ロングテール戦略の効果的な使い方とは?考え方と成功事例を解説

鷲津晴人
ロングテール戦略

今回は「ロングテール戦略」についてお話ししていきます。

ロングテール戦略は、あの最大手ECサイトのAmazonが使って大成功を収めたことで有名なマーケティング戦略です。

 

今まではどちらかというと大手企業向けの戦略であると言われていたのですが、インターネット上における市場の進化によってスモールビジネスでもロングテール戦略をとれるようになってきました。

むしろこれからの時代、ロングテール戦略も視野に入れたマーケティングを考えていかないとジャンルによっては競合他社に勝てなくなってしまうかもしれません。

 

そこで今回はロングテール戦略について、以下のことを説明していきます。

 

  • ロングテール戦略の具体的な意味
  • ロングテール戦略のメリットとデメリット
  • スモールビジネスにおけるロングテール戦略とは?
  • ロングテール戦略に向いているビジネス
  • ロングテール戦略の成功事例
  • ロングテール戦略を成功させる方法

 

マーケティングにおける1つの手段として、ロングテール戦略のことはぜひ知っておいてください。

 

 

ロングテール戦略の基本的な意味と考え方

ロングテール戦略とは、「少数の売れ筋商品ではなくて膨大なニッチ商品で売上を支える」という経営手法のことです。

ロングテール戦略という言葉は、アメリカの『WIRED』誌の編集長であるクリス・アンダーソン氏によって提唱されました。

ちなみにWikipediaでは以下のように説明されています。

 

ロングテール(英語: the long tail)とは、インターネットを用いた物品販売の手法、または概念の1つであり、販売機会の少ない商品でもアイテム数を幅広く取り揃えること、または対象となる顧客の総数を増やすことで、総体としての売上げを大きくするものである。

(引用:Wikipedia)

 

このように、基本的にはインターネットを用いた物販における手法であるということですね。

実際に最大手のインターネットショップであるAmazonを覗いていただくとわかるのですが、Amazonには膨大な種類の商品が並んでいます。

そして実は、その多くが「ほとんど売れない商品」なのです。

それこそ1年に数回しか注文が入らないような商品も少なくありません。

 

リアル店舗の場合、そういった売れない商品はすぐに販売を停止します。

商品を並べられる場所も限られてるため、それなら売れ筋の商品をもっと仕入れて店頭に並べた方が収益性が高いからです。

むしろ売れない商品をいつまでも並べていては赤字になってしまいます。

 

ところがAmazonはネットショップであるため、ほとんど無限に商品を並べることができ、さらに検索機能で簡単に商品をサーチすることもできました。

そのため、Amazonのビジネスモデルはロングテール戦略に非常に適していたのです。

 

このように競合が少ないニッチな分野を大量に攻めていくことを「ロングテール戦略」といいます。

太く短い胴体部分ではなく、細長いしっぽの部分(ロングテール)が売上を支えているというわけですね。

 

ちなみに、この反対の意味を持つ戦略が「パレートの法則(20対80の法則)」を使った戦略です。

パレートの法則は「結果の8割は2割の限られた要素が捻出している」という意味を持っています。

これをビジネス的に言い換えると、「売上の8割は商品全体のうち2割の売れ筋商品からあがっている」ということです。

つまりロングテール戦略とは逆で、2割の売れ筋商品に力を入れるのがパレートの法則を使ったマーケティング戦略であるというわけですね。

(参考:パレートの法則で仕事を効率化!組織運用や売上アップに活かす方法)

 

ロングテール_パレートの法則

 

基本的に資本力や労力が少ない中小企業の場合、ロングテール戦略よりもパレートの法則を重要視したビジネスモデルにするべきであると言われています。

実際に中小企業の場合は、重要な2割に力を割いた方がより利益に繋がりやすいでしょう。

 

ただし、どんな場合であってもパレートの法則の方が優れているとは限りません。

というのも昨今はインターネット上における市場の進化により、物販以外の分野でもロングテール戦略がとれるようになってきたからです。

そして、資金や労力を使わずにロングテール戦略をとれる場合も増えてきました。

資金や労力を使わない分野であれば、スモールビジネスでも効果的にロングテール戦略をとることができます。

 

そこでここからは、ロングテール戦略についてさらに掘り下げて説明をしていきます。

 

  • ロングテール戦略のメリットとデメリット
  • スモールビジネスにおけるロングテール戦略とは?
  • ロングテール戦略に向いているビジネス

 

これらについて、中小企業、個人事業主向けにお話ししていきます。

どのような分野ならロングテール戦略をとるべきなのかについても説明していきますので、ぜひ参考にしてください。

 

 

ロングテール戦略のメリットとデメリット

ロングテール戦略には、メリットとデメリットの両方が混在しています。

 

まずロングテール戦略のメリットですが、「売上を安定させることができる」というのがとにかく大きいです。

たとえば一部の売れ筋商品に頼ったビジネスをしていた場合、万が一その売れ筋商品が売れなくなってしまうと、会社が壊滅的なダメージを受けてしまいます。

実際によくあるのが、その時代に流行したビジネスに手を出して一時的にかなりの売上を記録したものの、流行が去ると同時に売上が激減して大量の在庫を抱え、結局倒産してしまうというパターンです。

 

最近で言うとSEO業者の倒産が多くありました。

SEOとはホームページを検索上位に持っていく対策のことです。

以前は簡単な対策をするだけで検索上位を狙えていたので、企業ページのSEO対策を請け負う仕事が流行し、SEO業者が乱立していました。

ところがあるタイミングでGoogleがアップデートを行い、簡単な作業だけでは検索上位を狙うことが難しくなってしまったのです。

すると売上をSEO対策のみに頼っていた多くの業者が仕事を失い、次から次へと倒産してしまいました。

倒産した会社はSEO対策にのみ力を入れていたため、その代わりとなる仕事をすることができなかったのです。

 

このように売上の多くを一部の商品に頼るやり方をすると、いざそれがダメになったときのダメージがそのまま致命傷になってしまいます。

反面ロングテール戦略なら、数多くのニッチ商品が少しずつ売れていくことで売上をあげているわけなので、1つ2つの商品がダメになったところで大きなダメージは受けません。

この安定性こそがロングテール戦略のもっとも大きなメリットなのです。

 

とはいえもちろん、ロングテール戦略にはデメリットもあります。

それが以下の2点です。

 

  1. 即効性がない
  2. やり方によっては大きな負担がかかる

 

まずロングテール戦略には即効性がありません。

ロングテール戦略では少しずつしか売れないニッチ商品を売るわけなので、Amazonのように膨大な種類が揃うまでなかなか大きな売上にならないのです。

少なくとも即効性に限れば、流行に乗った売れ筋商品を売る方が間違いなく優れているでしょう。

 

あとロングテール戦略には、やり方によっては大きな負担がかかるというデメリットもあります。

たとえば物販でロングテール戦略を行う場合には多くの在庫を抱えるための資金が必要ですし、そもそも仕入れを行うのも大変です。

在庫を保管しておく倉庫も必要になりますし、リアル店舗の場合は広い販売スペースも必要になります。

このようにロングテール戦略を行うには、多くの場合、それなりの労力や資金が必要となるのです。

 

以上がロングテール戦略のメリットとデメリットです。

 

 

スモールビジネスにおけるロングテール戦略の考え方

スモールビジネスでロングテール戦略をとりたい場合、少なくとも先に説明したデメリットをクリアできる状況で行うべきです。

つまり、即効性を求めなくてよい状況で、資金や労力があまりかからないやり方でやるべき、ということですね。

そのためスモールビジネスの場合、基本的に在庫を持つようなビジネスはロングテール戦略に向いていません。

 

あとは長期的に見てコストパフォーマンスに優れるかどうか、ということも重要視してください。

いくら資金や労力がかからなくて安定するといっても、そもそも利益が見込めなければやる意味がありません。

たとえばAmazonの場合、1年に数回売れるかどうかという商品を売るのは「何でも売っているショップ」というブランディングができるというメリットがあるからです。

ブランディングすることによって結果的にニッチ商品を求めるお客さんが大量に集まって利益があがるからこそ、少ししか売れない商品も売っているわけですね。

このようにロングテール戦略をとるさいは、最終的にきちんと利益が出ることを前提で考える必要があります。

ロングテール戦略だからといって、効果性の低いものまでなんでもかんでも手を出さないように注意しましょう。

 

以上が、スモールビジネスでロングテール戦略をとるさいの考え方です。

スモールビジネスでロングテール戦略を検討するなら、デメリットと最終的なコストパフォーマンスについてはしっかりと考えるようにしておいてください。

 

 

【中小企業、個人事業主向け】ロングテール戦略に向いているビジネス

中小企業、個人事業でロングテール戦略をとるのにもっとも向いているビジネスは検索上位を狙ったビジネスです。

いわゆるSEOですね。

 

ロングテールSEO

 

SEOに頼ったビジネスとしては、たとえば多くの中小企業が行っているブログ集客などがあります。

ブログ集客でロングテール戦略を行えるのは、検索上位を狙うキーワードを選定するときです。

たとえば同じくらいの効果性を持っているとして、1つのキーワードで1日1000アクセスを集めるサイトと10個のキーワードで1000アクセスを集めるサイトを比べたとき、優れているのは後者であると言えます。

なぜなら、Googleの急なアップデートや競合の増加による順位変動の被害を受けにくいからです。

1つの記事でサイトのアクセスのほとんどを稼いでいる状況だと、その記事の順位が下がってしまえば一気にサイト全体の収益性がダウンしてしまいます。

一方、複数の記事でサイトのアクセスを支えている状況なら、1つや2つの記事が順位を落としてもほかの記事でカバーすることができるのです。

 

さらにロングテールで狙うようなキーワードは大きなキーワードに比べて競合も少なく弱いため、場合によっては大きなキーワードの順位を上げるよりも少ない労力で多くのアクセスを集められる可能性もあります。

このような理由から、検索上位を狙ったビジネス(SEOに頼ったビジネス)はスモールビジネスであったとしてもロングテール戦略に向いていると言えのです。

 

また、ロングテールSEOについては別記事でも詳しく説明していますので、興味がある場合はそちらの方も確認してみてください。

⇒SEOで成功するための一番大切なポイント

 

 

ロングテール戦略の成功事例

ここからはロングテール戦略の成功事例を2つ紹介していきます。

 

  1. Amazon
  2. A-Z

 

参考にして、あなたのビジネスでも応用できないか考えてみてください。

 

 

ロングテール戦略の成功事例1.
Amazon

冒頭から何度も名前を出していますが、やはりロングテール戦略の成功事例としてAmazonを外すことはできません。

もともとロングテール戦略が注目されだしたのも、それでAmazonが大きな成功を収めたからなのです。

 

Amazonがロングテール戦略を行って成功した要因として、2つのことが考えられます。

 

  1. 何でも売っているネットショップとしてブランディングすることができた
  2. セラーの存在

 

Amazonは膨大な商品を取り扱うことにより、「なんでも売っているお店」というブランディングを行いました。

そうすることで何か商品を探している人が、「とりあえずAmazonで探してみる」というような行動をとるようになったのです。

つまりニッチ商品を探す最初の探し場所になることで、ニッチ商品全体のシェアを大きく掴んだわけですね。

 

そしてもう1つ、ロングテール戦略を支えたのがセラーの存在です。

Amazonでは、個人や企業が商品を出品することもできます。

そのためAmazonというネットショップには、Amazonが仕入れて売っている商品数以上に膨大な種類の商品が出品されているのです。

それらの在庫は出品している個人や企業の物なので、当然Amazonに負担はかかりません。

さらに販売手数料や商品の保管、出荷を行う手数料を得ることで、Amazonは大きな利益をあげることができているのです。

 

こように2つの要因によって、Amazonのロングテール戦略は大成功を収めました。

根本にあるのは長期的な視野によるブランディングとリスクの低減なので、私たち中小企業でも参考にできる部分があるはずです。

 

 

ロングテール戦略の成功事例2.
A-Z

かなり珍しい例ですが、リアル店舗でロングテール戦略を成功させた企業も存在しています。

それが「A-Z」という超大型スーパーマーケットです。

 

A-Zは鹿児島にあるスーパーマーケットなのですが、なんとその広さは東京ドームにあるグラウンド面積の3倍を誇っており、40万点以上にも及ぶ種類の商品を販売しています。

そして食料品や衣料品はもちろん、乗用車に至るまでありとあらゆるジャンルの商品を揃えているのです。

まさにリアルAmazonとでも言うべき店舗ですね。

もちろんたくさん売られている商品の中には、Amazonと同様に年に数個しか売れないような効率の悪い商品も含まれています。

しかし、それでもA-Zは1日の来客数が平均3万人、年商が17億円という大成功を収めることができたのです。

 

なぜA-Zがそれほどまでの成功を収めることができたのかというと、やはりブランディングによるところが大きかったでしょう。

なにせAmazonのリアル店舗バージョンがあるわけです。

欲しいものがあったらまず駆け込めますし、そもそも何も買う気がなくてもちょっとしたテーマパーク感覚で行くことだってできます。

現にA-Zには足湯なんかもありますから、ただウインドウショッピングを楽しむという客層もいるのではないでしょうか。

 

このようにロングテール戦略を行う場合、ブランディングによる効果は非常に大きな成功要因となります。

ロングテール戦略を立てるさいにはどのようなブランディングをして何を目標とするのか、しっかりと決めておきましょう。

 

 

ロングテール戦略を成功させる具体的な方法

ここからは、ロングテール戦略を成功させるために具体的に何をすれば良いのかを説明していきます。

ロングテール戦略を成功させるためには、以下のようなことを行ってください。

 

  • 長期的な計画を立てる
  • 市場やキーワードをずらして考える
  • 長期的に続ける

 

まずロングテール戦略を行うのに重要なのは長期的な計画を立てることです。

この記事内でも説明しているとおり、ロングテール戦略に即効性はありません。

長期的に取り組むことで安定した土台を作り上げたりブランディングをしたりするものです。

そのためロングテール戦略を行う場合は、最終的な立ち位置まで含めて長期的な計画を立てる必要があります。

 

あとは市場やSEOで狙うキーワードなどを考える場合、少し視点をずらしてみてください。

どういうことかというと、わかりやすい直球的な市場やキーワードは競合が多いため、そこから少しずらして狙いを定めるということです。

たとえばSEOでキーワードを探す場合、「転職」だとかなり競合が強いのですが、「女性が少ない職場」だとかなり競合は弱くなります。

もし転職したい理由が「女性だらけの職場に馴染めない」だったら、その人は「女性が少ない職場」を探す可能性がありますよね?

もちろん検索をする人の数は「転職」よりかなり少ないでしょう。

しかし、「転職」というレッドオーシャンのキーワードを狙ってまったく上位表示されないよりは、ボリュームが小さくてもしっかり上位表示される方が効果性としては高くなる可能性があります。

これが市場やキーワードをずらすという考え方です。

ただし、狙いをずらしすぎて効果性がなくなってしまっては意味がありません。

「数は少ないが確かにそこに需要がある」ということが重要なのだと念頭に置いて、ずらしを行うようにしましょう。

 

あとは、長期的に続けることも重要です。

ブログ集客を行うならコツコツと記事数を増やさなければいけませんし、物販を行うならコツコツと商品数を増やさなければいけません。

そのためロングテール戦略を立てるさいには、資金や労力の負担が長期的に耐えられるていどのものなのかどうかをきちんと確認しておいてください。

ロングテール戦略においては、「続ける」というのも非常に重要な手順の1つなのです。

 

 

【まとめ】ロングテール戦略は極力リスクを減らして行うこと

今回はロングテール戦略についてお話をしてきました。

 

中小企業や個人事業主がロングテール戦略を行う場合、リスクをできるだけ抑えることが前提条件となります。

なぜならロングテール戦略には即効性がなく、長期的な運用が必要となるからです。

そのため資金や労力を多く割いてしまうと、結果が出る前に体力が尽き、ロングテール戦略の運用ができなくなってしまうのです。

 

そもそもの話、スモールビジネスをしている場合は、基本的にロングテール戦略よりもパレートの法則(20対80の法則)を重視するべきだというのが通説です。

中小企業や個人事業主は資金力や労力に乏しいわけなので、それなら効率の良い2割に全力投球するべきだということですね。

ほとんどの場合、その方がより効率的に利益をあげることができるでしょう。

 

ただ、そんな中小企業や個人事業主でもロングテール戦略をとるべき分野があります。

それがSEOに関するビジネスです。

たとえばブログ集客を行っている場合などは、さまざまなキーワードから流入があるようにすることで、順位変動のリスクを抑えることができます。

 

あとロングテール戦略で言えることは、売れる機会が少ないからこそ、しっかりと商品の利益率を確保しておくべきだということです。

スモールビジネスにおいて利益率は、非常に重要な要素であると言えます。

それが数を売ることのできないロングテール商品であったならなおさらです。

 

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現在はインターネット上における市場の進化により、ロングテール戦略をとれる機会も増えてきました。

とはいえスモールビジネスを行っている場合、まだまだパレートの法則(20対80の法則)を重視した経営戦略の方が向いていると言えます。

もしロングテール戦略をとるのなら、本当にロングテールを狙うことが効果的な分野なのか、しっかり見極めてから行うようにしましょう。

 

 

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