今回は人間の欲求を段階分けした「マズローの欲求5段階説(マズローの法則)」について、経営者、個人事業主向けにお話をしていきます。
マズローの欲求5段階説を唱えたのは、人間性心理学を提唱したことで有名なアメリカの心理学者「アブラハム・マズロー」です。
マズローは「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生き物である」と仮定したうえで、人間の欲求を5段階の階層に分けました。
ビジネスをする上で人の欲求を理解しておくことは非常に重要です。
なぜなら、ビジネスとは人の欲求を満たすことで価値を感じてもらい、その分を対価として受け取るものだからです。
そのことから多くの人が強い欲求を抱いている分野ほど大きな市場となり、逆に誰も欲求を抱いていない分野は市場として成立しないということが言えます。
このように人の欲求とビジネスには切っても切り離せない関係があるのです。
そして、その欲求を段階分けし、わかりやすく説明したものがマズローの欲求5段階説であるというわけですね。
そこで今回はマズローの欲求5段階説について、以下のような内容を説明していきます。
- マズローの欲求5段階説の詳細
- 各欲求段階の具体例
- 日本人がとくに抱えている欲求
- マズローの欲求5段階説を学べる書籍の紹介
マズローの欲求5段階説は看護や介護の現場でも取り入れられているほどのものです。
ぜひ今回の記事を参考にして、マズローの欲求5段階説をあなたのビジネスに役立ててください。
マズローの欲求5段階説とマーケティングの関係性
冒頭でもお話ししたとおり、マズローの欲求5段階説はビジネス、とくにマーケティングと深い関係性を持っています。
というのもマズローの欲求5段階説を知っておけば、市場や顧客のことをより深く理解することができるからです。
たとえば同じものを買う場合でも、人それぞれに違う欲求を抱いていることがあります。
衣服を買う場合、寒さを防ぐ目的で買っている人が抱いているのは「自分の身体を守りたい」という欲求です。
一方、不潔に思われたり変に思われたりしない服装がしたいと思っている人は「孤立したくない」、「馬鹿にされたくない」という欲求を抱いています。
またさらに一方では、たとえ寒かったり人に笑われたりしようとも「自己表現を貫き通したい」と言って奇抜な恰好をする人もいますよね?
このように同じものを買う場合でも、実はお客さんの欲求が全然違うものであることは少なくありません。
そのため同じアパレル関係のお店であったとしても、どの欲求に対してアプローチをかけるかによってマーケティング戦略は大きく変わってくるはずなのです。
だからこそマーケティングを行うためには、人の欲求を深く理解しておかなければいけません。
そして、そのために使えるのがマズローの欲求5段階説なのです。
マズローの欲求5段階説を基に人の欲求を深く理解することができれば、あなたのビジネスをさらに発展させることもできるでしょう。
マズローの欲求5段階説の解説と具体例
ここからはマズローの欲求5段階説を細かく段階ごとに説明していきます。
マズローの欲求5段階説の各欲求は以下のとおりです。
- 生理的欲求
- 安全欲求
- 社会的欲求
- 承認欲求
- 自己実現欲求
マズローはこの欲求の段階について、基本的に人は上から順番に欲求を発生させるのだと定義しました。
生理的欲求があるていど満たされることで安全欲求が生まれ、安全欲求があるていど満たされることで社会的欲求が生まれる、といった感じです。
上の図のように、ピラミッド型で考えるとわかりやすいですね。
下の欲求が土台としてあるていど満たされることで、その上に新たな欲求が生まれるわけです。
ただし、誤解されがちなのですが、土台となる欲求が必ずしもその上の欲求より優先されるというわけではありません。
たとえば自己表現を重視して服を買う人は、寒さで風邪をひくリスクや周りとの不和を招くリスクを我慢してでもデザインを重視します。
普通の人が暖かい服やTPOをわきまえた服を選ぶのに対して、自己表現が優先される人は機能性の低い奇抜なデザインの服を買ってしまうわけです。
これは生理的欲求や社会的欲求よりも自己実現欲求が優先されていることを意味しています。
このように欲求の段階は、必ずしも順番どおりに優先されるというわけではないのです。
また、マズローの欲求5段階説では、上位の欲求を諦めることで下位の欲求が発生する場合もあると言われています。
たとえば年を取ってもう長い間は生きられないという場合には、単純な生命維持や安全よりも人との繋がりを大切にしたいと思う人も多いということです。
このように欲求段階は、必ずしもヒエラルキーの順番どおりに生まれるわけではありません。
欲求の抱き方は、人や環境によって優先順位やバランスが変わってくるものなのです。
そのためマズローの欲求5段階説は、あくまでも大衆心理としての欲求の強さを表す基準であると考えておくと良いでしょう。
それを踏まえたうえで、これからマズローの欲求5段階説の各段階を説明していきます。
自分のビジネスでアプローチすべき欲求がどれなのか、考えながら読んでみてください。
マズローの欲求第1段階.
生理的欲求
生理的欲求は生物が持つ根本的な生命維持の欲求です。
「生きたい」、「繁殖したい」という本能的な欲求であると言えます。
そのため、生理的欲求は当然ながらマズローの欲求5段階説でもっとも強い欲求です。
人が生きている限りこの需要がなくなることはあり得ません。
ただし、日本の場合は日本国憲法の第25条で最低限の生活を営む権利を保障されています。
第二十五条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
(引用:e-Gov)
そのため、生理的欲求についてはあるていど飽和状態にあるという見方もできるのです。
生活保護などの保証が正しく運営されていない場合を除き、基本的に日本では餓死したり凍死したりすることはありませんよね?
そう意味で言うと、インフラのシェアを独占できない中小企業が生理的欲求を満たすためのビジネスをするのは難易度が高いと言えるでしょう。
生理的欲求の具体例
生理的欲求の具体例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 空腹である
- 睡眠をとりたい
- 異性と関係を持ちたい
- 凍死しない場所が欲しい
- 今感じている痛みや体調不良を治したい
中でもとくに強いのが、食欲、睡眠欲、性欲からなる3大欲求です。
あとは凍えないために必要な最低限の衣服や住居、もしくは治療についても生理的欲求を満たすものであると言えますね。
このように、生命維持のために必要不可欠なものを欲する欲求はすべて生理的欲求です。
ただし前述したとおり、日本では憲法で最低限の生活を送れるように保護してもらえるため、性欲以外の分野で生理的欲求を直接狙ってビジネスをするのは難しいと言えるでしょう。
仮に飲食店を経営する場合でも、訪れるお客さんは生命維持のために空腹を満たしたいのではなく、味や接客といった付加価値的なサービスを求めてやってくる割合が多いはずです。
マズローの欲求第2段階.
安全欲求
安全欲求は「安心安全な生活を送りたい」といった欲求です。
言い方を変えれば「不安を取り除きたい」という欲求であると言えます。
たとえば健康への不安や老後生活への不安などが、安全欲求の根本になっているわけですね。
マズローはこの安全欲求を、生理的欲求と同じくらい強い欲求であると定義づけています。
とはいえ日本は世界的に見てもかなり安全な国であるため、安全欲求についても生理的欲求と同様、あるていどは満たされている状態です。
ただ昨今は終身雇用の崩壊や年金制度への不信感から、老後の生活維持に対して不安を抱く人が増えてきています。
安全欲求の具体例
安全欲求の具体例としては、
- 災害や病気から身の安全を守りたい
- 今後も今の生活を維持したい
- 法律で保護されていたい
といった欲求が挙げられます。
マーケティング視点で話をすると、各種保険や健康サプリの販売、防災グッズの販売などは安全欲求を満たすものです。
もしくは老後のための資産運用ノウハウを教えるセミナーなんかも安全欲求を狙ったビジネスであると言えるでしょう。
ユーザーが何を不安に思っていて何を提供すればその不安を解消することができるのかを考えるのが、安全欲求を狙ったビジネスの基本なのです。
マズローの欲求第3段階.
社会的欲求
社会的欲求は「孤独を避けたい」という欲求です。
「所属と愛の欲求」、「社会帰属欲求 」という言い方もします。
その名のとおり「どこかに所属して人間関係を持っていたい」、「誰かに愛されたい」といった欲求です。
人は生命維持ができて安全に対する不安も取り除かれると、次にこの社会的欲求を抱くと言われています。
もちろん中には自分の命よりも人に愛されることの方が重要であるという価値観を持つ人もいるでしょうが、それはあくまでも少数派です。
基本的には生命維持と安全に対する欲求があるていど満たされた段階で、人は孤独を回避したいと思うようになります。
社会的欲求の具体例
社会的欲求の具体例としては、以下のものが挙げられます。
- 恋人が欲しい
- 結婚がしたい
- 家族が欲しい
- 友達が欲しい
- 仲間が欲しい
- 居場所が欲しい
- 社会に適合したい
- 周りから浮きたくない
マーケティング視点では、結婚相談所や趣味サークルの運営はこの社会的欲求を満たすためのサービスであると言えるでしょう。
もしくはTwitterやFacebookといったSNSも、誰かと繋がっていたいという欲求を満たすものです。
基本的に利害関係以外で人と人を繋げるサービスは、この社会的欲求を狙ったサービスであると考えてください。
既婚率が下がっている昨今の日本では孤独感を抱えている人も多く、実はビジネスチャンスの多い欲求です。
マズローの欲求第4段階.
承認欲求
承認欲求は尊厳欲求とも呼ばれるもので、「認められたい」、「評価されたい」という欲求です。
ちなみに承認欲求には2つの種類があります。
- 自分で自分を認めたい(自尊心、自信)
- 他者から認められたい(地位、名誉、評判)
生命維持と安全の確保をして、コミュニティに参加するようになると、人はそのコミュニティ内での自分の立ち位置を気にし始めます。
コミュニティの人に対して劣等感を抱いてしまったり、コミュニティから必要とされたいと思ったりするわけですね。
あと日本人に多いのは、自分で自分を評価することができずに疎外感や孤独感を感じてしまう人です。
そのため、「他人から認められたい」と口にしている人が抱く本当の欲求が、実は自己承認であったということも多々あります。
承認欲求の具体例
承認欲求の具体例としては以下のようなものがあります。
- 自信を持ちたい
- 人から褒められたり注目されたい
- 人から頼りにされたい
- 他人より優れていたい
- 自分の価値を認めてほしい
承認欲求をターゲットとしたビジネスとしては、自己啓発系のセミナーや高級ブランド品の販売などが挙げられます。
ほかには、インスタグラムへ写真を投稿して「いいね」をもらうというのも承認欲求を満たしている行為です。
あとは筋トレを行うジムなんかも、「周りから評価されたい」という理由で行っている人が多いでしょう。
また、承認欲求はセールスコピーでもよく刺激される欲求です。
個人的には、「ほかの人は勉強なんてしていないのに今からこのセミナーの申し込みをして学ぶあなたはすごい」みたいな文言をよく見かけますね。
このように日本では承認欲求を狙ったビジネスが非常に多く存在しています。
これは、衣食住があるていど保証されている日本では承認欲求に飢えている人が多い、ということを意味しているわけですね。
マズローの欲求第5段階.
自己実現欲求
自己実現欲求は「自身が望む自分になりたい」という欲求です。
自己実現欲求を追求している人は、賛同者の数やほかの人の評価に関係なく、ただ自分自身の内にある理想を求めていると言えます。
この自己実現欲求を抱きやすいのは、自分を押し殺してコミュニティ内で認められているような人たちです。
たとえば、サラリーマンとして順調に出世し、管理職として多くの部下に慕われているような人が、「自分が本当にやりたかったのは雇われのサラリーマンではなくて経営者だった」と言って会社を辞めるような感じですね。
もちろん、会社という雰囲気が肌に合わないということで社会的欲求と承認欲求を諦めてこの自己実現欲求を抱くという場合もあります。
このように、とにかく「自分らしく」というのを追求するのが自己実現欲求なのです。
マズローは自己実現理論と称して、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」と仮定しています。
つまり基本的に人間は、誰でも大なり小なり自己実現欲求を抱いているということですね。
自己実現欲求の具体例
自己実現欲求の具体例としては以下のとおりです。
- お金にならなくても自分がやりたい仕事をしたい
- 不便で知りあいがいなくても田舎でのんびり暮らしたい
- 食事や睡眠を犠牲にしてでも自分で納得がいくアート作品を作り上げたい
などなど、とにかく自分がやりたいと思ったことを自分らしくやりたい、というのが自己実現欲求です。
自己実現欲求が強い人の特徴として、ほかの欲求をないがしろにしてでも自己実現をしようとする傾向があります。
たとえば作家が食事や睡眠を忘れて作品作りに没頭したり、人との関係を断ってでも田舎でのんびり隠居しようとする人がいたり、といった感じですね。
これをマーケティング視点で考えると、彼らは目的達成のために手段を選ばない傾向にあるということが言えます。
つまり彼らは、自分の欲求にピッタリと合う商品やサービスには金銭を惜しまない傾向があるということです。
そのため、自己実現欲求を狙ったビジネスでは高額な商品が売れやすくなります。
ただしその分完璧を求める人が多いため、商品の質にはよりこだわる必要があるでしょう。
【補足】マズローの欲求第6段階.
自己超越
ここまででマズローの欲求5段階説の各段階を説明してきましたが、実はマズローは晩年、5段階目である自己実現欲求のさらに上にもう1つの欲求があると発表しました。
それが自己超越です。
「自分の望みを叶えたい」という自己実現欲求では、欲求が自分に対して向いている状態でした。
しかしそれが自己超越になると、周りにも欲求が向くようになるのです。
つまり、「周囲を自分の望むとおりに変えたい」という欲求が生まれるということですね。
自分だけでなく、周囲のコミュニティにまで影響をおよぼす状態になるわけです。
ただし自己超越は、「自分だけが幸福になるために周囲を変えたい」というような欲求とは一線を画します。
あくまでも純粋に「みんなでより良くなりたい」と願うのが自己超越なのです。
そういう意味では、命を懸けて歴史を変えてきた偉人たちのように、自分よりも世界を優先している状態であるとも言えるでしょう。
また、自己超越にまでたどり着いた人は「フロー体験(至高体験)」をすると言われています。
フロー体験とは、目の前のことに100%のめり込んでいる無我の境地とも言うべき集中状態です。
もしあなたが経営者として自己超越にまで到達し、フロー体験を起こすようになれば、ソフトバンクの孫正義さんのように歴史に名を残すようなビジネスを手掛けられるかもしれませんね。
マズローの欲求は欠乏動機と成長動機に分かれる
ここまで説明してきた5つ+1つの欲望段階ですが、実は大きく分けて2種類に区別することができます。
それが、
- 欠乏動機
- 成長動機
です。
欠乏動機は、「足りないから欲しい」という欲求を指します。
- 生理的欲求
- 安全欲求
- 社会的欲求
- 承認欲求
マズローの欲求5段階説で言うと、この4つが欠乏動機に区分されます。
一方、成長動機はその名のとおり「今よりさらに良くなりたい」という欲求です。
- 自己実現欲求
- 自己超越
マズローの欲求5段階説で言うと、この2つは成長動機の欲求です。
このようにマズローの欲求5段階説は、大きく2つに区分することができます。
「足りないから欲しい」のか、「さらに良くなるために欲しい」のか、ということです。
マーケティングを行うさいには、まず欠乏動機と成長動機のどちらをターゲットにするのかを考えると良いでしょう。
日本人がもっとも抱えている欲求とは?
マズローの欲求5段階説において、日本人がもっとも抱いている欲求は「社会的欲求」と「承認欲求」であると言われています。
というのも日本は先進国であり、生理的欲求と安全欲求についてはあるていど満たすことができているからです。
生理的欲求と安全欲求は欠乏動機であることから、足りない状態が改善されれば、その次の欲求を抱くことになります。
つまり、生理的欲求と安全欲求が満たされたあとは、社会的欲求と承認欲求が強く表れるということです。
言い換えればこれは、社会的欲求と承認欲求に応えるビジネスに大きな需要があるということを意味しています。
その最たるものがSNSです。
SNSはネット上で人と繋がることができるだけでなく、いいねやフォロワーを集めることで承認欲求を満たすこともできます。
だからこそSNSは世界中の先進国で爆発的に流行ったのです。
では、もし私たちが中小規模で社会的欲求と承認欲求に応えるビジネスを行うなら何が良いのか、というところが気になるのはないでしょうか。
たとえばですが、最近流行りのオンラインサロンの運営などはおすすめです。
オンラインサロンなら同じ目的を持った仲間が集まりますし、そこで成功すれば承認欲求を満たすこともできます。
そのため、ただ教材を売るだけに比べてコミュニティを提供すれば、お客さんの満足度は格段に上がるはずです。
このように今日本では、社会的欲求と承認欲求に応えるサービスに対する需要が高まっています。
あなたの会社でも社会的欲求と承認欲求に応えるビジネスができないかどうか、ぜひ1度考えてみてください。
マズローの欲求5段階説を学べる本
ここからはマズローの欲求5段階説についてさらに学べる書籍を紹介していきます。
この記事を読んでマズローの欲求5段階説に興味が出てきたという場合は、ぜひ参考にしてみてください。
- マズローの欲求階層説
- お客様のことが見えなくなったら読む本 売れる人の超訳マズロー欲求5段階説
マズローの欲求階層説
『マズローの欲求階層説』は、初心者でも理解しやすいように実例を交えながらマズローの欲求5段階説を解説してくれる書籍です。
ページ数も78Pと短いので、気軽に手に取ることができます。
『渡辺博文(著)』
参考リンク:マズローの欲求階層説(Amazon)
お客様のことが見えなくなったら読む本 売れる人の超訳マズロー欲求5段階説
『お客様のことが見えなくなったら読む本』は、お客さんが欲しいものを導き出すときに参考になる書籍です。
マーケティングにおいては非常に重要な視点になるので、ぜひ1度目を通してみてください。
『松野恵介(著)』
【まとめ】ビジネスはいかにお客の欲求を満たせるかが重要
今回はマズローの欲求5段階説について、ビジネス視点でお話をしてきました。
マズローの欲求5段階説は、人の欲求を段階分けし、わかりやすくまとめたものです。
そのためマズローの欲求5段階説は、マーケティングを行うさいに非常に役立つ考え方であると言えます。
ビジネスをするうえで知っておいて損のある知識ではありませんので、ぜひこの記事を参考にして、あなたのビジネスでも活かしてみてください。
また、マズローの欲求5段階説を理解しておけば、より深くお客さんの欲求を満たすことができます。
たとえば服を買うお客さんでも、
- 寒さを凌ぎたいという生存欲求
- 社会から浮かない恰好をしたいという社会的欲求
- 人からおしゃれだと思われたいという承認欲求、
- 表現がしたい自己実現欲求
といったように、人によって抱いている欲求はさまざまです。
だからこそ、その欲求を理解したうえで満たせるようなビジネス展開を行えば、お客さんにより深い価値を感じてもらえるというわけですね。
さらに、お客さんが感じる価値が高くなるということは、それだけ販売価格を上げることができるということと直結します。
なぜならお客さんは、自分が感じた価値に対してお金を払っているからです。
たとえば、社会的欲求から服を買う人は、機能性を度外視した奇抜なデザインの服には1円もお金を払いません。
しかし承認欲求や自己実現欲求を抱いている人は、デザインさえ気に入ればそれなりに高価なものでも買ってくれるはずです。
このように同じものでも人によって感じる価値の高さは全然違い、そこに商品の価格も比例するというわけですね。
ビジネスの基本は、お客さんの欲求を満たすことです。
そしてマズローの欲求5段階説を理解しておけば、より深くお客さんの欲求を追求し、把握することができるようになります。
そうすればあなたの商品やサービスは本当にそれを求めている人のもとに届くようになり、ますますその価値を高めていくでしょう。