中小企業の社長の仕事とは?最優先でやるべき仕事と捨てるべき仕事

鷲津晴人
中小企業の社長の仕事とは

今回のテーマは、中小企業における社長の仕事についてです。

人によって、社長の仕事の捉え方は大きく違います。

 

  • 社長はあまり仕事をするべきではない
  • 社長こそもっとも働くべきだ
  • 社長は絶対に作業的な仕事をしてはいけない
  • 社長でもできることは率先してやるべきだ
  • 社長がトイレ掃除をする会社は繁栄する
  • 社長は極力会社にいるべきではない

 

などなど、本当に色々な考え方を持った社長が存在しているのです。

 

では実際のところ、どういった形で社長は仕事をするべきなのでしょうか?

どうすれば、会社を発展させていくことができるのでしょうか?

 

そこで今回は、中小企業における社長が最優先でやるべき仕事と捨てるべき仕事についてお話をしていきます。

社長がきちんと自分がすべき仕事に注力できている会社は、そうそう倒産しないものです。

あなたも社長の仕事のあるべき姿を理解し、自分が持つポテンシャルを最大限に発揮してください。

 

 

社長の仕事の考え方

社長の仕事の考え方

 

社長の仕事の考え方としてまず言えることは、「社長も仕事をすべき」ということです。

社長によっては、「自分は会社の顔であり、最高責任者として責任を取ることだけが仕事だから、あとは何もする必要がない」と言う人もいます。

確かに、ナンバー2の社員が優秀で、かつずっとあなたを支えてくれるような信頼関係ができていれば、それも可能ではあるのでしょう。

ただしそれは、そのナンバー2の社員が実質的には社長になっている、というだけの話です。

 

弊社代表の北岡は、社長が効率よく仕事をこなし、社長の成果を上げることが、組織全体の効率を向上させると考えています。

会社で1番時給が高い人物は、ほかでもない社長です。

だからこそ社長は、ほかの誰よりも仕事で成果をあげるべき、という考え方ですね。

 

そのため北岡は、社長の効率を下げるであろう「社長のダメな行動」をまとめた記事も執筆しています。

社長の仕事を効率化するためにも、こちらの記事も確認しておいてください。

⇒成果と効率を妨げてる!つい、やっちゃってる社長のダメな9つの行動

 

このように、社長が仕事をして成果をあげるということは、とくに中小規模の会社にとっては前提条件です。

社長の姿が社員から見えない規模の大企業なら問題ないかもしれませんが、中小企業の場合、社長の仕事への取り組み方は、社員に大きな影響を与えます。

実際、倒産する会社の中には、以下のようなパターンのところも多いです。

 

「社長が仕事をしない ⇒ 社員のモチベーションが下がる ⇒ 重要な役割を担っていた社員が抜ける ⇒ 社長が仕事のできない人間であるため会社を運営することができなくなる ⇒ 倒産する」

 

社長の仕事というものは、直接的な成果だけではなく、社員のモチベーションや信頼関係にも繋がる重要なものだということですね。

 

そして、社長が仕事をするという前提条件のもとで考えるべきは、「社長がどのような仕事をするべきか」というところです。

先ほども言いましたが、社長は会社内の誰よりも時給が高い、特別な存在です。

だからこそ社長は、もっとも成果をあげられる働き方をする必要があります。

社長がやるべき仕事、辞めるべき仕事に関しては、この記事の続きでまとめていきますので、参考にしてください。

 

 

あなたがやるべき社長の仕事5つ

なたがやるべき社長の仕事5つ

 

社長が優先的にやるべき仕事は、5つあります。

 

  1. 決断すること
  2. 資金繰り
  3. 人を育成する
  4. 責任をとる
  5. 得意な仕事

 

この5つは、最低限、社長であるあなたがやってください。

それではそれぞれ1つずつ解説をしていきます。

 

 

あなたがやるべき社長の仕事1.決断すること

最終的な決断は、社長であるあなた自身の判断で行ってください。

もちろん何でもかんでもあなたが決める必要はありませんが、それでも会社運営に関わる大きさのことは、社長みずからが経営者目線で最終的な決断をするべきです。

 

そもそも「決断する」というのは、想像以上に大変な仕事です。

まず、とても大きな責任があります。

場合によっては決断1つで、会社が倒産の危機にさらされてしまうこともあるのです。

そうなった場合、自分のことだけでなく社員のことまでが、責任となって決断者の両肩に重くのしかかってきます。

 

そして、社長であるあなたには、その決断者を超える責任がのしかかってくるわけです。

社長として会社のトップいう立場にある以上、その責任からは逃れられません。

 

だからこそ、大事な決断はすべてあなたがするようにしてください。

 

 

あなたがやるべき社長の仕事2.資金繰り

会社の資金繰りに関しても、社長の仕事です。

銀行に融資の相談に行くのは社長の仕事ですし、税金や返済の支払いが滞ったときに責任をとるのも社長ですし、オーナーや株主に会社の運営状況を説明するのも社長だからです。

社員が安心して働けるよう、土台を作る仕事であるとも言えますね。

 

そもそも、社長が会社のお金のことに関して無頓着ではいけません。

お金にかかわる作業は経理がやっているという会社も多いでしょう。

しかし、それならそれで社長は、経理がまとめた資料の内容をきちんと確認し、会社の資金状況についてしっかりと把握しておくべきなのです。

 

資金状況の把握ができていなければ、今の会社に何ができるのかが分からないため、新しい事業のアイディアを考えることが難しくなります。

さらに、経営状態が傾いてしまったときには、打開策を考えることさえできなくなってしまうでしょう。

 

だからこそ、常に会社の資金状況を把握し、必要であれば資金繰りに動くということは、社長にとってとても大切な仕事なのです。

 

 

あなたがやるべき社長の仕事3.人を育成する

人を育成することも、社長のやるべき仕事の1つです。

もちろん、新入社員の教育について、細かいところにまで口を出す必要はありません。

 

しかし、人材育成の方向性や予算を指示、承認するのは社長です。

そのため社長だからといって、人材育成にノータッチというわけにはいかないのです。

 

さらに、社長に近い立場の管理職が相手となると、直接あなたが育成をする必要性が出てきます。

とくに社長にしかできない仕事が多くある場合は、あなた自身が教えるしか仕事を振る手段がありません。

それこそ社員が数名程度のベンチャー企業であれば、あなたが部下に教えなければいけないことも多くあるはずです。

そうしなければ、一向に社長の手が空かず、新しい事業を始めることもできなくなってしまいます。

 

このように人を育成するということは、社長の仕事の1つとしてとても重要なことです。

決して、軽視しないようにしましょう。

 

 

あなたがやるべき社長の仕事4.責任をと

基本的に会社の責任は、代表取締役、つまり社長であるあなたがとることになっています。

ある意味この責任をとるという部分については、社長の仕事としてもっとも逃れられないものであると言えるでしょう。

 

そのため、何かあったときの謝罪なども、社長の仕事に含まれます。

もちろん、謝罪しなくて済むならそれに越したことはありませんが、「何かあれば自分が対応する」と社員に伝えておくだけでも、社員の意識は変わるはずです。

社員が活き活きと働けるように後ろから支えるということも、社長の仕事に含まれるわけですね。

 

 

あなたがやるべき社長の仕事5.得意な仕事

もしあなたに誰にも負けない得意な仕事があるのなら、それを続けるという選択肢も考慮するべきです。

とくに小さな会社であれば、何でもかんでもを社員に任せるということは不可能だと思います。

そんなときは、できるだけあなたが得意な仕事に集中できる環境を作り出すようにしてください。

 

社長とは、もっとも時給が高く、もっとも成果を出さなければいけない存在です。

だからこそあなたは、営業であれマーケティングであれ、何でも構いませんので、もっとも得意で成果の出せる仕事を優先的に担当しましょう。

そして、逆に苦手な仕事をやってくれる社員を探し出せれば、会社はうまく回っていくはずです。

 

 

社長がやってはいけない仕事は存在しない

社長がやってはいけない仕事は存在しない

 

社長だからやってはいけない、という仕事は存在していません。

営業でも経理でもトイレ掃除でも、あなた自身がやった方が良いと判断したなら、好きなようにやって構わないのです。

 

ただもちろん、仕事を抱え過ぎて身動きが取れなくなってしまうのは論外です。

仕事量が多すぎるという場合には、人に振れる仕事、外注化できる仕事をできるだけ手放すようにしましょう。

 

しかし、何でもかんでも人を雇ったり外注化すれば良いという考え方は危険です。

人を雇ったり外注化するということは、その分の対価が必要になります。

会社が大きくなり、対価を支払っても十分なキャッシュが残るという状況なら良いのですが、そうでないなら、無理をしてまで仕事を手放すのは辞めましょう。

 

さらに言えば、起業当初は社長みずからが色々な業務を経験しておくべきだと、弊社代表の北岡は語っています。

なぜなら、あなたがすべての仕事を知っておかないと、任せていた人間がいなくなった瞬間に会社が回らなくなってしまうからです。

とくにマーケティングについては、必ず経験しておくべきです。

マーケティングができない会社は、高確率で倒産してしまいます。

そのため、最悪あなたの会社でマーケティングを担当している人間がいなくなったとしても、自分でなんとかできるようにしておく必要があるのです。

この辺りの話については、別記事にて北岡本人が語っておりますので、そちらの方も参考にしてみてください。

⇒「仕事を委任する」の間違い

 

このように、社長だからと言って「〇〇をしてはいけない」という縛りはありません。

むしろ、1度はすべての業務を経験しておくことが望ましいのです。

 

ただし、仕事の抱え過ぎにだけは注意してください。

すべての業務を把握することと、仕事を抱え込んでパンクしてしまうことは、まったく別の話です。

 

 

あなたが社長の仕事に集中できる環境を作る方法

社長の仕事に集中できる環境

 

あなたが社長の仕事に集中できるようになるためには、会社が余力を持てる状況を作り出す必要があります。

そうすれば、人を雇ったり外注化したりして、あなたが得意な仕事に専念できる環境を作り出すことができます。

 

社長として、会社の業務を把握しておくことはとても重要です。

ただしだからといって、いつまでもすべての業務を自分で行っていては、会社はいつまで経っても次のステージに進めませんし、あなたは忙しいままです。

だからこそあなたは、仕事を人に任せられるように、会社の余力を高めていかなければいけません。

 

しかし現実には、「忙し過ぎて現状維持の状態で会社を回すのがやっとだ」という社長が多くいます。

彼らは、「受注を増やしたり新しいことをやらなければ会社は成長しないが、それをやる余力や暇がない」と言うわけですね。

 

しかし実は、それは多くの社長がしている勘違いに過ぎません。

受注を増やしたり新しいことをしなくても、会社の利益を上げ、成長させていくことはできるのです。

 

その方法こそが、「商品やサービスの価格を上げる」というものです。

 

実は日本の社長の多くは、自分の持っている商品やサービスに対して、かなり安い価格を付けてしまっています。

本来商品が持っているはずの価値より、随分と安い価格で売ってしまっているんです。

これでは利益率も下がりますし、会社の成長も難しいものになってしまいます。

 

だからこそ、会社を成長させるためにまずやるべきことは、受注を増やすことでも新しい事業を始めることでもなく、価格を上げることなのです。

価格を上げるだけなら作業量は変わりませんので、人を雇ったり、外注を頼んだりする必要もありません。

 

こういう話をすると、多くの社長が「価格を上げるなんて簡単じゃない」と口にします。

しかし、簡単に、お客さんからの抵抗もなしに価格を上げることは可能です。

 

弊社のクライアントの中には、実際に価格を上げて会社を成長させた社長が何人も存在しています。

 

【まとめ】社長が自分の仕事に集中できることが大事

今回は、社長の仕事の考え方、社長が優先的にやるべき仕事、社長がやってはいけない仕事、についてお話をしてきました。

 

社長は会社内の誰よりも時給が高い存在です。

だからこそ、誰よりも成果を出さなければいけません。

 

また、社長といえど、できれば1度くらいはすべての業務に関わっておくべきです。

社長がすべての業務を把握しておかなければ、急に社員が抜けたさいに対応ができなくなってしまい、最悪会社を潰してしまうことになります。

 

さらに、会社に十分なキャッシュがない状態で人を雇ったり外注化するというのもおすすめできません。

無理に仕事を手放して、キャッシュ不足で身動きがとれなくなってしまっては本末転倒です。

会社に十分な余力がないうちは、社長であるあなたが業務をこなしていきましょう。

 

とはいえ、忙しすぎて、利益もそこまでないために、今のままでは会社に余力を残していくことができないという社長も多いです。

もしあなたもそうであるのなら、「商品やサービスの価格アップ」を検討してみてください。

 

日本の社長の多くは、自分の持っている商品やサービスに対して価値より安い価格設定を行っています。

そのため、多くの社長が利益率の低さに悩んでいるのです。

 

もしかすると、「価格を上げるなんて簡単じゃないし客離れを起こす」と思っているかもしれませんが、やり方次第ではそうとも限りません。

実際に弊社のクライアントの中には、お客さんからの抵抗なしに価格を上げることに成功した社長が何人も存在しているのです。

社長がしっかりと成果をあげられる会社は、着実に成長していくと言われています。

あなたも自分自身の仕事を見直し、より成果をあげられる方法を考えてみてください。

 

 

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