今回は動画マーケティングについて解説します。
動画マーケティングは効果はありそうだけど、制作する知識や人材がいないことで導入を断念している企業が多いのではないでしょうか?
確かに以前までは動画作成は敷居の高いものでした。
しかし、今は専門知識がなくても動画作成ができるツールがあります。
何より時代の流れとして動画コンテンツを求めている消費者が増えている状況です。
これから安定して売上を上げ続けるためには、動画マーケティングは無視できない存在といえるでしょう。
今回は動画マーケティングの需要が拡大している理由やメリットとデメリット、動画コンテンツを制作するときののポイントについて解説します。
動画マーケティングの導入を検討していた方は参考にしてください。
動画マーケティングの需要が拡大している理由
動画マーケティングの需要が拡大している理由は主に3つあります。
- 動画広告市場が年々拡大している
- 動画をみてから購入したい消費者が増えている
- 近い将来トラフィックの80%以上が動画になる
それぞれについて解説しますね。
動画マーケティング需要の拡大理由1.
動画広告市場が年々拡大している
動画広告市場は年々規模が拡大しており、その内スマホなどのモバイル端末が占める比率は9割です。
2017年の動画広告市場は、前年対比163%の1,374億円に達する見通し。
スマートフォン動画広告需要は前年対比190%の成長を遂げ、動画広告市場全体の約8割に。
2023年には3,485億円に達し、うちスマートフォン比率は9割を占めると予測。
サイバーエージェントの調査では、さらに動画広告の市場規模が拡大する見込みです。
その背景には、スマホの普及と通信速度の向上があります。
今やスマホはほとんどの方が持っており、動画を視聴する環境が格段に良くなっていますよね。
さらにYOUTUBEやフェイスブック、インスタグラムなど、動画を扱うSNSが流行しておりユーザーにとって動画コンテンツは身近なものとなっています。
その流れに乗り大手企業のメディアも、動画コンテンツの制作に力を入れてユーザー獲得に動いている状況です。
消費者側にとっても、テキストだけのウェブページより動画の方が見やすいため動画広告市場の拡大は当分続くでしょう。
動画マーケティング需要の拡大理由2.
動画をみてから購入したい消費者が増えている
消費者の多くは動画を見てから商品を購入したいと考えている、という調査結果があります。
79%の消費者は、動画見て商品を購入したいと考えている
消費者の79%はテキストのページよりも、動画を見た方が製品について理解できると思っています。
これは12ヶ月前の69%より増加している。引用:Hubspot
確かに、文字だらけの説明書を読むより、動画で解説された方がわかりやすい場合はありますよね。
さらに、調査結果を裏付けるデータもあります。
動画を使ったランディングページでコンバージョン80%アップ
TutorVista社のランディングページに動画を入れたところ成約率が80%以上も向上した。
引用:EyeView
ランディングページに動画を入れたことで、成約率が80%アップしたというデータです。
商品によって差はあるかもしれませんが、動画を使うことの効果性がわかりますね。
動画マーケティング需要の拡大理由3.
近い将来トラフィックの80%以上が動画になる
2021年までに、IPビデオトラフィックの80%が動画になるだろうという調査結果があります。
021年までにコンシューマーの全インターネット・トラフィックの80%以上が動画になる
2016 年には全世界のコンシューマー インターネット トラフィックに占める IP ビデオ トラフィックの割合は 73 % でしたが、2021 年までに 82 % になる見込み。
つまり、消費者の動画コンテンツに対する需要が高まり続けている状況です。
これはどのような業種にも当てはまることでしょう。
ネットを使った集客を行うのであれば、消費者が求めている動画コンテンツを作成することが効果的といえますね。
動画マーケティングのメリット・デメリット
動画マーケティングを活用することで大きなメリットを得ることができるでしょう。
その一方で導入することによって発生するデメリットもあります。
動画マーケティングのメリット
動画マーケティングを導入するメリットは3つあります。
- 商品の特徴や使い方などを伝えやすい
- 幅広い年代にアプローチできる
- SNSでシェアされやすい
それぞれについて解説します。
動画マーケティングのメリット.1
商品の特徴や使い方などを伝えやすい
テキストや画像だけで説明するより、動画は多くの情報を伝えることが可能です。
1分間の動画で伝えることができる情報量は、ウェブサイト約3,600ページ分ともいわれています。
例えば、商品の取扱い方を説明する場合で考えてみましょう。
文字だらけの説明書より、テレビの通販番組のように実際に使っている場面を見せた方が理解してもらえそうですよね。
テキストで説明するとユーザーは「読む」と「理解する」という行為が必要となり、少なからずストレスを与えてしまいます。
その点、動画は直感的に理解してもらうことが可能です。
実際に自分が使っている場面をイメージしやすいため購買意欲を向上させるメリットも期待できるでしょう。
動画マーケティングのメリット.2
幅広い年代にアプローチできる
動画は幅広い客層に見てもらいやすい媒体です。
総務省が調査した下の図をみてください。
インターネットの平均利用時間を見ると、平日休日ともに一貫して増加傾向にあり、テレビ(リアルタイム)視聴との差は狭まりつつある。
また、行為者平均時間で見ても、平日休日ともにインターネット利用は一貫して増加傾向にある。
総務省の調査結果をみてみると、すべての年代でYOUTUBEの利用率が高いことがわかりますね。
さらに、テレビを見るよりもネットで情報を得ている時間が年々増加しているというデータもあります。
幅広い年齢の消費者がネットに触れる時間が多くなってきており、動画コンテンツのニーズも高まっている状態といえます。
動画マーケティングのメリット.2
SNSでシェアされやすい
TwitterやインスタグラムなどのSNSで拡散されると、爆発的なアクセスを呼び込むことができます。
拡散されることを「バズる」といいますが、これを起こすことができれば少ないコストで高い販促力を生み出すことが可能です。
しかし、バズを起こすことは簡単にできる事ではありません。
そのため、バズられているコンテンツの共通点をみつけて参考にするのが効果的でしょう。
人の紹介したくなる、拡散されやすい動画コンテンツの特徴は以下の4っです。
- 笑いや共感できる要素がある
- 賛否両論になりそうな要素がある
- ストーリーが面白い
- インパクトが強い
バズが起きれば大量のアクセスが生まれます。
ただし、動画マーケティングを行う目的は売上につなげることです。
奇をてらった動画でお客さんの反感を買わないように注意しましょう。
動画マーケティングのデメリット
続いて動画マーケティングを導入するデメリットは2つあります。
- 動画制作できる人材がいない
- 労力とコストがかかる
それぞれについて説明します。
動画マーケティングのデメリット.1
動画制作できる人材がいない
動画マーケティングを取り扱うのなら、動画制作に関する知識が必要です。
動画制作の知識を持っている人材はまだまだ多くないですよね。
その場合、動画制作をしてくれる業者に依頼することになります。
しかし、綿密な打ち合わせを行わなければイメージと違うものが制作される可能性が高いです。
特別な知識がなくても動画コンテンツ作成ツールもありますが、それでも多少の経験は必要となるでしょう。
動画マーケティングを導入するにあたって、動画制作できる人材の確保が必要です。
動画マーケティングのデメリット.2
労力とコストがかかる
動画マーケティングを導入、運用するためにコストと労力がかかります。
動画を自社で作る場合、動画の方向性を決めることや動画制作のノウハウを作り上げなければいけません。
ノウハウを確立するまでには時間がかかりますので、その分コストもかかってくるでしょう。
さらにランニングコストもかかります。
大手企業も同じ土俵で魅力的な動画マーケティングを仕掛けてきますので、その中で自社の動画コンテンツを目立たせるには数多くのコンテンツを作ることも重要だからです。
数多くの動画コンテンツを作成するには、労力とコストがかかります。
動画マーケティングは、メリットとデメリットの両方を理解し、自社で割くことができる労力とコストのバランスを考えながら行うことが必要です。
特別な知識不要!動画制作ツールを紹介
動画コンテンツを制作することができるツールを2つ紹介します。
低費用で導入できる動画制作ツール.1
知識不要・最短1分でかんたん動画制作可能な「RICHKA(リチカ)」
特別な知識がなくても動画作成が可能なツールです。
シーンごとにテキストと素材を入れるだけなので、手軽に行うことができますね。
料金は月額で、サポート体制により異なります。
無料トライアルもできるため、まずは動画作成の雰囲気を知りたい方におすすめです。
低費用で導入できる動画制作ツール.2
こだわり動画が作れる「PhotoCinema+(フォトシネマプラス)」
人材が足りず、予算も割くことができない中小企業向けにサービスを提供しています。
複数の写真と動画、音楽とメッセージを用意するだけで、動画コンテンツを作ることが可能です。
料金はビジネス版が22,800円(税抜)ですね。
14日間利用できる体験版もあるので、購入前に試してみると良いでしょう。
動画コンテンツ制作時のポイント
動画を作成する上で注意すべき4つのポイントを説明します。
- 最初から高いクオリティを求めない
- 既存の素材を活用する
- 再生時間(尺)は短めに
- 動画の最後にCTAを入れよう
それぞれについて解説します。
動画制作時のポイント.1
最初から高いクオリティを求めない
最初からハイクオリティを求めないようにしましょう。
改善点は次から次へと見つかるものです。
それらを直すために動画を撮り直していたらいつまでたっても先に進めることはできません。
だいたい60~70点以上の出来と思えるものなら、そのまま公開して次の動画作成に移ったほうが効率的です。
動画を公開しないとわからない改善点もあるので、最初のうちはあまり神経質になりすぎないようにしましょう。
動画制作時のポイント.2
既存の素材を活用する
ネット上にはフリー素材が沢山あります。
あなたの会社にも素材として活用できる写真やデータなどがあるはずです。
そういった、既存の素材を活用するようにしましょう。
動画はこだわろうとすれば、いくらでもこだわることができます。
しかし、それらを一から作っていたのでは莫大なコストが必要です。
動画マーケティングの経験を積み、予算があるときにコストをかけましょう。
それまでは低コストで運用するようにしてください。
動画制作時のポイント.3
再生時間(尺)は短めに
動画は短めに作成するようにしてください。
目安としては3~5分程度程度が良いでしょう。
動画は長すぎるとメッセージが定まらなくなりますし、視聴者も見ていて飽きてきます。
そのため1つの動画で伝えるべきメッセージを絞って、再生時間を短めに作るようにしましょう。
必要な情報だけに絞って配信することで、視聴者の満足度を上げることもできます。
さらにメッセージを絞ることで、複数の動画コンテンツを作ることができます。
1つの動画で色んな要素を積み込みすぎずに、短めに作成することを心がけましょう。
動画制作時のポイント.4
動画の最後にCTAを入れよう
動画マーケティングを導入する目的は売上を上げることです。
そのため、動画の最後にはCTAを入れえるようにしましょう。
CTAとは、コールトゥアクション(Call To Action)のことで、視聴者に行動喚起することです。
例えば、YOUTUBEで動画配信を行うのであれば「チャンネル登録をしてください」や「グッドボタンを押してください」といったことですね。
面白いコンテンツを提供するだけでは、単に「良い動画だな」と思われて終わります。
他にもメルマガに登録や、問い合わせなど、視聴者にどのような行動をとって欲しいのかをハッキリと提示するようにしてください。
動画の効果を高めるために行うべき3つのこと
動画の効果を最大限に上げるための考え方について説明します。
- 複数のパターンを用意する
- 縦型動画の需要も高まってきている
- KPIを設定と分析
それぞれについて解説します。
動画の効果を高めるために行うべきこと.1
複数のパターンを用意する
動画はいくつかのパターンを用意しましょう。
例えば、動画の構成であれば結論から伝えるのか、それとも最後に結論を伝えるのか?といったことですね。
他にも出だしの挨拶や、動画の終わり方、撮影のアングルなどです。
それらを複数パターンを用意して運用することで、どの方法が反応が良いのか傾向がみえてきます。
視聴者も毎回同じパターンだと飽きてしまうので、そういった意味でも複数パターンを用意するのが良いでしょう。
動画の効果を高めるために行うべきこと.2
縦型動画の需要も高まってきている
テレビのような横長の画面ではなく、スマホ画面に合わせた縦長動画の需要も高まっています。
この理由は、スマホで動画視聴する方が多いためですね。
基本は従来の横長の画面で動画作成して問題ないと思いますが、余裕があるのであれば縦長動画と反応が違うかどうかを比較してみるのも良いでしょう。
縦長動画に限らず、世の中の変化に気づき検証してみることで、新しい発見ができる可能性があります。
他よりも大きな利益を生み出せることもあるので、情報には敏感になっておきましょう。
動画の効果を高めるために行うべきこと.3
KPIを設定と分析
動画マーケティングを行う上でKPI設定は必要です。
KPI(Key Performance Indicator)とは、簡単にいうと目標に対してどれだけ達成できているかを計測したデータのことです。
例えばKPI設定した方が良い項目は以下のモノですね。
- 1日の再生回数
- 1日の合計動画再生時間
- 1人当たりの平均視聴時間
- コンバージョン率
他にも設定できる項目はありますので、会社で計測したい項目を付け加えるようにしてください。
日々のデータをみることで、ちょっとした変化にも気づけるようになります。
例えば、新しく配信した動画が平均の再生数より低ければ、動画タイトルやサムネイル、もしくは動画の出だしが悪いのかもしれません。
そういった変化に気付き修正を行うことで質の高い動画を作成できるようになります。
中小企業が応用できる動画マーケティング成功事例
動画マーケティングの成功事例を3つ解説します。
大企業の事例がありますが、個人や中小企業でも取り入れることができる内容なので参考にしてください。
中小企業が応用できる動画マーケティング成功事例.1
釣り具メーカーのシマノ
商品は釣具用品のため、どうしても画像やテキストで説明できることには限界がありますよね。
そのため、初心者向けに釣具用品の使い方や、釣れている風景、全国の釣りスポットを紹介することで自社商品の魅力を伝える動画コンテンツが豊富です。
さらに動画で紹介した商品をスグに購入できるようにECサイトとも連携しています。
ターゲットに対して商品スペックが高いことを説明をしても、理解してもらうことは難しいでしょう。
そのため、商品を使うことで得られるメリット(今回の場合は魚が釣れる、釣具が使いやすいといったこと)を動画で見せることで商品の良さが直感的に感じ取れます。
これは大企業だからできることではありません。
個人や中小企業で扱っている商品でも、テキストや画像だけでメリットを伝えることが難しい商品であれば、動画を使うことで解決できる可能性が高いです。
- 商品の使い方
- 得られるメリット
- 商品を使う場所
これらを具体的に提示することで商品の良さを伝えることができるようになります。
中小企業が応用できる動画マーケティング成功事例.2
化粧品ドクターシーラボ
化粧品は商品そのものの成分や効果も重要ですが、同じくらいに正しく使うことが重要です。
ユーザーから「化粧品を使っても効果が感じられない」という意見があったことをキッカケに、動画で化粧品の使い方を説明する動画配信を行うことにしました。
- 化粧水の付け方や順番
- どれくらいの力で行うか
- マッサージする方向
化粧品の持つ成分が最大限に効果を発揮する方法を動画コンテンツでまとめたのです。
結果として既存ユーザーの満足度が上がったことの他に、今まで購入まで至らなかった見込み客を集めることも出来ています。
普段、当たり前のように使っている商品だとしても、効果的な使い方まで熟知しているユーザーは少ないです。
商品を効果的に使う方法を動画で伝えることはサービス向上につながりますし、効果を実感してもらえればリピーター確保にもつながるでしょう。
中小企業が応用できる動画マーケティング成功事例.3
従業員5人規模の整体院
整体院の場合、動画マーケティングを行うことで集客効果を期待できます。
整体の技術に関わることはもちろんですが、体の不調に関わる問題について動画で話をしていく内容です。
ある整体院では、腰痛や肩こりなどの原因となる要素の説明と、自分でできる対処法を動画で解説しています。
他にも以下のような内容も動画で公開しています。
- 薄毛になる生活習慣とは?
- ひどい二日酔いの対処法
- サプリメントの効果的な飲み方
整体には直接関係のない内容も含んでいますが、視聴者からは体の専門家として映ります。
施術する先生が動画に出てくるため親近感も湧いてきますよね。
結果として、動画コンテンツをみた新規のお客さんを増やすことに成功しています。
【まとめ】商品の魅力を正しく伝えるには動画マーケティングが効果的
今回は、動画マーケティングについて解説しました。
動画マーケティングは、商品の魅力を消費者に伝えるために効果的な手段です。
調査結果でも約8割の消費者は動画をみてから購入したいと考えており、その割合は今後さらに増えてくるでしょう。
そのため、動画で商品のアピールを行うことは、あなたの会社にとってもお客さんにとっても有益なことだといえますね。
今までは知識やスキル、人材の確保の面で動画マーケティングを見送っていた企業も多いと思います。
しかし、今は特別の知識がなくても動画作成できるツールもあるので検討してみてはいかがでしょうか。
動画コンテンツを作成するポイントは以下の4つです。
- 最初から高いクオリティを求めない
- 既存の素材を活用する
- 再生時間(尺)は短めに
- 動画の最後にCTAを入れよう
動画マーケティングの導入段階で高いクオリティを求めると、先に進めなくなります。
そのため、感覚値になってしまいますが60~70点ぐらいの出来であればそのまま公開してください。
試行錯誤しながら動画を作り続ければコンテンツの質は上がり、売上増に大きく貢献する媒体に育っていくでしょう。
さらに、売上増を狙う効果的な方法としては「商品の値上げ」があります。
商品の値上げと聞くと、顧客からの反発をイメージする方も多いでしょうが実はそんなことはありません。
商品の持っている価値をお客さんに理解してもらうことで、簡単に値上げを行うことができます。
商品の魅力を正しく伝える動画マーケティングと相性の良い方法ですね。
実際に弊社代表の北岡がコンサルしたクライアントの中には、値上げを行い単価20倍に成功した人もいるほどです。
値上げはお客さんとのコミュニケーションを通して商品の価値を理解してもらうことで成功します。
どのような方法で値上げを成功させたのか?その具体的な方法についてはインタビュー動画で確認してみてくださいね。