今回は、このさき無視することができない「グローバル化」についてお話を進めていきます。
TVやインターネットで耳にすることの多い「グローバル化」ですが、あなたはグローバル化について理解しているでしょうか?
もしあなたが「社会的に世界がつながること」をグローバル化だと考えているのであれば、危険です。
グローバル化による企業への影響は非常に大きく、それを理解した上で対策を考えなければグローバル化の波に飲まれてしまうでしょう。
そこで、今回はグローバル化について以下の内容を中心に解説します。
- グローバル化とは?グローバル化の背景と現状を解説
- グローバル化によって世界的にどのような影響があるのか
- グローバル化の3つのデメリット
- グローバル化の4つのメリット
- 日本企業がグローバル化に対応していくために抱えている4つの課題
- 日本政府がグローバル化に備えて行っている3つの施策
この記事を読むことで、グローバル化の影響や、日本企業の課題を理解することができます。
とはいえ、まだまだ日本国内でも収益を上げるチャンスはたくさんあります。
グローバル化に備えて、資本を用意するためにも、まずは国内で収益を上げることに注力したいという経営者の方は、価格アップを検討してください。
そもそもグローバル化とは?背景と現状を解説
まずは、そもそもグローバル化とはなんなのかということについて解説します。
グローバル化とは、「社会や経済に関するものが国や地域を超えて、世界規模に拡大し、何かしらの変化を起こすこと」です。
グローバライゼーション・グローバリゼーション・世界化などとも呼ばれ、テクノロジーが発展した近年では、グローバル化が急速に進んでいます。
グローバル化は、社会や経済に変化を与えるものなので、企業にももちろん影響があります。
グローバル化の背景
グローバル化は大航海時代から始まったといわれています。
その後、産業革命や高度経済成長などを経て、さまざまなイノベーションやテクノロジーが起きたことで、グローバル化が進んだのです。
また、グローバル化が進むときには、5つの共通点があるといわれています。
- イノベーションの進行と技術の飛躍的な進化により、生産性が著しく改善
- すべての人々にもたらされるメリット-先進諸国に好景気が訪れ、途上国においても数十億人が貧困から抜け出す
- グローバリゼーションがもたらす巨大な価値の前で、地域経済や保護主義が意味を失う
- グローバリゼーションの波は周期的に訪れ、そのサイクルは次第に短縮化
- 特定の国が主導する国際秩序が、標準化やより一層の市場の均質化を促す
引用:アクセンチュア株式会社HP「グローバリゼーションの未来」
このような要因がさらにグローバル化を促進させます。
4に記載されているように、グローバル化の波は周期的に訪れ、その周期はどんどん短くなっていきます。
また、3に記載されているように、グローバル化が進むと地域経済が意味を失うのです。
後ほど解説しますが、これは地域経済だけでなく、グローバル化についていけない中小企業も同様です。
グローバル化に波に飲み込まれないように、グローバル化に対応することが重要といえるでしょう。
グローバル化の現状
それでは、グローバル化の現状はどうなっているのでしょうか。
日本のグローバル化はいつから進むのかということが気になっている方もいるでしょう。
しかし、日本のグローバル化は今この間にも進んでいます。
2014年にPwC Japan合同会社と慶應義塾大学が国内大手21社を対象に行った研究によると、日本企業のグローバル化の企業活動ごとの達成度合いは以下の図のとおりと報告されています。
出典:「日系企業のグローバル化に関する共同研究」PwC Japan合同会社
図を見ると、サプライチェーンについてはグローバル化が進んでいるということがわかるでしょう。
しかし、マーケティングやマネジメントの分野に関しては、グローバル化が進んでいません。
その中でも特に、以下4つが課題であると報告されています。
- 日本国外でのブランド構築
- 日本人人材のグローバル化
- 企業文化・価値観
- 本社と現地の意思決定権限の配分
これが日本企業のグローバル化の現状です。
資本のある大手企業でも、グローバル化が進んでいないということは、中小企業でも同様だと考えられるでしょう。
この課題については、5章で詳しく解説します。
グローバル化と国際化の違い
グローバル化と国際化は同じだと勘違いされることの多い言葉ですが、実は同じではありません。
グローバル化と国際化の違いは以下のとおりです。
- グローバル化(Globalization)・・・社会や経済に関するものが国や地位域を超えて、世界規模に拡大し、何かしらの変化を起こすこと
- 国際化(Internationalization)・・・いくつかの国家が相互関係を強め、共同して活動したり経済的・文化的に影響を与え合うこと
この違いを簡単に言うと、グローバル化は国や地域という概念を無くして、世界がつながって社会や経済を構築することです。
一方、国際化は国家や地域という概念は存在し、国家同士で社会や経済に影響を与えあうことをいいます。
グローバル化によって世界的にどのような影響があるのか
それでは、グローバル化によって世界的にどのような影響があるのかを解説しましょう。
グローバル化が進むと主に5つの影響があるといわれています。
- 経済のグローバル化
- 文化のグローバル化
- 政治のグローバル化
- 人的移動の簡易化
それぞれの影響について詳しく解説します。
経済のグローバル化
経済がグローバル化すると、世界中の国民経済が国境を超えて相互依存が起こるといわれています。
つまり、現在国家ごとに独立している経済を統合させ、グローバル市場や単一世界市場を確立する可能性があるということです。
これは、資本・サービス・技術が国境を超えて移動することで起きる現象で、その移動が増加すればするほど、経済のグローバル化も拡大するといわれています。
私達の身近な存在で言うと、以下のようなものは経済がグローバル化したため、利用できているものです。
- TwitterやInstagramなどのSNS
- ベンツやBMWなどの自動車
- AmazonやGoogleが提供するサービス
このようにサービスや技術が国境を超えて拡大されている状態は、まさに経済のグローバル化といえるでしょう。
また、経済のグローバル化が広がることにより、国家間の貿易の障害となっている関税や貿易規制などが減少するといわれています。
文化のグローバル化
文化のグローバル化が起こると、国や地域を超えて文化が共有され、文化が多様化したり新たな文化が生まれます。
私達の身近なところで言うと、食文化は特にグローバル化が進んでいると言えるでしょう。
たとえば、イタリアンやフレンチなどのヨーロッパの料理を提供する飲食店は日本では当たり前に存在し、ネパール料理やエジプト料理などを提供する飲食店もあります。
また、食文化の多様化に伴い、イタリアンやフレンチと和食をかけ合わせた創作料理を提供するお店も数多く存在します。
これはまさに文化が共有され、文化の多様化や新たな文化が生まれているといえるのではないでしょうか。
もちろん食文化に限らず、他の文化においてもグローバル化は今後発展するといわれています。
政治のグローバル化
グローバル化が進むと、政治もグローバル化するといわれています。
政治がグローバル化するとは、国や国境という概念を超えて、世界が統合されて政治が行われるということです。
たとえば、EUのようなたくさんの国が加盟している連合のようなものが別の地域で作られたり、各連合が1つに統合されることが予想されます。
ただし、政治のグローバル化は経済や文化のグローバル化に伴って起こるものです。
そのため、政治のグローバル化が進むときには、今まで政治に直接的には関わってこなかったNGO(非政府組織)や多国籍企業が政治に介入してくるといわれています。
人的移動の簡易化
交通機関の発達により、人が国境を超えて移動することも簡単になりました。
近年では、日本にも外国人観光客や移民が増えています。
つまり、交通機関が発展したことで労働者が働く場所を世界中から選ぶことができる環境が作られたり、文化の交流が生まれるのです。
また、日本では少子高齢化による人手不足を解消しようと、国が移民の受け入れ政策を行う姿勢もあります。
日本のように、グローバル化に向けて法整備が行われることで、国家間の人的移動が簡易化され、グローバル化を加速させるのです。
問題点もある!グローバル化の3つのデメリット
ここからは、グローバル化のデメリットについて解説します。
豊かで平和な世界になりそうなイメージがあるグローバル化ですが、実はデメリットもあるのです。
今回紹介するデメリット以外にも、様々なデメリットがありますが、今回は代表的なデメリットを3つ紹介します。
- 国内労働者の賃金低下
- 国内総生産(GDP)の減少
- テロリズムの拡大
以上3つのデメリットについて、詳しく解説します。
デメリット1.国内労働者の賃金低下・失業
1つ目のデメリットは、国内労働者の賃金低下や失業です。
グローバル化が進むと、国内の商品やサービスよりもさらに安価な商品やサービスが輸入されます。
また、多国籍企業が日本に進出することも十分に考えられます。
つまり、グローバル化が進むことで、日本国内のシェアを獲得しようとする企業が増え、競争が激化するのです。
競争に負けた企業は、業績が悪化したり最悪の場合は倒産の可能性もあります。
そのため、労働賃金の低下や失業の可能性があるのです。
(参考:内閣府「年次経済財政報告」)
デメリット2.所得格差の拡大
2つ目のデメリットは、所得格差の拡大が起こるということです。
グローバル化が進み、商品・サービス・資本・人が国境を超えて移動することで、各国のGDPは基本的には上昇すると考えられています。
しかし、企業の競争激化や国際分業の拡大が起きると、先進国では生産性の低い労働者は失業してしまうのです。
反対に生産性の高い労働者は給与が上昇するため、所得格差が拡大すると言われています。
また、このことによりスキルの格差も拡大することから、所得格差を縮小することは非常に難しくなるのです。
(参考:内閣府「世界経済の潮流 2016年 I」)
デメリット3.テロリズムの拡大
3つ目のデメリットは、テロリズムの拡大です。
グローバル化が進むことで、文化が多様化したり、政治が統合されると解説しました。
しかし、その一方で、倫理観や価値観の摩擦が原因でテロリズムが拡大するとも言われています。
人的移動が簡易化するため、テロリストの移動やテロ事件が増える可能性があるのです。
テロリズムの拡大は、各国の問題ではなく世界的な問題のため、世界的に規制や対策を考える必要があります。
(参考:行政法務調査室「テロリズムとその対策―国際社会の取組み」、文部科学省「国際教育交流政策懇談会(第1回) 配付資料」)
良い影響は?グローバル化の4つのメリット
次にグローバル化のメリットを解説します。
グローバル化のデメリットを把握しておくことは重要ですが、企業はむしろメリットを深く理解するべきです。
なぜなら、グローバル化によって、ビジネスの幅が大きく広がるからです。
グローバル化の4つのメリットを知って、企業のグローバル化を検討してみてください。
- 投資効率の拡大
- テクノロジーの世界的な発展
- ライフスタイルの自由化
- 国際分業化の発展
それぞれのメリットについて解説します。
メリット1.投資・貿易の自由化
1つ目のメリットは、投資・貿易の自由化です。
グローバル化が進むことで、国や地域間でのヒト・モノ・カネなど、資本の移動が簡易化されることはご理解いただけたでしょう。
資本の移動が容易になるということは、日本国内だけでなく他国で資本を投資して、より効率的で生産的なビジネスを行いやすくなります。
生産業で考えると、国内に拠点を作り商品を生産するのではなく、海外に拠点を作って商品を生産することで、コスト削減を図ることができるでしょう。
私達の身近な企業でいうと、リーズナブルなイタリアンを提供しているサイゼリヤがまさにそうです。
サイゼリヤは自社が提供する料理の一部の食材を、オーストラリアの拠点で加工しています。
日本ではなく、オーストラリアで加工することにより本来では考えられない価格で、商品を提供しているのです。
このように、投資や貿易の自由化が進むことで、国内だけでなく海外に投資することも簡単になります。
国内では実現できないようなアイデアも、投資や貿易の自由化によって実現できる可能性があるのです。
メリット2.テクノロジーの世界的な発展
2つ目のメリットは、テクノロジーの世界的な発展です。
経済のグローバル化に伴い、多国籍企業との国際交流が増えることで、自社だけでは実現することができなかった技術やサービスを構築することができるのです。
冒頭でも説明しましたが、テクノロジーの発展はグローバル化をさらに加速させます。
最近では、このようなテクノロジーが発展し、話題になっていますよね。
- AI
- ブロックチェーン
- 5G
- IoT
- クラウドサービス
たとえば、最近はやっている仮想通貨なんかは、ブロックチェーンの技術が採用されています。
ブロックチェーンの技術を採用することで、その通貨を特定の誰かが管理するのではなく、不特定多数の人が管理することができます。
不特定多数で通貨を管理することができれば、国が発行する通貨や銀行が必要なくなります。
そうなると、国や地域ごとに存在する通貨が消滅し、世界共通の通貨ができるのです。
これはあくまで可能性ですが、技術的には不可能ではありません。
グローバル化に伴って、革新的なテクノロジーが世界的に発展することを覚えておいてください。
メリット3.ライフスタイルの自由化
3つ目のメリットは、ライフスタイルの自由化です。
グローバル化が進むことにより、多くの文化や価値観が今まで以上に認知されます。
そのため、多様化した文化や価値観の中から、自分に合ったものを選ぶことができるようになるのです。
企業でいうと、フレックスタイムやリモートワークなどは、どんな従業員でも働きやすいように労働環境を整備していますよね。
このように、グローバル化によって世界中の文化や価値観が認知されることで、自分に合ったライフスタイルを選択できるようになるのです。
メリット4.国際分業化の発展
4つ目のメリットは、国際分業化の発展です。
国際分業化とは、世界中の国や地域レベルで分業を行うということです。
たとえば、農作物なんかは気候や土壌によって、作りやすいものと作りにくいものがありますよね。
日本の中でも、じゃがいもの生産量が地域によって違うのは、じゃがいも作りに向いている地域と向いていない地域があるからです。
より効率よくじゃがいもを作るには、じゃがいもを育てることに適した気候や土壌がある地域で育てる必要があります。
これを世界規模で行うことが、国際分業ということです。
国際分業を行うことで、より効率的に事業を行えるため、世界規模で生産性が上がると言われています。
(参考:内閣府「平成22年度 年次経済財政報告」)
日本企業がグローバル化に対応していくために抱えている4つの課題
次に日本企業がグローバル化に対応していくために抱えている4つの課題について解説します。
前述したとおり、日本の企業は海外企業と比べると、グローバル化が進んでいません。
それは4つの課題があるからです。
- 日本国外でのブランド構築
- 日本人人材のグローバル化
- 企業文化・価値観
- 本社と現地の意思決定権限の配分
それぞれの課題について、詳しく解説します。
課題1.企業文化・価値観
日本の企業がグローバル化しない最大の要因は、企業文化や価値観だと言われています。
企業が抱える課題は4つあるといいましたが、企業文化や価値観などの意識を変えることができれば、全て解決すると言っても過言ではありません。
というのも、企業がグローバル化をすかしないかは、経営者や経営陣が決めることです。
そのため、企業文化や価値観がグローバル化を視野に入れられていない場合には、グローバル化に対応することは難しいでしょう。
課題2.日本人人材のグローバル化
グローバル化したい企業が、頭を抱えることの多い課題が、日本人人材のグローバル化です。
会社をグローバル化させたいと考えていても、外国語を話せる人材が自社にいなかったり、採用ができなければグローバル化を実現することは難しいでしょう。
総務省の調査によると、980社の企業のうち、約70%にあたる690社が海外事業に必要な人材が不足していると回答していると報告されています。
出典:総務省「制作評価指標」
また、外国語を話せる人材を確保できたとしても、海外赴任を拒否されてしまう可能性も考えられます。
そのため、グローバル人材の確保のために、自社の従業員を教育している企業もあるほどです。
一時的にグローバル人材が必要な場合は外注して賄うことができますが、グローバル人材が日常的に必要な場合には、自社の従業員を教育することや外国人を雇うことも検討してみましょう。
課題3.日本国外でのブランド構築
3つ目の課題は日本国外でのブランド構築です。
企業文化やグローバル人材の不足は抜きにしても、日本の企業は、グローバルな市場を意識することができていなケースが非常に多いです。
国内だけで、ブランド戦略を立ててブランディングを成功させている企業は数多く存在しますが、アジアレベルや世界レベルでブランド構築を行っている企業はほとんど存在しません。
自社はグローバルな視点で見たときに、どの位置にいるのか、そもそも日本はどの位置にいるのかという視点や考えがないのです。
そのため、日本からはGoogleやAmazonのようなグローバル企業がでてこないとも言われています。
日本国外でのブランド構築にもさまざまな障壁はありますが、視野を広げて世界で勝負することを考えるのもよいのではないでしょうか。
課題4.本社と現地の意思決定権限の配分
人権不足が解消されて、海外に拠点を作るとなった場合に考えなければいけないことが、本社と現地の意思決定権限の配分です。
これは簡単にいうと、海外の拠点にどこまで裁量権を与えるのかということです。
テクノロジーが発展したとはいえ、海外に拠点を置く場合は物理的に離れています。
そのため、スピーディーな経営判断やマネジメントを行うために、裁量権を与えることは重要です。
ただし、裁量権を与えすぎてしまったり与えなかったことにより、現地のマネジメントが上手くいかないこともあります。
そのため、本社と現地での裁量権を明確にしておくことが必要なのです。
日本政府がグローバル化に備えて行っている3つの施策
最後に日本政府がグローバル化に備えて行っている3つの施策を紹介します。
政府が取り組んでいる施策を有効活用し、自社のグローバル化に役立ててください。
- 対内直接投資の促進
- オープンイノベーションの推進
- 国際化指標2010
それぞれの施策について解説します。
施策1.対内直接投資の推進
1つ目の施策は、対内直接投資の促進です。
対内直接投資とは、外国企業が日本の企業に対して直接投資することで、対日直接投資と呼ばれることもあります。
つまり、日本政府は国内企業に対して、外国企業からの直接投資を増やそうと取り組んでいるのです。
具体的には、このような取り組みを行っています。
- 対日直接投資推進会議の実施
- 入国・在留制度の見直し
- グローバルイノベーション拠点設立等支援事業の実施
- 個別の外国企業への誘致活動
- ビジネス環境整備の実施(法人実効税率の引き下げなど)
- 独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)の誘致体制の強化
さらに詳しい情報が知りたい方は、経済産業省に問い合わせると良いでしょう。
また、JETROでは対日直接投資の支援や海外展開支援なども行っています。
自社をグローバル化したい企業の方は、問い合わせてみましょう。
(参考:経済産業省「通商白書」、JETRO公式サイト)
施策2.オープンイノベーションの推進
2つ目の施策はオープンイノベーションの推進です。
オープンイノベーションとは、商品やサービスなどを自社だけでなく他社や大学、地方自治体などと共同でイノベーションを生み出すことです。
オープンイノベーションを行うことで、自社にはない技術やアイデア、ノウハウを使って、自社だけでは生み出すことができないイノベーションを生み出すことができるのです。
近年では、グローバル化の影響で商品やサービスのライフサイクルが短期化しています。
つまり、企業はなるべく短い期間で新しい商品を生み出し続けなければいけないのです。
そのため、オープンイノベーションを行い、革新的なイノベーションを短期間で生み出す必要があるのです。
しかし、日本ではオープンイノベーションの意識が低いため、政府がオープンイノベーションの推進を行っているのです。
具体的には、
- 組織の在り方の見直し・・・企業の意識改革・研究開発投資促進、大学の産学連携機能の向上など
- 人材・技術の流動化促進・・・大企業とベンチャーの連携促進、大学教授や学生への投資促進など
- 環境整備・・・インテリジェンスの確立、経済社会システムの構築など
このように、企業と大学をつなぐための施策や、優秀な人材を教育する施策に国が取り組んでいます。
より詳細な情報が知りたい方は、経済産業省へ問い合わせてみてはいかがでしょうか。
(参考:経済産業省「平成29年版通商白書」)
施策3.国際化指標2010
3つ目の施策は国際化指標2010です。
国際化指標2010とは、企業の人材マネジメントの国際化の度合いを測る指標です。
簡単にいうと、国際化指標2010を見ることで、自社の人材マネジメントがどれくらい国際化されているのかを把握することができるのです。
国際化指標2010はかなり細かく設定されており、85個の項目が3つの領域、18の分類から構成されています。
- グローバル人材の選抜・配置等
- 人材の採用、育成
- 業務プロセス
このように企業がグローバル化に対応していくために必要な項目が指標化されています。
自社をグローバル化したいけれど、人事に課題があったり、人材が不足している場合には、まず国際化指標2010を読んでみてください。
(参考:経済産業省「日本企業の人材マネジメントの国際化度合いを 測る指標(国際化指標2010)」)
【まとめ】グローバル化に対応して事業を拡大しよう!
今回は私達の生活に大きな影響を及ぼす「グローバル化」についてお話しました。
グローバル化によって、経済・文化・政治が変化し、最終的には世界が統合されていくと考えられています。
グローバル化にはさまざまなメリット・デメリットがありますが、テクノロジーの発展とともに、グローバル化は確実に拡大しています。
しかし、日本の企業はグローバル化が進んでいないと言われており、政府もグローバル化のためにさまざまな施策に取り組んでいるのです。
グローバル化ができない企業は、競争に勝つことができずに衰退していきます。
あなたもこの記事を機に自社のグローバル化を検討されてはいかがでしょうか?
とはいえ、グローバル化をしたいけど資金不足や人件不足でグローバル化に踏み込めないという企業も多いでしょう。
そのような企業は人材の確保と並行してグローバル化に向けて資金を蓄えなければいけません。
そこで、そのような企業の経営者には、自社の価格設定を見直していただきたいのです。
グローバル化に向けて資金を用意するためにも、まずは国内で収益を上げることに注力したいという経営者の方は、価格アップを検討してください。