今回は、事業を展開していくときに欠かせない「資金調達」についてお話していきます。
新規事業を立ち上げたり、グローバル化するためには、そのための資金が必要になります。
とはいえ、中小企業の場合は自社の資金だけでそれを賄うことができない場合も多いでしょう。
そこで登場するのが資金調達です。
近年では資金調達の方法も多様化しており、企業規模や事業の目的によって、資金調達の適切な方法も変わってきます。
そこで今回は、資金調達について以下の内容を中心に解説します。
- そもそも資金調達とは?
- あなたに合った資金調達は?資金調達の3つの種類
- アセットファイナンスで資金調達を行う方法9選
- デットファイナンスで資金調達を行う方法11選
- エクイティファイナンスで資金調達を行う方法10選
- 資金調達を成功させる3つのポイント
この記事を読むことで、資金調達の具体的な方法を知り、自社にあった資金調達の方法がわかるようになるでしょう。
また、資金調達の種類や資金調達の注意点に関しても解説しています。
資金調達でお悩みの経営者や、資金調達を行って自社を拡大したい方は、ぜひ参考にして下さい。
そもそも資金調達とは?
はじめに、そもそも資金調達とはということについて解説します。
資金調達とは、企業が事業拡大や新規事業を立ち上げるときなど、まとまった資金が必要であるにも関わらず、資金が足りない場合に資金を用意するための手段です。
企業によって資金調達の目的はさまざまですが、基本的には自社の企業規模を拡大したり新規事業を立ち上げたり、自社を大きくする場合に行われることがほとんどです。
特にベンチャー企業やスタートアップ企業などの中小企業は、資金調達できるかどうかが社運を握っている場合もあります。
この記事を読んでいる方の中には、中小企業の経営者の方もいるでしょう。
そのような方は、次に紹介する資金調達の種類についても理解を深めておいてください。
あなたに合った資金調達は?資金調達の3つの種類
ここからは資金調達の3つの種類を解説します。
資金調達というと、融資や借入のイメージが強いかもしれませんが、実は他にも方法があるのです。
それぞれの種類によって、資金調達の方法が異なるため、自社にあった資金調達はどれなのかを考えてみてください、
- アセットファイナンス
- デットファイナンス
- エクイティファイナンス
それぞれの種類について詳しく解説します。
資金調達の種類1.アセットファイナンス
アセットファイナンスは、会社が保有している資産をなんらかの形で資金に変える資金調達の方法です。
自社の資産を信用に資金調達を行うため、低コストで資金調達を行うことができます。
しかし、信頼に足る資産力がなければアセットファイナンスを行うことは難しいでしょう。
資金調達の種類2.デットファイナンス
デットファイナンスは、銀行や負債によって資金調達を行う方法です。
資金調達の3つの種類の中でも、資金調達を比較的成功させやすい方法です。
ただし、自己資本比率が下がってしまうため、取引先や新規のクライアントからの信用が下がってしまう可能性があります。
資金調達の種類3.エクイティファイナンス
エクイティファイナンスは、株式を発行して資金調達を行う方法です。
無担保で資金を調達できることや、自己資本比率を上げることができるため、財務基盤の安定性が高く会社の信頼度も高くなります。
ただし、株主の株式保有率が高くなってしまうと、企業の経営権や支配権が株主に移ってしまう可能性があるため注意しましょう。
次の章からは、資金調達の具体的な方法を3つの種類ごとに分けて紹介します。
資金調達の具体的な方法を合計30種類紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
アセットファイナンスで資金調達を行う方法9選
まずは、アセットファイナンスで資金調達を行う方法を紹介します。
資産がないと成功させにくいとはいえ、アセットファイナンスにもさまざまな方法があります。
自社に合った方法があれば、検討してみてください。
- 資産を売る
- 在庫を売る
- ファクタリングを行う
- リースバックを行う
- 営業権を売る
- 債権回収を行う
- 保険積立金を崩す
- オフィスの敷金を回収する
- 経営者への貸付金を回収する
それぞれの方法について解説します。
アセットファイナンスの方法1.資産を売る
最も簡単な資金調達の方法として挙げられるのが、自社の資産を売って資金を調達するということです。
企業が持っている資産というと、ある程度高額で買い取ってもらえるものもあるため、必要がないものがある場合には、資産の売却を検討してみてはいかがでしょうか。
たとえば、オフィスや土地などの不動産、有価証券等を売却することで、ある程度まとまった資金を調達できるでしょう。
アセットファイナンスの方法2.在庫を売る
在庫を売って資金を調達することも、比較的行いやすい資金調達の方法です。
在庫を抱えていることで、人件費や管理費などさまざまなコストがかかっています。
在庫数が適切であれば、在庫を売ることはしなくても良いですが、どこの会社にも過剰に余ってしまっている在庫があるものです。
安売りすることになる可能性もありますが、コスト削減と思って在庫を売ることも1つの手段でしょう。
アセットファイナンスの方法3.ファクタリングを行う
ファクタリングとは、商品やサービスを売ったクライアントから代金が支払われる権利(売掛債権)を売って資金を調達する方法です。
つまり、ファクタリングを行うことで、取引先からの売掛金をファクタリング会社に買い取ってもらえるため、キャッシュフローを改善して資金調達を行うことができます。
ただし、ファクタリング会社に高額な手数料を支払ったり、利用可能額が設定されている場合もあるため、よく考えてから利用するようにしましょう。
アセットファイナンスの方法4.セール&リースバックを行う
セール&リースバックとは、自社が保有している資産を売却し、その資産をリース契約で利用し続ける資金調達の方法です。
ただ単に資産を売却するのではなく、リース契約を結んで資産の利用を続けることで、新たな資産を購入せずに資金調達ができます。
たとえば、自動車・不動産・オフィス内の設備などでセール&リースバックを行うことができます。
アセットファイナンスの方法5.営業権を売る
営業権とは、企業が保持している無形資産を金額に表したものです。
営業権は形こそありませんが、売却することで資金を調達することができます。
たとえば、営業先リストや技術のノウハウなどが営業権に該当します。
自社にしかない技術やリストがある場合には、営業権を売却することでまとまった資金を調達できるかもしれません。
アセットファイナンスの方法6.債権回収を行う
債権回収とは、未払いの売掛金やローンを回収することです。
取引先の中には、支払期日が過ぎているのに料金を支払ってくれない取引先も一定数存在します。
そのような取引先から売掛金やローンを回収することで、資金を得る方法が債権回収です。
売掛金は一定期間をすぎると時効になってしまうので、泣き寝入りしないためにも債権回収は行っておきましょう。
アセットファイナンスの方法7.保険積立金を崩す
保険積立金を崩すことでも資金を調達することができます。
個人向けの保険があるのと同じように、法人向けの保険も数多くあり、保険に入っている企業も多いです。
その保険を解約することで、借入などを行うよりも少ないリスクで資金を調達できる可能性があります。
ただし、保険が満期になる前に解約をしてしまうと、払戻金が少なくなるのでよく考えてから保険を解約するようにしましょう。
アセットファイナンスの方法8.オフィスの敷金を回収する
あなたの企業がオフィスを設けている場合には、オフィスの敷金を回収することで資金調達を行うこともできます。
法人の場合、オフィスの敷金が家賃の6〜12ヶ月分取られることが多いです。
そのため、オフィスのオーナーと交渉をしてオフィスの敷金を回収することで、まとまった資金を調達することができるのです。
敷金は最終的には返金されるので、家賃の支払いを数%上げる代わりに敷金を回収させてもらったり、資産を担保にすることで敷金を回収することができるでしょう。
アセットファイナンスの方法9.経営者への貸付金を回収する
経営者や役員への貸付金を回収することでも資金を調達することができます。
特に中小企業の場合は、経営者が企業からお金を借りているケースも多くあります。
そこで、経営者への貸付金を回収することで、資金を調達することができるのです。
また、交渉次第では役員報酬や退職金から貸付金を回収するということもできるため、検討してみてください。
デットファイナンスで資金調達を行う方法11選
次にデットファイナンスで資金調達を行う方法を紹介します。
デットファイナンスは、3つの資金調達の中でも最も成功させやすい資金調達ですが、デットファイナンスにもさまざまな方法があります。
特に中小企業の場合は、なるべくリスクやコストを抑えて資金を調達したいでしょうから、自社に合った資金調達がどの方法なのかを理解しておきましょう。
- 公的機関から融資を受ける
- 銀行から融資を受ける
- ビジネスローンを受ける
- 手形割引を行う
- 顧客や取引先に前払いしてもらう
- 社内預金制度を利用する
- 流動資産を担保に融資を受ける
- 不動産担保ローンを利用する
- 借入を借り換える
- コミュニティクレジットを利用する
- 社債を利用する
それぞれの方法について解説します。
デットファイナンスの方法1.公的機関から融資を受ける
公的資金からの融資は、リスクやコストを抑えて多額な資金を調達できます。
また、銀行で融資を受けるよりも低金利で融資を受けることができるため、リスクやコストも少ないです。
たとえば、
- 日本政策金融公庫
- 商工組合中央金庫
- 地方自治体
などからの融資を受けることで、金利を比較的抑えて融資を受けることができます。
また、公的機関からの融資は民間団体や銀行と比べて、融資の審査が甘い場合も多いです。
そのため、デットファイナンスを行うときにはまず公的機関からの融資にチャレンジすることをおすすめします。
デットファイナンスの方法2.銀行から融資を受ける
銀行から融資を受けることは、最も一般的な資金調達の方法でしょう。
銀行融資には次のような種類があります。
- 証書貸付
- 当座貸越
- 手形貸付
- 手形割引
- 売掛債権担保融資
- 不動産担保融資
- プロパー融資と保証付き融資
銀行の規模や融資の種類によって、金利や融資の受けやすさは異なります。
とはいえ、融資を受ける目的や事業計画を明確にすることで、融資を比較的受けやすくなるでしょう。
デットファイナンスの方法3.ビジネスローンを受ける
ビジネスローンは、銀行からの融資を受けられない場合や、他の方法で資金調達を行えない場合に行う資金調達の方法です。
信用が低い企業や、担保がない企業でも無担保かつ保証人無しで資金を調達することができます。
その代わり、利息が高額なので資金調達後の資金繰りやキャッシュフローを、他の方法で資金調達するよりも徹底して行わなければいけません。
とはいえ、まとまったお金を借りやすいため、緊急性の高い場合にはビジネスローンを検討してみることも良いでしょう。
デットファイナンスの方法4.手形割引を行う
手形割引とは実際に手形が支払われるより期日よりも前に、手形を売却することで現金化をして、資金調達を行う方法です。
手形とは、商品やサービスを購入した代金を一定期日以内に支払うことを約束した証券です。
現在では、手形を使った決済は少なくなっていますが、大企業などとの取引の際には使われることもあります。
この手形を銀行や手形割引業者に売却することを手形割引といいます。
ただし、手形割引は上限額が決められていることもあるため、必要な資金を調達できない可能性もあるため注意しましょう。
デットファイナンスの方法5.顧客や取引先に前払いしてもらう
融資やビジネスローンを受けるほどではない場合には、顧客や取引先に前払いをしてもらうことも資金調達の1つの方法です。
そこで、顧客や取引先に代金を前払いしてもらうことで、キャッシュフローを改善しながら資金を調達することができます。
企業間取引の場合には、商品やサービスを提供してから数日から数カ月後に代金が支払われることが一般的です。
この場合、キャッシュフローが悪く、黒字倒産の可能性も高くなります。
ただし、取引先からの不信感や信頼度が下がる可能性もあるため、付き合いの長い取引先に交渉するようにしましょう。
デットファイナンスの方法6.社内預金制度を利用する
社内預金制度は、社員が企業に預金をできる制度です。
従業員に預金を強制することはできませんが、多くの従業員から社内預金制度を利用してもらうことができれば、高額な資金を調達することも可能です。
また、銀行融資よりも利息を抑えて借りることもできますし、従業員からしてみれば銀行に預金するよりも金利が高く預金をできるため、企業と従業員の双方にメリットがある資金調達の方法です。
デットファイナンスの方法7.流動資産担保融資を受ける
流動資産担保融資は、その名の通り、流動資産を担保に融資を受けることでも資金調達を行う方法です。
ABLとも呼ばれており、在庫や売掛債権などの流動資産を担保にすることで、保証人を立てたり不動産を担保にできない企業でも資金調達を行えます。
ただし、担保権が実行された場合には、事業停止になってしまう可能性もあるため注意しましょう。
デットファイナンスの方法8.不動産担保ローンを利用する
不動産を担保にしてローンを借りることも資金調達の一般的な方法の一つでしょう。
不動産は変動が激しいですが、評価額の7割程度を借りることができるため、上手くいけば大きな資金を調達することができます。
銀行から借りる場合と、銀行以外から借りる場合で審査の厳しさや借り入れ上限額が異なるため、自社にあった方法で不動産担保ローンを検討してみてください。
デットファイナンスの方法9.借入を借り換える
現在、あなたの会社が借入を行っている借入先よりも、金利が低い借入先に借入を変更することでも資金調達を行うことができます。
金利が高い借入先から、金利が低い借入先に借り換えることで、利息が下がるため毎月の返済額が減額されます。
そのため、月々の支払いに余裕ができ、新たに借入を行う余裕ができるのです。
ただし、借換を行う際には、現在借入を行っている借入先を完済しなければいけないため、一時的に完済する資金は必要です。
デットファイナンスの方法10.コミュニティクレジットを利用する
コミュニティクレジットは、信頼関係のある複数の企業が共同で信託会社を設立して、銀行金融機関から融資を受ける資金調達の方法です。
1つの企業の信頼が低い場合でも、複数の企業が集まることによって信頼を担保することにより、多額の資金を調達することができます。
しかし、融資を受けたあとの運用で揉めてしまうことも多いため、融資を受ける前に企業間でルールを決めてから融資を受けるようにしましょう。
デットファイナンスの方法11.社債を利用する
社債は企業が必要な資金を調達するために発行する債券のことです。
社債を発行し投資家からの投資によって、資金調達を行う方法です。
社内預金制度に似ていて、企業は投資家からお金を借りて利息を支払うことで、社債が成り立っています。
投資家からしても銀行に預金するよりも金利が高いため、企業と投資家の双方にメリットのある取引ができるのです。
エクイティファイナンスで資金調達を行う方法10選
最後にエクイティファイナンスで資金調達を行う方法を紹介します。
エクイティファイナンスは、返済期限がなく無担保で資金調達を行うことができます。
株式を発行し、資本が増えることで社会的な信用をあげることもできるでしょう。
- 第三者割当増資を利用する
- ベンチャーキャピタルから融資を受ける
- エンジェル投資家から融資を受ける
- 従業員持ち株会
- ストックオプションを利用する
- 中小企業ファンドから優位を受ける
- クラウドファンディングで融資を受ける
- M&Aを行う
- 株式公開・上場をする
- 補助金や助成金を受ける
それぞれの方法について解説します。
エクイティファイナンスの方法1.第三者割当増資を利用する
第三者割当増資とは、新株を発行して第三者にその株式を売ることで資金を調達する方法です。
取引先や取引している銀行、自社の従業員に株式を買ってもらうことが多く、縁故募集ともいわれています。
資金調達を目的に行うことはもちろん、取引先との関係を良好にするためにも行われることがあります。
エクイティファイナンスの方法2.ベンチャーキャピタルから融資を受ける
ベンチャーキャピタルは、ベンチャー企業やスタートアップ企業など未上場の企業に出資をする投資会社のことです。
未上場の企業に出資をして、上場したタイミングで株式や事業を売却することで、ベンチャーキャピタルは大きな利益を得ています。
中小企業などの場合は、上場していることも少ないため、ベンチャーキャピタルを利用して多額の資金を調達することも少なくありません。
上場の可能性を感じさせることができれば、高額な資金調達ができるでしょう。
ただし、経営方針を指示されたり、将来性がないと判断された場合には、もともとの予定よりも早く完済しなければいけなくなるケースもあります。
エクイティファイナンスの方法3.エンジェル投資家から融資を受ける
エンジェル投資家とは、自身の資産を将来有望な企業に投資する人のことです。
ベンチャーキャピタルからの融資が受けられない場合には、エンジェル投資家を頼りにしてみるのも1つの手かもしれません。
簡単にいうと個人でベンチャーキャピタルと同じことをしているということです。
近年では、起業家とエンジェル投資家をつなげるサービスもあり、エンジェル投資家を探しやすくなりました。
エクイティファイナンスの方法4.従業員持株会を設置する
従業員持株会とは、企業の株式を従業員に購入してもらう制度です。
従業員株持会を利用することで、従業員の給料から株式の代金が天引きされるため、資金調達を行うことができます。
基本的に長期を見込んで行う方法のため、長い期間を安定して資金調達を行うことができるのです。
ただし、配当金を用意しておかないと、従業員のメリットがありません。
従業員持株会を設置する際には、配当金についても考えておきましょう。
エクイティファイナンスの方法5.ストックオプションを利用する
ストックオプションとは、企業の従業員が予め決められている価格で株式を購入できる権利のことです。
ストックオプションを購入しておけば株式が高騰した場合でも、あらかじめ決められた安い値段で株式を購入することができます。
そのため、従業員には大きな見返りが生まれる可能性がありますし、企業としてはノーリスクで資金を調達することができるのです。
エクイティファイナンスの方法6.中小企業ファンドから融資を受ける
中小企業ファンドとは、投資家から集めたお金をベンチャーやスタートアップなどの中小企業へ融資することを目的としたファンドのことです。
ファンドは企業が運営しており、その多くがベンチャーキャピタルが運営しています。
とはいえ、ベンチャーキャピタルに直接融資をもらうよりも、審査に比較的通りやすいです。
ベンチャーキャピタルからの融資が受けられない場合には、中小企業ファンドを調べてみましょう。
エクイティファイナンスの方法7.クラウドファンディングで融資を受ける
クラウドファンディングは、インターネットを通じて不特定多数の人に融資を募り、資金調達を行う方法です。
クラウドファンディングは誰でも融資を募ることができ、お金の使いみちやプロジェクトに賛同してもらうことができれば、多くの資金を調達することも可能です。
ただし、資金が必ずしも集まるわけではないことや、自社のアイデアが他社に真似をされてしまう可能性もあるため注意しましょう。
エクイティファイナンスの方法8.M&Aを行う
M&Aとは、企業の事業や子会社を売却することで資金を調達する方法です。
企業としての機能を売却することになるので、これまで紹介した資金調達の中でも高額な資金を調達することができます。
とはいえ、自社の事業や子会社をほしいと考える企業が現れなければ、資金を調達することは難しいです。
事業を売却したいときには、M&Aの仲介会社などを使って買い手を探してみましょう。
エクイティファイナンスの方法9.株式公開・上場をする
自社の株式を証券取引所に上場して、株式を投資家に購入してもらうことで資金を調達することができます。
企業としての信頼度や知名度を上げることもできるため、金融機関からの借入なども行いやすくなり、株式以外の資金調達を成功させやすくなります。
ただし、上場するには5000万円程度のコストがかかったり、経営権を支配される可能性もあるため、気軽に行えるものではないでしょう。
エクイティファイナンスの方法10.補助金や助成金を受ける
国や地方自治体が公募している補助金や、助成金を受けることでも資金調達ができます。
さらに、補助金や助成金は返済義務がないため、ノーリスクで資金を調達することができるのです。
場合によっては事業に必要な資金をすべて負担してもらえることもあるため、緊急性がない場合には補助金や助成金を受けることを検討してみても良いでしょう。
補助金や助成金は中小企業庁のHPでも公募されているため、参考にしてください。
資金調達を成功させる3つのポイント
最後に資金調達を成功させる3つのポイントについて解説します。
資金調達の方法を知ることは大切なことですが、実際に資金を調達できなければなんの意味もありません。
そこで、資金調達を成功させるためにも次の3つのポイントを抑えておいてください。
- 資金が必要な理由を明確にする
- 資金の使い道を明確にする
- 資金運用を慎重に行う
それぞれのポイントについて解説します。
資金調達を成功させるポイント1.資金が必要な理由を明確にする
1つ目のポイントは資金が必要な理由を明確にするということです。
ここまでに資金調達のさまざまな方法を紹介しましたが、基本的には審査が必要であったり、融資をしてくれる人を納得すさせる必要がある事が多いです。
そのため、資金がなぜ必要なのかを明確にしなければ、資金を調達することは難しいでしょう。
出資者からすれば融資は投資であり、返済されることを前提に融資をするため、返済能力や将来性が見込めない場合には資金調達を成功させることはできません。
まずは、資金がなぜ必要なのかという目的を明確にしましょう。
資金調達を成功させるポイント2.資金の使いみちを明確にする
2つ目のポイントは資金の使いみちを明確にするということです。
資金が必要な理由と合わせて、使いみちを明確にしなければ企業としての将来性を示すことができません。
- 事業計画
- 資金の運用内訳
- 返済予定期間
予定でもいいので、このあたりの情報は明確にしてロジカルな説明ができるようにしておきましょう。
その事業が実現可能なのか、その計画がうまくいくのか、そもそも融資が必要なのかなど、出資者はこのような判断基準を持って融資するか否かを判断します。
あなたが出資者の立場だったら、その事業に融資をするかどうかという目線を持って資金の使いみちを明確にしましょう。
資金調達を成功させるポイント3.資金運用を慎重に行う
3つ目のポイントは、資金運用を慎重に行うということです。
資金が調達できたとしても、運用がうまく行かず結果的に事業を成功させることができなければ、資金調達を成功させたとはいえません。
事業計画はあくまで計画なので、資金運用が計画通りに行くことはほとんどありません。
また、事業に関することは基本的にお金で解決することができるため、必要最低限の資金を運用することで、資金が急に必要になった場合に対処することができるのです。
資金調達後の資金運用を慎重に行うことが、資金調達を総合的に成功させるポイントなのです。
【まとめ】資金調達を成功させて会社を大きくしよう!
今回は企業規模を拡大する上で必要不可欠な「資金調達」について解説しました。
資金調達の方法はさまざまですが、主に3つに分けることができます。
- アセットファイナンス
- デットファイナンス
- エクイティファイナンス
企業規模や必要な資金によって、適切な資金調達があるので自社にあった資金調達の方法を見極めることが大切です。
より具体的な方法については、今回紹介したとおりなので自社の状況と照らし合わせて、資金調達を検討してくださいね。
ただし、注意してほしいことは自己資本比率が少なくなりすぎないようにすることです。
なぜなら、自己資本比率の少ないと、社会的信用が低くなってしまうからです。
自己資本比率が少ないということは、その事業で運用する資金の多くが他人資本で賄われているということです。
つまり、返済しなければいけない借金が多いという捉え方ができます。
個人で考えた時でも、借金が多い人にお金を貸してくださいといわれて、融資する気になる人は少ないでしょう。
だから自己資本比率が大切なのです。
もしあなたが資金調達によって、自己資本比率が下がってしまうことが気になるようであれば、自社商品の価格アップを検討してください。
自己資本比率は売上や利益率を改善することで、上げることができます。
しかし、価格を上げることで既存顧客が離れていったり、クレームが来るのではないかと不安になる方も多いでしょう。
それでも資金の捻出が難しい場合には、資金調達を検討してみましょう。