モバイル決済導入のメリットとは?仕組みや定番のサービス、手数料を解説

鷲津晴人
モバイル決済導入

今回は、持っていない人の方が少ないスマホを使った決済手段、「モバイル決済」の導入についてお話をしていきます。

 

今日本では、急速にキャッシュレス決済が広まりつつあるのを知っていますか?

実は現在、経済産業省が「キャッシュレス・ビジョン」というものを掲げており、日本のキャッシュレス化を推進しています。

(参考:経済産業省_キャッシュレス・ビジョン_PDFファイル)

 

そして、そんなキャッシュレス決済の中でも注目されているのが、今回のテーマである「モバイル決済」です。

モバイル決済とは、お客さんがモバイル端末を使って行う決済手段のことをいいます。

わかりやすい例で言うと、電車に乗るさいに使うモバイルsuicaは、モバイル決済の一種です。

 

ただもちろん、モバイル決済はそれだけではありません。

モバイル決済にも、さまざまな種類があるのです。

 

そのため、いまいちモバイル決済がどういうものか分かっていない、という人も実は多かったりします。

かつ、自社に導入しようとなると、どの決済サービスを選べば良いのか、全くわからなくなってしまうわけですね。

 

そこで今回は、モバイル決済の導入について、

 

  • モバイル決済のメリットとデメリット
  • モバイル決済の仕組みと種類
  • 定番のモバイル決済サービスと各導入方法

 

といったことをわかりやすく説明していきます。

モバイル決済の導入を考えている場合は、ぜひこの記事を参考にしてください。

 

 

モバイル決済導入のメリット、デメリットとは?

モバイル決済導入のメリット

 

ここからは、モバイル決済を導入することで出てくるメリットとデメリットについて説明していきます。

しっかりと理解して、キャッシュレス決済導入の参考にしてください。

 

 

モバイル決済導入のメリット

モバイル決済を導入するメリットには、以下のようなものがあります。

 

  • 幅広いサービスを導入することができる
  • 入金サイクルが早い
  • 会計ソフトと連携させれば経理処理の効率化ができる
  • 中国人観光客にアピールできる

 

まず1つ目のメリットが、モバイル決済では幅広いサービスを導入することができるという点です。

冒頭でも少しお話しましたが、モバイル決済には色々な種類があり、電子マネー決済、QRコード決済など、幅広いサービスが揃っています。

そのためモバイル決済は、さまざまな決済ニーズに応えることができるのです。

 

そしてもう1つのメリットに、入金サイクルが早いというものがあります。

たとえばクレジットカード決済の場合、入金は月に1回か2回行われるというのが普通です。

これがモバイル決済になると、契約をするサービスによっても異なりますが、早いもので最短翌営業日には入金をしてくれるところまであるのです。

できるだけ資金を早く回したい中小企業にとって、売上を素早く回収できるというのは、非常にありがたいことだと言えますね。

 

そしてもう1つのメリットが、会計ソフトと提携させることで経理事務を効率化することができるという点です。

モバイル決済による売上は電子データとして残るため、クラウド会計ソフトなどを導入していれば、履歴を転用することができます。

そうなれば売上を1つ1つ打ち込む手間が省けるため、経理事務の効率化ができるのです。

 

さらに、もう1つ大きなメリットとして、モバイル決済を導入することで、中国人観光客にアピールすることができるというものがあります。

実は中国では、モバイル決済のシェアが80%という大台を超えており、日常的に使われているのです。

そのため中国人観光客からしてみれば、モバイル決済を導入している店舗は非常に使いやすいと感じるわけですね。

つまりそれだけ、中国人観光客を獲得できる可能性が上がるということです。

2018年には、年間で800万人以上の中国人観光客が日本に訪れています。

この規模の観光客は、とくに観光地にある飲食店などにとっては、決して無視できない客層であると言えるでしょう。

 

 

モバイル決済導入のデメリット

モバイル決済にはメリットだけでなく、以下のようなデメリットもあります。

 

  • 途上審査が厳しく、突然取引を停止されることがある
  • 初期費用や決済手数料といったコストがかかる

 

まずデメリットとして大きいのが、途上審査で突然取引を停止されてしまうことがあるという点です。

 

たとえばクレジットカードの場合、申し込みがあった時点で慎重に加盟店審査を行います。

審査期間も、2週間~3週間と長いです。

ところがモバイル決済の場合、早ければ3営業日ていどで審査が終わります。

つまり、それだけ簡易な審査を行っているというわけです。

そしてその代わりに厳しくなるのが、途上審査です。

要は、サービス利用中に問題がないか、つど審査されるということですね。

そしてその審査に落ちてしまうと、突然、決済を受け付けることができなくなってしまうのです。

とはいえもちろん、普通に使っている場合は基本的に大丈夫なはずです。

ただモバイル決済の場合、何かの間違いで決済サービスを止められてしまう可能性がやや高くなっている、ということは認識しておきましょう。

 

そして、もう1つのデメリットが、コストがかかるという点です。

各種決済サービスを提供している企業もボランティアで行っているわけはありませんので、当然手数料を徴収しなければいけません。

そのため、モバイル決済でかかるコストについては、あるていど仕方がないデメリットであるとも言えます。

ただ、今は各種サービスが新しく立ち上がり、利用者を募集している時期でもあるため、初期導入費用などについては実質0円になるキャンペーンを開催しているところも多いです。

また、中小・小規模事業者に対しては、経済産業省がキャッシュレス決済導入の支援制度を行っています。

 

  • 端末費用と設置費用が無料になる
  • 実施期間中の決済手数料のうち1/3を国が負担

 

このような支援制度を利用すれば、かなりお得にキャッシュレス決済(モバイル決済含む)の導入をすることが可能です。

支援の対象期間は2019年10月1日~2020年6月30日までとなっていますので、自社が対象になっているかどうか、今のうちに確認しておくと良いでしょう。

(参考:キャッシュレス・消費者還元事業)

 

 

モバイル決済の仕組みと種類

モバイル決済の仕組みと種類

 

モバイル決済には、大まかに分けて3種類の仕組みがあります。

 

  1. IC決済
  2. コード決済
  3. キャリア決済

 

これらの違いをきっちり理解しておかないと、モバイル決済がどういうものなのか分からなくなってきてしまいます。

1つずつ説明していきますので、ここで理解しておきましょう。

 

 

モバイル決済の仕組み1.
IC決済

モバイル決済で代表的な仕組みと言えば、決済端末にスマホをかざして決済するIC決済タイプです。

たとえば、電車の改札で使う電子マネー決済はこのタイプになります。

お客さんのスマホの中に、Androidではおサイフケータイ、iOSではApple Payが入っていれば、このタイプの決済が可能です。

 

IC決済を導入する場合は、専用の読み取り端末を用意する必要があります。

そのため導入時には、端末の購入費が必要となるのです。

ただ、今はキャッシュレス決済普及の流れがあるおかげで、初期費用が無料になるキャンペーンを行っているサービスも多くあります。

そういったキャンペーンをうまく使えば、コストをかけずにIC決済を導入することも可能です。

 

 

モバイル決済の仕組み2.
コード決済

コード決済は、バーコードやQRコードを使って決済を行う仕組みです。

主に2パターンの決済方法があります。

 

  1. 店舗側でコードを提示して読み取ってもらう
  2. お客さんにコードを提示してもらい、店舗側が読み取る

 

中でもお客さんにコードを読み取ってもらう決済の場合、お店側としてはコードを提示しておくだで良いため、初期費用がほとんどかからず、とても簡単に導入することができます。

そのため、複数のコード決済サービスを同時に導入しておいて、広いニーズに対応するということも可能です。

また、とくに中国ではQRコード決済の普及率が高いため、中国人観光客が多い土地にある店舗の場合は、顧客増を見込むこともできます。

 

 

モバイル決済の仕組み3.
キャリア決済

キャリア決済は、サービス購入に使った料金が携帯料金と合わせてキャリアから請求される決済方法です。

こちらの決済方法は、基本的にはオンラインショップ向けとなっています。

 

キャリア決済を導入しておくメリットとしては、クレジットカードを持っていないお客さんでも気軽にオンライン決済ができるようになる、というところが大きいです。

とくにクレジットカードを持っていない人も多い若い世代には効果的で、そういった客層をターゲットにしているオンラインショップなら、大きな売上増を狙うこともできます。

 

オンラインショップを運営しているなら、キャリア決済の導入を1度は検討しておくべきでしょう。

 

 

【定番】各種モバイル決済サービスの特徴と手数料を比較【導入方法】

各種モバイル決済サービスの特徴と手数料を比較

 

ここからは、多くの店舗が使っている定番のモバイル決済サービスについて、特徴、手数料、導入方法を説明していきます。

 

  • 楽天ペイ
  • AirPAY(エアペイ)
  • ペイジェント

 

モバイル決済の導入を考えているなら、ぜひ参考にしてください。

 

 

定番のモバイル決済サービス1.
楽天ペイ

楽天ペイ

(画像引用:楽天ペイ公式ホームページ)

 

楽天ペイでは、モバイル決済として、QRコード決済と電子マネー決済(IC決済)を導入することができます。

利用したお客さんには楽天ポイントが貯まるため、お得感をアピールすることも可能です。

さらに楽天ペイでは、クレジットカード決済やオンライン決済にも対応しています。

 

このように楽天ペイは、幅広いサービスに対応しているのが特徴です。

そのため楽天ペイ1つを導入しておけば、さまざまな決済サービスを取り扱うことが可能となります。

 

初期費用についてもお得なキャンペーンを随時やっていますので、モバイル決済導入を考えているなら検討しておきたいサービスであると言えるでしょう。

 

 

楽天ペイの各種費用

楽天ペイの導入でかかる費用は、以下のようになっています。

 

初期費用 入会金無料

QRコード決済の導入だけの場合は初期費用なし

クレジットカード決済、電子マネー決済も同時に導入する場合はカードリーダーの購入が必要
⇒カードリーダーの価格は18,800円(2019年5月時点)

ランニングコスト QRコード決済手数料 3.24%

クレジットカード決済手数料 3.24%または3.74%

電子マネー決済手数料 3.24%または3.74%

売上の振込手数料 210円
(楽天銀行への振り込みは手数料無料)

 

楽天ペイではお得なキャンペーンが随時開催されていますので、そちらの方もチェックしておきましょう。

 

 

楽天ペイの導入方法

楽天ペイは、以下の手順で導入することができます。

 

  1. 公式サイトから申し込みを行う
  2. 審査結果を待つ
  3. カードリーダーの購入を行う
  4. スマホかタブレットに楽天ペイアプリをダウンロードし、初期設定を行う
  5. 利用を開始する

 

申し込みは、以下のリンク先から行ってください。

⇒楽天ペイ公式ホームページ

 

 

定番のモバイル決済サービス2.
AirPAY(エアペイ)

AirPAY

(画像引用:AirPAY公式ホームページ)

 

AirPAYでは、モバイル決済として、QRコード決済と電子マネー決済(IC決済)を導入することができます。(AirPAY_QRの同時申し込みが必要)

そのほか、クレジットカード決済の対応も可能です。

 

AirPAYは楽天ペイと同じく、さまざまな決済サービスを一括で導入できます。

また、導入費用が0円になるキャンペーンも随時行っており、導入しやすいというのもポイントです。

キャッシュレス決済をお得に一括導入したいなら、楽天ペイと併せて検討しておくと良いでしょう。

 

 

AirPAYの各種費用

AirPAYの導入でかかる費用は、以下のようになっています。

 

初期費用 入会金無料

カードリーダーの価格は18,334円(2019年5月時点)

iPadを同時に購入するさいは37,800円(2019年5月時点)

ランニングコスト QRコード決済手数料 3.24%

クレジットカード決済手数料 3.24%または3.74%

電子マネー決済手数料 3.24%または3.74%

売上の振込手数料 無料

 

AirPAYでも随時キャンペーンをやっているため、条件に合えば、読み取り端末とiPadを無料で使える可能性があります。

申し込みを検討する場合は、キャンペーンについてきっちりと確認しておきましょう。

 

 

AirPAYの導入方法

AirPAYは、以下の手順で導入することができます。

 

  1. 公式サイトから申し込みを行う(AirPAY_QRについても同時に申し込んでおく)
  2. 審査結果を待つ(通常3日ていど)
  3. カードリーダー、操作マニュアル、加盟店ステッカーが送付されてくる
  4. スマホかタブレットにAirペイアプリをダウンロードし、初期設定を行う
  5. 利用開始のお知らせメールが届いたら導入完了

 

これらの手順を完了すれば、AirPAYを導入することができます。

⇒Air Pay公式ホームページ

 

 

定番のモバイル決済サービス3.
ペイジェント

ペイジェント

(画像引用:ペイジェント公式ホームページ)

 

ペイジェントは、クレジットカード決済やコンビニ決済(番号方式)など、非常に多くの決済手段を取り扱っている決済代行サービスです。

モバイル決済としては、大手3社のキャリア決済を取り扱っています。

 

  • ドコモ払い(docomo)
  • auかんたん決済(au)
  • ソフトバンクまとめて支払い(ソフトバンク)

 

クレジットカードなしに簡単な手順で決済できるキャリア決済は、とくに若い世代のお客さんにとっては非常に使いやすい決済サービスです。

若い世代をターゲットにしているECサイトを運営しているのなら、販売機会拡大のために、ぜひ検討してみてください。

 

 

ペイジェントの各種費用

ペイジェントでは幅広いサービスを取り扱っているため、自社情報を入力して資料請求をしてから価格の提案を受ける形になります。

また、ほかの決済サービスと違い、実際にサービスを申し込む前に、ヒアリング・無料相談を受けることが可能です。

おすすめのプランなども教えてもらえますので、初期費用とランニングコストの詳細については、そのときに確認してください。

⇒ペイジェント_資料請求ページ

 

 

ペイジェントの導入方法

ペイジェントの導入は、以下の手順で進めることになります。

 

  1. 公式サイトより問い合わせを行う
  2. ヒアリング・無料相談を受ける
  3. 見積もりを出してもらい、確認する
  4. 申し込みを行う
  5. 審査結果を待つ
  6. 審査が通ったらシステムを導入する
  7. 決済サービスの利用を開始する

 

ペイジェントの場合、ほかの決済サービスよりも審査期間が長く、申し込みからサービス開始までおよそ6週間かかるとされています。

その分、きめ細やかなサポート体制を整えていますので、キャリア決済に興味があるなら、ヒアリング・無料相談だけでも受けてみると良いでしょう。

⇒ペイジェント公式ホームページ

 

 

【まとめ】モバイル決済含めキャッシュレス決済は今後も増えていく

今回は、モバイル決済について説明をしてきました。

 

モバイル決済に限らず、今後日本では、キャッシュレス決済が普及する見込みがかなり強いです。

日本という国がらみでキャッシュレス決済を推進している状況なので、数年後には現金決済の方が珍しくなることも十分に考えられます。

そんな状況に備えられるように、今回のモバイル決済や、ほかのキャッシュレス決済については、常にアンテナを張り、情報収集をしておきましょう。

キャッシュレス決済については詳しく説明した記事もありますので、こちらも併せて参考にしてください。

⇒キャッシュレス決済の種類を比較!導入におすすめなのはどれ?

 

また、日本のキャッシュレス化に伴い、既存のビジネスの状況についても1度見直しておくべきです。

なぜかというと、キャッシュレス決済が主流になるということは、決済手数料として売上の数%が常に引かれることになってしまうからです。

今は各種キャンペーンを行っているため大きな負担はありませんが、これはあくまでもキャッシュレス決済普及のための一時的なもので、いずれはしっかりと決済手数料を取られるときが来ます。

そんなとき、仮に利益率の低いビジネスをやっていると、決算手数料の影響で一気に業績が悪くなってしまい、最悪倒産にまで追い込まれてしまう可能性だってあるのです。

とくにギリギリ儲けがあるかどうかというような利益率でビジネスを回しているのなら、今すぐにでも見直しておかないと、今後のキャッシュレス化社会を生き抜くことはおそらく厳しいでしょう。

 

では、どうやって改善すれば良いのかということですが、1番手っ取り早いのは商品の価格を上げることです。

日本における中小企業の場合、実際に商品が持っている価値よりも安い価格にしてしまっているところが数多く存在しています。

そのため、きっちり商品価値に合った価格まで値上げするだけでも、一気に利益率を改善することができるようになるのです。

 

 

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