに、リピーターを獲得できるかどうかというものがあります。

リピーターが獲得できず、常に新規顧客を探すようなビジネスは効率があまりにも悪いからです。

レピュテーションリスクも間違いなく増大します。

逆に今まで以上のリピーターを獲得できるようになれば、業績はさらに伸びていくでしょう。

 

 

レピュテーションリスクの回避方法4.
余裕のある経営を行うこと

レピュテーションリスクを回避するためには、資金的、人材的に余裕のある経営を行うことが重要です。

余裕のない経営をしてしまうと、さまざまなところで問題が発生して、レピュテーションリスクを増大することになってしまいます。

 

たとえば無理な店舗拡大を繰り返し、深刻な人材不足に陥ったイタリアンの飲食店が経営破綻を起こしてしまったという事例があります。

人材不足から料理や接客の質を著しく落としてしまい、評判、評価が悪化したことで、好調だった経営状況から一気に経営破綻を起こしてしまったのです。

このように人材不足というのは、実は大きなリスクをはらんでいるということですね。

 

あと重要視しなければいけないのが資金的な余裕です。

資金的な余裕がないと、どうしても以下のようなリスクを抱えることになってしまいます。

 

  • 従業員に十分な報酬を支払えない
  • 新しい従業員を雇えず、既存の従業員の残業時間が伸びる
  • 資金繰りが厳しく、脱税になりかねない無理な節税に手を染めてしまう

 

そもそも人材不足の原因も、よっぽど無理な経営をしていなければ資金不足からきていることがほとんどです。

求人に関しては、「人手がいないのではなくて、その給料で働く人がいないだけだ」という言葉をよく耳にします。

実際そのとおりで、十分な待遇を用意できなければ、求職者がいようといまいと求人は上手くいかないのです。

そしてその結果、さまざまなレピュテーションリスクが発生してしまうことになります。

 

そこで、もしあなたの会社でも資金不足が問題となっているなら、商品やサービスの価格アップを試してみてください。

商品やサービスの価格を上げれば、今の労力のまま、利益のみを上げることができます。

そうなれば当然、資金的にも人材的にも余裕を生み出すことができるのです。

 

「価格アップ」というと、「そんなことをしたら客離れが起こってしまうのではないか」と考えてしまうかもしれませんが、やり方次第ではその限りではありません。

現に弊社のクライアントの中には、価格が20倍になった治療院や、価格を上げたにもかかわらずリピートだけでスケジュールが埋まってしまうコンサルタントもいるほどです。

価格を上げるということは、必ずしも客離れに繋がるわけではないということですね。

 

レピュテーションリスクの回避方法5.
広報活動を強化する

風評被害を避けるためには、広報活動を強化することも効果的です。

 

あまり情報を開示しない会社は、どうしても隠ぺい体質があるのではないかと疑われてしまいます。

さらに第三者によってネガティブな情報が発信されてしまったときにその情報しか公開されていなければ、消費者がそれを信じてしまい、一気に企業イメージがダウンしてしまう恐れがあるのです。

 

だからこそ広報活動に力を入れ、積極的な情報発信をすることで企業イメージを良くすることを考えなければいけません。

まだ自社のことを詳しく知らない見込み客が根拠もない悪評を信じてしまわないように、日ごろからできるだけポジティブな情報を発信していきましょう。

 

 

レピュテーションリスクの回避方法6.
企業、人物調査を行う

取引先の企業や自社の社員が怪しい動きをしているなら、企業、人物調査を探偵に依頼するという手段もあります。

ただ、探偵を使うという行為は金銭的コストもかかるほか、それ自体が会社の評判を悪くするレピュテーションリスクに繋がってしまう可能性も高いです。

取引先や社員からしてみれば、探偵を使われるなんて心外であり、恐怖を感じるものですからね。

 

そのため、調査をしないとよほど大きなリスクがあるという場合のみ、企業、人物調査は検討してみても良いかもしれません。

ただ基本的には、リスクのある企業とは取引をしない、怪しい社員は採用しない、ということの方が重要です。

 

 

レピュテーションリスクの回避方法7.
ネット監視サービスを利用する

SNSや口コミサイトといったWeb上でのレピュテーションリスクが増大している昨今では、ネット監視サービスを利用するというリスク回避方法もあります。

ネット監視サービスとはその名のとおり、自社が炎上してしまうような情報がネット上に書き込まれていないか監視してくれるサービスです。

たとえば自社の商品に異物が混入していたという投稿がSNSにされた場合や、発表前の情報がネット上に流出してしまったという場合に、それらを発見して知らせてくれることで、レピュテーションリスクを最小限に留めてくれます。

 

ネット監視サービスを提供している企業の一例としては、以下のようなところがありますね。

 

 

とくに「イー・ガーディアン株式会社」の場合だと、「楽天」や「バンダイナムコエンターテインメント」といった大企業の導入事例もあります。

大企業のあいだでも、ネット上でのレピュテーションリスクが無視できなくなっているということなのでしょう。

 

もちろんネット監視サービスにはそれなりのコストがかかってきますが、もしネット上でのレピュテーションリスクに頭を悩ませているなら、検討してみても良いかもしれません。

 

 

【まとめ】レピュテーションリスクの管理は必要

今回はレピュテーションリスクについて解説をしてきました。

昨今のネット社会では、昔に比べてレピュテーションリスクがはるかに高まっています。

SNSや口コミサイトなど、自社の評判を落とす要因がたくさん存在しているからです。

 

とはいえもちろんSNSや口コミサイト自体は非常に便利なもので、ビジネスにおいても色々と活用できます。

重要なのは、レピュテーションリスクをいかに管理し、回避するか、ということなのです。

 

ただ余裕のない経営状況だと、レピュテーションリスクの管理をしようとしてもなかなか厳しいと言わざるを得ません。

資金的にも人材的にも余裕がないと、どうしてもそこまで手が回らないからです。

 

そういう場合は、まずは余裕を作り出すことに注力してください。

そのためにおすすめな方法としては、商品やサービスの価格アップがあります。

実際弊社のクライアントの中には、価格アップをすることで時間的な余裕が生まれ、スキルを磨くことでさらに価格アップをして利益率を上げた、という治療院経営者さんもいます。

もし今、社長であるあなたに余裕がないのであれば、商品やサービスが本来持つ価値に対して安すぎる価格設定にしてしまっている可能性が高いです。

昨今の情報社会において、レピュテーションリスクはますます高まっていくことが予想されます。

余裕を持ってしっかりと管理し、健全な経営を行っていきましょう。

 

 

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