今回は、会社を立て直し、黒字化させるための対策についてお話をしていきます。
日本では、起業してからの生存率について、10年後が10%未満、20年後は0.4%未満しかないと言われています。
実際、ビジネスというものは、常に調子よく進むものではありません。
市場が変わったり、会社の状況が変わったりすることで、経営が傾いてしまうことだってあるのです。
そしてそんなときに重要なのは、どのように会社を立て直していくかということです。
そこで今回は、会社を立て直すために必要な2つの対策と、経営者にありがちな間違いについてお話をしていきます。
もしあなたが経営に行き詰まっていたり、あなたの会社が赤字続きであったりするのなら、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。
あなたのビジネスや会社を立て直し、黒字化させるためのヒントになるはずです。
まずは会社の立て直しがなぜ必要なのかを考える
会社を立て直したいと考えたとき、まずやるべきことは、どうして立て直しが必要な状況になっているのかを分析することです。
- 利益の出るビジネスモデルになっていない
- 市場が変化してしてしまった
- ライバルが出現してシェアを持っていかれてしまった
- 原材料が高騰して利益が出なくなってしまった
- 優秀な社員が抜けて売上が下がった
このように一口で経営難であると言っても、その理由はさまざまです。
大前提として会社を立て直すためには、問題点の改善が必要になります。
たとえば、利益の出ないビジネスモデルになっているのなら、ビジネスモデルを見直さなくてはなりません。
もしくは市場の変化が起こったのなら、変化に対応すべくマーケティングで市場を調査しなければいけません。
このように、どうして会社が赤字になっているのかを抜き出せば、やるべきことがおのずと見えてくるはずです。
会社を立て直して黒字化させるために必要な2つの対策
ここまでで会社を立て直すには問題点を分析し、その問題点に沿った対応をすることが必要だとお話ししてきました。
ただ結局のところ、大別すればやるべき対策は2つです。
- 無駄なコストの削減
- 売上の向上
突き詰めれば会社は、利益を出せれば経営を立て直すことができます。
そして利益を出すために必要なのが、コストを抑えて売上を上げるということなのです。
あなたが自社の問題点として挙げたものも、解決して得られるのはコストの削減か、もしくは売上の向上ではないでしょうか?
そこでここからは、コスト削減と売上向上の考え方について説明をしていきます。
問題点を改善するさいの参考にしていただけるはずです。
会社立て直しに必要なこと1.無駄なコストの削減
コストの削減でまず最初に考えるべきことは、いらないお金を使っていないかということです。
- 無駄な外注費
- 無駄な人件費
- 無駄な広告費
- 無駄な工数
- 無駄な原材料費
この中でまず最初に削るべきは、余分な外注費です。
あなたの会社があまり大きくなくて、さらに余裕がない状態の場合は、むやみに外注に頼るべきではありません。
弊社代表の北岡も「仕事を委任するの間違い」という記事で説明していますが、年商1億円以下の社長の場合、仕事を人に任せるだけの余裕はないはずです。
もちろん、とても良い人材に恵まれていてWIN-WINの関係を築けていたり、どうしても外に頼らないと会社が回らないという仕事については外注を残しておくべきですが、そうでないのなら、切れる外注は切ってしまって、その分自分で作業をするようにしましょう。
もしくはそれなりの規模の会社を経営していて、外注ではなく社員の人件費がかかり過ぎているという状況なら、整理解雇も視野に入れなければいけません。
整理解雇とは、経営不振のさいに人員整理として行われる解雇のことです。
いわゆるリストラのことですね。
以下の4つの要件を満たしていた場合、会社は整理解雇を行うことが可能となります。
1.人員整理の必要性
余剰人員の整理解雇を行うには、削減をしなければ経営を維持できないという、企業経営上の高度な必要性が認められなければならない。
人員整理は基本的に、労働者に特別責められるべき理由がないのに、使用者の都合により一方的になされることから、必要性の判断には慎重を期すべきであるとする。2.解雇回避努力義務の履行
期間の定めのない雇用契約においては、人員整理(解雇)は最終選択手段であることを要求される。
例えば、役員報酬の削減、新規採用の抑制、希望退職者の募集、配置転換、出向等により、整理解雇を回避するための経営努力がなされ、人員整理(解雇)に着手することがやむを得ないと判断される必要がある。3.被解雇者選定の合理性
解雇するための人選基準が合理的で、具体的人選も合理的かつ公正でなければならない。例えば勤務成績を人選基準とする場合、基準の客観性・合理性が問題となる。4.手続の妥当性
整理解雇については、労働者に帰責性がないことから、使用者は信義則上労働者・労働組合と協議し説明する義務を負う。特に手続の妥当性が非常に重視されている。例えば、説明・協議、納得を得るための手順を踏まない整理解雇は、他の要件を満たしても無効とされるケースも多い。(引用:wikipedia_整理解雇)
社員の解雇ということで抵抗を覚えるかもしれませんが、倒産してしまえば結局のところは社員全員が共倒れになってしまいます。
そのため、残業の抑制やそのほかのコスト削減ではどうしても対策が追い付かない場合には、社長として非情な決断を下さなければいけないこともあるのです。
このように、まずは余分なコストを探し出して、どんどんと削減していってください。
コスト削減こそが、会社立て直しの第一歩です。
会社立て直しに必要なこと2.売上の向上
コストの削減を行っても黒字化ができない場合は、売上の向上を考える必要があります。
そもそも売上が上がらないから赤字になっている、という会社は多いはずです。
そのため、売上の向上については避けて通れません。
ただ、ここで多くの社長が勘違いしていることがあります。
それが、「売上の向上 = 集客」という考え方です。
売上を上げようとしたとき、多くの社長がまずは客数を増やそうと考えます。
そしてその結果、集客に多大なコストをかけたり、無理な値下げを行ったりして、あげくの果てに多売薄利となって仕事が追い付かなくなってしまい、会社を潰してしまうのです。
確かに余力がある状態なら、集客は行うべきです。
しかし、余力がない状態で無理をしてしまえば、あなたの会社は耐え切れずに倒産してしまいます。
そうなってしまっては、本末転倒です。
そして実は、無理に客数を増やさなくても売上を上げる方法はあります。
それが、「客単価を上げる」という方法です。
要は、顧客1人当たりの購入金額を上げるということですね。
客単価を上げる方法はいくつかあります。
- 商品の価格を上げる
- バックエンド商品を作る
- 商品の売り方を工夫する
- リピートしてもらえる仕組みを作る
実際に弊社のクライアントの中には、商品の売り方を工夫することで会社の経営を立て直した英会話学校の事例もあります。
その事例についてはこれから説明していきますので、ぜひこのまま読み進めてください。
実際に会社の経営を立て直した事例
ここからは、実際に会社の経営を立て直した英会話学校のお話をしていきます。
弊社コンサルのクライアントで、英会話学校を経営されていた加藤さんは、自分たちの給料が満足に取れない経営状況に陥っていました。
もともと安い価格設定になってしまっており、さらにサービス内容が明確に区別できていなかったため、採算に合わないサービスを提供し続けていたのです。
しかし加藤さんは、スタッフとともに自分たちの仕事内容を見直し、対策をすることで、平均単価を2倍に、利益を3倍に、成約率を1.5倍に上げ、会社の経営を立て直すことに成功しました。
加藤さんが行ったのは、今までのサービスの分解と再構築です。
要はサービスの形式と売り方を変えたことで、会社の経営を見事に立て直したわけですね。
しかも加藤さんが行った対策は、大きなコストを必要としません。
そのため、多くの会社で、今すぐに実践することが可能なものなのです。
加藤さんは具体的にどのような対策を行ったのか?
そしてその結果、どういったことが起こったのか?
経営者にありがちな間違いとは
会社の立て直しを考えるとき、実は多くの社長が間違った認識をしています。
それが、「自身の給料を確保できていないのに黒字になったと勘違いしている」というものです。
オクゴエ! では、イケてる年商1億円の条件の1つとして、利益と社長の給料を合わせて2000万円以上確保できる状態を目安にしています。
何が言いたいのかというと、会社の立て直しをするさいに目標値を決めるはずなのですが、その目標値にしっかりと社長の給料も含めましょうということです。
日本人は自己犠牲精神の持ち主が多い人種ですが、それでは社長のモチベーションが保てませんし、そもそもなぜ会社を経営しているのか分からなくなってしまいます。
そのため会社を立て直すさいは、きっちり自分の給料まで確保できる計画を立てるようにしましょう。
【まとめ】会社立て直しの基本は2方向からのアプローチ
今回は会社の立て直しについて、2つの対策をお伝えしてきました。
基本となるのは、コスト削減と売上の向上という2方向からのアプローチです。
しかし、「そもそも会社経営がうまくいっていない状態で売上を上げるというのは難しい」と思って、コスト削減にしか目を向けない社長も数多くいます。
ただ実は、やり方によっては、大きな資金や労力を使わず、仕組みを変えることで売上や利益を劇的に上げることは可能なのです。
会社の立て直しは、実はほんの少しの変化で達成できることもあります。
そしてその変化の種は、あなたのビジネスにも埋まっている可能性が大いにあるのです。
ぜひこの記事で紹介しているインタビュー動画を参考にしていただき、自分のビジネスの立て直しを達成してください。