ペルソナマーケティングとは、顧客を架空の顧客像を作りあげ、その顧客像に対して商品開発をしたりメッセージを作成したりする手法のことです。また、この顧客像そのものをペルソナと呼ぶ事もあります。
年齢、収入、家族構成、価値観はもちろんのこと、顔写真も名前もある一人の人物を作りあげます。
例えば、豊永紗季さんというペルソナを作ったとします。
商品やメッセージを作るとき、豊永さんが喜ぶか?満足するか?と考えるのです。
ペルソナマーケティングと従来型のSTP理論とはどう違うのでしょうか?
様々ありますが、私が最も重要だと考えているのが、
STP理論の場合は「何が欲しいか?」というニーズを重視します。
しかし、ペルソナマーケティングの場合は「なぜそれが欲しいか?」という価値観を重視します。
つまり、STP理論は、商品を売りたければお客さんが欲しいものを提供すればいい、という考え方だということです。
しかし、これだけモノがあふれている時代に「欲しいもの」というのは非常に少なくなっています。
そこで重要なのがペルソナマーケティングで重視する「なぜ欲しいのか?」ということです。
同じ時計を欲しいと思ったとしても、ステータスとして欲しいと思う人もあれば、大好きな映画スターがつけているから欲しいと思う人もいます。
そのなぜに沿ったメッセージを送ることが、商品を売る事につながる、ということです。
ペルソナマーケティングでペルソナを作る作業をすると、その顧客像の価値観まで徹底的に考えることになります。
価値観まで考えて商品を販売する人は非常に少ないですから、それだけで商品が売れることも珍しくありません。
少し古い例で恐縮ですが、「いろはす」というミネラルウォーターがあります。
ペットボトルが薄くて、資源の使用量が少なく小さくなるので環境負荷が小さい、ことをメッセージにして販売しました。
水とは全く関係ありません。
しかし、「環境にやさしく」という価値観に沿ったメッセージを作る事で、成功した実例です。
普通に考えて、ミネラルウォーターの販売で、「環境に優しい」みたいなメッセージを生み出すことは相当に困難です。
しかし、ペルソナを作成して「環境に対する意識が強い」みたいな価値観が分かっていれば、このようなメッセージを作ることは難しくありませんね。
この「いろはす」がペルソナマーケティングによって生まれたかどうかは分かりません。
おそらく膨大なマーケティング調査によって消費者に共通する価値観を発見したのだと思います。
ペルソナマーケティングは、そんな膨大なマーケティング調査なしに、深い価値観を発見できる手法だということです。