今回は「事業拡大」をテーマにお話をしていきます。
事業拡大は主に2つの目的を持って行われるものです。
- 今ある事業を拡大する
- 新規事業を開拓する
そしてこの2つの目的を達成することよって、以下の3つのメリットを得ることができます。
- 利益を増やすことができる
- 市場対応力を上げることができる
- 自社の認知度を上げることができる
事業が拡大すればその分利益が増えることに繋がりますし、新規事業を成功させて事業の幅を広げることができれば対応できる市場の幅も同時に広がります。
さらに事業の手を広げるということはその分露出が増えるということにも繋がるため、自社の認知度を上げることもできるのです。
このように事業拡大には、利益だけでなく、さまざまなメリットが存在しています。
ただし、事業拡大戦略にはメリットだけでなくリスクも付き物です。
それこそ事業拡大戦略のリスクを理解せずに無理な事業拡大を行い、倒産まで追い込まれてしまった企業も非常に多く存在しています。
むしろ、企業が倒産する原因の中でもとくに多いものの1つこそが、無理な事業拡大戦略だと言えるのです。
そこで今回は正しい事業拡大戦略をとるために、以下のような内容をお話ししていきます。
- 事業拡大にともなうリスク
- 事業拡大を成功させるための5つの方法
- 事業拡大戦略の成功事例、失敗事例
- 事業拡大のための資金調達方法
- 事業拡大よりも先にやるべきこと
事業拡大は確かにリスクの大きい戦略ではありますが、同時に会社を成長させるためになくてはならないものでもあります。
だからこそ事業拡大を図るのなら、リスクを理解したうえで確実に成功させましょう。
事業拡大にともなうリスクとは?
事業拡大を図るときにまず理解しておかなければいけないのは、事業拡大戦略には赤字転落や経営破綻といったリスクが存在しているということです。
なぜ事業規模を広げるはずの事業拡大戦略に赤字どころか倒産のリスクまで存在しているのか、と思われたかもしれませんが、それはそもそも事業拡大戦略はいわゆる背伸びをしている状態だと言えるからです。
今より事業規模を大きくしたり新しいことを始めたりしようとしているわけですから、必然的に今までよりも負担が増えることになりますよね?
そのため事業拡大戦略には、以下のようなデメリットも存在しているのです。
- 先行投資が必要になる
- ランニングコストが上がる
- マネジメントの難易度が高くなる
まず事業拡大をする場合、基本的には先行投資が必要となってきます。
たとえば、製造業で新しい工場を作る場合にかかってくる設備投資や、新商品を開発する場合の研究費・製造費などですね。
そのため事業拡大によって利益が伸びても、最初は先行投資分の回収という意味合いが強くなってしまいます。
仮に事業拡大に失敗して利益が伸びなかった場合には、先行投資分が丸々赤字になってしまうことさえあり得るのです。
さらに事業拡大をするということは、ランニングコストを上げるということでもあります。
たとえば飲食店が多店舗展開を行ったとすると、人件費や維持費、賃料などの固定費が上がることになるわけです。
そのため事業拡大を行ったものの売上が伸びなかったという場合には、単純に毎月のコストだけが上がる計算になってしまいます。
そうなればもともと上手くいっていた事業の利益を食いつぶしてしまうことにもなりかねません。
そしてもう1つ、しっかり理解しておかなければいけないのが、マネジメントの難易度が上がるという、人材面のデメリットです。
新規事業に手を出す場合はもちろんですが、既存の事業を拡大する場合でも、人員の増加や管理者の教育など、マネジメントによる負担は大きく増加します。
中には無理な事業拡大によって接客態度が著しく悪化してしまい、深刻な客離れから経営破綻にまで追い込まれてしまった飲食店もあるほどです。
このように事業拡大には、資金面におけるリスクだけでなく人材にまつわるリスクもあるのだとしっかり理解しておいてください。
以上の3つが、事業拡大における主なデメリットです。
これらのデメリットがあることから、事業拡大戦略には赤字や経営破綻といったリスクがどうしても付きまとってしまうわけですね。
事業拡大に成功するための5つの方法
ここまで事業拡大戦略のリスクやデメリットについてお話をしてきましたが、ここからはそれらのリスクを回避して事業拡大を成功させるための5つの方法を説明していきます。
- 売上の伸び率ではなく利益率を確保する
- 十分な人員を確保する
- 市場分析は綿密に行う
- 新規事業拡大の場合は自分の強みを活かせる分野にする
- 新規事業拡大の場合は1度小さく回してみる
これらの方法で事業拡大を行えば、失敗してしまうリスクを大幅に削減することができます。
1つずつ詳細を説明していきますので、事業拡大を考えている場合はしっかり理解しておきましょう。
事業拡大に成功する方法1.
売上の伸び率ではなく利益率を確保する
事業拡大を行う場合、売上の伸び率よりも利益率を確保することの方が何倍も重要となります。
実際、事業拡大戦略で失敗して経営破綻を起こした企業の中には、利益率を犠牲にしてでも売上を伸ばそうとしていたところが非常に多いです。
ではなぜ利益率が重要なのかというと、利益率が下がれば下がるほど経営に余裕がなくなり、赤字化のリスクが高まってしまうからです。
ここまで説明したとおり、事業拡大をするということは先行投資やランニングコストといった資金面での負担を増やすということでもあります。
それにもかかわらず利益率を落として無理やり事業拡大を進めてしまえば、資金面でのリスクをより高めることに繋がってしまうのです。
会社にとってもっとも重要なのは売上ではなく利益です。
事業拡大を進めるなら、そのことはしっかりと念頭に置いておくようにしましょう。
事業拡大に成功する方法2.
十分な人員を確保する
事業を拡大するなら、その前に十分な人材を確保しておくべきです。
とくに管理を任せる人間が増える場合は、事業拡大を進める前にしっかりと教育をしておいてください。
無理な事業拡大の末に管理職にすべきでない人間を無理やり管理職に押し上げ、その結果マネジメントが上手くいかずに失敗するといったケースは非常に多くあります。
それこそ接客業だった場合、接客レベルの著しい低下によって企業ブランドに傷がつくことだって少なくありません。
事業拡大戦略を進める場合、資金面にばかり目がいって人材確保や教育が疎かになってしまう社長も多いです。
しかし事業拡大を成功させるためには、人材面も資金面と同じくらい重要な要素となることを覚えておきましょう。
事業拡大に成功する方法3.
市場分析は綿密に行う
事業拡大を進めるなら当然、綿密な市場分析が必須となります。
仮に衰退が進んでいる市場で事業拡大を進めてしまえば、失敗のリスクが非常に高まってしまうからです。
たとえば自社製品の増産によって事業拡大を考えている場合、製品ライフサイクルを把握しておかなければいけません。
製品ライフサイクルとは、製品が市場で売られ始めてから衰退するまでの流れを表したサイクルのことです。
製品には、主に以下の4つのサイクルがある言われています。
- 導入期……製品が売り出された時期
- 成長期……製品の売上が伸びている時期
- 成熟期……製品の売上がピークに達した時期
- 衰退期……製品の売上が衰退していく時期
(参考:Wikipedia_製品ライフサイクル)
事業拡大で製品の増産を行う場合、その製品の製品ライフサイクルが成長期にあるなら問題はありません。
しかし、もし成熟期、つまり製品が顧客に行き渡った頭打ちの状態でさらなる増産を行ってしまうと、失敗するリスクは非常に高くなってしまいます。
そのため事業拡大を行うなら、拡大しようとしている製品のライフサイクルが今どこにあたるのかをしっかりと分析しておかなければいけません。
売上が伸びているからといって考えなしに事業拡大を進めてしまうと、それ相応に痛い目を見てしまうでしょう。
事業拡大に成功する方法4.
新規事業拡大の場合は自分の強みを活かせる分野にする
事業拡大の中でも新規事業に手を出す場合、参入分野は自分や自社の強みが活かせるものにするべきです。
新規事業拡大においてよくある間違いが、「儲かりそうな分野だから」という理由でまったく強みを活かせない分野に参入してしまうことです。
確かに参入分野の収益性は、非常に重要な要素ではあります。
しかしだからといって流行りに乗って自社と何の関係もない分野に参入してしまえば、今まで培ってきたアドバンテージをまったく活かすことができず、0からのスタートになってしまうわけです。
たとえば新製品を開発した場合、今までに集めた顧客リストに売り込みがかけられる製品とかけられない製品では、初動がまったく違ってきます。
ちなみにこの話は、「オクゴエ!Podcast 136回」で弊社代表の北岡も取り上げています。
無料で視聴することができますので、この機会にぜひ聴いてみてください。
基本的に新規事業拡大を行うなら、何も考えず流行りに乗るのではなく、きちんと今まで培ってきた強みを活かせる分野を選ぶことが重要です。
それだけで事業拡大失敗のリスクを大幅に抑えることができますし、上手く回り始めるまでのスピードが段違いになります。
事業拡大に成功する方法5.
新規事業拡大の場合は1度小さく回してみる
新規事業拡大を行う場合は、1度小規模で一連の流れを回してみてください。
そうすることで上手くいかない部分が見えてきますので、いざ本番で回すときのリスクを大幅に削減することができます。
「この新規事業は自信があるから絶対上手くいく!」と確信しているような事業でも、いざ回してみると上手くいかないというケースは非常に多いです。
というより、少なくとも1つくらいは上手くいかないところが出てくると思っておいてください。
新規事業というのは、実はそれくらい難しいことなのです。
ちなみにこの話についても、「オクゴエ!Podcast 136回」で弊社代表の北岡が取り上げています。
事業拡大を行う場合の鉄則は、なんとなくで計画を進めないことです。
しっかり検証をしたうえでリスクを回避するからこそ、新規事業拡大は成功するのだということを覚えておきましょう。
事業拡大の成功事例
ここからは事業拡大の成功事例として、以下の2つを紹介していきます。
- シモハナ物流
- スープストックトーキョー
これらの成功事例を参考にすれば、事業拡大を成功させられる可能性がグッと高まるはずです。
事業拡大を考えているなら、ぜひ確認しておいてください
事業拡大の成功事例1.
シモハナ物流
シモハナ物流は事業を拡大するさいに問題になりやすい人員不足を解決し、事業拡大を成功させました。
シモハナ物流は全国各地に拠点を持ち、主に食品物流を手掛けている企業です。
物流業界は基本的に人員不足が深刻化している業界であり、シモハナ物流も同様にその問題を抱えていました。
そこでシモハナ物流は、競合他社の求人に書かれている採用募集要項に注目します。
実は物流業界では、明確な勤務状況が求人に記載されないという、ほかの業種ではあり得ない状況が慣例化していたのです。
そのことに気づいたシモハナ物流は、自社の募集要項を極力クリーンな形に変え、必要な情報も詳しく開示するようにしました。
すると採用状況が一気に改善され、初進出の新拠点でさえ、採用予定数の3倍の応募を獲得することに成功したのです。
そして人員不足という問題を解消したシモハナ物流は、事業拡大についても成功することができたわけですね。
このように事業拡大を行うさいには、人員を集めるための工夫が必要となる場合があります。
人手不足は事業拡大失敗の大きな原因となり得るものなので、どのように人員を確保するのかについてはしっかりと考えておくようにしましょう。
事業拡大の成功事例2.
スープストックトーキョー
三菱商事の社内ベンチャーとして立ち上げられたスープストックトーキョーは、上手く新規事業を拡大した成功事例であると言えます。
スープストックトーキョーは食べるスープの専門店です。
女性をターゲットとして店舗展開を行い、今では60店舗以上を出店しています。
スープストックトーキョーが成功した要因の1つは、市場、ターゲット、競合の分析が徹底されていたことです。
- メインとしてスープを求める女性が多かった
- 出店当時女性が1人で気軽に入れるファーストフード店が少なかった
- スープ専門店の競合がほとんどいなかった
これらの要因によって、スープストックトーキョーは多くの女性に愛されるようになりました。
さらに成功要因を挙げれば、スープストックトーキョーを立ち上げたのが三菱商事の外食サービス事業ユニット所属の遠山正道氏であったというのも大きいです。
要は、もともと外食サービス事業に携わっていた人物が自身の得意分野で勝負していたわけですね。
このように、徹底した分析と計画、そして得意分野で勝負したことが、スープストックトーキョーの成功に繋がったのです。
事業拡大の失敗事例
ここからは事業拡大に失敗してしまった事例を2件紹介していきます。
- ライザップ
- ナポリス
同じ失敗をしてしまわないように、ぜひ参考にしてください。
事業拡大の失敗事例1.
ライザップ
「結果にコミットする」というキャッチコピーで一躍有名になったライザップですが、事業拡大については大きな失敗をしています。
無茶なM&A(企業買収や合併)によって、大幅な赤字を出してしまったのです。
ライザップは一時期、業績不振で安い資本金になっていた会社を数多く買収していました。
それも自身が得意とする健康業界だけでなく、アパレル関連事業やライフスタイル事業、エンターテイメント事業など、さまざまな分野に手を広げていたのです。
その結果、ライザップが買収した企業の再建はほとんどうまくいかず、70億円とも言われる大幅な赤字を出してしまいました。
さらにライザップの失敗要因としては、無理なペースで急速に買収戦略を進めてしまったことも挙げられます。
それこそライザップは一時期、「毎月平均1社を買収する」と宣言していた時期さえあったのです。
このように無茶なペースで、しかも得意ではない分野で行う事業拡大は、失敗するリスクが非常に高くなってしまいます。
事業拡大を行う場合はあくまでも計画的に、身の丈にあったペースで行うべきだと言えるでしょう。
事業拡大の失敗事例2.
ナポリス
ナポリスは本格的なピザがワンコインで食べられるということで一躍有名になったレストランでしたが、無理なフランチャイズによる店舗拡大(事業拡大)によって経営破綻を起こしてしまいました。
ナポリスが行った事業拡大の中でもとくに問題となったのが、深刻な人手不足です。
フランチャイズ経営の場合、本部から新店舗に社員を送って、店舗運営のための教育を行うのが普通です。
しかしナポリスは100店舗という数字にこだわって店舗をどんどんと拡大していったため、本部の人手が圧倒的に足りなくなってしまったのです。
その結果ナポリスは、人手不足により、新店舗に対してろくな教育を行うことができなくなってしまいました。
そして必然的にサービスの質を大きく低下させてしまい、深刻な客離れを起こしてしまったのです。
このように急激な事業拡大は、「人手不足 → 商品やサービスの質の低下 → 客離れ」という流れを引き起こしてしまう原因になり得ます。
そうならないためにも、事業拡大を行う場合は十分な人材を確保して行うべできなのです。
事業拡大をするための資金調達方法
事業拡大を行う場合、先行投資やランニングコストの増加に伴って資金調達が必要となることも多いです。
その資金調達方法としては、大きくわけると以下の3種類があります。
- アセットファイナンス
- デットファイナンス
- エクイティファイナンス
アセットファイナンスとは、会社がもともと保有している資産を資金に変えるという方法です。
たとえば自社が保有する資産や在庫を売却したり、債権回収を行ったりします。
アセットファイナンスの魅力は、低コストで資金調達ができることです。
もともと持っていたものをお金に変えるだけなので、利子が発生することもありません。
次にデットファイナンスとは、簡単に言えば資金を借りることをいいます。
たとえば銀行から融資を受けたり、手形割引を行ったりといった方法です。
デットファイナンスはお金を借りることなので、必然的に利子が発生します。
ただその代わり、資金調達の中ではとくに成功させやすい方法です。
そしてエクイティファイナンスとは、株式を発行することよって資金調達を行う方法です。
エクイティファイナンスは無担保で資金を調達できるため、安定した資金調達方法であると言えます。
基本的に資金調達を行う場合、この3つのどれかを選択することになるはずです。
ちなみにこの3つの中にも色々と資金調達方法の種類があるのですが、そちらについては「資金調達とは?資金調達を行う30の方法と成功させる3つのポイントを解説」の記事内でかなり詳しく説明しています。
そちらの記事を参考にしていただければ、事業拡大のための資金調達を優位に進めることができますので、ぜひ目を通しておいてください。
事業拡大のさいに使える補助金、助成金
メインの資金調達とするのは難しいですが、事業拡大における資金調達の補助的な役割として、補助金や助成金を検討してみるのもおすすめです。
時期や業種によって受けられる補助金、助成金は変わってきますが、一例としては以下のようなものがあります。
- ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
- キャリアアップ助成金
「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」は、中小企業や小規模事業者が生産性向上に伴う革新的なサービス開発や試作品開発、生産プロセスの改善を行うさいに、そこに必要な設備投資などについて支援される補助金のことです。
令和元年の募集要項における補助額は、一般型で100万円~1,000万円、小規模型で100万円~500万円となっていました。
(参考:全国中小企業団体中央会)
次に「キャリアアップ助成金」は、非正社員を正社員登用したり、賃金を改定したりしたさいに受けられる可能性がある助成金です。
事業拡大によって人員の増強を行うさいに使うことができます。
(参考:厚生労働省:キャリアアップ助成金)
このように事業拡大を行う場合は、その内容によっては補助金や助成金を受けることができるかもしれません。
貰えるものは当然貰っておくべきなので、事業拡大を図るなら、自社の状況で使えるものがないかぜひ確認しておいてください。
事業拡大よりも先にやるべきこと
ここまで事業拡大についてお話をさせていただいてきましたが、利益向上という意味で言うと、実は事業拡大よりも先にやっておくべきことがあります。
それが「商品価格の見直し」です。
日本の中小企業全体に言えることなのですが、商品が持つ価値に対して明らかに安い価格を付けてしまっているという傾向があります。
簡単に言えば、多くの日本企業が価格設定で損をしているということです。
そのような状態で事業を拡大してしまえば、損はますます広がることになりますよね?
だからこそ事業拡大を行うよりも先に、「本当に今の商品価格は適正なのか?」という確認を行ったうえで、値上げを行わなければいけません。
実際、価格の見直しを行ったところ十分な利益を確保することができたため、無理な事業拡大をする必要がなくなったというケースも多いです。
なので事業拡大を考えているなら、まずはその前にぜひ価格の見直しから始めてみてください。
ただ、「価格の見直しを行ってください」と言ったときの返答で多いのが、「価格を上げたらお客さんが減って利益が下がってしまう」という言葉です。
しかしはっきりと言いますが、上手に価格アップを行えば利益が下がるなんてことにはなりません。
まずは商品の価格を見直し、そのうえで事業拡大が本当に必要なのかどうかを見極めるようにしましょう。
【まとめ】事業拡大は無理なくやるのが鉄則
今回は事業拡大についてお話をしてきました。
事業拡大について1つ言えることは、無理なくやることが鉄則であるということです。
そもそも事業拡大にはメリットもある反面、大きなリスクも存在しています。
実際、無理なペースで事業拡大を進めた結果倒産してしまったという企業も非常に多いのです。
だからこそ事業拡大は、資金や人手に無理のないよう、計画的に行うようにしましょう。
また事業拡大の目的が利益の向上なら、手を広げるより先にやるべきことがあります。
それが「商品価格の見直し」です。
現在日本の中小企業には、商品やサービスを実際の価値よりも安い価格で提供してしまっているところが非常に多くあります。
商品やサービスの価格が低いということは、それだけ利益率が下がっているということです。
当然ながらその状態で無理に事業拡大を進めてしまうと、ただでさえ高いリスクがさらに上がることになってしまいます。
さらにそれだけでなく、事業拡大に成功したさいの成果も、商品の価格が安すぎればその分小さくなってしまうのです。
事業拡大は会社を成長させるために効果的な手段ですが、同時に経営破綻を起こす原因にもなり得るものです。
そのことを理解したうえで、無理のない事業拡大を心掛けてください。