競合分析のやり方を完全網羅!有名なフレームワーク3選と分析ツール5選

鷲津晴人
競合分析のやり方

今回は競合分析のやり方や正しい考え方についてお話をしていきます。

 

競合分析とは読んで字のごとく、自社と同じシェアを取り合うライバル企業を分析することです。

市場における需要には限りがあります。

たとえば100人しかいない島でランチを提供する飲食店を開店した場合、どれだけ多く見積もっても1日にランチを食べる人数は100人を超えません。

たとえその島にいくつ飲食店があってもです。

市場もそれと同じで、いくら供給があろうとも、ある一定以上の需要は基本的にはありません。

だからこそビジネスの世界では、競合他社を分析し、どうすれば限られたシェアを勝ち取ることができるのかを導き出す必要があるわけですね。

 

しかし中小企業の場合、競合分析を正しく行えている社長は意外と少ないです。

たとえば、どういった企業が自社の競合になり得るのかを正確に把握できていなかったり、競合他社を意識し過ぎて自社の強みがブレてしまったりというパターンが多いですね。

 

そこで今回は正しく競合分析を行うために、以下のような内容をお話ししていきます。

 

  • 正しい競合分析の考え方
  • 競合分析のやり方と使えるフレームワーク3選
  • Web上での競合分析に使える無料ツール5選

 

よほどのニッチ市場に参入しない限り、ビジネスで成功するためには競合分析が欠かせません。

ぜひ今回の記事を参考にして、正しい競合分析の手法を知っておいてください。

 

 

正しい競合分析の考え方とは

正しく競合分析を行うためには、最低限2つの考え方を念頭に置いておく必要があります。

 

  1. 自社のシェアを奪うのは同一商品、サービスだけとは限らない
  2. 競合分析をする場合は比較だけでなく違いを明確にする視点も重要

 

これらが頭に入っていないと、正しく競合分析ができなかったり、分析をしてもその情報をうまく活かせなかったりしてしまうのです。

それでは1つずつ、詳しい説明をしていきましょう。

 

 

正しい競合分析の考え方1.
自社のシェアを奪うのは同一商品、サービスだけとは限らない

まず1つ知っておかなければいけないのが、自社のシェアを奪うのは同一の商品、サービスだけとは限らないということです。

 

たとえばとあるテレビ局の競合と聞いて、あなたはどこを思い浮かべるでしょうか?

「読売テレビ」や「朝日テレビ」、もしくは「フジテレビ」など、ほかのテレビ局がまず頭をよぎるかと思います。

 

しかし実際のところ、テレビ局の競合はそれだけではありません。

たとえば最近では、YouTubeを始めとするネット動画配信サービスにかなりのシェアを持っていかれていますよね?

「若者のテレビ離れ」という言葉を、あなたも聞いたことがあるはずです。

 

さらにまだまだそれだけではなく、たとえば漫画、ゲーム、SNSについても、フジテレビの競合であると言えます。

なぜならこれらはすべて、「人の余暇時間を使用するサービス」だからです。

当然、人の時間は限られています。

つまりテレビもネットもゲームも、同じ限られた「人の時間」というシェアを奪い合う競合であると考えることができるわけですね。

 

こういったマーケットに対する考え方をしっかりと理解しておかないと、まず分析すべき競合を見つけ出すところからつまずいてしまいます。

競合分析を行う場合は、広い視野を持って競合他社を抜き出すようにしましょう。

 

 

正しい競合分析の考え方2.
競合分析をする場合は比較だけでなく違いを明確にする視点も重要

もう1つ覚えておかなければいけないのが、競合との比較だけに囚われてはいけないということです。

 

たとえば競合分析をして、「あの競合はウチより安い価格で商品を売っているからウチも値下げしなければいけない」といった結論を出す社長は多くいます。

確かにそういった視点も重要ではありますが、そこだけに囚われてしまってはいけません。

なぜなら比較だけに目を向けてしまうと、自社の強み、つまり「他社との明確な違い」を疎かにしてしまうからです。

 

たとえ自社の商品が他社より高くても、その分優れており、オンリーワンの魅力を兼ね備えていればシェアを獲得することはできます。

つまり競合分析をする場合には、数字の比較だけでなく、明確な違いを抜き出すといった作業も必要となるのです。

 

ちなみにこの話については、弊社代表の北岡が競合分析の落とし穴、あなたの会社には、他との明確な違いが必要!の記事内でもしています。

ぜひ併せて参考にしておいてください。

 

 

【フレームワーク別】競合分析の正しいやり方

正しく競合分析を行いたい場合はフレームワークを活用するのがやりやすくておすすめです。

とくに以下の3つのフレームワークを併用して使用すれば、より詳しく、多面的な競合分析ができます。

 

  1. 3C分析
  2. 4P分析
  3. SWOT分析

 

これらのフレームワークの使い方については1つずつ解説していきますので、しっかりと理解して、競合分析の正しい方法を身に付けてください。

 

パソコンと資料

 

 

競合分析に使えるフレームワーク1.
3C分析

3C分析は、自社を取り巻くマーケット環境を分析するためのフレームワークです。

競合分析をするさいにもっともよく名前が挙がるフレームワークで、この3C分析を使えば、競合だけに囚われない正しい競合分析を行うことができます。

ちなみに3C分析でいうところの「C」は、以下の3つの単語の頭文字です。

 

1.Customer(市場・顧客) 市場規模、市場成長性、顧客ニーズ、顧客の環境、など
2.Competitor(競合) 競合各社のシェア率、競合のマーケティング戦略、競合のリソース、競合の特徴や強み、競合の業界ポジション、新規参入や代替え品の存在、など
3.Company(自社) 自社の企業理念やビジョン、自社のシェア率、自社の業界ポジション、自社のリソース、自社の特徴や強み、など

 

3C分析では、各項目ごとにこのような情報を抜き出していきます。

そして抜き出した情報から総合的に判断することによって、市場や自社の状況まで考慮した多面的な競合分析が可能となるわけですね。

 

ちなみに、あらかじめ各項目で抜き出す必要のある情報をテンプレートとして作成しておくと、競合分析や情報収集がやりやすくなりますよ。

 

 

競合分析に使えるフレームワーク2.
4P分析(マーケティングミックス)

4P分析とは、「ビジネスにおいて企業側の視点から人為的にコントロールすることが可能な項目」を抜き出したフレームワークです。

この4Pに沿って自社と競合他社を比較することで、どのような点が違うのかを見極めることができます。

 

ちなみに、4Pの項目は以下のとおりです。

 

1.製品(Product) どのような商品を売っているのか
2.価格(Price) いくらで売っているのか
3.流通(Place) どこでどのようにして売っているのか
4.販促(Promotion) どのようにして商品を認知させているのか、どのようにして商品の良さをアピールしているのか

 

自社と競合を比較する場合、この4つの視点から比べることで、明確に何が違うのかを把握することができるというわけですね。

ちなみに4P分析については別記事で詳しく解説していますので、そちらの方も併せて確認してみてください。

⇒マーケティングミックスの基本は4Pと4C!正しい考え方と成功事例を解説

 

 

競合分析に使えるフレームワーク3.
SWOT分析

SWOT分析は、2つの内部環境と2つの外部環境を合わせて考え、自社の事業戦略や市場機会、事業課題などを見つけることができるフレームワークです。

競合分析のさいにこのSWOT分析を活用すれば、競合に対する自社の強みや弱みをより細かく洗い出すことができます。

 

1.Strength(強み) 競合に対する自社の強みは何か(独自の技術力、開発力などの内部環境)
2.Weakness(弱み) 競合に対する自社の弱みは何か(資金力の低さ、知名度の低さなどの内部環境)
3.Opportunity(機会) 商品やサービスを提供する機会となるものは何か(市場の流れ、景気変動、顧客のニーズ、市場にはない商品などの外部環境)
4.Threat(脅威) 自社の商品やサービスを提供するにあたって脅威となるものは何か(競合他社、需要の有無、時代の流れなどの外部的要因)

 

ちなみに競合分析を行う場合は1~4の順番ではなく、外部環境(機会、脅威)から分析し、その結果をもとにして内部環境(強み、弱み)の分析を行うのが一般的です。

そうすることでまず最初に比較対象が明確になるため、より自社と競合の差がわかりやすくなります。

 

 

競合分析に使える5つの無料ツール

競合分析というと手間や時間がかかるというイメージがあるかもしれませんが、実はその限りではありません。

競合が運営しているWeb媒体から分析を進めていく場合は、無料のツールを使うことで簡単に競合分析をすることができるのです。

なぜならWeb媒体というものは基本的に情報公開されているものであり、さらにそれらの情報を簡単に取得できる無料ツールがWeb上にいくつも存在しているからです。

 

そして簡単な反面、競合他社が運営しているWeb媒体からは多くの情報を得ることができます。

たとえば競合がどのようなターゲティングをしているのかとか、どのようなニーズを狙っているのか、というところまで把握することができるわけです。

つまり競合のWeb媒体を分析するということは、競合がどのような意図を持っているのかを読み取ることに繋がるということですね。

 

そこでここからは、Web上での競合分析に使える無料ツールを5つ紹介していきます。

 

  1. Similarweb(シミラーウェブ)
  2. SEOチェキ!
  3. SEOアクセス解析ツール
  4. Ghostery
  5. インターネットアーカイブ

 

これらのツールを使えば、競合がWeb上で行っている施策を簡単に読み解くことができるはずです。

1つずつ紹介していきますので、便利そうなものがあればぜひ使ってみてください。

 

 

競合分析に使える無料ツール1.
Similarweb(シミラーウェブ)

Similarweb(シミラーウェブ)は、競合のサイトのアクセス状況を読み取ることができるツールです。

 

シミラーウェブ

(画像引用:Similarweb公式サイト)

 

競合サイトのURLを入力するだけで、訪問者数や滞在時間、訪問前や訪問後のサイト、訪問ユーザーの属性など、さまざまな情報を取得することができます。

有料版だけでなく無料版もあるため、お金をかけずに競合サイトを調査することができるのも魅力的です。

⇒Similarweb公式サイト

 

 

競合分析に使える無料ツール2.
SEOチェキ!

SEOチェキは競合サイトのURLを入力することで、そのサイトの情報やキーワードの検索順位を確認することができるサイトです。

競合が上位表示を狙っているキーワードをあるていど特定することができるため、競合のWeb上での意図を読み取ることができます。

 

SEOチェキ

(画像引用:SEOチェキ!)

 

ちなみにSEOチェキ! は競合サイトだけでなく自社サイトの確認にも使えるため、自社のSEO対策のために使う場合も非常に便利です。

簡単に使うことができるので、自社でWebサイトを運用している場合はぜひ1度試してみてください。

⇒SEOチェキ! 公式サイト

 

 

競合分析に使える無料ツール3.
SEOアクセス解析ツール

SEOアクセス解析ツールでは、競合サイトのインデックス数、被リンク数、キーワードの出現率などを抜き出すことができるサイトです。

競合サイトがどのようなキーワードを多用しているのかを知ることができれば、おのずと競合が重要視しているニーズを読み解くことができます。

 

SEOアクセス解析ツール

(画像引用:SEOアクセス解析ツール)

 

もちろん自社サイトでも利用することができるので、自社サイトの運営管理にも役立てることができますよ。

⇒SEOアクセス解析ツール公式サイト

 

 

競合分析に使える無料ツール4.
Ghostery

Ghosteryを使えば、競合サイトがどのようなサービスを使っているかを知ることができます。

たとえばどの解析ツールを使っているのかとか、どのような広告を出稿しているのか、といったものを特定することが可能です。

 

GHOSTERY

(画像引用:GHOSTERY)

 

解析ツールや広告を解析することができれば、競合がどのていどWebサイト運営に力を入れているのかを把握することができます。

また競合のサイト運営を覗き見ることで、自社サイトを運営するさいの参考にすることも可能です。

⇒GHOSTERY公式サイト

 

 

競合分析に使える無料ツール5.
インターネットアーカイブ

インターネットアーカイブは簡単に言うと、競合サイトの過去の状態を閲覧することができるサービスです。

競合サイトのURLを入力して日付を指定すれば、その時点でのWebサイトがどのようになっていたのかを確認することができます。

 

インターネットアーカイブ

(画像引用:インターネットアーカイブ)

 

インターネットアーカイブを使えばすでに編集されて見れなくなっているページなども確認することができるため、サイトの改変情報を把握したり、イベントのさいにどのようなサイト運営をしていたのかを確認したりすることが可能です。

とくに大きな改変があった場合は、何かしらかの大きな意図があってサイト改善がされている可能性が高い、と判断することができます。

⇒インターネットアーカイブ公式サイト

 

 

競合分析は価格アップに繋げることもできる

ここまで競合分析について説明をしてきましたが、実は競合を分析するということは、自社商品やサービスの価格アップにも繋げることができます。

なぜなら競合分析を行うことで、競合と比べた自社の強みや独自性を明確にし、現状の価格設定が本当に適正かどうかを判断することができるからです。

ここでもし現状の価格が適正価格よりも安すぎるということが発覚した場合は、その分の価格を上げても競合には負けないはずである、と判断できるわけですね。

 

しかし、自社の強みや独自性が見えて現状の価格が適正ではないと判明したとしても、そのまま価格アップに踏み切るという社長はあまり多くはいません。

なぜなら多くの社長が、価格を上げることは深刻な客離れを起こす可能性があると警戒しているからです。

そして、「客離れが起こるくらいなら現状維持をしたい」という考え方をしてしまい、ビジネスをするうえでの本来の目的である利益や利益率が低い価格設定のままでビジネスを進めてしまうわけですね。

 

【まとめ】競合分析は正しい考え方、やり方で行うこと

今回は競合分析についてお話をしてきました。

競合分析を行ううえで重要なのは、正しい考え方とやり方で行うということです。

とくに以下の2つの考え方については多くの社長が失念しがちなことなので、ぜひこの機会に覚えておいてください。

 

  1. 自社のシェアを奪うのは同一商品、サービスだけとは限らない
  2. 競合分析をする場合は比較だけでなく違いを明確にする視点も重要

 

また、競合分析の正しいやり方がわからないという場合には、以下の3つのフレームワークを使ってみてください。

これらのフレームワークを併せて使うことで、多面的な競合分析が可能となります。

 

  1. 3C分析
  2. 4P分析
  3. SWOT分析

 

あとは競合分析を行って自社の強みや独自性が明確になったら、今の商品価格が本当に適正価格なのかどうかもチェックしておいてください。

そしてもし現状の価格が安すぎるようなら、しっかりと価格アップを行い、適正価格にしましょう。

なぜなら価格が安すぎるということは、その分の利益を丸々損しているということだからです。

 

ただ実際は、客離れを恐れて価格を上げることができないという企業も多いです。

利益が上がることよりも客離れで売上が下がってしまう恐怖の方が勝ってしまっているわけですね。

 

そこでオクゴエ! では、実際に価格を上げて事業を好転させた3つの事例を紹介しています。

あなたもこの事例を見ていただければ、価格アップがそう難しいことではないと理解していただけるはずです。

価格を上げたいと思っているのにどうしても踏み切れない、という場合には、ぜひこの機会に事例をチェックしておいてください。

⇒【無料】価格アップに成功した3人の事例インタビュー

 

競合分析は、ビジネスをするうえで必要不可欠なものです。

しっかりと自社の競合を見極め、そこに対抗できる強みや独自性を見出していく必要があります。

そして競合と比べた自社の価値を把握することができたら、その分の対価はきっちりと請求するようにしましょう。

 

 

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