今回は、経営不振の状態の原因と、その対策の仕方までお伝えしていきます。
みなさんがご存知のように、経営不振とは「企業の金銭がうまく立ち行かなくなり、経営するのが困難になること」です。
会社を経営していると「もしかしたらうちの会社も経営不振なのかも?」と不安をお持ちなのかもしれませんね。
しかし、国税庁の調査によると、2017年度に赤字だった企業の割合は62.6%。
日本国内の会社の半数以上は経営がうまくいっていないことが分かります。
多くの企業が赤字を経験するものなので、そこまで不安になる必要はありません。
とは言えど、赤字の状態を無視し続けたらいずれ倒産につながります。
ですのでしっかりと経営不振の原因を分析し、対策をとれるかどうかで、あなたの会社の運命が決まるのです。
そこで今回は、
- 企業が経営不振に陥る原因
- 有名企業が経営不振から脱却した方法
- 経営不振になったとき減給/解雇をするのはありかなしか?
- 経営不振にならないための予防策
など、経営不振にまつわることを深く掘り下げていきます。
この記事を読めば、
「いまあなたの会社の経営が厳しい状況でも、原因と対策を知ることで持ち直すことが可能」
「現在は経営不振というほどの状況ではなかったとしても、対策を知ることで経営不振を事前に防げる」
という大きなメリットがあります。
先にも挙げたデータから分かるように、大手・中小に限らず多くの企業が経営不振を経験するもの。
「自分の会社に限っては大丈夫だろう」と対策や予防策を知らずにいると、いざ経営不振になったとき、痛い目をみることになってしまいます。
会社の経営に携わっている方は、ぜひ目を通してくださいね。
企業が経営不振に陥る原因TOP5
まずは企業が経営不振に陥る原因について知っていきましょう。
経営がうまくいかなくなる原因は企業によってさまざまですが、大きく分けると以下の5つに当てはまります。
- 売上が下がってしまう販売不振
- 悪化する経営に対策を打たない既往のしわよせ
- 経営者の経営能力が足りない放漫経営
- 取引先や親会社の倒産
- 非常に少ない資本金
経営不振が悪化していくと、倒産にもつながりかねません。
自身の会社に当てはまるものはないか、チェックしてみてください。
原因1.売上が下がってしまう販売不振
経営不振に陥る原因でもっとも多いのは、売上が下がってしまう販売不振です。
2018年に倒産した会社の原因を見てみると、約70%の企業が販売不振で倒産していることが分かります。
倒産原因 | 企業数 |
放漫経営 | 409 |
過小資本 | 342 |
連鎖倒産 | 374 |
既往のしわよせ | 967 |
信用性の低下 | 56 |
販売不振 | 5,799 |
売掛金回収難 | 27 |
在庫状態悪化 | 8 |
設備投資過大 | 71 |
その他 | 182 |
合計 | 8,235 |
売上が下がってしまう原因は、
- 競合他社に仕事を取られてしまう
- 大口の顧客との取引がなくなってしまう
などが挙げられます。
販売不振が続くと、企業にとってもかなりの痛手。
給料が支払えない、新しいモノやサービスを開発できないとなると、会社も経営できなくなってしまうのです。
では、会社が販売不振に陥ってしまったらどうしたら良いのでしょうか?
1番有効な対策は、利益率を上げること。
たとえば売上が100万円でも、利益が1万円だったら利益率は1%です。
しかし売上が10万円で、利益が1万円だったら利益率は10%になります。
売上は1/10になってしまいますが、利益は10倍。
売上が少なくても利益率が高ければ、それだけ会社に良い結果を得られるわけです。
とは言えど、「どうやって利益率を上げればいいの?」と疑問に思ってしまいますよね。
ここからは、実際に会社の経営を立て直した英会話学校のお話をしていきます。
弊社コンサルのクライアントで、英会話学校を経営されていた加藤さんは、自分たちの給料が満足に取れない経営状況に陥っていました。
加藤さんの経営状況をじっくりと見直してみると、実は非常に安い価格設定になってしまっており、さらにサービス内容が明確に区別できていなかったため、採算に合わないサービスを提供し続けていたのです。
そこで加藤さんは、スタッフとともに自分たちの仕事内容を見直して対策を練りました。すると平均単価を2倍に、利益を3倍に、成約率を1.5倍に上げ、会社の経営を立て直すことに成功したのです。
加藤さんが行ったのは、今までのサービスの分解と再構築。
要はサービスの形式と売り方を変えたことで、会社の経営を見事に立て直したわけですね。
さらに加藤さんが行った対策は、大きなコストを必要としません。
そのため、多くの会社で、今すぐに実践することが可能なものなのです。
- 加藤さんは具体的にどのような対策を行ったのか?
- その結果、どういったことが起こったのか?
など、詳しくは弊社代表の北岡がみずからインタビューした、無料動画をご覧ください。
また、弊社のコンサルを受けたいという場合も、まずはこちらのインタビュー動画を先に観てみてくださいね。
⇒【無料】成約率1.5倍になった英会話学校経営 加藤さんの事例
販売不振は、企業がもっとも陥りやすいもの。
だからこそ、しっかりと対策を考えておかなければなりません。
原因2.悪化する経営に対策を打たない既往のしわよせ
企業が経営不振に陥る原因の2つ目は、経営が悪化しても対策を打たないことによる既往のしわよせです。
経営がうまくいかなくなったら、対策を打って黒字に戻そうともがきますよね。
しかし、経営者の中には何も対策を練らず、いままで通りの経営を続けてしまう人もいるのです。
一度悪化した経営状況は、手を施さなければどんどん悪化する一方。
そんな既往のしわよせが積み重なると、気づかぬうちに経営不振に陥り、最悪の場合倒産につながってしまいます。
「うちの会社はまだ大丈夫だろう」と手を打たないだけで、あっという間に経営不振に陥るもの。
販売不振についで多い原因なので、日頃から分析と対策することが大切です。
赤字の原因と対策は後述していますので、このまま読み進めてくださいね。
原因3.経営者の経営能力が足りない放漫経営
企業が経営不振に陥る原因の3つ目は、経営者の経営能力が足りないことで起こる放漫経営です。
放漫経営とは、
会社の使用者側が会社を運営・管理する能力が無い、会社を私物化する等により、企業経営を混乱させること。
つまり、「経営者がいい加減な経営をしている」という意味です。
たとえば、
- 社用車と称して高級外車を購入する
- むやみに投資をする
- 接待という名で趣味に資金を費やす
なども、放漫経営に当たります。
個人でたとえるなら、貯金額を超える出費があったら生きていけないですよね。
金額の大小は異なりますが、企業でも持ち合わせている資金を出費が超えたら会社として成り立ちません。
たったひとりがわがままな経営をするだけで、ときには経営不振の原因になるわけです。
経営者は会社を自由に動かせる力がありますが、いい加減な経営をすると痛い目をみることは覚えておきましょう。
原因4.取引先や親会社の倒産
企業が経営不振に陥る原因の4つ目は、取引先や親会社の倒産。
いわゆる「連鎖倒産」と呼ばれ、中小企業に多い経営不振の原因です。
売上の元となっている取引先が倒産してしまえば、見込んでいた売上がごっそりとなくなってしまいます。
その分ほかの取引先から売上を得ることができれば良いですが、売上の多くを占める取引先が倒産してしまったらかなりの痛手ですよね。
また、親会社から資金の援助を受けていると、親会社が倒産したときに共倒れしてしまいます。
親会社からの援助があって経営できているだけで、自身の会社だけで経営することがそもそも不可能なわけです。
親会社の経営が立ち行かなくなることで、傘下にある会社も共倒れしてしまいます。
取引先や親会社に依存することは、好ましくありません。
この場合の対策は「今からできる予防策! 経営不振に陥らないための対策は?」にて後述しているので、ぜひ読み進めてください。
原因5.非常に少ない資本金
企業が経営不振に陥る原因の5つ目は、非常に少ない資本金です。
資本金が少ないとダメな理由は別記事の「⇛資本金1円がダメな理由」にて詳しく解説していますが、結論から述べると「いざというときの助け舟がない」状態になってしまうからです。
会社の資本金は、支出が収入を上回ってしまった際に、赤字分をまかなう役割があります。
そんな資本金が少なすぎると、会社が赤字になったら借金をする以外の方法がありません。
「借金を返しつつ、黒字経営を目指す」ことになってしまうわけですが、黒字経営にすることだって簡単ではないのに、そこへ借金の返済が加わったらどうでしょう。
仮に借金を返すことができても、その後の経営に回す資金がなければ、倒産という道を選ばざるを得なくなってしまいますよね。
だからこそ、資本金が少ないと、経営不振に陥ったとたんに倒産にもつながってしまうのです。
有名企業に学ぶ!経営不振を脱却する方法
ここからは、有名企業が経営不振から脱却した方法を紹介していきます。
安定していると思われがちな有名企業でも、実は経営不振に陥っていたというのはよくあるケースです。
たとえ経営不振に陥っても、いま現在経営できているのにはしっかりとした理由があります。
- コスト削減と売上増加の施策で業績回復したZOZO
- 赤字部門の縮小で経営不振を脱却したギブソン
- 子会社の経営状況を見直して倒産を回避したRIZAPグループ
- 需要の高いサービスに注力して1年でV字回復したスカイマーク
- 運用体制の徹底的な改善で信頼を取り戻したMERY
上記5つの有名企業の事例をもとに、経営不振から脱却する方法を学びましょう。
1.コスト削減と売上増加の施策で業績回復したZOZO
「リツイートで100万円分のお年玉プレゼント」や「2023年に宇宙旅行へ行く」など、並外れた企画力と行動力で世の中を驚かせる、株式会社ZOZOの前澤社長。
ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を経営する有名企業ですね。
順風満帆な経営状況だと思われがちなZOZOですが、2019年3月期の連結純利益が前年比12%減の178億円になるとの見通しを発表しました。
そんなZOZOが経営不振から脱却した方法は、大きく分けて2つ。
1つ目は、プライベートブランドの縮小によるコストの削減です。
世間を騒がせた「ZOZOSUIT」の発送遅延が原因で、プライベートブランドの注文数は思うように上がりませんでした。
その結果、プライベートブランド自体の売上高は、当初想定していた金額の約10分の1。
売上高を見てシビアだと感じた前澤社長は、プライベートブランドを派手に展開するのではなく、細々とコストを削減して継続すると決定したのです。
赤字になった原因の冷静な分析と、最小限に赤字を抑える対策をしたおかげで、ZOZOは現在も経営できています。
2つ目は、新規サービスの開始です。
赤字を最小限に抑えたところで、マイナスがゼロに近づいただけ。
黒字にならない限り、経営不振から脱却できたとは言えません。
そこで前澤社長は、S・M・L以外のサイズも展開する「マルチサイズプラットホーム事業」をはじめると発表しました。
売上目標も10億円と控えめに設定したことから、堅実に黒字回復を目指していることが分かりますね。
何かと話題になるZOZOや前澤社長。
経営不振になっても、
- 赤字になった原因の分析
- 赤字を抑える対策
- 無茶のない現実的な売上目標の設定
これらをしっかりと成し遂げたことで、経営不振から脱却しました。
2.赤字部門の縮小で経営不振を脱却したギブソン
アコースティックギターやエレキギターを製造するギブソン。
老舗の楽器メーカーとして名の知れた企業ですが、2018年に破産申請をしました。
原因は企業の大量買収。
経営状況が良いときに買収・子会社化した企業の経営不振が続いたことで、ギブソン自体の経営もうまくいかなくなってしまったのです。
「このままではブランドがなくなってしまう」と考えたギブソンは、子会社の売却と事業を縮小することに。
そもそもギブソンは、老舗の楽器メーカーです。
手に負えない子会社はすべて手放して、初心に立ち返り楽器の製造に注力する方針を決定しました。
ギブソンは本来の事業に専念したことで、売上も大幅アップし、晴れて経営不振から脱却することに成功したのです。
3.子会社の経営状況を見直して倒産を回避したRIZAPグループ
トレーニングジムの経営で一世を風靡したRIZAPグループも、一時経営不振に陥っていました。
経営不振に陥った原因は、比較的安く買える企業の大量買収。
事業拡大を目指して起こした行動が裏目に出て、経営不振に陥ってしまったのです。
そこでRIZAPグループは、子会社の経営状況を知るため、取締役が自ら視察。
徹底的な視察の結果、
- 業績回復が見込めない子会社については売却
- 回復が見込める子会社については経営再建
を最優先に行いました。
その間の買収は一旦締結し、慎重に経営を進めたおかげで、2019年4月〜6月期の営業損益は14億8200万円の黒字にまで回復。
2019年3月期は93億円の営業損益があったと考えると、すさまじい勢いで経営不振から脱却したことが分かります。
RIZAPグループは、経営不振に陥った原因を細かく分析し、赤字対策をおこなったことで経営不振から脱却しました。
4.需要の高いサービスに注力して1年でV字回復したスカイマーク
空の移動手段を提供するスカイマークは、2015年に113億円という大幅な赤字を出してしまいました。
経営不振に陥った原因は、身の丈に合わない投資です。
スカイマークは国際線への参入を決定した際に、多くの旅客機を導入。
当時の売上よりも大幅に上回る投資をした結果、そのまま経営不振に陥ってしまいました。
そんなスカイマークが経営不振から脱却した方法は、搭乗率の向上です。
経営不振になる前は、ひと月あたり最大5,000便以上の運行をしていましたが、経営不振に陥ってからは約3,500便まで削減。
すると搭乗率は80%を超える結果となり、大幅にコストの削減をすることができました。
- 身の丈に合わない投資をやめたこと
- 無駄なコストを削減してメインを絞ったこと
上記のポイントを抑えた末、わずか1年で驚異の黒字回復を成し遂げたのです。
無駄なコストを徹底的に除外し、需要の高いサービスに注力。
いたってシンプルな対策をおこなったことで、経営不振から脱却し、さらに黒字にまで復活することができました。
5.運用体制の徹底的な改善で信頼を取り戻したMERY
若い女性から人気を博しているMERY。
信憑性のない記事、著作権の違反をした記事が問題となった「WELQ問題」の影響で、MERYもサイトが閉鎖されてしまいました。
「経営を続けることは不可能か?」とまで思われたMERYは、運用体制を徹底的に見直したことで、経営不振からの脱却に成功しています。
サイトに掲載する記事は、MERY公認のライターがライティング。
そして公認ライターから上がってきた記事は、MERYとタッグを組んだ小学館のプロ編集者が複数名でチェックします。
著作権問題を避けるため、記事に使用する写真の権利チェックまで、小学館の社員が行うという徹底ぶりです。
いままでは「質より量」だったMERYですが、経営不振をきっかけに「量より質」を目指すことで、みごと業績を回復することに成功しました。
経営不振になったとき減給・解雇という選択肢はあり?なし?
経営不振に陥ると、従業員の減給や解雇も視野に入れなければならない状況もあるでしょう。
しかし、経営不振が原因による減給や解雇は認められるのでしょうか?
答えは「NO」です。
ただし、減給や解雇が認められる例外のケースもあるので、詳しく説明していきます。
企業が一方的に減給してしまうと、労働基準法第24条の違反に当たります。
給料の引き下げが即座に労働基準法違反になる訳ではありません。しかし、労働条件通知書や就業規則に明記してある給料の額よりも実際に支払われる給料の額が少ない場合は、労働基準法第24条違反(給料の一部不払い)となる可能性があります。
ですので、「経営不振になった」という会社都合の理由で減給することは許されていません。
ただし、
- あらかじめ従業員に減給することを伝える
- 従業員が減給に納得している
- 双方が合意して労働契約の変更をする
という条件がそろえば、経営不振でも従業員の減給が可能になります。
続いて経営不振による解雇ですが、会社の都合による解雇は整理解雇と呼ばれます。
普通解雇と異なるのは、従業員理由での解雇ではなく、会社都合である点です。
整理解雇は、裁判で合理性が認められないかぎり解雇することができません。
合理性の是非を問う際に判断材料になるのは、以下の4点。
- 人員削減の必要性
- 解雇回避努力
- 人選の合理性
- 手続きの正当性
このように、会社にとっては非常に厳しい条件であることが特徴です。
経営不振になっても、従業員の減給や解雇を実行するのはむずかしいと考えたほうが良いでしょう。
今からできる予防策!経営不振に陥らないための対策は?
経営不振から脱却する方法はありますが、そもそも経営不振に陥らなければ無駄な労力を割く必要がありません。
その分の労力を会社の成長のために使えば、会社はどんどん大きくなっていくものです。
ここでは、経営不振に陥らないための対策について詳しく解説します。
すべて今からできる予防法で、さらに誰でも取り組めることなので、ぜひ今日から実践してみてください。
対策1.赤字の原因と対策を日頃から分析する
会社を経営していると、会社全体で見れば黒字でも、ある一部分では赤字が出ていることもあるでしょう。
その赤字を無視し続けると、いずれ経営不振に陥ってしまうことは分かりますよね。
冒頭の「経営不振に陥る原因」でもお伝えしましたが、悪化する経営に対策を打たないと、赤字はどんどん膨れ上がっていきます。
手を打つ術がなくなる前に、まずは赤字になってしまっている原因を分析することが重要。
- 無駄なコストを割いていないか?
- 商品の価値に見合った価格設定ができているか?
上記の2つは、日頃からチェックする癖をつけましょう。
さらに詳しい対策は、別記事にも記載しているのでぜひ参考にしてください。
⇛会社の立て直しや黒字化に必要な対策は2つ!経営者にありがちな間違い
大きな赤字になってから分析しても、手遅れになっている可能性はかなり高いです。
手のつけようがない赤字を抱える前に、日頃から習慣的に赤字の原因と対策を分析しましょう。
対策2.会社の資金に見合った事業の拡大
会社が成長してくると、さらに大きくしたいという欲が出てくるものです。
しかし、いくら現在は景気が良くても、その景気の良さはいつ崩れるか分かりません。
会社に非がなくても、社会全体における経済状況によっては、経営が悪化する可能性もあるわけです。
将来的に売上の見込みがあるからといって、無計画に事業を拡大するのはリスクが大きすぎます。
事業の拡大を目指すなら、
- 会社にどれくらいの資金があるのかをチェック
- 現状で必要となるコストの計算
- 見込み売上がなくなった場合の対策
ここまで細かく分析することが重要です。
その上で、
- 事業拡大にどれくらいの金額を割けるのか?
- 事業拡大をすることで、どれくらいの利益が見込めるのか?
と、先々のことまで考えてから、事業の拡大を決定しましょう。
勢いだけで事業拡大をしてしまうと、あっという間に経営不振に陥ります。
経営不振に陥りたくないのなら、慎重な経営を目指しましょう。
対策3.既存顧客に固執しない
既存顧客は、企業の売上にとっても非常に重要なポイントです。
長く付き合っている顧客がいるからこそ、安定した売上がたっている企業も多いでしょう。
しかし、既存顧客に固執するのは大きなリスクを伴います。
たとえば大口の顧客が、突然倒産してしまったらどうでしょうか。
売上のほとんどを担っていた顧客がいなくなれば、見込んでいた売上がたたなくなります。
その見込み売上を期待して新しいサービスなどに先行投資していたら、収入と支出のバランスが崩れてしまいますよね。
だからこそ、既存の顧客がいるからと安心せず、新規開拓するのは非常に重要なこと。
さらに顧客を選別し、商品の価値を理解してくれる優良顧客を大切にすることも忘れてはいけません。
なぜなら、顧客選別を行うことで会社の利益率が格段に上がるからです。
さらに詳しい理由や顧客選別をする方法については、別記事「⇛顧客選別は絶対に必要!会社にとって良い顧客に残ってもらう方法とは」にて解説しています。
- 日頃から既存顧客との関係を大切にする
- 新規の顧客獲得を目指す
- 優良顧客を選別する
上記の3つのポイントは、経営不振に陥らないための重要な予防法です。
【まとめ】経営不振に陥らないよう日々対策を練ることが大切
今回は、企業が経営不振にまつわることをお伝えしてきました。
経営不振に陥る原因で最も多いのは、販売不振です。
しかし中小企業に限っては、売れる売れない以前に商品価格の設定をミスしている社長が多いのも事実。
中小企業の社長は、顧客の目や競合を気にして、安すぎる販売価格に設定してしまうことが非常に多いのです。
そこで重要になるのが、販売価格を見直すという対策。
実際、弊社代表北岡のクライアントの中には、顧客の抵抗なく販売価格を引き上げ、利益が何十倍にもなった事例もあります。
今回紹介した予防策や対策を実践し、経営不振に陥らない経営を目指しましょう。