今回の記事でお伝えするのは、あなたが「社長を辞めたい」と思ったときにとるべき行動です。
社長になるというのは、生半可なことではありません。
組織のトップに立とうというのですから、さまざまな重圧がのしかかってきます。
- 会社の業績が良くない
- 社員の生活を守らなければならない
- 今後の業界の動向が心配
- 社員をうまくまとめるのが難しい
- 引退したくても、次の社長を任せられる人材がいない
このように、社長には多くの不安やストレスが襲い掛かるのです。
しかしだからといって、社長が自らを犠牲にすることで会社の不安を解消してはいけません。
そのようなことを考え始めてしまうと、社長が幸せになれないからです。
弊社代表の北岡は、「100億円企業をひとつ作るより1億円の会社を100作る方が幸せな人が増える」という信条のもと、多くの社長の労働時間を減らし、収入を上げてきました。
社長になったからにはあなたも幸せになるべきだ、というのが北岡の想いなのです。
そこで今回は、社長を辞めたいと考えている人に向けて、どうすれば幸せになれるのかをお話ししていきます。
- 円満に社長を引退する方法
- 社長を辞めたいと思ったときの3つの選択肢
- 社長の立場を改善する方法
とくに、もしあなたが社長の立場が苦しくて辞めたいと考えているのなら、「社長の立場を改善する方法」だけは絶対に目を通しておいてください。
あなたの立場を変え、幸せな社長になるためのお手伝いができるはずです。
やっぱり大変!社長を辞めるために必要なプロセスは?
社長を辞めるためには、多くの手続きや準備を行う必要があります。
- 会社宛てに辞任届を提出し、辞任の意思を伝える
- 次期代表取締役を推薦する
- 役員会がある場合は役員会での決議を行う
- 臨時の株主総会を行う
- 登記申請を行う
ざっと挙げただけでも、このようなプロセスが必要です。
ただし、法律的な部分の詳細は各会社の状況によって異なる場合もありますので、詳しいことはご自身の会社や行政書士に確認をとってみてください
そして実は、実際に社長を辞めたいと思ったとき本当に大変なのは、さらにその前の段階なのです。
とくに自分が辞めたあとも会社は存続させるという場合には、以下のようなことも考えておかなければいけません。
- 自分がいなくても会社が回るように根回しをする
- 次の社長を教育して引継ぎをする
- 顧客への挨拶を行う
たとえば、あなたの会社の顧客があなたに惚れ込んでサービスを購入してくれているのだとしたら、きちんと顧客への挨拶をしておかなければ、その顧客はあなたが社長を辞任した途端、あなたの会社から離れていってしまいます。
もし、会社の経営における決断をいつもあなたがしているのだとしたら、次期社長にも決断の経験をさせておかなければ、あなたが辞めた瞬間、会社の経営が一気に傾いてしまうかもしれません。
会社にとって社長というのは、それだけ大きな存在なのです。
あなたの会社のナンバー2がどれだけ優秀であったとしても、それは変わりません。
社長として業務をしてきたあなたとナンバー2とでは、大きな差があって当然だと考えてください。
そのため社長の引継ぎというのは、一朝一夕でできるものではありません。
つまり社長を辞めたいと意思決定した段階で、できるだけ早めに動きださなければならないのです。
社長を辞めたいのに辞められない!4つの原因とは
社長を辞めたいと思っていても辞められない、という場合の原因は、大きくわけて4つあります。
- 次の社長が決まらない
- 社長の個人保証で銀行から借り入れをしている
- 会社や社員への未練が大きい
- 雇われ社長の場合、オーナーの意向で辞めさせてもらえない
社長を辞めたいと思ったとき、とくに問題として起こりやすいのは、次の代表取締役が決まらないというものです。
株式会社には、最低でも1名の代表取締役を置く決まりになっています。
そのため、次の代表取締役が決まるまでは、たとえ社長を辞任したとしても、「権利義務取締役」として、後任が決まるまでは義務や責任から離れることができなくなってしまうのです。
これは、「会社法346条1項」にて明記されています。
役員(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役又は会計参与。以下この条において同じ。)が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員(次項の一時役員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する。
(引用:電子政府の総合窓口_会社法346条1項)
ただし、後任者がいなければいつまでも「権利義務取締役」でい続けなければいけないのかというと、そうではありません。
役員不足などの緊急時には、裁判所が一時取締役を選任できるという規定があるのです。
こちらは、「会社法346条2項」にて明記されています。
前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時役員の職務を行うべき者を選任することができる。
(引用:電子政府の総合窓口_会社法346条2項)
社長を辞めようと思えば、辞めてしまうこと自体はできるわけです。
しかし、会社を存続させたいと考えている社長なら、いいかげんな人物を後任者にしたくはないのではないでしょうか。
とくに小さな会社では、もう定年するような年齢の方が社長をしていることが少なくありません。
そしてそういう社長の多くは、「次を任せられる人物がいない」と口にするのです。
この事実を考えれば、人を育てるということの大切さ、そしていかに多くの社長が怠っているのかを、理解していただけるのではないでしょうか。
そして、社長を辞められないもう1つの原因が、個人保証による銀行からの借り入れが残っているためというものです。
借り入れを残したまま辞任してしまうと、最悪会社の借金を一生返していかなければならなくなってしまいます。
あとは、会社や社員に対する未練が大きくて社長を辞められないという社長も多いです。
体力的にキツイ、ほかのことを始めるべき、というのが分かっていても、社員の顔がちらつくとなかなか辞めることができません。
とくに人情派の社長の場合は、「自分が辞めても社員は喰っていけるのだろうか?」、「自分がいなくても会社は回るのだろうか」、ということが気になってしまうものです。
あと多いのは、雇われ社長がオーナーの意向で辞めさせてもらえないという悩みです。
もう社長を辞めたいと考えていても、ワンマンオーナーの鶴の一声で断念してしまうという人は多くいます。
ただし雇われ社長の場合は、名前だけが社長で、実質従業員のようになってしまっていることも多いので、その場合は少しほかの原因とは毛色が違うかもしれません。
社長を辞めたいのに辞められないという人の多くは、これら4つのうちどれかの悩みを抱えています。
社長を辞めたいと思ったときに残された3つの選択肢
社長を辞めたい、と思ったとき、あなたに残された選択肢は3つあります。
- 社長を辞めて会社も辞める
- 社長を辞めるが会社には残る
- 状況を改善して社長を続ける
それぞれ詳しく説明していきますので、あなたの場合どの選択肢を選ぶのが正解なのか、確かめてください。
選択肢1.社長を辞めて会社も辞める
社長を辞め、会社からも完全に退くという選択肢です。
体力の限界を感じている、今すぐ別のことをやりたい、という場合には、こちらの選択肢を選ぶことになります。
この場合、あなたは完全に会社からいなくなってしまうので、後任への引継ぎはとくに念入りに行ってください。
また、そのほかの問題についてもできるだけクリーンな状態にしておいた方が良いでしょう。
下手な問題を残してしまうと、あとから損害賠償を請求されることになりかねません。
実をいうと、完全に会社を辞めるというこの選択肢が、社長の辞め方としてはもっとも大変です。
だからこそ、決断したならできるだけ早く準備に取り掛かりましょう。
選択肢2.社長を辞めるが会社には残る
「代表取締役」という立場を返上するだけで、会社には残るというやり方もあります。
この方法なら新社長をサポートすることもできますので、比較的簡単に社長という立場を辞任することができます。
片づけておきたい問題も、完全に辞める前にゆっくりと解決できるのです。
とくに急いで社長を辞める必要がないのなら、会社に残るという選択肢が後任者にとっても1番ありがたいと思います。
あなたが離れたあとも会社の繁栄を願うなら、もう少しだけ面倒を見てあげてください。
選択肢3.状況を改善して社長を続ける
もちろん、このまま社長を続けるというのも1つの選択肢です。
社長を辞めたいと思ったからには、何かしらの理由があるはずです。
そしてもし仮に、辞めたい理由を解決することができたとしたら、あなたは社長を継続したいと考えているかもしれません。
もしそうなら、社長を続けるという選択肢も考えるべきです。
なぜなら、社長の立場は案外簡単に改善することができるからです。
とくに社長という立場が苦しくて辞めたいのだとすれば、ぜひ社長を続けるという選択を考えてみてください。
社長の立場を改善するには
ここからは、社長のあるべき姿と改善方法について説明をしてきます。
激務に追われずに十分な収入を得るということは、実は少し状況を変えるだけで簡単に実現可能なのです。
では、具体的にどうのようなかたちに改善できて、どうすれば改善することが可能なのか?
この辺りを詳しく解説していきましょう。
目指すべき社長の姿は「イケてる年商1億円」
オクゴエ! では、社長と企業のあるべき姿を「イケてる年商1億円」と呼称しています。
- 利益2000万円を確保できる
- 社長は得意な仕事に集中できる
- 良いお客とだけ付き合える
これらの条件が揃った状態こそが、社長と企業のあるべき姿なのです。
忙しくても利益が上がらず、社長の収入を十分に確保できない。
雑務が多くて社長が忙しい。
悪いお客からのクレーム対応に追われている。
もしあなたがこのような状況の社長なのだとしたら、「本当に改善が可能なら社長を辞めたくはない!」と思ったかもしれません。
ご安心ください、本当に可能です。
つまり、もしあなたが苦しさから社長を辞めたいと考えているのだとしたら、その必要はありません。
では、どうすればそんなイケてる年商1億円に近づけるのか。
その方法について、これからお話ししていきます。
客単価を上げて収入と時間を確保することで状況を改善する
状況を改善し、理想の社長になるためには、客単価を上げるという方法があります。
多くの社長は、主に2つのものを上げようとして必死になっています。
- 顧客数
- 売上
ビジネス系のセミナーなんかを見ていると、集客や売上アップを謳っているものが本当に多いです。
しかし、実はこれこそが大きな間違いなのだと知ってください。
顧客数が増えれば、当然ながら仕事量は増えます。
売上が上がっても、薄利多売で利益が上がらなければ意味がありません。
実は多くの社長がこの2つを追いかけた結果、自ら苦しい状況に身を置いてしまうのです。
弊社の代表北岡はつねづね、売上目標には意味がなく、利益こそが重要なのだと主張しています。
では、どうすれば仕事量を減らし、利益を上げ、理想の社長になれるのか。
その答えこそが、客単価を上げるという方法なのです。
ただそうすると今度は、「そう簡単に客単価を上げられたら苦労しない」と思う社長が多いはずです。
しかしはっきり言って、客単価は簡単に上げることができます。
社長の収入と時間を確保するために、まずは客単価を上げること。
これを実行に移せば、あなたの置かれている状況は大きく変わるはずです。
【まとめ】社長の在り方はいくらでも変えられる
今回は、社長を辞めたいという場合に考えるべきことをお伝えしてきました。
まず理解しておくべきことは、社長を辞めるということの大変さです。
法的な手続きももちろんですが、もっとも大変なのは後任者の育成と、残された問題の解決です。
この2つについては、できるだけ早い段階で対策をしておきましょう。
また、社長を辞めたいという場合に取れる行動が3種類あるというお話もしました。
- 社長を辞めて会社も辞める
- 社長を辞めるが会社には残る
- 状況を改善して社長を続ける
とくに、社長という立場に苦しんで辞めたいと思っているのなら、3番の行動を選んで欲しいと思います。
なぜなら、社長の立場というのは、実は簡単に変えることができるからです。
- 利益2000万円を確保できる
- 社長は得意な仕事に集中できる
- 良いお客とだけ付き合える
このような状況を実現できるなら、社長を辞めたくはない、と思いませんか?
もしそうなら、社長を辞めるという考えは一旦取り消してください。
もう1度言いますが、社長の立場を良い方向に変えることは簡単です。
とくに弊社代表である北岡は、「100億円企業をひとつ作るより1億円の会社を100作る方が幸せな人が増える」を信条に1000社以上をコンサルティングしており、その成功率は93.8%を誇っています。
ほんの少しの気づきや変化が大きな成果に繋がると、実際にコンサルを受けていただいた多くの社長からも好評です。
社長を辞めるということは、会社にとっても、あなたにとっても、とても大きな決断です。
もちろん、それに対して双方が納得しているのならば何の問題もありません。
しかし、もしあなたが「本当は辞めたくなんてない」と考えているのなら、社長の在り方は簡単に改善できるものなのだということを知ってください。
自己犠牲なんてせずとも会社は繁栄しますし、社長は社長のまま幸せになることが可能なのです。