マーケティングで使えるユーモア6つのパターン 実例付き

アバター画像 北岡 秀紀

Kitaoka

マーケティングにおいて、最も力を入れて考えるべきことがお客の注意をどうやって引くか、ということです。

注意を引くことができなければ、究極のUSPがあっても、成約率100%のセールスコピーがあっても、驚くような商品を扱っていても宝の持ち腐れになります。
見てもらえなければ、売れることは絶対にないからです。

セールスコピーにおいてヘッドラインが重要だというのも同じ理由です。

多くの人はお客の注意を引くために、誇大表現、ギラギラしたヘッドライン、趣味の悪いネオンなど・・・競合よりも大きな声をあげようと考えます。
しかし、「競合よりも」という考えでマーケティングをすると、逆にお客を引かせてしまうことになります。
また、メッセージが大きくなりすぎて、購入後の満足度が下がったりもします。

では、どうすればいいのか?
解決策のひとつがマーケティングにユーモアを使う、という方法です。

ユーモアは注意を引きます。
また、説明調のお堅いマーケティング活動より、リラックスしてこちらの提案を聞いてくれることに繋がり、それが長く集中してくれることに繋がります。

また、魅力的に見えます。
あなたの会社や商品に好感を持ってくれるようになり、見込み客との心の距離感が縮まります。
つまり、友人のように、好意的にこちらのアプローチに応えようとしてくれるようにもなるのです。

さらにFacebookやtwitterなどのソーシャルメディアで拡散もされやすい傾向があります。
低予算で多くの人に知ってもらうのにもユーモアは効きます。

マーケティングにユーモアと言われてもなかなかわかりにくいと思います。
そこで、どのようなユーモアがあるのか、その特徴はどんなものか、実例を交えながら6つのパターンで見ていきましょう。

1 ばかばかしいユーモア

まずひとつめは「ばかばかしいユーモア」です。

「なにこれ?!」と驚きと愉快さから注目を惹きつけるには最適です。
面白い刺激によって、少しでも見てしまったらその先が気になってしまって、知りたくなってしまう手法です。

例えば、こんな感じです。

例1-1:「頭の悪い人向けの保険入門」

見込み客に【あなたは頭の悪い人ですよね?そんなあなたの為に保険の知識をお教えしますよ】と言っています。
そして保険の悪くなさ、つまり保険の良さを知って貰おうという事を目標にしたマーケティングです。

企業は提案をさせて頂く側なのに、見込み客を小バカにしている異常さに見込み客は、惹きつけられてしまいます。

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(出典:分かりすぎて困る!頭の悪い人向けの保険入門

例1-2. インド人のアドバイスを無視して作った【インド人完全無視カレー】

インドでNo1というカレーシェフを招いてアドバイスを貰いながら、そのアドバイスは、一切無視して作るカレーというコンセプト。
「そのインド人、本当に存在する!?」「無視するんかい!」とツッコミを入れたくなってしまいますが、そう思った時点で「もう完全に商品の事を考えてしまって」います。

そして、いったいそれがどんなものか、知らずにはいられなくなるでしょう。
見ただけで強制的に引き込んでしまう強力な手法です。     

こういった方向性に合うかどうか、商品コンセプトも大事になりますが、キャッチコピーやPPC広告などで注意を惹かせるにはとても有効な手法です。

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(出典:インド人のアドバイスを無視して作った【インド人完全無視カレー】

2 分かる人にだけ分かるユーモア

2つめは「分かる人にだけ分かるユーモアを演出する」ことです。

世の中には、「分かる人にだけ分かる話」というものがあります。
分かる人にしかわからないのですが、それがゆえに分かってくれた時には、妙に親近感が湧いたりします。

例えば、私がよく使うのが、フェラーリや高層マンションや南の島といった「セミリタイア」を想起させるようなものをバカにするもの。
自己啓発や情報商材などではよく使われる「ネタ」を小馬鹿にするわけです。
この手の「ネタ」を気持ち悪いと思う人たちに強い共感を得ることができます。

また、動画を見せることができないので出席してくださった方だけがわかる話ですが、今年のおたんじょうびかいのオープニング動画。
ネオヒルズ族を想起させ、揶揄する内容でしたね。
これもその手法と言えます。

見込み客を選ぶ面がありますが、分かる人には強い関心を引ける手法です。
知っている人は、ワクワクしたり、ニヤッとしてしまったりなんだか気持ち良くなるものです。
見込み客にそういった感覚を味わってもらうことで、親近感や関心を高めることができます。

3 自虐的ユーモア

3つめは「自虐的ユーモア」です。

これは自分を蔑むことで、相手に親近感や同情といった気持ちを湧かせやすくする手法です。

例えば、これは島根県の、とあるお土産の宣伝コピーの例です。
「島根か鳥取かわからないけど、そこらへんに行ってきました(島根は鳥取の左側です)」

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出典:朝日新聞デジタル版(http://www.asahi.com/shopping/travel/SDI201405126002.html

島根県がどこに位置するのかわからないという人がたくさんいる他県の心理を理解して自虐的にしています。
そして、(島根は鳥取の左側です)と一応主張しているところも、ちょっとかわいいと思います。

自分で自分の事を理解してバカにしているという面白さの中にも「確かにそうだよな」とか「ちょっとかわいそうかも」という共感や同情も誘えるかもしれません。
このように考えてみたり、思いやってしまうフシもある手法です。

「何言っちゃってるの?」と異常さを笑ったり、共感や同情などの関心を惹くことでより印象に残りやすくなるのが特徴です。

但し、自虐が過ぎると、笑えなくなってしまうので、さじ加減には注意しましょう。

4 ギャップのあるユーモア

4つめは、「ギャップのあるユーモア」です。
これは、メッセージの中に、言っていることと実際思っていることに大きな差があって、そのギャップが面白い、というユーモアです。

下記は4年ほど前に弊社で実施したセールで使った写真です。

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税金用にプールしていたお金を北岡が商品開発などに使い込んでしまい、税金が払えないのでセールをします、というものです。
北岡は今以上にパーソナリティを出しておらず、「怖い」というイメージを持たれていました。
そのイメージとのギャップを狙いました。

「税金を払えない」ということも含め、ちょっと変わった形でお客を引きつけることができます。
(実際、同じ価格帯の商品と比べて3倍以上の成約率が出ました。)

ちなみに、税金セールの内容はこちらをクリックしてご覧ください。

税金セール

5 ほんの少し交えるユーモア

5つめは「ほんの少しのユーモア」を交えるという方法です。
これは、ウィット感があり、落ち着いた雰囲気で愉快な印象を与えられるユーモアです。

例えばこんな感じです。

1 「すべての商品は、85%オフです。大変申し訳ありませんが、定価ではお売りすることができません。」

2 「スキー、スノーボード、スノーシュー、アウターウェアなどあらゆるものを各種取り扱っています。でも、雪そのものは売っていません。」

どちらかといえば、上品でおしゃれな種類のユーモアです。
激しさはありませんが、それゆえにしつこくもならず、ちりばめることができるので、雰囲気作りに使えるユーモアです。

また、販売をしているはずなのに、商品ではない部分の話をユーモアで話しかけている感じがします。
ユーモアに注意を向けさせることで、売り込み感なく、安心感をも抱かせる効果があるともいえます。
商品説明の中などで、さりげなく使うのが良いでしょう。

6 挑発を含んだユーモア

6つめは「挑発を含んだユーモア」ことです。
あまりマーケティングメッセージでは使われないものなので、注目や関心を惹くことができます。

例えば、「まだ紙なんか使っているの?」というメッセージがあります。
タブレットPCも普及している今、紙は資源のムダにもるし、メモ、読書、落書き、カレンダーなどを紙でやっているのは、時代遅れな感じを訴えています。

でも、タブレットPCを持っていない人がこのメッセージを見た時、「なんだって?」と少しイラッとしてくれれば、関心を抱く事になり、ついついその先を見てしまいます。

でもこの話は、紙を否定していたお父さんが、トイレの中で、トイレットペーパーが切れてしまって「やっぱり紙は大事だ!」と痛感するオチがあります。
これはTVCMであったものですが、最初に落としておいて最後に笑いを持ってくる流れが、非常にユーモアが効いていますね。

挑発的なニュアンスだけでなく、こういう風にまとめるとオシャレです。

ほかにPPC広告などでは「まだ時代遅れのタイムカードで管理しますか?」というのも使えるかもしれません。

「なんだって?」と思われても、webサイトに誘導してきちんと提案ができればいつの間にか「これは確かに便利そうだ、知って良かった」となり、むしろあなたに好意すら抱いてくれます。

挑発的な刺激を含むので、注目させるきっかけに最適です。
PPC広告やバナー広告、Facebookでといったきっかけ作りに有効な手法でしょう。

でも、注意を1つだけ。
PPC広告などからwebサイトへ訪問してきてくれた人にまで、嘲笑するようなユーモアは止めましょう。
サイトを訪れた時点で、今度は友人のように厚意をもって接するべきです。
ないしは、嘲笑ではないユーモアでおもてなしをしましょう。

さて、以上が「マーケティングで使えるユーモア6つのパターン」
でした。いかがでしたでしょうか。

長くなったので、ここでまとめたいと思います。

「マーケティングで使えるユーモア6つのパターン」


1 ばかばかしいユーモア

2 分かる人にだけ分かるユーモア

3 自虐的ユーモア

4 ギャップのあるユーモア

5 ほんの少し交えるユーモア

6 挑発を含んだユーモア

ユーモアにも様々な種類があります。
そして、ユーモアには、ファッション性を演出したり、注意を惹く、楽しませる、怒らせる、同情を誘う、共通意識を深める、などいろいろとエモーショナルな側面があります。

うまくエモーショナルに進めるには、話の運び方やユーモアを入れる場所も重要になりますので、そこはよく考えて使いましょう。
特にユーモアの取り入れる頻度や方向性によっては、それがそのままあなたのブランドイメージにもなってきます。

極端ですが、葬儀屋さんでばかばかしいユーモアがだめなのはわかるはずです。
ユーモアは、一つ間違えると毒にもなるので、そこは注意しましょう。

そして、すべてのユーモアをすべて使う必要はありません。
自社のブランドの方向性や業種に合うと思うものを取り入れていきましょう。

人は感情で購入を決めていますから、このような手法でエモーショナルにメッセージを発信していくことで、あなたのマーケティングは、数段より良いものになります。
ユーモアは、効果的に使うととてもマーケティングの幅が広がりますので、
ぜひあなたのマーケティングにもユーモアを取り入れてみてください。

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