今回は、モンスター顧客の対応方法についてお伝えしていきます。
モンスター顧客とは、理不尽なクレームや無茶な要求を言ってくる顧客のことです。
あなたも、モンスター顧客の対応に追われ、夜も眠れなくなるような思いをしたことはありませんか?
理不尽なクレームへの謝罪に胃を痛めたり、無茶な納期のために徹夜で仕事をしたり……
そしてモンスター顧客は、そんなあなたを容赦なく責め立ててきます。
しかし実は、正しい対策をすれば、モンスター顧客の悩みを一気に解決してしまうことも可能なのです。
今回の記事を読めば、きっとあなたの会社のモンスター顧客は激減します。
ぜひ参考にして、健全な会社運営を行ってください。
モンスター顧客とはどんな存在?
まず、モンスター顧客の定義をはっきりとさせておきましょう。
- 明らかに会社に非がないクレームを入れてくる
- 態度や話し方が暴力的である
- 無茶な納期を強要してくる
- 無理な値下げを要求してくる
- 約束を反故にする
- あなたのサービスが持つ価値を理解していない
- 連絡がなかなか取れない
こういった顧客はモンスター顧客と言えます。
そしてモンスター顧客への対応は、かなりの手間や時間がかかりますよね。
そのうえで利益にも繋がりにくいので、会社にとってはまさに百害あって一利なしな存在なのです。
モンスター顧客によって受ける7つのデメリット
モンスター顧客を抱え込んでしまうと、7つのデメリットを被ってしまうことになります。
- 多大な工数を浪費してしまう
- 社長や社員のモチベーションを著しく低下させる
- モンスター顧客にばかり手間がかかるため、良い顧客が離れてしまう
- 社員が辞めてしまう
- 買い叩かれて利益が落ちる
- 忙しくなりすぎて社長や社員が体調を崩す
- 売掛金の回収ができない
モンスター顧客に捕まってしまい、これら7つのデメリットを抱え込んで走り回る社長をよく見かけます。
その社長たちは、顧客からは無茶を言われ、社員からは文句を言われながらも、精一杯対応をしていました。
しかし残念ながら、社長が精一杯走り回った結果、得をするのは、理不尽なクレームを入れたモンスター顧客だけなのです。
このようにモンスター顧客ばかりを集めてしまうと、あなたは追い詰められ、会社はどんどんと損をしてしまいます。
それこそ、倒産の危機だって訪れるかもしれません。
もしあなたが「お客様は神様です」という信条を持っているのなら、まずはそれが間違っているという事実に気づいてください。
弊社代表の北岡も別記事にて語っていますが、顧客を大切にするというのは、どんな顧客でも大切にするという意味ではありません。
あなたがこれからも付き合っていきたいと思える顧客こそを、とくに大事にするべきなのです。
そうすることで会社は成長しますし、あなたの会社を好きでいてくれる顧客に報いることもできます。
まずはこの、「顧客を大切にする」ということの本当の意味に気づきましょう。
実際にあったモンスター顧客の事例
ここからは、実際にあったモンスター顧客の事例を紹介していきます。
もしあなたの会社でも同じようなことが起こっているとしたら、その顧客はモンスター顧客かもしれません。
あえて仕様を決めないモンスター顧客
これはとあるシステム開発会社で起こった事例ですが、あえて仕様を決めず、仕様変更にかかる費用を不当に節約しようとするモンスター顧客がいました。
普通、システムを開発するときは、念入りに打ち合わせをして、仕様書を作成します。
システム開発を行う会社は、その仕様書をもとにシステムを作り、納品するわけですね。
とはいえ、さまざまな要因でシステムの仕様が変わることも珍しくはありません。
その場合は、さらに打ち合わせをして、仕様変更分の料金を上乗せしたり、納期を変更したりするのが本来のあるべき姿です。
しかし、今回のモンスター顧客は、仕様変更にかかるお金を節約するため、あえて仕様をおおざっぱにしか決めなかったのです。
そうすることで、仕様変更があったさいに、「仕様の範囲内だから追加料金は払えません」と言い切ろうとしたわけですね。
仕様がコロコロと変わるのに料金も納期も変わらないわけですから、システム開発の会社からすればたまったものではありません。
こういった話は、IT業界では本当によくあります。
IT業界にはブラック企業が多いというのも、こういったモンスター顧客が要因の一つになっているのです。
もしあなたの会社にも仕様や納期をキッチリと決めない顧客がいたら、その顧客はモンスター顧客なのかもしれません。
あとから値引きを強要するモンスター顧客
きちんとサービス内容と価格を取り決めたはずなのに、あとになってから値引きを強要してくるモンスター顧客の事例もあります。
とあるリフォーム会社が、顧客ときっちり打ち合わせをし、住宅のリフォームを行いました。
しかし、リフォームが終わってから、急に顧客が激怒し出したのです。
「ほかの会社の見積もりを取ったらもっと安かった!ぼったくりだ!」とか、「そもそも思っていたのと違う!」という言葉を、かなり暴力的に投げかけてきたといいます。
そして、「責任をとって大幅な値下げをしろ!」と迫ってきたというのです。
そのリフォーム会社の社長は、これ以上この顧客に関わっている手間の方が損になると判断し、大幅な値下げを受け入れました。
結果、その仕事は完全に赤字になってしまったそうです。
このように、あとになってから難癖をつけて値下げを強要するというモンスター顧客もよくいます。
また、そういう顧客は、企業が何をされるのが嫌なのかを分かっているので、かなりタチが悪いです。
たとえば、「YouTubeでお前の会社を批判するぞ!」といった脅しをかけてきたりもします。
こういった顧客とは、できれば付き合わずに仕事をしたいものですね。
モンスター顧客に対するもっともスマートな対応方法
モンスター顧客に捕まりたくないのなら、サービスを適正な価格で販売するのがもっとも効果的です。
簡単に言えば、サービスの価格を上げてしまいましょう、ということです。
そして、断固として値下げには応じない姿勢を取ってください。
そもそも日本の社長の多くは、自社のサービスをかなり安く見積もっています。
たとえば、本当は100万円の価値があるサービスを、わずか20万円で提供しているのです。
そして実は、安いサービスにほどモンスター顧客は集まりやすいという特徴があります。
なぜならモンスター顧客は、サービスの価値よりも価格を重要視する存在だからです。
考えてみて欲しいのですが、格安のレストランと高級な懐石料理のお店、理不尽なクレームが多いのはどちらでしょうか?
答えは、圧倒的に格安レストランの方です。
高級店にはそもそも、値段だけを気にして価値を見ない顧客は訪れません。
そのため、理不尽なクレームは入りにくいのです。
そしてそれは、どんなサービスでも同じことが言えます。
だからこそ、モンスター顧客に悩まされたくないのなら、まずは自社のサービスの値上げを行いましょう。
そうすることでモンスター顧客は去っていき、本当にあなたのサービスの価値を分かってくれる顧客だけが残ってくれます。
ただ、そう言うと多くの社長が、「でも、いきなり価格を上げるのは無理だ」、「客離れが怖い」と口にします。
しかし、事実はそうではありません。
価格は、簡単に上げることができます。
客離れといっても、離れていくのは価値より価格を優先させるような顧客だけです。
あなたの会社のサービスに価値があり、正しい方法でその価値に見合った値上げを行えば、あなたの会社の利益はきちんと上がるはずなのです。
サービスの価格を上げ、モンスター顧客を一掃できれば、あなたの会社はさらなる発展をしていけるはずです。
【まとめ】会社にとって良い顧客こそ大切にするべき
今回の記事では、理不尽なモンスター顧客についてお話をしてきました。
- 明らかに会社に非がないクレームを入れてくる
- 態度や話し方が暴力的である
- 無茶な納期を強要してくる
- 無理な値下げを要求してくる
- 約束を反故にする
- あなたのサービスが持つ価値を理解していない
- 連絡がなかなか取れない
このような顧客は、モンスター顧客である可能性が高いです。
もしあなたの顧客にもこのような人がいるのなら、十分に注意しておきましょう。
とはいえ、一度関わってしまうと対応が面倒になってしまうのがモンスター顧客です。
そのため、いかにモンスター顧客が寄って来なくなるような会社運営を行うか、がとても重要になってきます。
では、具体的にどうすれば良いのかというと、「サービスの価格を適正価格まできっちりと値上げする」ことです。
日本の社長の多くは、自社のサービスをかなり安く見積もっています。
そしてモンスター顧客は、サービスを安くすればするほど集まってきてしまうのです。
なぜならモンスター顧客は、サービスの価値を見ずに価格だけを気にしている人種だからです。
だからこそ、損をしたくないという思いから不当なクレームを入れ、できるだけ安く上げようと無理な値下げを要求してくるわけですね。
そして以外かもしれませんが、サービスの価格を上げるということは、多くの社長が思っているよりずっと簡単なことなのです。
サービスの価格を適正に戻せば、多くのモンスター顧客があなたの元を去っていくはずです。
そして逆に、あなたのサービスの価値を見てくれている良い顧客は、ちゃんと残ってくれます。
すると良い顧客相手に利益率の良い仕事ができるようになりますので、さらにサービスの質を上げたり、顧客ニーズに応えた新しい事業をスタートさせたりすることもできるのです。
サービスの価格を上げることで、モンスター顧客が入り込んでくる悪い循環を断ち切りましょう。
それが、あなたの会社と、あなたの会社を好きでいてくれる顧客にとって、もっとも良い選択肢となるはずです。