【価格設定の9つの方法】マーケティング戦略や消費者心理が重要!?

鷲津晴人
【価格設定の9つの方法】マーケティング戦略や消費者心理が重要!?

今回は、価格設定の方法や価格設定に影響するマーケティング戦略、消費者心理などについて解説していきます。

 

事業を成功させるためにも、あなたのサービスや商品(製品)に最適な価格設定をしたいですよね?

「できる限り高く売って、利益を多くとりたい」と考えているでしょう。

経営者なら当然ですよね。

 

しかし、「値段を高めに設定したり、値上げをしたりするとお客さんが離れていくのでは……?」という不安もあるのではないでしょうか?

 

安全に利益を最大化するためには、「適切」な価格設定の方法を取る必要があります。

 

実際に弊社代表の北岡がコンサルをした企業様の中には、値上げに成功して利益が「20倍」になったところもあります。

しかも、「お客さんに感謝されながら」です。

 

この記事では、価格設定に関する一般的な方法だけでなく、「値上げに成功した3者の事例」についてもご紹介していきます。

価格設定、値上げに成功して利益を増やし、あなたが時間やお金をたっぷり使える豊かな人生を送りたいなら、必ず読んでおいてください。

 

価格設定とは何か?マーケティングの考え方が不可欠!?

価格設定にはマーケティングが必要?

価格設定をする時には、「マーケティングの考え方」が不可欠です。

というのも、価格設定とは「マーケティング戦略の中の一つの要素」だからです。

 

マーケティングには基本原則として、「マーケティング・ミックス(4つのP)」という考え方があります。

マーケティングミックス(w:Marketing mix)は、マーケティング戦略において、望ましい反応を市場から引き出すために、マーケティング・ツールを組み合わせることである。

引用元:Wikipedia「マーケティングミックス

 

E.J.マッカーシーによって1960年に提唱されたもので、ターゲットへの具体的なアプローチ方法を考えるときに利用されています。

その中に、「price」として「価格」が含まれているのです。↓

  • 製品(Product)
  • 価格(Price)
  • 流通(Place)
  • プロモーション(Promotion)

上記の4つは分けて考えることはできません。それぞれに密接な関係があるからです。

製品ができるまでのプロセスやコスト、流通費用、プロモーション費用などが不明確なまま最適な値段をつけることはできません。

そのため、正しい値段をつけたければ、他の3つ(製品、流通、プロモーション)のリサーチも重要になるのです。

 

つまり、最適な値段をつけるには「マーケティング」の考え方が必要不可欠です。

自分の感覚ではなく、市場データを集めながら俯瞰的に見て価格を設定したいです。

 

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価格設定の9つの方法と戦略

価格設定の方法

価格設定の方法や戦略として一般的に使われるのは、以下「9つ」の方法です。

  1. コストプラス法
  2. マークアップ法
  3. 市場価格追随法
  4. プライスリーダー追随法
  5. 慣習価格法
  6. 名声価格法
  7. 端数価格
  8. 段階価格
  9. 抱き合わせ価格

1から5については「基本的」な方法。6から9については「消費者心理」に基づいた方法です。

 

価格設定の方法1.
コストプラス法

価格設定方法の1つ目は「コストプラス法」です。

コストプラス法を簡単に説明すると「原価に利益を加えた価格」で、主に直接製品を製造するメーカーがよく用いる方法です。

 

計算式で表すと以下のようになります。

価格=原価(直接費+間接費)+利益

ちなみに、「原価」を構成する「直接費」と「間接費」はそれぞれ次のようなものを指します。

  • 直接費……原材料費、労務費、物流費などの「製造コスト」
  • 間接費……販促費、広告費、原価償却費などの「販売管理コスト」

発生するであろう「原価」に「得たい利益」を加えるだけなので、いたってシンプルな決め方です。

 

価格設定の方法2.
マークアップ法

価格設定方法の2つ目は「マークアップ法」です。

マークアップ法も、コストプラス法と同じく「原価」に「利益」を加えて決めますが、こちらは卸売業者が用いる方法です。

 

計算式で表すと以下のようになります。

価格=原価(仕入れ原価、販促費、人件費)+利益

マークアップ法もコストプラス法も価格設定の仕組みは一緒ですので、ご自身の業種によって使い分けて考えてみてください。

 

価格設定の方法3.
市場価格追随法

価格設定方法の3つ目は「市場価格追随法」です。

市場価格追随法とは、すでに市場に出回っている競合製品(競合サービス)を基準に値段を決める方法です。

 

市場にある他社製品(他社サービス)と「差別化」ができる場合は、高い値段を設定して売上アップを図ることができます。

逆に「差別化」が難しい場合は、安い値段を設定しないといけず、売上が期待できないばかりかそもそも売れないという可能性も出てきます。

 

価格設定の方法4.
プライスリーダー追随法

価格設定方法の4つ目は「プライスリーダー追随法」です。

プライスリーダー追随法とは、業界に大きな影響を与えているリーダー企業の価格にならって決める方法です。

 

どの業界においても、プライスリーダーに対する「顧客の信頼」は高いので、プライスリーダーの金額より大きく差をつけるのは難しいです。

プライスリーダーより高いと、よほど質が高かったり、差別化できていないと売れません。

また、プライスリーダーより安いと販売数は増えますが、低コストで提供できないと長くは続きません。

 

あなたのサービスや商品の業界を調べて、「プライスリーダーがいるのか?」「そのくらいの影響力なのか?」を知ることも価格設定には重要です。

 

価格設定の方法5.
慣習価格法

価格設定方法の5つ目は「慣習価格法」です。

慣習価格法とは、過去から何十年と慣習的に設定されてきた値段にならって設定する方法です。

 

例えば、

  • 自動販売機の飲み物(缶:120円、ペットボトル140円)
  • ガム(約100円)
  • タバコ(400円前後)

などが挙げられます。

 

一度形成された慣習価格は、消費者の意識の中に根強く固定されています。

ですから、慣習価格より値下げして提供しても売上は伸びませんし、逆に値上げしても消費者は敬遠してしまうので売上は大幅に減少します。

 

あなたのサービスや製品の市場で、すでに慣習価格が形成されていないかを事前に調査しておきたいです。

 

価格設定の方法6.
名声価格法

価格設定方法の6つ目は「名声価格法」です。

名声価格法とは、「品質や付加価値の違い=プレミアム」によって他のサービスや製品より高い値段にする方法です。

 

わかりやすい例をあげるなら以下の2つ。

  • モルツと「プレミアムモルツ」
  • 普通の革のバッグと「ヴィトンのバック」

 

プレミアムモルツは、通常よりも「麦芽量」が多く「香りがキワ立つ製法」を使っていて、普通のモルツより付加価値が高くなっています。

またバッグの例では、同じ材料、同じ製法で作られていても「ヴィトン」というプランド名がつくだけで金額が跳ね上がります。

 

このように、「品質の違い」や「ブランド力」で差をつければ、値段を高めに設定することができるのです。

 

価格設定の方法7.
端数価格

価格設定方法の7つ目は「端数価格」です。

端数価格とは、キリの良い数字ではなく「980円」のように位を一つ下げるように値段を決める方法です。

 

人は「1000円です」と言われるよりも、「980円です」と言われた方が安く感じます。

よって、980円で売り出した方が多く購入してもらえるのです。実際は「20円しか変わらない」のに。

 

家電量販店に行くと、ほとんどが端数価格で設定されています。

家電は元の値段が高いので、キリのいい値段よりも端数価格を使って少しでも安く見せた方が多く売れるのです。

 

キリ良く設定するより、端数価格を使った方が「売上数」は伸びるでしょう。

 

価格設定の方法8.
段階価格

価格設定方法の8つ目は「段階価格」です。「松竹梅の法則」とも呼ばれています。

段階価格とは、「消費者は『真ん中』の値段を選びたがる」という心理を利用した方法です。

 

例えば、「寿司」なんかはよく段階価格(松竹梅)で設定されています。

寿司屋チェーン店の「銚子丸」を見ると、お持ち帰りメニューが以下のように並んでいます。

  • すずらん:1980円(松)
  • さつき:1500円(竹)
  • なでしこ:980円(梅)

上記の場合、多くのお客さんは真ん中の「さつき(1500円)」を選んでしまうのです。

 

この特性はアメリカの実験でも証明されています。

価格も高い順からA、B、Cの順で並べた同一メーカーのカメラ3台を用意。約100人に対し、最初はAとBのいずれかを購入したいかを聞いたところ、半分ずつに回答が分かれた。次にCを加えて3種類の選択肢を設けたら、A22%、B57%、C21%という割合になったという。

引用元:日本経済新聞「『松竹梅』なら思わず竹 消費者くすぐる販促の極意 」

よって、もしあなたの商品やサービスが1つなら、それを「梅」にして「竹と松」のプランを作れば単価が上がるので、全体的な売上も上がります。

 

価格設定の法則9.
抱き合わせ価格

価格設定方法の9つ目は「抱き合わせ価格」です。

抱き合わせ価格とは、メイン商品に他の商品をセットで購入すると値段が安くなるように設定する方法です。

 

マクドナルドのセットは代表的な例です。

ハンバーガー、ポテト、ドリンクをバラバラで買うより、セットで買った方が安くなります。

金額を安くするので損するような感じがますが、単体で販売するよりセットの方がたくさんの商品を買ってもらえるので、全体的には売上は上がるのです。

 

今商品が1つしかないのなら、他の商品を作って抱き合わせすれば、全体の売上アップを図ることができます。

 

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価格設定の具体的な3つの事例!値上げに成功して売上が20倍?

「価格アップ」に成功した3人の事例

弊社代表の北岡が実際にコンサルを行い、価格設定や値上げに成功した事例を3つ紹介します。↓

価格設定の事例1

英会話学校を経営する加藤さんは、もともとの価格設定から「2倍」の値上げに成功しました。

一般的に、値上げをするときには、「お客さんに怒られないか?」「お客さんが離れてしまわないか?」といった「心理的な恐怖」が壁になります。

しかし、従業員と協力して「あるプラン」を実行し、お客さんに不審がられることなく値上げに成功しました。

価格設定の事例2

一般的な整体院や治療院の相場は、1時間4,000円から5,000円です。

田中さんも、もともとは1時間4,000円でした。

しかし、3つのテンプレートを使って「7.5分で10,000円」、つまり「1時間80,000円=単価20倍」を実現できたのです。

  • 今までの田中さんの生活は、
  • 仕事に時間が割けない
  • 家族との時間が取れない
  • 病気になっても休めない
  • 忙しすぎて身体を壊す

という状況でしたが、今はやりたいことを好きなだけやれる生活ができています。

 価格設定の事例3コンサルタントや小さな会社の場合、「社長の働く時間=売上」であり、1日は24時間しかないことから、売上に上限が発生します。

ですから、労働集約型ビジネスの経営者が自分の自由なお金と時間を得るためには、「単価アップ」が鍵を握るのです。

鈴木さんは、ある方法をとったことで、単価10万から500万への単価アップに成功し、しかも「リピーター集客」だけでスケジュールが埋まる経営を実現しました。

 

 

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価格設定について学べる本3選

価格設定について書かれている本は少ないですが、アマゾンで売れていて評価の高い本は主に以下の3つです。

良い値決め 悪い値決め

良い値決め 悪い値決め ― きちんと儲けるためのプライシング戦略

初心者でもわかりやすく価格設定(プライシング)について学べる入門書的な本です。

マーケティング・ビジネス心理学(行動経済学)をミックスさせた、より高く売るためのヒントとなる情報が載せられています。

また、ヤマダ電機やマクドナルドなど、実際の企業の事例も紹介されているのでとても読みやすいです。

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価格の心理学

価格の心理学

価格戦略について、「消費者の購買心理学」と「行動経済学」の観点から解説している本です。

「お客さんはいかに不合理な決定をするか?」についてさまざまな実証データや最新のリサーチをもとに明らかにしています。

「コストプラス法や市場価格追随法といった今までの方法では意味がない」という反対意見についても語れられています。

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 ビジネスに絶対欠かせない! 正しい「値決め」の教科書ビジネスに絶対欠かせない! 正しい「値決め」の教科書

松下電工(パナソニック)で40年以上指導してきた現場密着型コンサルタントが、正しい「値決め」についてわかりやすく解説しています。

新商品を担当することになったビジネスマンが値決めの疑問に迫るストーリー形式で書いてあるので読みやすいです。

上記2冊を読んで余裕があれば手に取っておきたい本です。

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ご紹介した本に一通り目を通しておけば、「価格設定」に関する知識は身につくでしょう。

ただ、その知識をあなたのビジネスに落とし込み、最適な値段をつけて売上アップを実現できるかは別の話です。

 

本には一般論しか書かれていません。

ですから、膨大な情報の中から、自分のビジネスに適した方法を見極め、自分で検証・改善・取捨選択をする必要があります。

 

それって時間もかかるし、かなり遠回りだと思いませんか?

それなら、実際に単価アップに成功した同業者や多くの成功事例を知っているコンサルタントの助けを借りた方が早いです。

あなたの現状に合わせた「生きた戦略」を提案してくれるからです。

 

「最適な価格設定をして、最短で売上アップを図りたい」と思うなら、弊社代表北岡のコンサルティングを活用してみてください。

前章でもご紹介している通り、北岡はこれまでに何百社ものコンサルに携わり、実際に相談者の売上を「20倍」にした実績があります。

 

価格設定を本で学ぶのもいいですが、最短で利益を出したいならコンサルを活用した方が確実です。

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【まとめ】価格設定は慎重に!利益アップの成否を分ける!

価格設定の方法や事例についてご紹介してきましたが、まとめとして一言で言うなら「価格設定は適切な方法で慎重に!」ということです。

 

この記事では、

  • 価格設定にはマーケティング戦略の考え方が不可欠
  • 一般的な価格設定の方法は「9つ」ある
  • 価格設定の知識を学べる本

などを詳しく解説してきましたが、結局は「一般論」に過ぎません。

 

もちろん、あなたのビジネスに役立つ方法や知識はありますが、全部が役に立つことはありえません。

中には、あなたに合わないノウハウも混ざっているので、間違った方法を取り入れて時間やコストを無駄にしてしまう可能性があります。

なので、一般的に出回っている情報を取り入れるときは慎重に情報を吟味する必要があります。

 

でも、ただでさえ事業で忙しいのに、情報の取捨選択のために時間を取られるのってかなり非効率ですよね。

 

あなたのビジネスに最適な情報だけ知りたいなら、すでに成功している同業者や多くの成功事例を知っているコンサルタントから学んだ方が早いです。

特にコンサルを利用すれば、あなたのビジネスに合わせて適切な価格設定方法を考えてくれるので、最短で売上アップを実感できます。

 

弊社代表の北岡も「価格設定」に関するコンサルを行っています。

実際に1000以上のクライアントの「単価アップ」を実現させており、中には売上を「20倍」にした事例もあります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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