事例でわかるインターナルマーケティング!従業員満足度を上げる方法とは?

鷲津晴人
事例でわかるインターナルマーケティング!従業員満足度を上げる方法とは?

今回は社内を活性化させるためのマーケティング手法、インターナルマーケティングについてお話をします。

マーケティングというと、自社のプロダクトを認知してもらうための広告運用や、購入を促すための販売促進活動など、社外へ向けた活動だと考えている方も多いのではないでしょうか?

もちろん一般的に認知されているマーケティングは、そのような活動を指しますが、インターナルマーケティングは社内へ向けたマーケティングのことを指します。

 

インターナルマーケティングを行うことで、従業員の満足度を上げて業務効率の向上や、顧客満足度の向上が望まれるのです。

  • 利益を従業員に還元できていない
  • 従業員から不満が聞こえてきた
  • 自社のイメージアップを図りたい

このような課題を感じている経営者の方は、インターナルマーケティングを行うことで、従業員満足度を向上させることでその悩みを解決できるかもしれません。

 

そこで、この記事では次の4つのトピックについて詳しく解説しています。

  1. インターナルマーケティングとは
  2. インターナルマーケティングを行うメリット・デメリット
  3. インターナルマーケティングの方法
  4. インターナルマーケティングの事例

従業員満足度を上げて、業務効率や顧客満足度を向上させたい経営者の方は、ぜひご一読ください。

 

従業員満足度を上げるインターナルマーケティングとは?

前述しましたが、インターナルマーケティングは社内に向けたマーケティング手法です。

インターナルマーケティングを行うことで、従業員満足度を向上させ、結果的に顧客満足度や業務効率の向上を図ることができるのです。

売上上昇イメージ

たとえば、

  • 社内報を作成することで自社の活動を従業員に周知する
  • 業務のマニュアルを作成し教育環境を整える
  • フレックスタイムを導入し柔軟なワークスタイルを提案する

このような活動は、インターナルマーケティングの一部と言えるでしょう。

ただし、効果的なインターナルマーケティングを行いたい場合には、サービスプロフィットチェーンというものを理解する必要があります。

 

従業員満足度を向上させるためにもサービスプロフィットチェーンを理解しよう!

インターナルマーケティングは、従業員満足度を向上させるためのマーケティング手法ですが、そのためにはサービスプロフィットチェーンを理解しておく必要があります。

サービスプロフィットチェーンは、マネジメント研究の第一人者であるヘスケットやサッサーらが1994年に提唱したフレームワークです。

サービスプロフィットチェーンは、次の3要素の因果関係を表しています。

  • 従業員満足度
  • 顧客満足度
  • 業績

これらにはそれぞれ因果関係があり、どれか1つでも欠けてしまうとすべての要素が悪化してしまい、どれか1つでも向上するとすべての要素が向上します。

たとえば、以下のようなサイクルはサービスプロフィットチェーンの関係です。

  1. インターナルマーケティングの施策によって従業員満足度が向上
  2. 従業員満足度が向上すると企業に対する従業員ロイヤルティが向上
  3. 従業員ロイヤルティの向上により、商品品質やサービス品質が向上
  4. 商品品質やサービス品質が向上すると顧客満足度が向上
  5. 顧客満足度が向上すると、企業に対する顧客ロイヤルティが向上
  6. 顧客ロイヤルティが向上するとコアなファンの獲得ができる
  7. コアなファンはリピーターや口コミを行ってくれるため、業績アップにつながる

このような関係が成り立つからこそ、インターナルマーケティングによって従業員満足度を向上させることが、重要視されているのです。

 

インターナルマーケティングを行うメリット・デメリット

ここからはインターナルマーケティングを行うメリット・デメリットについて解説していきます。

人物模型と住宅模型

インターナルマーケティングには、2つのデメリットと3つのメリットがあります。

これらを理解しておくことで、インターナルマーケティングの魅力と注意しなければいけない点が把握できるでしょう。

 

インターナルマーケティングの2つのデメリット

インターナルマーケティングには2つのデメリットがあります。

それが、次の2つです。

  • 売上に直結しないがコストはかかる
  • ニーズをはき違えると従業員満足度が減少する

インターナルマーケティングのデメリットを知ることにより、今あなたが経営する会社でインターナルマーケティングを行うべきなのかを判断することができます。

それぞれのデメリットについて詳しく解説します。

 

インターナルマーケティングのデメリット1.売上に直結しないがコストはかかる

インターナルマーケティングの最大のデメリットは、売り上げに直結しないがコストはかかるということです。

前述しましたが、インターナルマーケティングは社内環境を整えて、従業員満足度を上げる施策のことをいいます。

そのため、インターナルマーケティング自体は売上には直結しないのです。

また、インターナルマーケティングは社内に向けた活動ではありますが、コストもかかります。

明確な目的や目標を立てなければ、無駄にコストがかかってしまうケースもあるので注意しましょう。

 

インターナルマーケティングのデメリット2.ニーズをはき違えると従業員満足度が減少する

2つ目のデメリットはニーズをはき違えると、従業員満足度が減少するということです。

社内向けとはいえニーズ調査をきちんと行わないと、従業員のニーズをはき違えてしまい従業員満足度が上がらないこともあります。

たとえば、次のような場合は従業員満足度が上がらない可能性が高いです。

  • 給料を上げれば文句はないだろうと昇給する
  • マニュアルを作ってほったらかしにする

従業員の声に耳を傾け、適切な施策をとることがインターナルマーケティングを成功させることができるでしょう。

 

インターナルマーケティングの3つのメリット

次にインターナルマーケティングの3つのメリットを紹介します。

  • 売上が上がる
  • 社内の雰囲気が良くなる
  • 社外からのイメージが上がる

インターナルマーケティングのメリットを知ることにより、従業員満足度が上がるだけでなくそれに伴う影響を知ることができます。

それぞれのメリットについて詳しく解説します。

 

インターナルマーケティングのメリット1.売上が上がる

1つ目のメリットは、売上が上がるということです。

従業員満足度を上げる活動は、サービスプロフィットチェーンにも入っています。

そのため、顧客満足度が上がることで結果的に売上が上がる可能性があるのです。

売上が上がることにより、業績をさらに伸ばすこともできるため、インターナルマーケティングは社外への影響力も持ち合わせているといえるでしょう。

 

インターナルマーケティングのメリット2.業務の効率化が図れる

2つ目のメリットは、業務の効率化が図れるということです。

インターナルマーケティングは、基本的に従業員満足度を上げるマーケティング手法です。

従業員満足度が上がれば、社内の雰囲気も自然と良くなり、業務の効率化が図れます。

業務効率に課題を感じている場合は、インターナルマーケティングを実施してみることも解決策の1つでしょう。

 

インターナルマーケティングのメリット3.社外からのイメージが良くなる

3つ目のメリットは、社外からのイメージが良くなるということです。

従業員満足度が上がることにより、商品やサービスの品質が上がります。

品質が上がれば、顧客満足度が向上するため、顧客ロイヤルティが上がる可能性があるのです。

顧客ロイヤルティが上がると、企業へのイメージアップが期待できるため、コアなファンを獲得しやすいのです。

社外からのイメージアップを望むなら、まずは社内環境を整えることから始めることをおすすめします。

 

インターナルマーケティングで従業員満足度を上げる5つの方法

ここからはインターナルマーケティングで従業員満足度を上げる5つの方法について解説します。

  1. 給料を上げる
  2. 柔軟な勤務体制を作る
  3. 技術やスキル習得のためにマニュアルを作る
  4. 自社製品の素晴らしさを伝える
  5. 社内報を作る

従業員満足度を上げる方法には、主にこれらの方法があります。

ポイント(赤字)

ただし、勘違いしてはいけないことは、これらの方法は従業員のニーズがある場合にしか有効でないということです。

従業員のニーズを見極めて、適切な方法で社内の労働環境を整えることで、従業員満足度を上げることができるでしょう。

それぞれの方法について詳しく解説します。

 

従業員満足度を上げる方法1.給料を上げる

1つ目の方法は、従業員の給料を上げるということです。

従業員の給料を上げることで、従業員の仕事への意欲がこれまで以上に増し、業務効率の向上が期待できます。

基本的には、会社員の給料は固定給でしょうから、給料を上げることにより時間対報酬を上げることで、従業員に責任感を持たせることもできるでしょう。

ただし、もともと従業員の給料が低い場合や、労働時間が長すぎるため時間対報酬が著しく低い場合などは、給料を上げることで従業員満足度が上がらないこともあるため、注意が必要です。

 

従業員満足度を上げる方法2.柔軟な勤務体制を作る

2つ目の方法は、柔軟な勤務体制を作ることです。

柔軟な勤務体制とは、どんな従業員でも働きやすい勤務体制を作るということです。

つまり、従業員をひとくくりに考えるのではなく、個々の従業員に目を向けて働きやすい勤務体制を導入することが重要なのです。

たとえば、

  • フレックスタイムの導入
  • 短時間勤務の導入
  • リモートワーク制の導入

これらの勤務体制を導入することで、どんな従業員にも柔軟に働いてもらうことができるでしょう。

怪我や出産で休んでいるけれど、仕事がしたいという従業員や、子どもの世話が大変で早く帰りたいと考えている従業員もいるでしょう。

そのため、柔軟な勤務体制は給料以上に、従業員満足度に影響を与える可能性もあるのです。

 

まずは、従業員がどのような生活環境なのか、どのような働き方を求めているのかを把握しましょう。

匿名の社内アンケートなどで実際に聞き取りを行うことで、個人情報やプライバシーを守りながら、従業員のニーズを知ることができますよ。

インターナルマーケティングは、授業員ファーストでなければ意味がないのです。

 

従業員満足度を上げる方法3.技術やスキル習得のためにマニュアルを作る

3つ目の方法は、技術やスキル習得のためにマニュアルを作るということです。

従業員の教育のために、マニュアルやセミナーを開いて学習の機会を作ることも、従業員満足度を上げる1つの方法なのです。

マニュアルを作成し、教育体制を整えていなければ、従業員が成長することが難しいためです。

 

新卒入社の従業員が教育環境が整っていないからと言って、退職してしまうケースは少なくありません。

そのため、業務スキルや技術習得のためのマニュアル作成が、従業員満足度を上げることに繋がることもあるのです。

マニュアル作成で大切なことは、従業員の意見を取り入れるということです。

従業員の意見や経験を含めたマニュアル作成を行うことで、従業員の意見を取り入れるという会社の姿勢を見せることができ、マニュアルもさらに良いものになることが多いです。

マニュアル作成を行うときは、積極的に従業員の意見を取り入れてみましょう。

 

従業員満足度を上げる方法4.自社製品の素晴らしさを伝える

4つ目の方法は、自社製品の素晴らしさを従業員に伝えるということです。

自社製品の魅力を、従業員が知らなければお客様に商品の魅力を伝えることは当然できません。

また、自社製品に自信を持っていなければ、従業員自身が良いと思っていない商品をお客様に勧めることになります。

そうなると、顧客ロイヤルティが下がり、売上が下がってしまう可能性もあります。

 

従業員が自信をもって、自社製品をお客様に伝えられるよう、社内でも積極的に自社製品の魅力を伝える活動をしてみましょう。

具体的には、次のような方法があります。

  • 競合他社の情報を共有する
  • お客様の声を共有する

営業やマーケティング担当が知っている競合の情報やデータを共有し、自社製品の優れた部分を従業員に共有しましょう。

自社商品の優れた部分を知ることで、従業員が自信をもって業務を行うことができます。

また、自社製品にたりない部分も確認できるので、「こうしたらいいんじゃないか」など改善しようというポジティブな気持ちにもつながります。

 

ほかにも、お客様の声を会議や定例会で伝えることも重要です。

自社製品がどのように役に立っているのか、どんなふうに喜んでもらえているのかを知ることで、自社製品がお客様に本当に役に立っていることを実感することができます。

自社製品に関するデータやお客様の声は、従業員に積極的に共有していきましょう。

 

従業員満足度を上げる方法5.社内報を作る

5つ目の方法は、社内報を作るということです。

社内報を作ることで、社内でどのような活動や動きがあるのかを従業員に知らせることができます。

従業員に社内での活動を知らせることで、会社がどのような方向性をもって何をしているのかを従業員が知ることができるのです。

自社の活動を世間に知ってもらうためにも、まずは従業員に伝えることから始めてみましょう。

社内報の見開きや一面にポジティブな情報を載せることで、知らせたい情報を従業員の目に止まらせることができますよ。

社内報で、売上が上がったことや、お客様の喜びの声などを載せることで、社内にポジティブな情報を広めることができるでしょう。

 

事例から学ぶインターナルマーケティング!失敗事例と成功事例を紹介!

それでは最後にインターナルマーケティングの失敗事例と成功事例を紹介します。

成功例と失敗例

インターナルマーケティングの具体的な施策を知ることで、御社の課題を解決できる可能性があるでしょう。

それぞれについて詳しく解説します。

 

インターナルマーケティングが失敗した事例

インターナルマーケティングで大きく失敗したという事例はあまりみられませんが、実際のところうまく効果を上げられていない会社は多いです。

そのような会社に共通する、失敗しやすいポイントはたった一つです。

 

それは、ニーズ調査を行わずにインターナルマーケティングを行うことです。

ニーズ調査を行わなければ、従業員が何を求めているかを把握することができません。

これは、インターナルマーケティングという言葉を知っている経営者でもよく陥るポイントです。

 

どうせ給料が上がれば、業務効率が上がるだろう

休みを増やせば、満足するだろう

このように一方的な考えでは、従業員満足度を上げることはできません。

インターナルマーケティングは、あくまでもマーケティング活動です。

ニーズ調査やそれに対する適切な施策を行うことが最も大切と言っても過言ではありません。

自分勝手な施策にならないように注意して、インターナルマーケティングを成功させましょう。

 

【成功事例】インターナルマーケティングにより売上が10%増加したケース

それではインターナルマーケティングが成功した事例を紹介します。

今回紹介する長坂養蜂場は、インターナルマーケティングを実施し、売上が約10%増加しました。
(出典:インターナル・マーケティングによる需要創造-長坂養蜂場の事例から-

 

長坂養蜂場が実施したインターナルマーケティングの施策は次の7つです。

  1. 経営理念を従業員に浸透させた
  2. 通常業務を行わずに社外活動や研修を行う日を設けた
  3. アニバーサリー休暇や子育て支援など従業員の家族を意識する福利厚生を設けた
  4. 健康食品やマッサージなど従業員の健康を考えた福利厚生を設けた
  5. 成果に応じた表彰制度とフィードバックするシステムを設けた
  6. 従業員にアンケートを取り、その結果に基づき社会貢献活動の役割を振分けた
  7. 成功を共有するシステムを設けた

長坂養蜂場はこれらの施策を始めてから、売上が約10%増加し、さらに顧客のリピート率も3%ほど増加したと報告されています。

長坂養蜂場は、創業80年以上の老舗企業ではありますが売上の上昇とともに、従業員の殺伐とした雰囲気に課題を感じ、インターナルマーケティングを始めました。

従業員だけでなく、従業員の家族にも目を向けた施策を行った結果、社内の雰囲気も良くなり、従業員満足度が向上したのです。

 

【まとめ】インターナルマーケティングを成功させて従業員満足度と顧客満足度を上げよう!

インターナルマーケティングは、従業員満足度を向上させるマーケティング手法のことを指します。

従業員満足度を向上させることで、顧客満足度や売上を上げることができるのです。

この関係を理解するには、サービスプロフィットチェーンを理解する必要があります。

インターナルマーケティングを成功させるためにも、併せて学んでおきましょう。

サービスプロフィットチェーンについては、記事内のこちらでお話しています。
⇒従業員満足度を向上させるためにもサービスプロフィットチェーンを理解しよう!

 

マーケティングイメージ

ただし、インターナルマーケティングは売上に直結するものではありません。

従業員満足度が上がることが、売上を上げることに必ずしも直結するとは限らないのです。

結果的に売上が上がることはありますが、もちろんコストや時間はかかるため、今すぐに売上を上げたい方にはおすすめできないマーケティング方法だということは理解しておきましょう。

 

もしあなたが今すぐ売上を上げたい場合は、御社の商品の価格を上げることが最も早い方法です。

とはいえ、商品の価格を上げることは既存顧客からのクレームや客離れを恐れてしまいますよね。

インターナルマーケティングは、有名企業でも意識されていないマーケティング手法です。

人材不足の昨今、インターナルマーケティングによる、従業員満足度の向上により人材リソースの確保に努めましょう。

まずは、行動を始めることからおすすめします。

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