今回は客単価を上げるために重要な指標「顧客満足度」についてお話をしていきます。
顧客満足度とは、その名の通り「自社の商品やサービスを購入してくれている顧客の満足度」のことです。
顧客満足度を上げることにより、客単価を上げて売上や利益を上げることができます。
とはいえ、顧客満足度をという言葉を知っているものの、深く理解している方は意外にも少ないです。
そこでこの記事では、顧客満足度について以下の内容を中心に解説します。
- そもそも顧客満足度とは?
- 顧客満足度を上げる3つのメリット
- 顧客満足度を上げて顧客満足度を上げる7つの方法
- アンケートで顧客満足度を調査する方法
- リピーターを増やすためには顧客ロイヤルティも重要
自社に販売する商品の顧客満足度を上げてリピーターを増やしたい方や、顧客満足度に課題を感じている経営者の方は、ぜひ参考にしてください。
意外と理解できていない!そもそも顧客満足度とは?
顧客満足度とは、「商品やサービスに対する顧客の満足度」のことです。
顧客満足度を上げることにより、リピーターが増えたり、顧客が他商品の購入を購入してくれたりとさまざまなメリットがあります。
そのため、顧客満足度を上げることで売上や利益の改善が見込まれるのです。
そんな顧客満足度は5つの指標が関わっているとされています。
顧客満足度に関わる5つの指標を紹介!
ここからは顧客満足度に関わる5つの指標を紹介します。
日本顧客満足度指数調査を行っている公益財団法人日本生産本部では、顧客満足度には次の5つの指標が関わっているといるとされています。
- 顧客期待
- 知覚品質
- 知覚価値
- 推奨意向
- ロイヤルティ
以下の図は、顧客満足度と5つの指標の関係性を表した図です。
出典:JSCI 日本版顧客満足度指数 2018年度年間調査結果(公益財団法人日本生産本部)
顧客満足は、3つの要因で構成されています。
- 顧客期待
- 知覚品質
- 知覚価値
また、顧客満足を上げることで、次の2つの指標を上げることができるのです。
- 推奨意向
- ロイヤルティ
5つの指標について詳しく解説します。
顧客満足度に関わる指標1.顧客期待
顧客期待は顧客満足度を構成する指標の1つです。
顧客期待とは、顧客がサービスや商品を実際に利用したときに、顧客が事前に感じている企業や商品への予想や期待のことです。
顧客期待の高い商品を作り、顧客期待を超えることで顧客満足度を向上させることができます。
顧客期待は、このあと紹介する知覚期待と知覚価値への影響も大きく、顧客満足度を構成する指標の中でも基礎となる指標です。
顧客満足度に関わる指標2.知覚品質
知覚品質も顧客満足度を構成する指標の1つです。
知覚品質とは、顧客が商品やサービスを実際に利用したときに感じる、商品やサービスの品質のことです。
知覚品質の高い商品を作ることで、顧客満足度を上げることができます。
また、知覚品質は顧客期待が存在するからこそ存在するものです。
そのため、顧客期待値がある程度高く、なおかつ商品やサービスの品質が高ければ顧客満足度も高くなりやすいのです。
顧客満足度に関わる指標3.知覚価値
顧客満足度を構成する最後の指標は、知覚価値です。
知覚価値とは、顧客が商品やサービスを実際に利用したときに、商品やサービスの品質と価格を比較して感じるコストパフォーマンスや納得感のことです。
知覚価値を高めることで、他社の商品や他商品との差別化を図ることができます。
価格が安い方がよいということではなく、価格が高いものでもそれだけの価値がある商品だと感じてもらえればコストパフォーマンスは高いのです。
顧客満足度に関わる指標4.推奨意向
推奨意向は顧客満足度が上がることで、顧客に現れる思考です。
推奨意向とは、顧客が実際が実際に利用した商品やサービスを他人にポジティブに伝えるかどうかということです。
推奨意向は顧客満足度を上げることで高めることができ、推奨意向が高まることで、顧客が利用した商品やサービスを他人に口頭やSNSで口コミを行ってくれます。
顧客満足度に関わる指標5.ロイヤルティ
ロイヤルティも顧客満足度を上げることで、顧客に現れる思考です。
ロイヤルティとは、顧客が実際に利用した商品やサービスを今後も使い続けたいか、いま以上に頻繁に使いたいかなど使用頻度の意識のことです。
顧客満足度を上げることにより、ロイヤルティを高めることができ、推奨意向を高めることでもロイヤルティを向上させることができます。
また、ロイヤルティを感じている状態は、推奨意向を感じている状態よりも顧客満足度が高い状態にあります。
そのため、ロイヤルティを感じている顧客は推奨意向も高い状態にあるため、他人への口コミを行ってくれる可能性も高いです。
顧客満足度をあげる3つのメリットを紹介!
ここからは顧客満足度を上げる3つのメリットについて解説します。
顧客満足度を上げるメリットを知っておくことで、顧客満足度をなぜ上げる必要があるのかを理解することができます。
- リピーターが増える
- 口コミをしてもらえる
- 自社の他商品を購入してくれる
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
顧客満足度を上げるメリット1.リピーターが増える
顧客満足度を上げる1つ目のメリットは、リピーターが増えるということです。
顧客満足度が上がると、顧客から商品に対して信頼と安心を与えることができます。
そのため、ロイヤルティが高くなり、同じ商品をリピートしてくれる可能性が高くなるのです。
たとえば、あなたが行ったことのあるラーメン屋で、以前食べた美味しいラーメンと食べたことがなく味がわからないラーメンどちらが食べやすいかを聞かれると前者と答える方の方が多いでしょう。
このように、顧客満足度を上げることで、同じ商品のリピーターを増やすことができるのです。
リピーターが増えることで、客単価を上げて売上と利益を改善することができる可能性があります。
リピーターの獲得に関しては、当サイトの別記事で詳しく解説しています。
リピーター獲得のアイデアや、実例について詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
個人事業主や小さい店舗のリピーター獲得戦略!アイデアと事例を徹底解説!
顧客満足度を上げるメリット2.口コミをしてもらえる
顧客満足度を上げる2つ目のメリットは、口コミをしてもらえるということです。
顧客満足度が高くなると、推奨意向が意識が顧客に生まれます。
そのため、その商品を気に入った顧客が口頭やSNSで商品の宣伝をしてくれるのです。
つまり、顧客満足度を上げて既存顧客が口コミを行ってくれることにより、潜在顧客への訴求ができるのです。
たとえば、あなたがよく行くラーメン屋でお気に入りのラーメンがあったとして、友人や知人に口コミをしたり、SNSにラーメンの画像を投稿したというような経験がある方は多いのではないでしょうか?
顧客満足度を上げることにより、このように既存顧客が潜在顧客へ口コミを行ってくれることにより売上と利益を改善できるのです。
顧客満足度を上げるメリット3.自社の他商品を購入してくれる
顧客満足度を上げる3つ目のメリットは、自社の他商品を購入してくれるということです。
顧客満足度が上がることにより、ロイヤルティが高くなります。
そのため、既存顧客がすでに購入している商品以外の商品を購入してくれる可能性が高くなります。
たとえば、あなたがお気に入りのラーメン屋があったとして、何度も通っているとしましょう。
何度も通っているうちに、いつもとは違うラーメンも食べてみたくなるでしょう。
このように、顧客満足度が上がることにより、既存顧客に自社の他商品を購入してもらいやすくなり、客単価を上げて売上や利益を改善することができるのです。
客単価を上げて売上を上げるには?顧客満足度を上げる4つの方法
ここからは、顧客満足度を上げる4つの方法について解説します。
顧客満足度という言葉を知っていても、いざ顧客満足度をあげようと思っても何をしてよいのかわからなければ効果的な施策は生み出せません。
顧客満足度を上げて、リピーターや客単価を増やして売上を改善したい方は、ぜひ参考にしてください。
- 商品・サービスへの期待値を上げる
- 商品・サービスの品質を上げる
- 商品・サービスのコストパフォーマンスを上げる
- カスタマーサービスの品質を上げる
顧客満足度を上げる方法についてそれぞれ解説します。
顧客満足度を上げる方法1.商品・サービスへの期待値を上げる
顧客満足度を上げる1つ目の方法は、商品の期待値を上げるということです。
前述したとおり、顧客期待値を上げて、その期待値を超えることで顧客満足度を上げることができます。
人によっては期待値を下げたほうが良いのではないかと考える方もいますが、それは絶対に行ってはいけません。
なぜなら、高い期待値を超えれば顧客満足度もそれだけ高くなるからです。
- 自信あふれる強気なフレーズで宣伝をする
- 宣伝頻度を増やす
- 普段行わない宣伝方法を用いる
このような方法で、顧客の期待値を上げましょう。
期待値を上げることは、企業にとってプレッシャーを感じるかもしれません。
しかし、期待値を上げることで、知覚価値と知覚品質を上げることもできるため、顧客満足度を構成するすべての指標を底上げできるのです。
そのため、商品やサービスの期待値は必ず上げるようにしましょう。
顧客満足度を上げる方法2.商品・サービスの品質を上げる
顧客満足度を上げる2つ目の方法は、商品・サービスの品質を上げるということです。
商品やサービスの品質を上げることで、知覚品質を上げることができ、顧客満足度を向上させることができます。
企業が事業を継続する以上、商品やサービスの品質は上げ続けなければいけません。
なぜなら、自社が商品やサービスの品質を上げることなく、一定に保っていると競合他社の商品の品質に負けてしまうからです。
競合他社の商品に負けてしまうと、自社の商品の顧客満足度は下がり、他社の商品に乗り換える顧客も増えるでしょう。
そうなると、売上を上げるどころか、下げることになってしまいます。
そのため、商品やサービスの品質は上げ続けなければいけなのです。
顧客満足度を上げる方法3.商品・サービスのコストパフォーマンスを上げる
顧客満足度を上げる3つ目の方法は、商品・サービスのコストパフォーマンスを上げるということです。
コストパフォーマンスは、商品の金額に対して顧客が感じる効果のことです。
このコストパフォーマンスを上げることで、顧客満足度を上げることができます。
商品やサービスのの品質を上げるだけでも、顧客満足度を上げることはできますが、コストパフォーマンスが低いと顧客満足度は下がってしまいます。
そのため、企業は商品やサービスの品質を上げる努力だけでなく、価格を下げる努力もしなければいけないのです。
- 他社の商品と安い価格で効果がより高い商品を作る
- 他社の商品と比べて安い価格でより量が多い商品を作る
- 他社の商品と同じ価格でサービスが豊富な商品を作る
このような方法でコストパフォーマンスを上げることができます。
コストパフォーマンスは他社の商品と比べられることも多いため、できるだけ上げることが大切です。
ただし、値下げのしすぎにはくれぐれも注意してください。
意外かもしれませんが、価格はとにかく安くすればいいというものではありません。
確かにコストパフォーマンスは大事ですが、商品の価格を安くしすぎると、商品の正しい価値が顧客に伝わらないのです。
特に中小企業の場合、労力やコストを割いて品質を上げているのに価格を安くしすぎてしまうと、「忙しいのに利益が全然でない」という事態に陥ってしまいかねないのです。
実際に、弊社代表北岡のクライアントの中には、「忙しいのに利益が全然でない」という治療院経営の田中さんという方がいらっしゃいました。
その田中さんは、商品の価値を顧客に正しく伝え、適正な価格設定をすることでなんと益を20倍にも上げたのです。
このように、「コストパフォーマンスを意識して安売りしすぎない」という視点も非常に重要です。
顧客満足度を上げる方法4.従業員満足度を上げる
顧客満足度を上げる4つ目の方法は、従業員満足度を上げるということです。
従業員満足度と顧客満足度はサービス・プロフィット・チェーンというフレームワークに含まれています。
サービスプロフィットチェーンは、マネジメントの第一人者であるヘスケットやサッサーらが提唱したフレームワークのことです。
サービスプロフィットチェーンでは、以下の3つの要素で構成されています。
- 従業員満足度
- 顧客満足度
- 業績
これらの要素にはそれぞれ因果関係があり、どれか1つでも欠けてしまうとすべての要素が悪化してしまいます。
反対にどれか1つの要素が向上すると、他の2つの要素も向上するのです。
たとえば、以下のようなサイクルはサービスプロフィットチェーンの関係です。
- インターナルマーケティングの施策によって従業員満足度が向上
- 従業員満足度が向上すると企業に対する従業員ロイヤルティが向上
- 従業員ロイヤルティの向上により、商品品質やサービス品質が向上
- 商品品質やサービス品質が向上すると顧客満足度が向上
- 顧客満足度が向上すると、企業に対する顧客ロイヤルティが向上
- 顧客ロイヤルティが向上するとコアなファンの獲得ができる
- コアなファンはリピーターや口コミを行ってくれるため、業績アップにつながる
このような関係が成り立つからこそ、従業員満足度を向上させることで顧客満足度を向上させることができるのです。
従業員満足度を上げるには、インターナル・マーケティングを行うことが効果的です。
インターナルマーケティングは、従業員の労働環境を整えるために社内へ向けて行うマーケティング手法です。
インターナルマーケティングについては、当サイトの別記事で詳しく解説しています。
社内の労働環境を整備したい方、従業員満足度を上げて顧客満足度を上げたい方は、ぜひ参考にしてください。
事例でわかるインターナルマーケティング!従業員満足度を上げる方法とは?
アンケート調査で顧客満足度を調査しよう!
顧客満足度の基本的なことはご理解いただけたと思います。
この章では、アンケート調査で顧客満足度を調査する方法について解説します。
顧客満足度はアンケートによって調査をすることができます。
アンケートの項目は企業や商品によってさまざまですが、基本的には自社で独自の物を作成することが一般的です。
顧客満足度指数調査では、アンケートで以下の21個の設問を用いて、企業の顧客満足度を調査しています。
出典:2017年度JCSI第3回調査結果発表(公益財団法日本生産性本部)
JCSIは顧客満足度を構成する6つの指標をそれぞれ明確にするために、設問も6項目用意しています。
もちろんこの他にも、あなたが経営する企業独自の設問や、商品独自の設問を用意することでより正確な顧客満足度を調査することができます。
自社の事業や商品に合わせて、アンケートを作成してみてください。
ただし、アンケートの作成には注意点があります。
【注意】自社に有利なアンケートはやめるべき!
アンケートを作成するときに注意したいことは、自社に有利になるような設問を設けないということです。
自社に有利になる設問を設けることで、顧客の回答を誘導し自社サイトや販促物にその数字を掲載する企業が多くありますが、それでは顧客満足度を正確に測ることができません。
さらに、それが発覚してしまったときにはネガティブな印象を与えてしまうため、顧客満足度を下げてしまう可能性もあります。
信用は作ることは難しいですが、なくなるのは一瞬です。
自社に有利なアンケートを作成するのは絶対にやってはいけません。
リピーターを増やして客単価を上げるためにはロイヤルティ意識!
ここまで顧客満足度について解説してきましたが、リピーターや客単価を上げるのに意識しなければいけないのはロイヤルティです。
ロイヤルティは、企業や商品に対する愛着のことですから、推奨意向よりも高いレベルにあります。
ロイヤルティの高い顧客をコアなファンと言い、企業や商品に対して愛着を持っているため、自発的に宣伝やリピートを行ってくれます。
しかし、現代マーケティングにおいては、顧客満足度よりもロイヤルティを意識する必要があると言われているため、顧客満足度を上げるだけでは自社の売上を改善することは難しいのです。
とはいえ、ロイヤルティが高い状態は、顧客満足度が高い顧客にのみ現れる思考です。
そのため、顧客満足度を上げる施策を行うときには、ロイヤルティを意識してみてください。
顧客ロイヤルティについては、当サイトの別記事でも詳しく解説しています。
顧客ロイヤルティの基本的な知識や、顧客ロイヤルティを上げる方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
顧客ロイヤルティの基本と実践!コアなファンを作るブランディング戦略とは
【まとめ】顧客満足度を上げて客単価をあげよう!
今回は客単価を上げるために重要な指標である「顧客満足度」についてお話しました。
顧客満足度を上げることにより、商品や企業への満足度が高まり商品をリピートしてくれたり、口コミをしてくれる可能性が高くなるというメリットがあります。
顧客満足度を上げる施策は今回紹介した4つの方法をもとに考えてみてください。
ただし、顧客満足度を上げる前に1点確認しておいてほしいことがあります。
それは、「商品・サービスの価格が適正であるかどうか」です。
記事中でもお伝えした通り、確かにコストパフォーマンスは大事ですが、値下げのしすぎにはくれぐれも注意しなければなりません。
特に中小企業の場合、商品の価値に対して価格が安すぎるというケースが少なくありません。
しかし、商品やサービスの価格が適正でなければ、顧客満足度を上げることはできないのです。
価格を上げることにより、顧客満足度は下がるんじゃないの? とお考えの方もいるでしょうが、そうではありません。
価格を上げることにより、顧客期待を上げることができ、その期待を超えることで顧客満足度も向上します。
コストパフォーマンスは、たしかに費用に対する効果を表していますが、それだけでは顧客満足度を上げることは難しいのです。
むしろ適正な価格に値上げをし、商品の価値を正しく伝えるほうが顧客満足度の向上につながります。
実際に、弊社代表の北岡の顧客の中には、値上げによって顧客満足度を上げることに成功した事例がいくつもあります。
現在オクゴエ! では、そんな北岡の顧客の中から実際に商品の価格を上げ、劇的に業績を好転させた3つの事例を動画で紹介しています。
この事例の中には、利益を3倍にまで伸ばした事例や、商品単価を20倍にまで上げた事例など、信じられないようなものもあるでしょう。
しかし、正しく価格を上げることができれば、多くの会社が業績を一気に好転させる可能性を持っているのです。
自社の商品の価格を適切にした上で、顧客満足度を上げる施策を考えてみましょう。