顧客ロイヤルティの基本と実践!コアなファンを作るブランディング戦略とは

鷲津晴人
顧客ロイヤルティの基本と実践! コアなファンを作るブランディング戦略とは

今回はコアなファンを作るために意識するべき顧客ロイヤルティについて、お話をしていきます。

顧客ロイヤルティとは、顧客が企業の商品やサービス、もしくは企業自体に感じる愛情や信用のことです。

 

実はこの顧客ロイヤルティが現代マーケティングにおいて、非常に重要だと言われています。

顧客ロイヤルティを上昇させることで、コアなファンを獲得しリピート率を上げたり、ニーズ調査などを効率的に行うことができるのです。

しかし、顧客ロイヤルティという言葉について、正しく理解できていな経営者の方は多いです。

そこで、今回は顧客ロイヤルティについて詳しく解説していきます。

  • 顧客ロイヤルティとは?顧客満足度との違い
  • 顧客ロイヤルティを上げる5つのメリット
  • 顧客ロイヤルティを上げる4つの方法
  • 顧客ロイヤルティの指標NPSについて
  • 顧客ロイヤルティを上げた事例

特にこれらについて詳しく解説していきます。

商品のリピート率が低いことに課題を感じている経営者や、現在の商品をさらに良いものにするためにニーズ調査を行いたい経営者の方は、ぜひご一読ください。

 

そもそも顧客ロイヤリティとは?顧客満足度と何が違うの?

まずは、そもそも顧客ロイヤルティとはなんなのかを解説します。

ロイヤルティとは、「特定の権利を利用するものが、権利者に対して払う対価」という意味があります。

冒頭でも解説しましたが、顧客ロイヤルティは顧客が企業や商品、サービスに対して感じる愛情や信用のことです。

?マークが書かれた紙を持つ男性

顧客ロイヤルティが高いと、顧客のリピート率が上がったり、ニーズ調査をする際に顧客が協力的になってくれたりと、事業の効率化が図れます。

顧客ロイヤルティが高い顧客のことをコアなファンといい、コアなファンを増やすことが現代マーケティングのカギだと考えている企業も少なくありません。

そんな顧客ロイヤルティには2つの種類があります。

  • 心理ロイヤルティ
  • 行動ロイヤルティ

それぞれについて詳しく解説します。

 

顧客の心情を表す心理ロイヤルティ

心理ロイヤルティとは、顧客の心情を表すロイヤルティのことを指します。

顧客が企業や商品に対して、愛着や高い信頼を持っている状態を心理ロイヤルティが高い状態と言います。

心理ロイヤルティは、行動ロイヤルティを上げるためのポイントなので、企業や商品のイメージを下げない努力やトラブルが発生した際の対応が重要です。

心理ロイヤルティが上がった顧客は、行動ロイヤルティも向上します。

 

顧客行動を表す行動ロイヤルティ

行動ロイヤルティとは、顧客行動のことを指します。

行動ロイヤルティが高い顧客は、企業や商品に対して高い心理ロイヤルティ(愛着や信頼)も持ち合わせているため、それを行動で示してくれます。

たとえば、次のような行動を行ってくれる顧客は行動ロイヤルティが高い顧客と言えるでしょう。

  • 商品やサービスをリピートしてくれる
  • 他人にその商品の素晴らしさを勧めてくれる
  • SNSやブログなどをチェックし、コメントやいいねをくれる
  • 企業が開催するイベントに自ら足を運んでくれる
  • 企業が公募するアンケートや体験談企画に応募してくれる

このような行動を起こしてくれる顧客はコアなファンとも言います。

行動ロイヤルティが高い顧客は、全体の顧客の中でも一握りであるため企業としても認知をし、大切にしていかなければいけません。

 

顧客満足度との違いは?

よく顧客ロイヤルティと顧客満足度を同じだと思っている方がいますが、実は全く違うものです。

顧客満足度は、言葉の通り「企業や商品に対して顧客が満足しているかどうか」です。

顧客ロイヤルティは顧客満足度が高い顧客にのみ現れる思考なので、顧客ロイヤルティが高い顧客は顧客満足度も高い状態にあります。

 

しかし、顧客満足度が高いだけの顧客は、ロイヤルティが高い顧客と比べると愛着や行動をする積極性はありません。

そのため、顧客満足度と並行して顧客ロイヤルティを意識することが、企業のブランディングには非常に重要となるのです。

 

顧客ロイヤルティを上げる5つのメリット!

ここからは顧客ロイヤルティを上げる5つのメリットについて解説します。

顧客ロイヤルティを上げることで、企業の業績や事業に大きく影響するメリットを得ることができます。

メリットイメージ図

そのメリットが次の5つです。

  1. リピート率が向上する
  2. 解約率が下がる
  3. 顧客単価が向上する
  4. 口コミによる拡散が望まれる
  5. プロダクトの改善促進

それぞれのメリットについて詳しく解説します。

 

顧客ロイヤルティを上げるメリット1.リピート率が向上する

顧客ロイヤルティを上げることで、顧客が他社製品への乗り換えを選ぶ可能性が低くなり、リピート率が向上します。

これは、顧客が企業やサービスに愛着や信頼を持っているためです。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション社の調査によると、顧客ロイヤルティを図る指標であるNPS(ネットプロモータースコア)の数値が高い企業ほど、顧客の商品リピート率が高い傾向にあったと報告されています。

顧客ロイヤルティを上げて、リピート率の高いコアなファンを獲得することで一定の売上を確保し、業績を安定させることができるのです。

 

顧客ロイヤルティを上げるメリット2.解約率が下がる

あなたの経営する企業で定期購入のサービスや商品を展開している場合、解約率はとても重要な指標でしょう。

顧客ロイヤルティを上げると、愛着や信頼を持たコアなファンができるので、解約率も自然と下がります。

長い期間、定期購入を解約せずにリピートしてくれている顧客は特に顧客ロイヤルティが高いと言えます。

そのため、定期購入系のサービスや商品は長く愛用してくれている顧客に対して、何らかの特別なサービスを設けることで、解約率を下げ顧客ロイヤルティをさらに向上させることができます。

 

顧客ロイヤルティを上げるメリット3.顧客単価が向上する

あなたの経営する企業が、顧客単価に課題を感じている場合も顧客ロイヤルティを上げることで改善される可能性があります。

顧客ロイヤルティが高い顧客は、リピート率も高いのですが、他の商品の購入率も高い傾向にあります。

たとえば、

  • 新商品の発売
  • サポート商品の販売
  • バックエンドの商品
  • 新規事業のサービス

これらのポイントで、顧客ロイヤルティの高い顧客は、商品を購入してくれる可能性が高いです。

顧客単価を向上させたい場合には、顧客満足度よりも顧客ロイヤルティを意識して、マーケティング施策を行うことで改善される可能性があります。

 

顧客ロイヤルティを上げるメリット4.口コミによる拡散が望まれる

顧客ロイヤルティの高い顧客は、企業や商品に対して愛着や信頼を持っているため、企業や商品の素晴らしさを積極的に他人に広めてくれます。

これはいわゆる口コミという行動で、ネットやメディアでの口コミを含めて他人に商品をおすすめしてくれる行動のことをいいます。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングが2018年に行った調査によると、商品やサービスを購入する際に口コミを参考にしていると答えた人は全体(n=508人)の約95%にも昇りました。

 

口コミデータ

出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社|口コミサイト・インフルエンサーマーケティングに関するアンケート結果

 

この結果から、現代の顧客の購買行動には必ずと言っていいほど口コミが伴っており、口コミの信頼度はかなり高いということがわかります。

つまり、顧客ロイヤルティを上げることに伴う口コミを増やすことが、商品購入を促進すると言っても過言ではないのです。

 

顧客ロイヤルティを上げるメリット5.プロダクトの改善促進

最後に紹介するメリットは、プロダクトの改善促進が図れるということです。

「自社の商品やサービスを改善したい!」

「自社の商品をより良いものにしたい!」

このように考えている経営者の方は多いですが、実際にどのような改善をすれば顧客のためになるのか? という疑問を持っている方は、じつは多いです。

商品の改善に最も重要だと言われていることは、顧客の声を取り入れるということです。

 

顧客ロイヤルティが高いコアなファンがいる場合、自社の商品やサービスに対して、意見をもらうことができます。

「もっとこうなってほしい!」

「ここがこうなると嬉しい!」

このような顧客の声には耳を傾け、顧客の意見を取り入れたプロダクトの改善を行ってみましょう。

 

顧客ロイヤルティを上げる4つの方法

この章では、顧客ロイヤルティを上げる4つの方法を紹介していきます。

タイピングをする手

自社の顧客に対して、どの方法が適切であるかを見極め、実践してみてください。

  1. ユーザーニーズを正しく理解する
  2. 心理ロイヤルティにフォーカスする
  3. カスタマーサービスの品質を上げる
  4. SNSを有効活用する

それぞれの方法について詳しく解説します。

 

顧客ロイヤルティを上げる方法1.ユーザーニーズを正しく理解する

顧客ロイヤルティを上げるには、まずユーザーニーズを正しく理解することが重要です。

ユーザーニーズを正しく理解できていないと、顧客がどんな商品やサービスを求めているのかを把握することができず、企業の独りよがりな商品や施策ができてしまう可能性があるのです。

 

そうなってしまうと、顧客ロイヤルティは下がってしまう可能性もあるため、まずはユーザーニーズを正しく理解しなければいけないことを知っておきましょう。

具体的には、ユーザーニーズは次のような方法で知ることができます。

  • 既存顧客へのアンケート
  • 統計データの収集
  • SNSやWebで生の声を集める

これらの方法を用いることで、あなたの経営する企業の課題や改善点が浮き彫りになり、それらを改善することにより顧客ロイヤルティを上げることができるでしょう。

 

顧客ロイヤルティを上げる方法2.心理ロイヤルティにフォーカスする

顧客ロイヤルティを上げるには心理ロイヤルティにフォーカスするということも重要です。

前述しましたが、顧客ロイヤルティは心理ロイヤルティと行動ロイヤルティの2種類に分けられます。

 

企業としては、口コミ活動など積極的な行動を顧客が行ってくれる行動ロイヤルティに至るまで、顧客ロイヤルティを上げることが課題と言えるでしょう。

しかし、行動ロイヤルティは心理ロイヤルティが高い顧客にしか伴いません。

そのため、まずは心理ロイヤルティにフォーカスし、顧客ロイヤルティを上げることが重要なのです。

具体的には、

  • 商品の品質を上げる
  • 商品の素晴らしさを正しく伝える
  • コストパフォーマンスを上げる
  • 会員限定のサービスを作る

これらの方法で顧客ロイヤルティを向上させることができます。

顧客に積極的な行動を行ってもらうためにも、まずは心理ロイヤルティにフォーカスしてみましょう。

 

顧客ロイヤルティを上げる方法3.カスタマーサービスの品質を上げる

カスタマーサービスの品質を上げることも、顧客ロイヤルティを上げることができます。

カスタマーサービスは、顧客と直接やり取りできる数少ない業務です。

 

しかし、基本的に電話やメールでのやり取りが多いため、トラブルが起きてしまうケースも多く、適切な対応が難しい業務でもあります。

そのため、カスタマーサービスの品質を上げ、適切な対応ができるようにするだけでも顧客ロイヤルティは向上するのです。

  • マニュアルの作成
  • トラブルになった時の対処法
  • 顧客の悩みや疑問に瞬時に答えられる体制
  • あらゆるケースを想定して実践的に練習しておく

これらの方法で、カスタマーサービスの品質を上げることができるでしょう。

 

顧客ロイヤルティを上げる方法4.SNSを有効活用する

企業がSNSを有効活用することでも、顧客ロイヤルティを上げることができます。

現代マーケティングでは、SNSを活用しブランディングや集客を行うことは、必然となっています。

 

SNS運用をすることで、ユーザーに対して、気軽に情報を届けることができます。

ユーザーにとって有益な情報を発信することで、自社の存在を認知してもらい、商品の購入に繋がるケースも少なくありません。

SNSを有効活用することは難しい側面もありますが、ユーザー数や拡散力がありながらも無料で利用できるため、利用しない手はないでしょう。

  • Twitter
  • Facebook
  • Instagram
  • TikTok

これらのSNSの特徴を理解して、自社の顧客層やターゲットに合ったものを選んで運用しましょう。

 

SNSの活用法については、当サイトでも別記事で詳しく解説しています。

SNSを使った集客や自社商品の宣伝について詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事を参考にしてください。

中小企業こそ積極的に使おう!SNSを活用した自社ブランディング方法

 

顧客ロイヤルティの変化を知るためにNPSを活用しよう!

顧客ロイヤルティ向上を図るには、NPS(ネットプロモータースコア)を利用しましょう。

冒頭でも述べましたが、顧客ロイヤルティは「企業や商品に対する顧客の愛着や信用」のことです。

言葉ではニュアンスが伝わりますが、曖昧な表現でしかありません。

それを数値化して指標になっているのが、NPSなのです

チャートイメージ図

NPSを図る手順は簡単です。

顧客に「あなたはこの企業の商品やサービスを知人や友人に勧める可能性はどれくらいありますか?」という質問をし、0~10までの11段階でこたえてもらうだけです。

批判者 中立者 推奨者
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
全く思わない   どちらでもない     非常にそう思う

表:NPSのスコア表

上の表の通り、1~10から数字を選んでもらい、数字が低い顧客は顧客ロイヤルティが低い、数字が高い人は顧客ロイヤルティが高い顧客と判断されます。

NPSでは1~6の数字を選んだ人は、批判的な意見を持っている人、7・8を選んだ人は中立的な意見を持っている人、9・10を選んだ人は推奨的な意見を持っている人と判断できます。

中小企業はもちろん、個人事業主でも簡単に図ることができる指標のため、まずは自身の既存顧客に対してNPSを使った調査を試験的に行ってみることをおすすめします。

 

顧客ロイヤルティを上げた事例!スターバックスはロイヤリティプログラムを実施している!

大手コーヒーチェーンであるスターバックスでは、顧客ロイヤルティを上げるためにロイヤリティプログラムを実施しています。

ロイヤリティプログラムとは、一言で言えば顧客に商品をリピートしてもらうための仕組みのことです。

コーヒーを入れる女性

スターバックスでは、スターバックスリワードと称して、プリペイドカードを用いた会員限定のプログラムが用意されています。

内容としては、スターバックスの商品を購入すると50円ごとにポイントが溜まり、1年以内に250ポイント貯めれば次のステータスに移行。

そして、そのステータスでさらに150ポイント貯めると、全国のスターバックスで使用できる商品引換券をもらえるという内容です。

 

その他にも、スターバックスリワード会員限定で以下のようなサービスを展開しています。

  • 新商品の先行販売
  • 限定商品の購入権
  • コーヒーイベントの先行予約

これらの会員限定サービスを展開することにより、スターバックスに愛着を持っている顧客を特別扱いできるため、顧客ロイヤルティは向上し、さらに自社の商品やサービスを効果的に宣伝できるのです。

 

ロイヤリティプログラムに関しては、当サイトの別記事で詳しく解説しています。

ロイヤリティプログラムをうまく使って、リピート率を上げたい経営者の方は、ぜひ参考にしてください。

ロイヤリティプログラムを上手に作る5つのポイント

 

 

【まとめ】顧客ロイヤルティを上げてコアなファンを作ろう!

顧客ロイヤルティは、企業や商品に愛着を持ってくれるコアなファンを作るために重要な指標です。

顧客ロイヤルティを上げてコアなファンを獲得することで、商品のリピート率が上がったり、顧客単価が上がったりするというメリットがあります。

顧客満足度を意識することで、既存顧客のロイヤルティを上げることができ、コアなファン獲得ができるでしょう。

 

しかし、意外かもしれませんが、顧客ロイヤルティ向上の施策を取る前にまず行ってほしいのが、「商品・サービスの値上げ」です。

商品を値上げするなんて、それこそ顧客ロイヤルティが下がるんじゃないかと思っている経営者の方は多いかもしれませんが、実はそうではありません。

というのも、競合や顧客を気にするあまり安すぎる値段設定をしている経営者が非常に多いのです。

しかし、それでは顧客ロイヤルティの向上にはつながりません。

 

むしろ適正な価格に値上げをし、商品サービスの価値を正しく伝えるほうが顧客満足度が上がり、顧客ロイヤルティ向上につながるのです。

実際に、弊社代表の北岡の顧客の中には、値上げによって顧客ロイヤルティを上げることに成功した事例がいくつもあります。

 

現在オクゴエ! では、そんな北岡の顧客の中から実際に商品の価格を上げ、劇的に業績を好転させた3つの事例を動画で紹介しています。

この事例の中には、利益を3倍にまで伸ばした事例や、商品単価を20倍にまで上げた事例など、信じられないようなものもあるでしょう。

しかし、正しく価格を上げることができれば、多くの会社が業績を一気に好転させる可能性を持っているのです。

自社製品の価格をきちんと見直したうえで、顧客ロイヤルティを意識したマーケティング施策を考えてみましょう。

 

 

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