今回はビジネス心理学の中でも有名な「松竹梅の法則」について説明していきます。
簡単に言うと松竹梅の法則は、物を売るときに使うテクニックです。
松竹梅の法則をきっちり理解し、活用することができれば、以下のようなメリットがあります。
- 客単価が上がる
- 利益率が上がる
- 成約率が上がる
これらは現に、多くの企業が実感しているメリットです。
弊社のクライアントにも、この松竹梅の法則をうまく使って、利益率を大きく上げた社長がいます。
あなたがもしまだ「松竹梅の法則」を使っていないなら、この記事を読み込んでぜひマスターしてください。
そうすることで、あなたの会社の利益率を飛躍的にアップさせることができるはずです。
松竹梅の法則(極端の回避性)の意味と仕組みとは?
松竹梅の法則とは、商品の値段を3段階に分けると、多くの人が真ん中の値段のものを買ってくれるという心理的な傾向のことです。
人は「極端の回避性」という、1番高いものや1番安いものを無意識に回避するといった心理的習性を持っています。
1番高いものは贅沢だし失敗したときのショックが大きい。
1番安いものはケチ臭くて貧乏だと思われてしまいそう。
こういった心理が働くことで、人間は極端な選択(1番上と1番下)を回避しようとするのです。
ちなみに、レストランのメニュー表もこの極端の回避性を意識して作られています。
多くの人が1番安いメニューを選ばないという心理を知ったうえで、実は2番目に安いものの利益率が1番高く設定されているのです。
松竹梅の法則は、この極端の回避性が働くことによって成り立っています。
商品の内容にもよりますが、1番高いもの=松、真ん中のもの=竹、1番安いもの=梅としたとき、売れる割合は「松=2、竹=5、梅=3」程度だと言われています。
たとえば、あなたが営業のコンサルタントをしていて、3ヵ月30万円でサービスを提供していたとしましょう。
そしてそのサービスを、以下のように3つの商品に分けたとします。
- 松 ⇒ コンサルのプレミアムコース(100万円)
- 竹 ⇒ 従来のコンサル(30万円)
- 梅 ⇒ あなたのメソッドを詰め込んだ動画販売(5万円)
すると多くの人が、1番安い5万円の動画ではなく、従来のコンサルを買ってくれるのです。
そしてさらに一定数の人は、1番高いプレミアムコースを買ってくれます。
これが、松竹梅の法則です。
この法則をうまく運用すれば、サービスの利益率を飛躍的に上げることができます。
松竹梅の法則を運用する方法と効果
ここからは、松竹梅の法則をどのように運用すれば効果的なのかを説明していきます。
松竹梅の法則は、あくまでもビジネス心理学における法則です。
そのため、ただ知っているだけでは意味がありません。
この法則を理解し、自分のサービスに当てはめ、うまく運用することで初めて大きな効果を得ることができるのです。
これから説明する松竹梅の法則の運用方法と効果をしっかりと理解し、ぜひあなたのビジネスに当てはめてみてください。
松竹梅の法則に則った商品の作り方と値付けの方法
松竹梅の法則の運用方法として、知っておいて欲しいのは以下の2つです。
- 松竹梅の法則に則った商品の作り方
- 松竹梅の法則に則った値付けの方法
要は、松竹梅の3つの商品をどのように作り、どのような価格設定にするかという話です。
松竹梅の3つの商品は、以下のようなルールで作成してください。
- 松 ⇒ 手間はかかるが高額なプレミアムサービス
- 竹 ⇒ 従来の価格通りの、あなたにとってオーソドックスなサービス
- 梅 ⇒ 安いが労力やリスクがかからないサービス
それでは1つずつ、詳細を説明していきます。
松の商品の作り方と値付け方法
もっとも高い松の商品は、できるだけプレミアムな内容にしましょう。
もちろん、値段も相応に上げてしまって構いません。
よく言われる話に、「10万円のステーキは1000円のステーキの100倍おいしいのか?」という話があります。
実際のところ、いくらなんでも100倍おいしいということはないはずです。
それでも、10万円のステーキを買う人は一定数います。
そしてそれは、あなたの商品についても同じことが言えるのです。
あなたの商品の質が良ければ、たとえ値段が2倍であったとしても、より良い方を買うという人が一定数はいます。
つまり、より高い商品を売れるチャンスがあるということです。
だからこそ、松竹梅の松に位置するプレミアムな商品には、思い切った価格設定をしてしまいましょう。
竹の商品の作り方と値付け方法
竹の商品については、1番売りたい、あなたのメインとなる商品を据えてください。
基本的には今あなたが取り扱っている商品で構いません。
もともとのサービス内容や価格設定に問題がなければ、松竹梅の中で1番売れるのはこの商品です。
ただし、値段設定は今の単価より少し高いくらいに設定することをおすすめします。
サービス形態の見直しをする機会にベーシックな商品の価格を上げておけば、当然ながら利益率を上げることができるからです。
松の商品を用意することで高額な比較対象ができるため、たとえ価格を上げても相対的には安く見えてくれます。
さらに、もし竹の商品を高いと思った人がいても、梅の商品という受け皿がありますので、完全に取りこぼすことはありません。
そのため松竹梅の法則を取り入れるなら、この機会にメイン商品の価格を上げることも考えるべきなのです。
梅の商品の作り方と値付け方法
1番安い梅の商品については、いくら売れても労力のかからないものを作るのがポイントです。
たとえば、コンサルタントならセミナーの動画を販売したり、整体師なら自宅でできるストレッチをまとめた本を販売したり、という形ですね。
これなら商品を渡すだけなので、大量に売れたところでほとんど手間がかかりません。
さらに動画などの電子データの場合は、物を用意するコストすらかかりませんので、売れれば売れただけ利益になります。
このように1番安い梅のサービスは、労力がかからずリスクがないという観点から作っていくことが重要です。
逆に安い商品に手間がかかってしまうようだと、ビジネス自体が破綻してしまいかねません。
実際、起業してすぐ倒産してしまう会社には、価格と労力のバランスが原因になったという場合が多くあります。
安い商品で手がいっぱいになるということがないよう、注意してください。
松竹梅の法則で得られる効果
松竹梅の法則をうまく運用することができれば、3つのメリットを得ることができます。
- 客単価を上がる
- 利益率が上がる
- 成約率が上がる
冒頭でもお話しした、これらのメリットです。
それでは1つずつ、詳細を説明していきます。
松竹梅の法則で得られる効果1.客単価が上がる
まず、松竹梅の法則をうまく使えれば客単価を上げることができます。
なぜなら、一定数の顧客が値段の高い松の商品を買ってくれるからです。
今まではなかった高い商品が売れてくれるわけですから、当然売上は上がります。
さらに、松の商品を用意することで、従来のサービスである竹の商品を値上げすることもできます。
松という高額な比較対象ができることで、竹の価格を多少上げても安く見えるからです。
1番売れるであろう竹の商品を値上げできれば、客単価を上げることもできるというわけですね。
このような理由から、松竹梅の法則は客単価を上げるのに効果的なのです。
松竹梅の法則で得られる効果2.利益率が上がる
松竹梅の法則には、利益率を上げる効果もあります。
「松竹梅の法則に則った商品の作り方と値付けの方法」で説明した商品の作り方をしていれば、松の商品は竹の商品よりも利益率の高い商品になるはずです。
そのため、松の商品を作り、それが売れるというだけでも、ビジネス全体の利益はアップします。
さらに、梅の商品についても労力やリスクのかからない商品に仕上がっているはずなので、利益率という考え方でいえばかなり高くなるはずです。
それこそ何の労力もコストもかからない商品を用意することができれば、売れれば売れただけ利益になります。
このように、松と梅の商品は竹の商品よりも利益率が高くなるはずです。
つまり、松竹梅の法則に則って松と梅の商品を作れば、ビジネス全体の利益率を上げることができるというわけですね。
松竹梅の法則で得られる効果3.成約率が上がる
松竹梅の法則に則って商品を3パターン作れば、お客さんが取れる選択肢を増やすことになります。
そうすれば当然、お客さんがあなたの商品を実際に買ってくれる可能性は上がり、成約率も高くなるはずです。
とくに梅の商品については、購入のハードルを下げるのに一役買ってくれます。
安い商品というのは、それだけ買いやすいものです。
さらに安い商品であなたに興味を持ってもらえれば、次に竹や松の商品を買ってもらえるかもしれません。
ただし何度も言いますが、梅の商品については売れても手間がかからないようにしておいてください。
そうしておかないと、成約率が上がると同時にあなたのリソースがなくなってしまいますので、結果としてビジネスが破綻してしまいます。
松竹梅の法則で実際に利益を上げた英会話塾の事例
【まとめ】松竹梅の法則を有効活用すれば利益率が上がる
今回は、「松竹梅の法則」についてお話をしてきました。
松竹梅の法則をうまく有効活用することができれば、3つの大きなメリットを得ることができます。
- 客単価を上がる
- 利益率が上がる
- 成約率が上がる
どのように松竹梅の商品を作れば効果的なのかについては、今回の記事で説明しています。
まだ読んでいないという場合は、まずはそちらの方に目を通してみてください。
松竹梅の法則は、ビジネスにおいてかなり有効な法則です。
もしまだ取り入れていないようなら、1度自分のビジネスと照らし合わせて、商品の作り方などを考えてみるとよいでしょう。