今回は目標達成の指標「KGI」についてお話していきます。
KGIとは、Key Goal Indicatorの略語で、日本語では重要目標達成指標という意味があります。
簡単に言うと、最終的な目標のことです。
KGIを設定することにより、目標やビジョンを持つことができ、従業員にそれを共有することで、従業員のモチベーションを上げることができます。
特にスタートアップやベンチャー企業などの中小企業の場合は、新規事業のKGIや、既存事業のKGIが決まっていないケースも多いです。
この記事を読んでいるということは、あなたの経営する会社もKGIが決まっていないのではないでしょうか?
そこで今回は、そのような悩みを解決するため、KGIについて以下5つの内容を中心に解説します。
- そもそもKGIとは?
- KGIを設定する4つのメリット
- KGI設定の5つのポイント
- 【職種別】KGI設定の具体例
- KGI以外の4つの目標設定指標
KGIを設定し事業を成功させたい経営者の方、社内に目標を共有し従業員のモチベーションを上げたい経営者の方は、ぜひ参考にしてください。
そもそもKGIとは?重要目標達成指標を解説
冒頭でも解説しましたが、KGIとはKey Goal Indicatorの略語で、日本語では重要目標達成指標という意味です。
簡単に言うと、最終的な目標のことです。
KGIを設定することで、経営や事業の目標を明確にし、従業員に共有することで従業員にビジョンや目標を持たせることができます。
従業員にビジョンや目標を持たせることで、従業員のモチベーションを上げて業務効率を向上させることができるのです。
会社を経営する上で、設定されるKGIはさまざまですが、一般的には以下のようなものが当てはまります。
- 売上
- 利益
- 利益率
- 販売数
これらの項目をKGIに設定することで、企業や事業としての最終的な目標を明確にすることができるのです。
KGIには数値化できる項目を設定して、見える化するようにしましょう。
なぜ設定する?KGIを設定する4つのメリット
ここからは、KGIを設定する4つ目のメリットについて解説します。
KGIを設定するメリットを知っておくことで、なぜKGIを設定するのかを理解でき、適切なKGIを設定することができます。
- 従業員にビジョンを示すことができる
- 最終目標までにやるべきことを明確にできる
- 進捗状況が把握しやすくなる
- 共通の目標を持つことでモチベーションが上がる
それぞれのメリットについて解説します。
KGIを設定するメリット1.従業員にビジョンを示すことができる
KGIを設定する1つ目のメリットは、従業員にビジョンを示すことができるということです。
KGIを設定することで、会社や事業の最終目標を示すことができます。
経営者が会社をどうしていきたいのか、会社としてどのような目標を目指すのかを従業員に示すことができなければ、従業員が不信感を抱いてしまいます。
KGIを設定し、会社のビジョンを従業員に示すことで、従業員からの信用も得られるでしょう。
KGIを設定するメリット2.最終目標までにやるべきことを明確にできる
KGIを設定する2つ目のメリットは、最終目標までにやるべきことを明確にできるということです。
KGIは最終目標の指標です。
KGIを設定することで、KGIを達成するために何をどれくらいするのかを決めることができます。
最終目標を決めなければ、事業をどこに向けて進めていくのか、何をするのかを決めることができません。
KGIを設定する際には、KGIを従業員に共有するだけでなく、KGI達成までのプロセスを明確にして何をやるべきかを従業員に共有しましょう。
KGIを設定するメリット3.進捗状況を把握しやすくなる
KGIを設定する3つ目のメリットは、進捗状況を把握しやすくなるということです。
KGIを設定する際には、数字で表すことのできる項目と期限を設定します。
なぜなら、目標である数字と期限に対しての進捗状況や達成率を管理することができるからです。
進捗状況の把握ができると、事業がKGIに対して上手くいっているのかを判断することができます。
事業がうまくいっていないと判断できる場合には、新しい施策を考えたり事業の進め方を再考したりと経営者の判断が必要になるでしょう。
KGIを設定して進捗状況を把握し、分析することで適切な経営判断を下すことができます。
KGIを設定するメリット4.共通の目標を持つことでモチベーションが保たれる
KGIを設定する4つ目のメリットは、共通の目標を持つことでモチベーションが保たれるということです。
企業としてのKGIや事業でのKGIを設定することで、社内で共通の目標を持つことができ、従業員のモチベーションを保つことができます。
また、個人レベルでKGIを設定することで、従業員に目標を持たせ、モチベーションを保つこともできます。
目標がなければ、業務にやりがいを感じることも難しく、適切な評価がされるかという不安を従業員が持ってしまいます。
目標を共有し、従業員に個人レベルでの目標を持ってもらうことで社内の士気をあげて、モチベーションを保つようにしましょう。
目標を達成するためのKGI設定の5つのポイント
ここからは目標を達成するためのKGI設定の5つのポイントを解説します。
KGIを確実に達成するためには、KGIを設定する際に5つのポイントを意識する必要があります。
- KSFを記録しておく
- KPIと合わせて設定する
- 目標設定は高くしすぎない
- 期限を設定する
- 目標は数値で示す
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
KGI設定のポイント1.KSFを明確にしておく
KGIを設定するときの1つ目のポイントは、KSFを明確にしておくことです。
KSFとは、KGIを達成するために重要となる指標のことで、日本語では「重要成功要因」という意味です。
つまり、KSFはKGIを達成するために必要な要素や項目のことを指します。
KSFを明確にすることで、KGIを達成するために何をどれくらいすればよいのかを把握することができます。
たとえば、飲食店が1ヶ月の売上をKGIに設定した場合、客単価と来客数がKSFです。
このように、KGIを構成する要素や項目をKSFといい、それを洗い出して明確にしておくことでKGIを達成するために必要なことを把握することができるのです。
KGI設定のポイント2.KPIと合わせて設定する
KGIを設定する2つ目のメリットは、KGIとKPIを併せて設定することです。
KPIは、Key Performance Indicatoの略語で、日本語で「重要業績指標」という意味です。
「KGI=最終目標」、「KPI=中間目標」と考えるとわかりやすいですね。
KPIを設定することで、KGIを達成するまでのプロセスを把握することができ、KPIごとの進捗状況や達成率を管理することができるのです。
事業や業務をより細分化して、管理することで成功点や問題点を把握しやすくなります。
KGIを設定するときには、KPIも必ず設定するようにしましょう。
KGI設定のポイント3.目標設定は高くしすぎない
KGIを設定する3つ目のポイントは、目標設定は高くしすぎないということです。
目標設定を高くしすぎると、社内に達成できないという雰囲気が浸透してしまう可能性があります。
目標達成できそうなKGIを設定することで、従業員のチャレンジ精神やモチベーションを生むことができます。
そのため、KGIを設定する際には目標達成を高くしすぎないように意識しましょう。
また、目標設定が高すぎるKGIをどうしても設定しなければいけない場合には、その目標を達成するまでのプロセスや戦略を従業員に共有しましょう。
目標設定が高い場合でも、KGI達成までのプロセスや戦略を共有することで、従業員のモチベーションを上げられるかもしれません。
KGI設定のポイント4.期限を設定する
KGIを設定する4つ目のポイントは、KGIの達成するまでの期限を設定するということです。
期限を設定することで、スケジューリングや事業計画を立てて、計画的に業務をすすめることができます。
期限を設けないと、従業員もいつまでに業務を終わらせなければいけないのかを把握することができず、モチベーションを保つこともできません。
また、期限を設けることで進捗状況を確認でき、業務の管理もしやすくなります。
KGIを設定する際には、必ず期限を設けるようにしましょう。
KGI設定のポイント5.目標を数値で示す
KGIを設定する5つ目のポイントは、目標を数値で示すということです。
KGIを具体的な数値で表すものにすることで、何をどこまですればよいのかを明確にできます。
曖昧な目標だと目標に対する理解がバラバラになりかねませんが、数字で示すことによって誰が見ても同じ目標だと認識できます。
また、曖昧な目標は達成感につながらないので従業員のモチベーションを下げてしまうこともあるでしょう。
KGIを設定する際には、目標を数値で示すように心がけましょう。
【職種別】KGI設定の具体例を紹介!
ここからは、KGI設定の具体例を職種別に紹介します。
KGIは職種や業種によってさまざまです。
そのため、今回は多くの業種に共通する3つの職種のKPI設定の具体例を紹介します。
- 営業職
- マーケティング
- 経営管理
それぞれについて解説します。
営業のKGI設定の具体例
まずはじめに、営業のKGIの具体例を紹介します。
営業職のKGIは以下のようなものが一般的です。
- 売上高
- 成約数
- 成約率
営業職は、業務内容が数字で現れやすい職種です。
そのため、KGIも数字で示しやすいものばかりのため、KGIを設定することも難しくないでしょう。
また、個人レベルでKGIを設定し、KSF(成功要因)とKPI(中間目標)を設定することも容易いです。
KGIを達成するためのKSFやKPIを設定することで、従業員の業務を適切に評価することもできます。
マーケティングのKGI設定の具体例
次にマーケティング職のKGI設定の具体例を紹介します。
マーケティング職のKGIは次のとおりです。
- インプレッション数
- CV数
- CVR
- サイト流入数
マーケティング職も営業職と同じように、数字で示しやすい業務が多く、KGIの設定も行いやすいです。
ただし、営業職のように個人レベルでのKGI設定は難しいでしょう。
マーケティング担当の従業員にKGIを設定したい場合には、業務内容をアンケートなどで独自に数値化しることで設定しましょう。
経営管理のKGI設定の具体例
最後に経営管理のKGIを紹介します。
経営管理のKGIの具体例は次のとおりです。
- 総売上
- 顧客数
- コスト
経営管理は事業を管理する上で、重要な職種です。
各事業を適切に管理するためにも、KGIを設定することは重要な仕事といえるでしょう。
経営を進めていくうえで重要な要素や項目は、数値化してKGIに設定することで、経営管理の仕事を円滑に進められるでしょう。
KGIだけじゃない!KGI以外の目標設定の4つの指標を紹介!
最後にKGI以外の目標設定の指標を4つ紹介します。
それぞれの指標の特徴を知っておくだけで、効果的な目標設定を行うことができます。
- KPI(重要業績評価指標)
- KSF(重要成功要因)
- KBF(重要購買要因)
- OKR(目標と成果指標)
KPIとKSFについては前述していますが、おさらいという意味でも目を通しておいてください。
KPI(重要業績評価指標)
KPIは、Key Performance Indicatoの略語で、日本語で重要業績指標という意味です。
KPIを設定することで、目標達成に至るまでの進捗状況や達成率を確認することができます。
KGIが最終目標であれば、KPIは中間目標です。
進捗状況や達成率を確認できることで、従業員のモチベーションを上げることもできます。
KSF(重要成功要因)
KSFは、Key Success Factorの略語で、日本語では重要成功要因という意味です。
KSFもKGIと同じように、KPIと一緒に設定されることが一般的です。
KSFは、簡単にいうと「成功するための要因」のことです。
具体的には規模や技術力、顧客対応の丁寧さなどがこれに当てはまりますね。
KSFを明確にすることで、KGIも設定しやすくなるはずです。
KBF(重要購買要因)
KBFは、Key Buying Factorsの略語で、日本語では重要購買要因という意味です。
KBFは顧客が商品を購入する際に、重要視する要素のことです。
KBFを把握しておくことで、自社の商品のSTPを決める判断材料にすることができます。
また、自社の商品が売れた際には、購入者のKBFを把握することで新商品の開発や営業方法を開拓することができます。
※STP=コトラーが提唱したマーケティング手法のこと。
こちらの記事で、STP含めコトラーのマーケティング理論を詳しく解説しているので、併せて確認してみてください。
⇒ゼロから分かる!コトラーのマーケティング理論超入門!1.0から4.0まで徹底解説
OKR(目標と成功指標)
OKRとは、Objectives and Key Resultsの略語で、日本語では目標と成功指標という意味です。
OKRは企業が設定した目標とその結果を明確にして、企業・個人レベルまで業務を明らかにする目標管理のフレームワークのことです。
ここまで紹介したKPI・KGI・KSF・KBFは目標を達成するための指標なので、OKRとは根本的な概念が違います。
OKRは企業全体はもちろん、個人レベルまで業務を落とし込む事ができることが特徴です。
【まとめ】KGIを設定して目標を明確にしよう!
今回は最終目標の指標であるKGIについて解説しました。
KGIを設定することで、事業や会社の目標が定まり、KGIを達成するまでのプロセスを明らかにすることができます。
目標を持つことや目標までのプロセスを明確にすることで、従業員と足並みを揃えて事業をすすめることができるのです。
反対に、KGIが設定されていないと、従業員が目標を持つことができなかったり、従業員を評価することが難しくなります。
そのため、KGIは従業員のモチベーションにも大きく影響するのです。
従業員のモチベーションを上げ、業務効率を上げるためにもKGIの設定は重要といえるでしょう。
しかし、KGIを設定する前に1点だけ確認しておいてほしいことがあります。
それが、自社の商品やサービスの価格が適切であるかどうかです。
KGIを設定して、従業員のモチベーションを上げようとしても、売上や利益が上がらなければ従業員のモチベーションは上がりません。
それどころか、売上や利益が上がらないことで、従業員が仕事の結果が出ていないように感じてしまい、モチベーションが下がってしまう可能性も考えられます。
そのため、KGIを設定する前に、自社の商品やサービスの価格をまずは見直していただきたいのです。
価格設定を見直してから、KGIを設定することで、事業をさらに加速することができます。