【店舗向け】QRコード決済の導入を徹底解説!導入方法や費用は?

鷲津晴人
QRコード決済の導入を徹底解説

今回のテーマは「QRコード決済の導入」についてです。

 

現在日本では、キャッシュレス決済の普及率を上げるという動きがあります。

というのも、経済産業省が「キャッシュレス・ビジョン」を策定しており、2020年の東京オリンピック、2025年の大阪・関西万博に向けて、支払い改革が宣言されているのです。

将来的には、世界最高水準の 80%というシェアを目指しています。

(参考:経済産業省_キャッシュレス・ビジョン_PDFファイル)

 

そしてさまざまな形態があるキャッシュレス決済において、もっとも導入しやすいのが今回のテーマでもある「QRコード決済」です。

 

おサイフケータイから始まったスマホ決済、各種コンビニエンスストアで使える電子マネー、そしてQRコード決済が使える飲食店など、キャッシュレス決済はどんどんとその市場規模を拡大しています。

 

そんな中、決済の電子化に慣れておらず、キャッシュレス決済の導入を敬遠している経営者も多いのではないでしょうか。

しかし、将来的に80%以上がキャッシュレス決済になると言われているこれからの時代、キャッシュレス決済を導入していなければ、売上にも悪影響を及ぼしてしまう可能性も大いにあります。

 

だからこそ今回の記事を参考にしていただき、ぜひ「QRコード決済」の導入を検討してみてください。

先にも延べましたとおり、「QRコード決済」はキャッシュレス決済の中でもっとも導入しやすいものの1つです。

そのため、ほかのキャッシュレス決済に比べ、大きな抵抗を感じずに導入することができますよ。

 

 

QRコード決済導入はコストに見合うメリットがあるのか?

QRコード決済導入のメリット

 

QRコード決済には、主に以下のようなメリットがあります。

 

  • 初期費用がほとんどかからない
  • 導入が簡単にできる
  • 中国で広く普及しているため、中国人観光客の獲得に繋がる

 

まず最初のメリットとして、QRコード決済は初期費用がほとんどかからず、ほかのキャッシュレス決済と比べて非常に気軽に導入することができます。

というのもQRコード決済は、お客さんのスマホでQRコードを読み取ってもらうという支払方法であるため、専用の端末が必要とならないのです。

そのためQRコード決済は、快適な通信環境さえあれば簡単に導入することができるというわけですね。

 

また、QRコード決済は中国で広く普及しているため、中国人観光客の獲得にも一役買います。

中国ではQRコード決済が日常的になっているため、中国人観光客からしてみれば非常になじみが深いのです。

さらに日本語が話せなくても簡単に決済できるため、中国人観光客の中にはQRコード決済のできるお店を優先的に使う人もいます。

一時期の爆買いのことを思えば中国人観光客の消費は収まってはいるものの、2018年には年間で800万人以上の中国人観光客が訪れており、まだまだ無視することはできない顧客層です。

もし普段から外国人観光客の多いお店を経営しているなら、QRコード決済を導入することでより人気が出る可能性もあるでしょう。

 

ただ一方で、QRコード決済には以下のようなデメリットもあります。

 

  • 手軽さから多くのサービスが乱立している
  • 日本ではまだ認知度が低い
  • QRコードすり替えによるセキュリティ面の問題がある

 

まず挙げられるのが、現状日本でQRコード決済を取り扱っているサービスが乱立してしまっているというデメリットです。

要は、どのQRコード決済サービスを導入すれば良いのかわからなくなってしまいがちだということですね。

ただこれについては、この記事内でおすすめのサービスを一覧で紹介していますので、そちらを参考にしていただければと思います。

⇒【比較】QRコード決済サービス一覧

 

そしてもう1つのデメリットが、日本での認知度の低さです。

中国をはじめとする海外では、QRコード決済が日常的に使われているところも多くあります。

しかし日本では、まだまだクレジットカードの方が使用率としては高く、QRコード決済はあまり使われていないのが現状です。

 

とはいえ、ここまでに挙げた2つのデメリットは、実はあまり大きな問題ではありません。

QRコード決済の導入に関しては初期費用がほとんどかかりませんし、QRコード決済のランニングコストについても、多くのサービスで決済金額に応じた手数料だけが請求される形です。

つまり、複数のサービスを導入したり、お客さんがあまり使ってくれないサービスがあったりしても、QRコード決済導入に対する無駄なコストはかかってこないというわけですね。

 

ただし、セキュリティ面の問題に関しては、きちんと把握し、対処しておく必要があります。

というのも現在、QRコード決済が広く普及している中国では、QRコードのすり替えが大きな問題になっているのです。

 

QRコード決済は、お店にQRコードを設置し、それをスマホで読み取ってアクセスすることで決済を行う仕組みがメインとなっています。

つまり、お店にQRコードを印字したものを置いておく場合、それのすり替えが行われてしまうと、お客さんの個人情報や支払ったお金が悪い組織に盗まれてしまう可能性があるのです。

 

そうなれば直接的な被害はもちろん、お店のイメージや信用という面を考えても大きな損害が出てしまいます。

だからこそQRコード決済を導入するなら、セキュリティ面での意識はしっかりと持ち、トラブルが起きないようにしておくべきなのです。

 

おすすめなのは、QRコードを紙などに印字せず、タブレット上で表示させるという方法ですね。

これなら、QRコードのすり替えをされる心配はありません。

 

以上が、QRコード決済導入のメリットとデメリットです。

ここまで読んでいただければわかるとおり、デメリットに関しては、きちんとした知識を持っていれば、そう大きな問題にはならないでしょう。

 

 

QRコード決済導入でかかる費用(コスト)は?

先にも説明したとおり、QRコード決済はほかのキャッシュレス決済に比べて初期費用がほとんどかかりません。

しかし、それでもまったくのノーコストで導入できるというわけではなくて、多少のコストはかかってきます。

 

QRコード決済を導入する場合にかかってくるのは、以下のようなコストです。

 

  • Wi-Fi環境の導入費
  • インターネット使用料
  • スマホやタブレットの購入費用
  • 手数料(決済額の数%)

 

このうち、Wi-Fi導入費やインターネット使用料、タブレットの購入費用については、すでに持っているためかかってこない、という店舗も多いと思います。

たとえ持っていなかったとしても、1度導入してしまえば色々な面で利用することができますので、この機会に導入しておくと良いでしょう。

 

そしてランニングコストとしてかかってくる費用については、多くのサービスが決済額の数%という形を取っており、それ以外の維持費はかかってきません。

つまり、QRコード決済が実際に使われて、初めてインターネット使用料以外のランニングコストがかかってくるということです。

 

これらの面からQRコード決済は、コストが少なく、導入しやすいと言われているわけですね。

 

とはいえ、経営者の中には、その数%の手数料が厳しいと考えている人も多いと思います。

しかし、もし仮にQRコード決済による数%の手数料を支払うと利益がでなくなってしまうような状況なのだとしたら、そもそも商品やサービスの価格設定に問題がある可能性が高いです。

 

とくに私たちのような中小企業や個人事業において、利益率は非常に重要な数値であると捉えてください。

もし現状、QRコード決済すら導入できない利益率なのだとしたら、ビジネスとしては危険な状態であると言えます。

思い切って、商品やサービスの価格アップを考えるべきでしょう。

 

QRコード決済の仕組み

QRコード決済の仕組み

 

ここからは、QRコード決済がそもそもどういう仕組みなのかを説明していきます。

 

QRコード決済には、2つのタイプがあります。

 

  1. 店舗側がQRコードを提示し、それをお客さんに読み取ってもらうパターン
  2. 利用者側が提示したQRコードをお店で読み取るパターン

 

QRコード決済を利用しているお客さんは、あらかじめスマホに専用アプリをインストールしており、口座情報、クレジットカード情報を登録するか、お金を入れています。

そして、お客さんか店側のどちらかがQRコードにアクセスすることでお金のやりとりが行われるのです。

 

このように、お店側がやる作業としては、QRコードを提示するか、もしくはお客さんから提示されたQRコードを読みとるか、ということしかありません。

そのためQRコード決済では、クレジットカードのような専用端末が必要とならず、非常に簡単に導入できるというわけですね。

 

 

QRコード決済を導入する方法

QRコード決済を導入する方法

 

QRコード決済を導入する場合、やることは3つあります。

 

  1. 快適な通信環境を用意する
  2. 決済用のタブレット(スマホ)を用意する
  3. 各種サービスに申し込む

 

QRコード決済は、QRコードによって専用のサイトにアクセスすることで支払いを行います。

そのためまずは、快適な通信環境が必須です。

少なくとも、インターネット回線とWi-Fiは導入しておきましょう。

 

そして次に、決済用のタブレットかスマホを用意する必要があります。

お客さんがQRコードを提示する場合はこちらで読みとりを行わなければいけませんし、お客さんが読みとりを行う場合でも、QRコードのすり替えを防ぐためにタブレット端末にQRコードを表示させる方法が推奨されるからです。

この2つの理由から、QRコード決済を導入するさいにタブレット端末は必須であると言えるでしょう。

 

そして、通信環境とタブレット端末の準備ができたら、サービスへの申し込みを行います。

基本的に審査が必要となりますので、必要書類を提出し、1週間~2週間後に無事審査を通過すれば、QRコード決済の導入は完了です。

登録したサービスの説明に従い、QRコード決済の運用を開始しましょう。

 

 

QRコード決済は複数導入がおすすめ

QRコードを導入する場合、どのサービスに申し込めば良いのか悩むかもしれませんが、おすすめなのは複数のサービスを一気に導入してしまうという選択です。

 

ここまでで説明させていただいたとおり、QRコード決済には初期投資がほとんどかかりません。

かかるのは通信環境やタブレット端末を用意する費用だけで、しかも1度用意すればインターネット使用料以外の費用はかからなくなります。

 

つまり、1つのサービスだけ導入するのも複数のサービスを導入するのも、店舗側からしてみれば費用面での差がないのです。

 

QRコード決済については、複数導入しておけば、より多くのお客さんのニーズに応えることができます。

そのため、QRコード決済を導入する場合は、主要なサービスを複数申し込むのがおすすめです。

主要サービスについては、これから一覧で説明していきます。

 

 

【比較】QRコード決済サービス一覧

QRコード決済サービス一覧

 

ここからは、主要なQRコード決済サービスを一覧で紹介していきます。

 

  • 楽天ペイ
  • Origami Pay
  • LINE Pay
  • PayPay

 

ここで紹介するサービスについては、基本的にすべて申し込みをしておいて問題ありません。

それでは、1つずつ説明していきましょう。

 

 

楽天ペイ

初期費用 入会金無料

QRコード決済の導入だけの場合は初期費用なし

クレジットカード決済、電子マネー決済も同時に導入する場合はカードリーダーの購入が必要
⇒カードリーダーの価格は18,800円(2019年5月時点)

ランニングコスト QRコード決済手数料 3.24%

クレジットカード決済手数料 3.24%または3.74%

電子マネー決済手数料 3.24%または3.74%

売上の振込手数料 210円
(楽天銀行への振り込みは手数料無料)

 

「楽天ペイ」はQRコード決済のほかに、6ブランドのクレジットカード決済、14ブランドの電子マネー決済を取り扱っており、同時に導入することができます。

色々な種類のキャッシュレス決済を導入したい場合は、とりあえず楽天ペイを導入しておきましょう。

 

また楽天ペイには、QRコード決済を使うと楽天ポイントが付与されるという魅力があります。

楽天ポイントは知名度が高く利用者も多いため、お客さんへの良いアピールポイントとなるでしょう。

 

さらに楽天ペイは売上の入金が早いことも魅力の1つで、振込先口座が楽天銀行の場合、売上金は決済の翌日に自動で入金されます。

楽天銀行以外の場合でも、加盟店専用のページから売上の入金依頼をすれば翌営業日の入金です。

 

これらの点から楽天ペイは、非常に導入しやすいサービスであると言えます。

 

⇒楽天ペイ公式ホームページ

 

 

Origami Pay

初期費用 初期費用無料
ランニングコスト 月額固定費無料

QRコード決済手数料 3.25%

 

「Origami Pay」は、10万店舗以上で導入されている大手サービスです。

中国で普及している「アリペイ」にも対応できることから、中国人観光客にとっても使いやすいQRコード決済である言えます。

初期費用、維持費用は一切かかりませんので、とりあえず導入して中国人観光客にアピールするのも良いでしょう。

 

売上の振り込みタイミングは毎月15日と月末の月2回です。

QRコード決済には翌日振り込みを行うサービスも多いため、入金の早さとしては少し物足りなく感じるかもしれません。

ただ、決して遅いわけではないため、ほとんどの店舗で大きな問題にはならないと思います。

 

「Origami Pay」は、QRコード決済の導入を考えているならぜひチェックしておきたいサービスの1つです。

 

⇒Origami Pay公式ホームページ

 

 

LINE Pay

初期費用 プリントQR
⇒導入費無料      

LINE Pay据置端末
⇒初期費用無料(端末の月額利用料あり)

LINE Pay店舗用アプリ
⇒ダウンロード無料

StarPay端末
⇒端末販売価格35,000円(2019年5月時点)

POS
⇒初期費用は要確認

オンライン決済
⇒初期費用無料

ランニングコスト プリントQR
⇒月額費、決済手数料無料(決済手数料は2021年7月31日まで無料)      

 LINE Pay据置端末
⇒端末月額使用料1,500円、決済手数料無料(決済手数料は2021年7月31日まで無料)

LINE Pay店舗用アプリ
⇒月額費、決済手数料無料(決済手数料は2021年7月31日まで無料)

StarPay端末
⇒月額費無料、決済手数料3.45%

POS
⇒月額費用は要確認、決済手数料3.45%

オンライン決済
⇒月額費無料、決済手数料3.45%~5.5%

 

「LINE Pay」は、LINEユーザーにとってとても使いやすい決済サービスです。

スマホユーザーのほとんどがLINEアプリを使っていることから、LINE Payの見込み客は非常に多いと言えます。

 

また、プリントQRによるQRコード決済については、この記事を執筆している2019年5月時点において、初期費用や月額費用だけなく、決済手数料についても無料です。

少なくとも2021年7月31日までは決済手数料を無料にすると宣言されていますので、QRコード決済を考えているなら、今のうちに導入しておきたいサービスの1つであると言えるでしょう。

 

売上については基本的に翌月末に入金が行われますが、入金申請をすれば即時~翌営業日で売上を受け取ることができます。

ただし、入金申請を行った分については別途振込手数料が、1回につき240円かかってきますので注意してください。

入金申請を行わなければ振込手数料は無料です。

 

⇒LINE Pay公式ホームページ

 

 

PayPay

初期費用 初期費用無料
ランニングコスト 決済手数料無料(2021年9月31日まで)

 

PayPayは、2021年9月31日まで一切の費用をかけることなく導入することができるQRコード決済サービスです。

売上の入金についても2020年6月30日まで無料、ジャパンネット銀行宛の場合は永年無料と、本当に費用をかけずに利用することができます。

ちなみに入金タイミングは月末締めの翌々営業日振込、もしくは売上金額が1万円以上になったさいの翌々営業日です。

 

PayPayの決済で使うQRコードは、中国で普及している「アリペイ」でも同時に使用することができるため、導入すれば中国人観光客の獲得に効果を発揮します。

 

利用者紹介キャンペーンなどにも力を入れていることから、PayPayはこれから伸びてくるであろう決済サービスです。

 

⇒PayPay公式ホームページ

 

 

QRコード以外のキャッシュレス決済は何がある?

QRコード以外のキャッシュレス決済

 

QRコード決済以外にも、キャッシュレスで行える電子決済はあります。

とくに日本で普及しているのは、以下の2つですね。

 

  1. クレジットカード(デビットカード)
  2. 電子マネー

 

ただしこれらの決済を導入するためには専用の決済端末が必要になるため、QRコード決済とは違い、初期費用が無料とはなりません。

しかし、とくにクレジットカードは日本での普及率がかなり高いので、決して無視できない決済サービスです。

 

日本では、キャッシュレス決済が今まさに広まっていくという流れになっています。

これからどのキャッシュレス決済が残り、普及していくのか、その動向は注目しておくべきでしょう。

 

ちなみに、QRコード決済も含めたキャッシュレス決済については、別記事で詳しくまとめています。

今後日本ではさらにキャッシュレス決済が広まっていくと言われていますので、ぜひ今のうちにそちらの方もチェックしておいてください。

⇒キャッシュレス決済の種類を比較!導入におすすめなのはどれ?

 

 

【まとめ】QRコード決済はほかのキャッシュレス決済より簡単に導入できる

今回は、今日本で急激に広まっているキャッシュレス決済の中でも1番導入しやすい「QRコード決済」について説明をさせていただきました。

 

私たちビジネスをする側にとってQRコード決済の魅力は、初期費用がかからないところです。

クレジットカードや電子マネーによる決済とは違い、専用の決済端末が必要となりません。

タブレットかスマホと、快適な通信環境さえあれば、コストをかけずに簡単に導入することができます。

また、かかってくるランニングコストも、売上が出たさいの数%だけという形になりますので、安心して導入することができるわけですね。

 

とはいえ、その数%が苦しいという経営者も少なくありません。

しかし、仮にQRコード決済の導入すら苦しいという状況なのだとしたら、それはもともとの利益率に問題がある可能性が高いです。

 

要は、商品やサービスの価格が低すぎるということです。

もしQRコード決済の決済手数料さえ厳しいという状況なら、思い切って商品やサービスの価格アップを考えるべきでしょう。

キャッシュレス決済の流れは、今日本で急速に広まってきています。

今後はキャッシュレス決済が使えるお店も増えてくることでしょう。

だからこそ、この波に取り残されないように、まずは初期費用のかからないQRコード決済を導入してみてはいかがでしょうか?

 

 

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