今回はコンテンツビジネスについてお話をしていきます。
コンテンツビジネスとは、オリジナルの著作物(コンテンツ)を作って売るビジネスモデルのことです。
たとえば映画、アニメ、小説、漫画、動画教材、ツール、テンプレート、などがコンテンツにあたります。
コンテンツビジネスは中小企業の社長や個人事業主に対してとくにおすすめで、多くのメリットがあります。
たとえば、
- 作ったコンテンツが資産として残りやすい
- データ媒体のため、レバレッジが効きやすい
- 資金面、労力面における導入ハードルが低い
- 集客効果が高い(求人の役にも立つ)
- Webやソーシャルメディアと相性が良い
といったものが挙げられますね。
見てのとおり、とくに中小企業や個人事業主が魅力を感じるであろうメリットがコンテンツビジネスにはあるのです。
コンテンツ作成は、たとえコンテンツビジネスに手を出さないとしても、基本的にすべての種類のビジネスでやっておくべきことだと言えます。
なぜなら昨今のインターネットにおいて、コンテンツがなければ、そもそも自社の存在に気づいてもらうことができないからです。
「コンテンツ・・・ウェブマーケティングの最重要課題」の記事内で弊社代表の北岡も説明していますが、ユーザーはネット上でコンテンツを見つけ、コンテンツを消費するという行動を取っています。
そのためユーザーは、広いWeb上からコンテンツを入り口にして、あなたの会社、そして商品にたどり着くのです。
だからこそコンテンツ作りは、ノウハウを身につけるという意味でも、すべてのビジネスでやっておくべきことだと言えるわけですね。
そしてさらに、商品としてのコンテンツには、レバレッジが効くという大きなメリットがあります。
コンテンツの多くはデータ媒体で原価がかからないため、資金力がなくても大きな利益を狙うことができるのです。
そこで今回は、
- 今の時代におけるコンテンツビジネスとは?
- コンテンツビジネスを成功させるための4つのステップ
- コンテンツビジネスの成功事例
について、詳しく解説をしていきます。
ぜひ参考にして、あなたのビジネスでもコンテンツを作成してみてください。
今の時代のコンテンツビジネスとは?
現在、コンテンツビジネス市場は非常に大きな市場規模となっています。
総務省のサイトに掲載されている情報によると、平成29年段階で日本におけるコンテンツビジネスの市場規模は11兆5081億円にも及ぶとされており、映像系ソフトが全体の5割超、テキスト系ソフトが約4割、音声系ソフトが1割弱を占めているそうです。
このデータを見ると、コンテンツビジネスに大きな可能性を感じるのではないでしょうか?
実際コンテンツビジネスは、中小企業でも大きな利益を狙える可能性にあふれた市場であると言えます。
そこでここからは、
- コンテンツビジネスの種類
- 現在のコンテンツビジネス
- コンテンツビジネスの将来性
について説明をしていきます。
コンテンツビジネスの種類
コンテンツビジネスと一口で言っても、その種類は多岐に渡ります。
たとえば、
- 文化的著作物の作成、販売(音楽、映画、漫画、アニメなど)
- 教材の販売
- テンプレートの販売
- ツールの販売
- 有料NOTE
- ブログの運営
- 有料メルマガ
- ファンクラブサイトの運営
- スマホアプリの作成、運営
- ゲームの作成、運営
などなど、色々な種類のコンテンツビジネスが存在しているのです。
さらに、ここで挙げた一覧以外にも、とにかく著作物を作って売る場合は、そのすべてがコンテンツビジネスであると言えます。
現状のコンテンツビジネス
現状コンテンツビジネスは、時代とともにどんどんと「資金や手間のかからないもの」へと変化してきています。
たとえば昔は動画媒体がテレビや映画くらいしかなかったため、多大な資金を投入しなければ動画コンテンツを全国に発信することなんてできませんでした。
しかし今の時代、YouTubeという媒体を使えば、個人が簡単に、しかも全世界に向けて動画コンテンツを配信できるようになっています。
さらに言えば、コンテンツへの評価は、必ずしも製作費用と比例しません。
費用をかけずとも、おもしろいアイディア、役に立つ情報、的確なマーケティングがあれば、十分に評価を集め、利益を出すことができるのです。
そういう意味では今の時代、小企業や個人事業主こそ積極的にコンテンツビジネスを導入するべきであると言えます。
YouTuber(ユーチューバー)などはまさに、個人でコンテンツを作り、大きな利益を出している成功事例ですね。
ただその一方で、「情報の価値が低くなった」と言われ始めている現状もあります。
今までは情報を売り物にすることで個人が大きな利益を出せていたのですが、今は無料で情報が手に入るようになってしまい、価値の低い情報コンテンツが売れなくなってしまっているのです。
そのため、知識やノウハウが乏しい初心者がいきなりコンテンツビジネスで利益を上げる、という意味では、難易度は上がっていると言えるでしょう。
コンテンツビジネスの将来性
コンテンツビジネスの将来性については、前述したとおり情報コンテンツの価値が下がり、動画コンテンツの価値が上がってくるのでないかと言われています。
ちなみにここで言う動画コンテンツはテレビのことではなく、ネット動画のことです。
AbemaTVやNetflixのような動画配信サービスや、YouTubeのような動画共有サイトに投稿される動画のことですね。
その勢いの強さはかなりのもので、市場規模は年々増加傾向にあります。
それこそ今後は、ネット上のコンテンツの8割以上が動画に取って代わられるのではないか、とも言われているほどです。
反面、情報格差を利用してコンテンツ作成をしていた人にとっては、この先さらに厳しい状況になっていくということが予想されます。
個人が情報発信をしやすい時代になるということは、それだけ無料で多くの情報が手に入る時代になるということです。
そのため情報格差は、今後もどんどんと少なくなっていきます。
そうなれば当然、情報が持つ価値も下がってしまい、秘匿性の低い情報によるコンテンツの場合、コンテンツビジネスとして成り立たなくなってしまうのです。
そう考えると今後のコンテンツビジネスでは、面白くて独自性のあるアイディアや秘匿性の高い情報など、質の高いコンテンツが求められるようになってくると考えられます。
とはいえこれは悲観的なことではなくて、参入障壁が高くなることで競合が減り、質の高いコンテンツがしっかりと評価されるようになるということです。
つまり、しっかりとノウハウを身につけ、価値のあるコンテンツを作成できれば、それだけ利益に繋げることができるということですね。
もしこれからコンテンツビジネスを始めようとしているのなら、いかにして質の高いコンテンツを作るか、ということを課題にしましょう。
コンテンツビジネスを成功させるために必要な4つのステップ
コンテンツビジネスを成功させるためには、コンテンツを作ったあとに以下の4つのステップを行ってください。
- 人を集める
- 集めた人に興味を持たせる
- 興味を持った人に販売する
- 正しい価格設定を行う
コンテンツビジネスの基本は、ユーザーが欲しくなるようなコンテンツを作ることです。
しかし実は、それだけでは上手くいきません。
コンテンツビジネスには、集客やコピーライティングといったビジネスの総合的な力が求められるのです。
今から説明する4つのステップでは、まさにその総合的な力が必要になってきます。
コンテンツビジネスで成功するには避けて通れない話なので、ぜひしっかりと理解しておいてください。
コンテンツビジネス成功に必要なステップ1.
人を集める
質の良いコンテンツを作ることができたら、まずはどうやって集客するかを考えてください。
どんなに良いコンテンツでも、人の目に触れなければ意味がありません。
コンテンツビジネスの集客方法としては、以下のようなものが挙げられます。
- 検索エンジン上位にサイトを表示させる(SEO)
- Web広告を出稿する
- YouTubeに動画を投稿する
- SNSで拡散する
- インフルエンサーに紹介してもらう
- アフィリエイト制度を導入する
このように色々と方法はありますが、何を選ぶにしても、集客を行うスキルや知識は必要となります。
たとえば広告運用の知識であったり、YouTubeで多くの人に見てもらう方法であったり、ですね。
コンテンツビジネスをするなら、そういった集客スキルも必要なのだということは理解しておきましょう。
コンテンツビジネス成功に必要なステップ2.
集めた人に興味を持たせる
集客ができるようになったら、今度は集まった人がコンテンツに興味を持つようにアピールしなければいけません。
方法としておすすめなのは、販売用のコンテンツのほかに、興味の入り口となる無料コンテンツを作成し、公開することです。
たとえば、「メルマガでの情報発信」、「質の良いブログ記事」、「面白くて役に立つ動画」、「無料レポート」などが挙げられます。
また、興味を持たせる段階で必要となってくるのが、マーケティング能力とコピーライティングです。
要は、どのような層をターゲットとして、どのような言葉を使えば興味を持ってもらえるのか、ということを判断するスキルですね。
ユーザーに興味を持ってもらえるところまでできたら、コンテンツビジネスはかなり成功に近づいていると言えます。
コンテンツビジネス成功に必要なステップ3.
興味を持った人に販売する
集客ができ、コンテンツに興味を持ってもらえたら、あとは実際に販売しましょう。
コンテンツビジネスで商品を販売するさいのコツは、継続的な関係を構築することです。
どういうことかというと、お客さんがリピーターになってくれるように、販売後も繋がりを維持してください。
たとえば、購入者限定の無料メルマガを配信したり、購入者限定の会員サイトを作ったり、というのがよく用いられる手法です。
社長の中には、商品が売れたらそれで終わり、という人もいますが、それではコンテンツビジネスに限らず、ビジネスとして上手くいきにくくなってしまいます。
きちんとアフターフォローを行い、リピーターになってくれるような環境を作っておくことで、優良顧客が増えていくのです。
コンテンツビジネス成功に必要なステップ4.
正しい価格設定を行う
実は多くの社長ができていないのですが、コンテンツビジネスでは正しい価格設定を行うことが非常に重要です。
実際に、「手間と価格設定が合っておらず、すごく忙しいのに大して稼ぐことができない」というパターンはよく見かけます。
このようなことにならないように、コンテンツビジネスを行う場合は、きっちり利益の出る価格設定をしておきましょう。
そしてもう1つ、こちらがとくに忘れられがちなのですが、コンテンツビジネスを続けていくうちにノウハウが集まり、コンテンツの質が高くなってきたなら、その分価格アップをしなければいけません。
コンテンツビジネスを続けていくうちに情報が精錬さえ、コンテンツの質が上がっていくというのは普通にある話です。
さらにコンテンツビジネスで実績を作り上げていけば、その実績自体も「信用」という大きな価値になります。
しかし、このように価値が向上したにも関わらず、価格の見直しを行わない社長が非常に多くいるのです。
もしかすると「価格アップ」という言葉を聞くと、「そんなことをしたら顧客が離れてしまう」と考えてしまうかもしれませんが、そんなことはありません。
価格を上げて離れていくのは価値を評価してくれていない顧客だけで、きちんと価値を評価してくれてる優良顧客は残り続けてくれます。
コンテンツを売る形でビジネスを行うなら、正しい価格設定は必要最低限の条件だと言えるでしょう。
コンテンツビジネスの成功事例
ここからは、コンテンツビジネスの成功事例を2つ紹介していきます。
- 漫画アプリ
- YouTuber(ユーチューバー)
コンテンツビジネスが実際どのように運用されているのか、ぜひ参考にしてみてください。
コンテンツビジネスの成功事例1.
漫画アプリ
漫画アプリは、コンテンツビジネスの大きな成功モデルの1つです。
現在、漫画を無料で読むことができるスマホアプリの数が非常に増えています。
「少年ジャンプ+」、「LINEマンガ」、「マンガワン」、「comico」、「マンガボックス」など、それこそ挙げればキリがないほどです。
漫画アプリは、漫画というコンテンツを売るビジネスモデルとなっています。
漫画の購入、有料会員への登録、漫画を読むさいに表示される広告、などが主な収益源です。
この漫画アプリの上手いところは、無料で読めるコンテンツを豊富に揃えているというところにあります。
「無料で漫画が読める」というキャッチーなコピーで広告を数多く出向し、非常に多くのユーザーを集客しているのです。
そして獲得した多くのユーザーに無料で漫画を読んでもらい、掲載している漫画に興味を持たせます。
そのあと、「続きが読みたい」、「もっと色々な漫画が読みたい」という欲求を刺激して、有料コンテンツの購入や有料会員登録に結び付けていく、というビジネスモデルになっているのです。
このように漫画アプリは、「集客」、「興味を持たせる」、「販売する」という流れを非常にきれいに行っています。
漫画という他者の著作物を扱っているため販売価格の見直しこそ行っていませんが、その前の流れについては大いに参考にできるはずです。
コンテンツビジネスの成功事例2.
YouTuber(ユーチューバー)
コンテンツビジネスでの成功事例と言えば、YouTubeに動画をあげて、広告料や企業案件などで稼ぐYouTuber(ユーチューバー)の存在が有名ですね。
「好きなことで生きていく」という言葉から、彼らが遊びの延長で稼いでいるように見えるかもしれませんが、実際はそうではありません。
「面白い動画=質の高いコンテンツ」を作成するのはもちろんなのですが、YouTuberが1つのビジネスモデルとして確立した今では、集客やブランディングについてもしっかり考えてやっている人が大勢いるのです。
そして彼らは、自分の影響力が強くなったさいの価格の見直しもきっちりやっています。
いわゆる案件と呼ばれる、動画内で商品を紹介して紹介料をもらう仕事があるのですが、彼らはそちらで自分の動画が持つ価格を上げているのです。
それこそ有名なYouTuberともなれば、広告代理店と提携を結び、案件1件で100万円以上も稼いでいます。
このようにYouTuberは、実は裏できっちりとコンテンツビジネスを運用し、価格の見直しも行っているというわけですね。
【まとめ】コンテンツビジネスには総合的な経営戦略が必要
今回はコンテンツビジネスについてお話をしてきました。
コンテンツビジネスの現状や将来性については、言えることは以下の2つです。
- 動画コンテンツが広く普及してきており、今後は多くのコンテンツが動画に取って代わられることになる
- 情報コンテンツの価値が下がっており、今よりも質の高いコンテンツが求められるようになる
とくに情報をメインとしたコンテンツを扱っている場合は、質を高める施策をしておくか、もしくは違う種類のコンテンツ作成を検討しておいた方が良いでしょう。
そしてもう1つ、コンテンツビジネスで言えることは、総合的な経営戦略が必要であるということです。
いくら質の良いコンテンツを作っても、集客ができなければ人に届けることができませんし、マネタイズができなければ収益化ができません。
コンテンツビジネスというと、初心者がアイディアだけで一発当てられるというイメージを持っている人もいるようですが、実際はそういうものではないと理解しておいてください。
ちなみに、経営戦略の中で多くの社長が忘れがちなのが、価格の見直しです。
コンテンツを作って発信し続けていれば、コンテンツの質やあなたのブランドが持つ信用は上がっていきます
そうなったとき、商品としているコンテンツの価値が上がっているわけなのですから、当然価格も上げるべきなのです。
しかし残念ながら、この価格の見直しを怠り、いつまで経っても低価格でコンテンツビジネスをやっている社長も少なくありません。
もしかすると「価格アップなんてしたら顧客が離れてしまう」と考えているかもしれませんが、離れていくのは価値を見ずに価格だけを見る、あなたにとって良くない顧客だけです。
良いコンテンツを作り続けていれば、価値を見てくれている優良顧客は、喜んでそこに対価を支払ってくれるはずです。
個人が情報弱者を相手に行ってきた価値の薄いコンテンツビジネスは、おそらく今後通用しなくなってきます。
これはつまり、参入障壁が上がって、競合が少なくなるということです。
つまり、逆に価値の高いコンテンツを作ることができれば、それだけチャンスがあるということになります。
だからこそ、質の良いコンテンツ、総合的な経営戦略を武器に、コンテンツビジネスでしっかりと利益をあげていきましょう。