起業の成功率について、最近よく質問を受けます。
モノの本によれば、
新規開業した会社の8割が5年以内に廃業しているだとか
開業3年で黒字の会社は5%だとか
正確な数字は分かりませんが、
要するに「起業の成功率は低い」というのが、
一般的な解釈のようです。
でも、「起業の成功率」には、
コレくらいならオレでも出来ると
自分の力を勘違いして何も勉強せずに脱サラしたおバカさん
などがかなり含まれています。
私の周囲の起業家、クライアントを見ていて
適切な条件を整えさえすれば、
起業の成功率は70%以上というのが、私の感覚です。
その起業の成功率をアップする条件は・・・
◆(当初の)成功の定義を誤らない
一般に起業というと「上場」「事業のバイアウト(売却)」で、
ドカンとお金を得てあがりという感覚の人が多いですが・・・
3年目~5年目までに年収2000~3000万円程度、
を目指すという無理のない計画であること。
ここに到達したら、よほど物欲大魔神でない限り、
金銭的な不自由感は感じなくなります。
そこで、ようやく自分の本音が見えるようになります。
このままの収入を保ちたいのか?
会社をどんどん大きくしたいのか?
ここで初めて決めるべきです。
◆初期費用はかけない
開業で借金するのは愚の骨頂です。
手持ちの範囲でやることです。
一度、失敗してもやり直しがききます。
成功率が30%だとしても、
3回やればほぼうまくいくわけです。
再起できるようにしておくことです。
◆高粗利ビジネスであること
価格が100倍になったからと言って、
売る難易度が100倍になることはまずありません。
ならば、利益100円の商品を売るより、
100,000円の商品を売る方が効率がいいですね。
そもそも薄利なビジネスは大企業の資本力に勝てませんし。
小回りが利いてハイタッチなサービスができるのが、
小さな会社のメリットです。
それを生かして、高い粗利を確保するビジネスでしか、
起業すべきではありません。
◆前金が取れる
いくら粗利が高くても、
支払いが納入の翌月、翌々月だとすると・・・
その間、ただ働きということになります。
支払ってもらえないリスクも抱えます。
◆積み上げの効くビジネスをする
新規客を獲得するコストは、
既存客に再度購入してもらうコストの
5~8倍以上。
百科事典の営業のように一回売ったら終わり
というビジネスではなく、
リピートを狙える商品、サービスを扱うことです。
◆人はできるだけ雇わない
「起業した」感を満たすのが、人を雇うことです。
自分の言う通りに動いてくれる人が現れるからです。
そのエゴを満たしたいのか?
お金を稼ぎたいのか?
どちらでしょうか。
もし前者であれば止めませんが、
後者であれば、できるだけ雇わない事です。
そもそも、
人が多い会社=良い会社
と勘違いしている人が多すぎますね。
一人当たりの利益が大きい会社が
付加価値が高い会社=良い会社
だと認識を改めるべきです。
◆在庫を抱えない
在庫を抱えると、当然売れ残るリスクが発生します。
ただし、在庫リスクは、
割高になっても少数で仕入れ、
売上ペースの把握を明確にすることで
ある程度はコントロール可能です。
「在庫リスク」という言葉一人歩きしている感があります。
(特にネット系ビジネスの会社はそれを煽りますし)
ですが、適切な管理と利益があるのであれば、
在庫を抱えるのが100%ダメというわけではないことは、
理解しておくべきです。
◆集客だけは勉強しておく
起業に経理も事業計画の書き方もいりません。
そんなのは必要になれば、その時にやりながら覚えればいいです。
必要なのは、集客だけです。
会社がつぶれるのは集客ができないからです。
経理ができなくて会社がつぶれることはありません。
ですから、集客だけは勉強しておきましょう。
残念ながら、起業したての会社が学んで役に立つ
集客を教えてくれる所は皆無ですが。
(起業スクールで教えている集客は、使えないものが大半です。)
なお、
集客は結局、自分でやってみないと、
自分のものにはなりません。
ですから、100%勉強できるものではありませんので、
その点は理解しておくべきです。
◆副業からはじめる
できれば、副業から始めましょう。
失敗しても再起が簡単です。
リスクを取らず、集客を実地で学べます。
会社をやめて収入をゼロにして追い込む方が
力が出るという方もいますが・・・
そこまでして追い込まないとできないのなら、
そもそも起業なんてしたくないんじゃないでしょうか?
もし起業して、成功したいなら・・・
以上の条件は必須です。
ま、起業する人の70%は、
「起業すること」が目的です。
そんな人には意味のない条件ですが。