今回はセミナーや会議を活発化させるために有効な手段、アイスブレイクについて紹介をしていきます。
アイスブレイクとは、静まり返っている場所を活性化させたり、商談相手の心を解きほぐすためのビジネススキルです。
セミナーや会議といった場が活性化すればさまざまな意見が出るようになりますし、商談相手の心が開いた状態になれば、それだけ商談がうまくいく可能性が上がります。
そのため、もしあなたがセミナービジネスをしていたり、営業で顧客対応をする機会が多い場合は、とくにアイスブレイクの必要性は高いです。
そこで今回は、すぐに使えるアイスブレイクネタ11選をご紹介していきます。
ゲーム形式のものから商談でも使える話術的なものまで色々な種類がありますので、ぜひあなたのビジネスシーンにあったものを採用し、活用してください。
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アイスブレイクの意味と必要な理由とは
アイスブレイクとはその名のとおり、氷のように静まり返った空間を打ち壊して活発化させるテクニックです。
セミナーや会議を開いても参加者が静まり返っていて意義のない時間になってしまう、ということはよくあります。
もしあなたが招集をかけた立場なら、「どうしてもっと積極的に参加してくれないんだ!」と思うかもしれません。
しかし実は、静まり返ったセミナーや会議というものは進行を務める側が原因ということもあるのです。
学生時代を思い出してみてください。
あなたは、さまざまな先生の授業を受けてきたはずです。
そして中には、淡々と話すだけで聞いていると眠たくなってしまう先生もいれば、おもしろい話を交えてくれて眠たくならないという先生もいたのではないでしょうか?
セミナーや会議もそれと同じです。
ただ淡々と必要なことだけを話していては、参加者を引き込むことはできません。
そうなれば当然、セミナーや会議は静かな場と化してしまい、活発な意見交換が行われなくなってしまいます。
そこで必要なのが、アイスブレイクというテクニックです。
セミナーや会議にアイスブレイクを取り入れることで、参加者の心を解きほぐし、積極的に参加してもらうことができるようになります。
さらにアイスブレイクは、セミナーや会議のときにだけ使えるものではありません。
たとえば、プレゼンをするときに使って、肯定的に話を聞いてもらうこともできます。
もしくは商談のときに使って、顧客に心を開いてもらうという使い方も可能です。
このようにアイスブレイクは、ビジネスにおいて色々な状況で利用することができます。
そして、効果性と実用性が高いスキルなのです。
セミナーや営業ですぐに使えるアイスブレイク集11選
ここからは、セミナー、会議、プレゼン、商談といったさまざまなシーンで使えるアイスブレイクのネタをご紹介していきます。
アイスブレイクは、大きく2種類に分けることができます。
- セミナーや会議前に短時間で手軽に行えるアイスブレイクゲーム
- 商談や営業でも使えるゲーム以外のアイスブレイクの手法
今回はこの2種類のアイスブレイクについて、合計11個のネタをご紹介していきます。
あなたのビジネスで活用しやすいものを選び、ぜひ実践してみてください。
セミナー前に短時間でできるアイスブレイクゲーム
ここからはセミナーや会議前に短時間で行えるアイスブレイクゲームを6つご紹介していきます。
- つみき式自己紹介
- 他己紹介
- 後出しじゃんけん
- くじ引き(サイコロ)自己紹介
- 流れ星
- 心理テストを出す
これらはすべて、セミナー前の数分程度でできるものです。
それでは1つずつ、詳細を説明していきます。
アイスブレイクネタ集1.積み木式自己紹介
積み木式自己紹介とは、順番に自己紹介をしていくさいに、前の人の自己紹介を足して自分の自己紹介をしていくというアイスブレイクゲームです。
たとえば順番に自己紹介をしていくと、以下のようになります。
- 「佐藤です」
- 「佐藤さんの隣の鈴木です」
- 「佐藤さんの隣の鈴木さんの隣の井上です」
- 「佐藤さんの隣の鈴木さんの隣の井上さんの隣の……」
このように、自己紹介の順番があとになればなるほど、多くの人の自己紹介を覚えなければいけません。
要は、記憶力が試されるアイスブレイクゲームです。
ゲーム形式ということで、積み木式自己紹介には場の雰囲気を和ませ、参加者の緊張を解く効果があります。
そしてそれだけでなく、ゲーム形式で必死に名前を覚えていくわけですから、名刺をもらうだけに比べて参加者の名前が頭に残りやすいという特徴もあるのです。
積み木式自己紹介は、まさに実用性を兼ね備えたアイスブレイクゲームだと言えます。
数人で行うセミナーや会議なら、始める前に少し時間をとればできますので、とくに初対面同士の人が多い場合はぜひ試してみてください。
アイスブレイクネタ集2.他己紹介
他己紹介とは、他人のことを紹介するアイスブレイクゲームです。
セミナーや会議だと、隣同士で2人1組を作って、ペア相手のことを大勢の前で紹介する、というやり方が一般的ですね。
他己紹介のポイントは、ペア相手のことをきちんと知らないと紹介ができないというところです。
ただの自己紹介なら、いつもお決まりの言葉を口にして終わりですが、今日初めて会うペア相手の紹介をしようとすればそうはいきません。
ペア相手のことを紹介するためには、まずはヒアリングを行う必要があります
つまり、質問をして、積極的に相手のことを知ろうとしなければいけないわけです。
そして、この「相手を知ろうと積極的に質問をすること」が、そのあとのセミナーや会議で発言するハードルを下げてくれるのです。
たとえばあなたは、初めて会う人に話しかけるとき、最初の第一声に1番迷ったりしませんか?
「どう声をかければいいのだろう」とか、「どのタイミングで声をかければ良いのだとう」といった感じです。
1度話が始まってしまえばあとはスムーズに会話ができるのに、最初の声かけに関してはどうにも抵抗を感じてしまうという人は多くいます。
そして他己紹介は、まさにこの最初の声かけに相当するものなのです。
もしあなたが主催するセミナーや会議で、参加者にもっと積極的に発言して欲しいと感じているなら、ぜひこの他己紹介を取り入れてみてください。
いつものセミナーや会議と比べて、積極的な反応が返ってくるはずです。
アイスブレイクネタ集3.後出しじゃんけん
後出しじゃんけんは、頭の体操を行えるアイスブレイクゲームです。
やり方は簡単で、2人ペアを作り、先に手を出す人と後出しをする人を決めてじゃんけんをします。
そして後出しをする側は、必ず負けなければいけない、というルールです。
後出しじゃんけんをすると、人は無意識に勝てる手を出そうとしてしまいます。
そこであえて負ける手を出すということなので、実は後出しじゃんけんは、それなりに頭を使うアイスブレイクゲームなのです。
後出しじゃんけんは、とくに午後一番に行うアイスブレイクゲームとして適しています。
お昼休みに休憩していた脳を働かせることができますし、眠気覚ましにもなります。
座ったままでもできるためやりやすく、場所も時間もほとんど使いません。
午後一番にセミナーや会議を行う場合は、5分ほど時間をとって、みんなで後出しじゃんけんをしてみてください。
何もしない場合より、参加者の集中力は増すはずです。
アイスブレイクネタ集4.くじ引き(サイコロ)自己紹介
くじ引き(サイコロ)自己紹介は、お題を決めて自己紹介を行うアイスブレイクゲームです。
たとえばくじ引きを使う場合、引いたくじに書かれた質問に答える形で自己紹介を行っていきます。
もしくはサイコロの場合は、1の目が出たら趣味の話を、2の目が出たら自分の長所を織り交ぜて自己紹介をする、といった風に、数字に応じてテーマを決めて自己紹介を行うのです。
くじ引き(サイコロ)自己紹介をやると、ほとんどの人がいつも使っている定型文の自己紹介をできなくなってしまいます。
つまり、引いたお題に合わせてその場で各々が頭を働かせる必要があるわけです。
参加者の頭を働かせることができれば、その後のセミナーや会議を活性化させることができます。
とくにサイコロを使った自己紹介は準備も楽にできますので、試しに取り入れてみると良いでしょう。
アイスブレイクネタ集5.流れ星
流れ星は、参加者全員にイラストを描いてもらうというアイスブレイクゲームです。
紙に「流れ星」「月」「木」の絵を順番に描いてもらい、それをみんなで見せ合います。
すると案外、人それぞれに違う形で星や木を描いているのです。
それを見せ合うことで、場の空気が和むというわけですね。
このアイスブレイクゲームは、一見すると絵が違うのを見て笑い合うだけのものに見えるかもしれません。
しかし実は、そのあとの話の持っていき方によっては、深い意味を持たせることもできるのです。
たとえばアイスブレイクゲームのあとに、「このように、みんなが同じだと思っているものでも、人によって見え方や考え方は大きく変わります。ビジネスを行うなら、こういった視点や考え方が必要です」という言葉を使うだけで、このイラストを使ったアイスブレイクゲームに大きな意味が生まれます。
このような背景から、流れ星はとくにセミナー前に行うと効果的なアイスブレイクゲームです。
流れ星を行うさいは、そのあとに何を言うかまでセットで考えてみてください。
アイスブレイクネタ集6.心理テストを出す
書店で売られている本に載っているような心理テストを出すだけでも、アイスブレイクゲームとしての効果があります。
とくにセミナーや会議を何回も主催するという人は、いくらアイスブレイクゲームのネタを仕入れてもすぐに足りなくなってしまうはずです。
そんな場合は、いくらでもネタを仕入れることができる心理テストに頼りましょう。
さらに心理テストには、あなたへの信頼を高めるという効果もあります、
心理テストで自分の心を言い当てられた人は、無意識に「この人はすごい」と引き込まれてしまうのです。
つまり参加者が、そのあとに行うセミナーや会議であなたの話により耳を傾けてくれるようになるわけですね。
心理学が苦手でも、書店に行けば心理テストのアイデアは溢れるほどあります。
ぜひ、試してみてください。
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セミナーや商談におすすめ!ゲーム形式以外のアイスブレイク
ここからは、ゲーム形式以外のアイスブレイクを5つご紹介していきます。
- 挙手や発言にポイントや賞品をつける
- 相手の情報を調べて話を振る
- 自己開示をする
- スタッフも一緒に参加させる
- 笑える小話を仕込んでおく
ゲーム形式でないアイスブレイクは、ものによっては相手にアイスブレイクをしていると気づかれずに行うことができます。
そのため、セミナーや会議だけでなく、商談、営業といった場面でも使用することができるのです。
複数のネタを覚えておけば相手のタイプによって使い分けることもできるので、ぜひこれから紹介するアイスブレイクのネタを、あなたのレパートリーに追加しておいてください。
アイスブレイクネタ集7.挙手や発言にポイントや賞品をつける
人は現金なもので、挙手や発言に賞品をつけることで、積極的な発言を誘導することができます。
たとえば、「この質問に答えられた人にはお菓子をあげます」という軽いものでも良いですし、「今回のセミナーで1番発言してくれた人には、後日無料で個人セッションを行います」というようなものでも良いですね。
チーム対抗で行えば、より参加者同士のコミュニケーションが生まれるはずです。
このアイスブレイクネタは、あなたが参加者にご褒美を与えるという性質上、あなたがモノを教えるセミナーなどでとくに効果的なアイスブレイクです。
ポイントや賞品をつけるというやり方はセミナー前に数分で行うゲーム形式のアイスブレイクと違い、セミナー中はずっと効果を発揮してくれます。
参加者が良い意味で競い合う場を作れますので、セミナーを主催しているなら、アイスブレイクの選択肢に入れておいてください。
アイスブレイクネタ集8.相手の情報を調べて話を振る
商談前などに相手の趣味の話を振ったりすると、相手は心を開いてくれ、その後の商談を有利に進めることができるようになります。
つまり、対個人用のアイスブレイクというわけですね。
相手の情報を調べて話を振る、と聞くと、「初めて会う相手の趣味なんて分からない」と思うかもしれません。
しかし実は、簡単に調べる方法があります。
それが、相手のSNSをチェックするという方法です。
今の世の中、多くの人がFacebookやTwitterといったSNSを利用しています。
そしてそこでの発言をチェックすれば、相手が今、何に関心を抱いているのかをたやすく知ることができるのです。
ほとんどの人は、自分が関心を持っている話を振ってもらえると喜びます。
そして心のガードが緩くなり、うまくコミュニケーションが取れるようになるはずです。
商談などは、ときに相手の心証が決め手になることもあります。
とくに大事な商談の前には、ぜひ相手側の担当者の名前でSNSをチェックしてみてください。
アイスブレイクネタ集9.自己開示をする
自己開示をするということも、立派なアイスブレイクのネタです。
あえて自分の弱い部分を自己開示することで、相手の心を開かせることができます。
セミナー前に「私も緊張しています」と発言するだけでも小さなアイスブレイク効果がありますし、商談などでも「実は少し活舌が悪いもので、お聞き取りにくければいつでもご指摘ください」などと言っておくと、相手の心をほぐすことができるのです。
また、人間心理には返報性の原理というものがあります。
これは、何かをしてもらったら返さなければならないと考えてしまう心理のことです。
この返報性の原理がうまく働いてくれると、相手側からも自己開示をしてもらうことができます。
そうなれば、より心を開いた状態で商談に臨めるというわけですね。
ただし、自己開示のやり過ぎには注意してください。
とくに弱点の開示をやり過ぎてしまうと、相手からは自信がなさげに見えてしまいます。
考えていただければ分かると思いますが、自信がなさげな人のセミナーは心に響きませんし、商談相手が自信なさげだと、商品に不安を覚えてしまうはずです。
そのため、弱点の自己開示を行う場合は、あくまでも軽いジャブ程度で考えておくと良いでしょう。
アイスブレイクネタ集10.スタッフも一緒に参加させる
セミナーを行う場合、活発な意見の起爆剤として、参加者の中にスタッフを紛れさせておくというのも効果的です。
とくにグループディスカッションを行うようなセミナーでは、大きな効果を発揮してくれます。
何でもそうですが、人がもっともストレスを感じるのは最初に発言したり行動したりすることです。
たとえばあなたも、始まってから誰も発言していなかったセミナーで、誰か1人が質問した途端に何人かが手を挙げ始める、という光景を見たことがあるのではないでしょうか。
そのため、紛れさせておいたスタッフがグループ内で最初の発言をすることで、自然とほかの参加者からも発言を引き出すことができます。
要は、先陣を切る役割をスタッフにしてもらうわけですね。
スタッフでなくても、セミナーでよく発言してくれるリピーターを各グループに意図的に配置するといったやり方でも十分に効果的です。
グループディスカッションを成功させたいなら、起爆剤という観点でアイスブレイクを考えてみると良いでしょう。
アイスブレイクネタ集11.笑える小話を仕込んでおく
結局のところ、アイスブレイクとしてもっとも効果が大きいのは、相手を笑わせてしまうことです。
人間、笑顔になれば自然と緊張がほぐれますし、距離感も近くなります。
そのため、1つか2つ、鉄板の笑い話を用意しておくというのも、実はかなり効果的です。
もしプライベート中にテレビのバラエティを見るのが好きなら、使えそうなネタを覚えて置いたり、芸人さんの話術を参考にしてみてください。
心の底から人を笑顔にするというのは、実はアイスブレイクの中でも高等なテクニックなのです。
【まとめ】アイスブレイクはセミナーや営業に役立つコミュニケーション術
今回は、セミナー、会議、商談で使える11個のアイスブレイクネタを紹介してきました。
アイスブレイクは、実はデキる人ほど取り入れている手法です。
「アイスブレイクは場を和ませるためのお遊びである」と言ってしまうとあまり重要に思えないかもしれませんが、「アイスブレイクは人の心を動かすためのスキルである」と考えれば、その重要性を理解してもらえるのではないかと思います。
実際にSNSで相手の趣味を調べるといった手法は、現役のマーケッターが顧客から情報をヒアリングするために実践していたりもします。
あなたもぜひ、自分のビジネスに取り入れてみてください。
そして、顧客との距離をうまく縮められるようになってきたら、ぜひ取り組んで欲しいことがあります。
それが、あなたのサービスの価格を正常な値に戻すということです。
言い方を変えれば、サービスの値上げですね。
日本では、多くの社長が自社のサービスの価格を必要以上に下げてしまっているという現実があります。
価格競争の末に価格を下げ過ぎてしまい、利益が上がらないと苦しんでいる経営者が数多くいるのです。
だからこそ、多くの苦しんでいる社長には、まず自社サービスの価格を上げて欲しいと思います。
ただそれを言うと、多くの社長が眉をひそめます。
「価格を上げるなんて簡単なことじゃない」、「価格を上げたら顧客が減ってしまう」と難色を示すのです。
しかし、そう決めつけてしまうのは大きな間違いです。
価格はうまくやれば簡単に上げることができますし、会社の利益だってきっちりと上げることができます。
アイスブレイクは、使い方次第ではれっきとしたビジネススキルになります。
ぜひ、あなたのビジネスにも取り入れ、役立ててください。