今回は、個人事業主や小さい店舗で使えるリピーター獲得戦略について解説します。
ビジネスを行う上でリピーターを確保することは重要です。
少ないコストで商品やサービスを販売することができ、来月の売上も予想することができるようになります。
個人事業主や小さいお店のように、限られた予算や労力で安定した売上を上げるためには、リピーター獲得は必要な施策といえますね。
リピーターを獲得するには具体的な戦略を知る必要があります。
そのため今回は、リピーター獲得のメリットやリピーター獲得のアイデアと事例を徹底的に解説します。
新規客だけを追い続ける状況から抜け出したい方は参考にしてください。
リピーター獲得の最大メリットはコストが安いこと
リピーターを獲得するメリットは、コストが安くなり利益率を改善することができることです。
- 新規客獲得よりコストが5倍も安い
- リピート率5%改善すると利益率が20%改善される
「1:5の法則」と「5:25の法則」と呼ばれる法則ですね。
それぞれについて解説します。
リピーターを獲得することの重要性を再度認識しておきましょう。
リピーター獲得のメリット1.
新規客獲得よりコストが5倍も安い
新規客よりも、既存のお客様に再度商品を購入してもらう方が5倍コストが安くなります。
「1:5の法則」と呼ばれている法則ですね。
一度商品を購入してもらっているお客様は、あなたの会社や商品のことを知っています。
そのため、全く新規のお客様に販売するよりも、既存のお客様のほうが商品購入までのハードルが低く、販売コストを安く抑えることができるのです。
販売コストが安いため、利益率も上がります。
リピーターは会社にとって中長期的に大きな利益を生み出す存在といえますので、既存客に再度購入してもらうための戦略を作ることはとても重要ですね。
リピーター獲得のメリット2.
リピート率5%改善すると利益率が25%改善される
顧客離れを5%改善することで、利益率が25%改善されます。
「5:25の法則」と呼ばれる法則です。
先に説明した通り、新規客よりも既存客のほうが獲得コストが安いため利益率が高いです。
他にも知り合いを紹介してくれたり高額商品を購入してくれる可能性もあるので、さらに売上が上がる可能性が高くなります。
そのため、顧客離れを改善することで利益率が上がるということですね。
お客様がリピーターにならない3つの理由
お客様がリピーターにならない理由は大きく分けて3つあります。
- 存在を忘れている
- 商品・サービスが良くなかった
- 接客が良くなかった
それぞれについて説明します。
リピーターにならない理由1.
存在を忘れている
あなたのお店や商品のことを、お客様が忘れている可能性があります。
存在を忘れているので、リピーターにつながらないのは当然のことですね。
例えば飲食店の場合でも、今までいったお店のことを全て覚えていますでしょうか?
何かキッカケがないと思い出すことができないお店も多くあすはずです。
それらのお店は商品に問題があったわけではなく、単に忘れてしまっているだけの状態といえます。
同じようなことが、あなたの会社でも起きています。
商品に満足してもらったはずなのに、何故か2回目の購入につながらない状態のことですね。
「商品が悪かったのだろうか?」や「もっと価格を安くするべきだろうか?」とイロイロと考えてしまいますが、単に忘れられている可能性が高いです。
そのため、お客様に忘れられないための施策を行う必要があります。
リピーターにならない理由2.
商品・サービスが良くなかった
商品やサービスが良くなかった場合はリピーターにつながりません。
例えば、どれだけ雰囲気が良くて接客が感じ良い美容室だとしても、気に入らない髪型にされたらもう利用はしないですよね。
このような場合は商品やサービスの内容を見直す必要があります。
しかし、自分では気づけないことが多くあるので、第3者からの視点で指摘してもらうことが必要です。
リピーターにならない理由3.
接客対応が良くなかった
接客対応が悪ければリピーターは獲得できません。
これは店舗経営だけでなく、WEBで商品を扱っている方も当てはまります。
店舗の場合は店員の挨拶をしているか、お店の雰囲気は良いか、お客様の要望に答えられているか? といった要素ですね。
WEBサービスの場合では、問い合わせ時の対応の早さや出荷までの速さなどが求められます。
全てをお客様合わせる必要はありませんが、悪い印象を与えるような対応があれば改善するようにしましょう。
リピーター・再来店を促進する9つのアイデア
リピーターを獲得するには、お客様の選択肢の中に入ることが重要な考え方です。
先にお伝えしたとおり、お客様はあなたの商品やサービスを忘れている可能性があります。
お客様に覚えてもらうためには、次回利用してもらうための動機付けが必要です。
お客様が次回また利用する動機さえあれば、リピーター獲得につながります。
そのためのアイデアを9つ紹介しますね。
リピーター獲得のアイデア1.
お客様との接触頻度を増やす
お客様と接触頻度を増やすことで信頼関係を築くことができます。
お客様とコンタクトをとる代表的な方法は下に書いた3つです。
- メルマガ
- SNS(Twitter、LINE@、Facebookなど)
- 店舗アプリ
単に商品の紹介やセールだけのお知らせだと反応は良くありません。
反応を高めるには、社長の人柄を表現できるような内容が良いですね。
例えば、日常的の出来事などの内容も含めると読み手に親近感を感じさせることができます。
ニュースレターやサンキューレターの詳しい書き方は「コピーライティングを使ってリピーターを増やす3つの方法」を読んでください。
リピーター獲得のアイデア2.
顧客の問題点を掘り起こす
顧客の問題点を掘り起こす方法は強力です。
例えば整体院の場合、お客様は体の不調を治すために来店してきますよね。
体の不調の原因は、普段の姿勢が悪いことだったとします。
お客様は施術を受けることによって、なんとなく体の調子が良くなったように感じます。
そうなると自己判断で施術を受けることを辞めてしまうお客様が多いですが、実際には根本的な解決になっていないことが多いですよね。
そのため、お客様に伝えるべきことは問題点の提示です。
- 姿勢を正さない限りはまた同じ症状がでてしまう。
- 将来的にはさらに症状が悪化する可能性もある。
- 正しい姿勢が身につくまでは定期的に施術を受けてほしい。
普段の姿勢が原因で将来的に悪化する可能性を説明して、良い姿勢が身につくまでは定期的に施術でサポートさせて欲しいという内容をお客様に伝えるわけです。
特に、将来的にどのような悪影響が起きるのか?を具体的に、そしてお客様が避けたいと思うよう内容で説明ができるとベストですね。
リピーター獲得のアイデア3.
次回利用するメリットを伝える
次回来店するメリットを伝えることで、リピーターを獲得する方法です。
例えば、会計のときに次回利用できる割引券やポイントカードを渡すなどですね。
店舗はもちろん、ECサイトでも活用できます。
「割引」や「特典」が魅力的であれば、お客様にとってまた利用する理由になります。
リピーター獲得のアイデア4.
サプライズを演出
お客様に思いがけないプレゼントをする方法です。
決して高価なものをプレゼントする必要はありませんが、サプライズするタイミングは大事です。
たとえば、ある洋食店ではセットメニューの中からデザートを消しました。
セットメニューの価格はそのまま据え置きです。
お客様が食べ終わるころを見計らってデザートが運ばれてきます。
その際に「当店からのプレゼントです」とセリフを付け加えるだけです。
セット内容も価格も以前と変わらないのに、お客様が受け取る印象はだいぶ変わってきますよね。
お客様が感動を覚え、記憶に残るようなサプライズができれば、リピーターになる可能性が高まります。
リピーター獲得のアイデア5.
オススメ商品を月1回お届け
会社のオススメ商品を定期的にお届けする方法です。
飲食関係なら旬の食べ物、ファッション関係ならトレンドの洋服など、幅広い業種で応用できる方法です。
有料サービスとしてこの方法を取り入れているファッションサイトはいくつかありますね。
一度仕組みを作ることで、定期的にお客様を関係性を維持できます。
リピーター獲得のアイデア6.
顧客を優遇する新商品告知
新メニューを出すことは、人の興味を引く効果があります。
しかし、新メニューの紹介だけでは、お客様の行動を起こすことはムズカシイです。
そのため、顧客がいるのであれば「優先的に低価格で提供する」といった優遇をすると効果的ですね。
顧客はもちろん喜びますし、顧客ではない人がみたら「あの会社のお客さんになると優遇されるんだ」という印象を与えることもできます。
リピーター獲得のアイデア7.
ストーリーを伝える
ストーリーは人の感情に訴える力があります。
物語を知ることで、その会社や商品に対して特別な感情を抱いてしまうのです。
「商品が出来るまでの経緯」や「企業としてお客様に伝えたいこと」などをストーリーにして伝えます。
単に商品だけを受取るよりも、裏側にある物語を伝えることでお客様の頭の中に残りやすいです。
リピーター獲得のアイデア8.
優良客に特別演出
優良客に対して、特別な優遇をすることです。
例えば「このセールは限られたお客様限定でお知らせしています」といった方法ですね。
こういった演出をされることで、さらにあなたの会社のファンになります。
セール以外でもプレゼントをつけたり他の方法でも構いません。
とにかく特別感を演出することです。
リピーター獲得のアイデア9.
バイヤーズリモースを理解した対応
バイヤーズリモースとは、商品やサービスを購入した直後に起きる「後悔する感情」のことです。
- 本当にこの商品で良かったのだろうか?
- 他にもっと良い商品があったかもしれない。
- もう少し慎重に検討すればよかったかも。
バイヤーズリモースは、商品品質には関係なく起こる現象です。
要は、自分の決断が正しかったのか自信が持てない不安な状態ですね。
その不安を払拭することでお客様の満足感を上げることができます。
満足度を上げる方法としては「お客様の判断が正しかったこと」を伝えたり、「購入後のフォロー」を徹底して行ったりすることが大事ですね。
このような対応を行うことでお客様との信頼関係も構築することができます。
結果として、商品や会社のファンになりリピート率が向上します。
売れている会社から学ぶリピーター獲得戦略の事例
売れている会社のリピーター獲得戦略を5パターン紹介します。
リピーターの獲得ができている会社は、お客様が次に来店・購入する動機付けがとてもうまいです。
様々な業種を例に挙げてお話しますので、あなたの会社でリピーター獲得の施策を行う際の、なにかしらのヒントを得られるはずです。
ぜひ参考にしてみてください。
リピーター獲得の実例1.
塚田農場(居酒屋)
塚田農場は他の居酒屋よりもリピーター獲得率が高いです。
塚田農場が取り組んでいるリピーター獲得の施策は沢山あるのですが、代表的なもの紹介しますね。
まずはストーリーを活用している点です。
塚田農場のメニューブックには生産者の想いや、生産までの流れ、コレを食べるとお肌に良いといった効用が書かれています。
単に商品名と価格だけが書かれているよりは、商品に興味が持てますよね。
次にポイントカードです。
ポイントカードは2回目から割引が適用できるようになっています。
そのためお客様が次回来店する理由付けができますね。
ポイントカードは名刺に見立てているため、来店するごとに肩書がアップしていく作りもユニークです。
他にもサプライズ演出もユニークです。
口直しとしてちょっとしたメニューをサービスしてくれたり、会計後にお土産が貰えたりします。
こういったサプライズをされると記憶に残りやすいですよね。
お客様に「また次回も利用したい」と思わせる施策は参考になります。
リピーター獲得の実例2.
小規模の整体院
売れている整体院では「次回に来店する理由」をシッカリとお客様に伝えています。
お客様自身も「○○だから、次もいかなくてはいけない」という目的を理解しています。
そのため、高い確率でリピーターになるのです。
リピーターとなるお客様に対しては、割引チケットを販売しています。
割引チケットを購入したお客様は、さらにお店に通う理由が明確になりリピーター化することに成功しています。
リピーター獲得の実例3.
セラピスト(個人)
2種類の商品を持つことで、リピーター獲得に成功しているセラピストがいます。
- 新規顧客を集める商品
- リピーターや口コミを集める商品
リピーターに育てる商品は、お客様にとって効果を実感しやすい商品のことです。
お客様が抱えている問題点を細かく分解して、一部分だけで良いので特化した商品を作ります。
この細分化した特化型の商品は複数あるとベストです。
その特化型の商品を新規顧客に対して提案します。
特化型の商品は効果が出やすいためお客様の満足度も高く、口コミの効果も期待できます。
他の特化型の商品を提案することで、リピート化にもつながりやすい方法ですね。
リピーター獲得の実例4.
コンサルタント(個人)
相手企業が大手企業になるほど、いきなりコンサル契約は難しいです。
そのため、まずは社員研修の講師として企業とつながりを作ります。
研修講師として企業との信頼関係が築けたら、コンサルティング契約を持ちかけるわけです。
コンサル契約の1~2歩くらい手前から攻めるイメージですね。
企業と信頼関係を作ることができれば、リピートして発注を受けたり他の企業を紹介されることもあります。
研修講師としてのスキルやコンテンツも必要となりますが安定してリピート発注が期待できる方法です。
リピーター獲得の実例5.
ECサイト
ECサイトのメルマガで最も目を通してくれるメールは2つあります。
「サンキューメール」と「発送完了メール」です。
その理由は、購入した商品に間違いがないか確認をするためですね。
目を通してくれる可能性の高いメールは有効に活用しましょう。
例えば「次回の買い物で利用可能な割引クーポン」といった内容だとリピート購入に結びつきやすいです。
実際に多くの通販サイトでこの方法を取り入れています。
また、リピーターが多いECサイトの特徴として情報量の多さがあります。
単に商品だけを羅列したサイトではなく、商品に関連したコンテンツが多いということです。
例えばファッション系のECサイトであれば、「今年のトレンド」や「体型別コーディネートの事例」などのコンテンツがあるとお客様の興味を引きますよね。
有益な情報量が多ければサイトを再訪問するお客様も多くなりますし、そのままリピート購入につながる可能性も高まります。
【まとめ】リピーター獲得はお客様の満足と動機付けが必要
今回は、リピーター獲得戦略のアイデアや事例について解説をしました。
個人事業主や中小企業のように、限られた資金や労力で大きな利益を得るにはリピーターの存在は必要です。
しかし、お客様は商品やサービスに満足しただけではリピーターになってくれません。
それどころか、あなたの会社の存在を忘れてしまっている可能性もあります。
お客様に繰り返し購入してもらうには、動機付けが必要です。
記事の中で紹介したアイデアと戦略事例も参考にして、お客様に次回利用するためのメリットをシッカリ伝えることができれば、リピーターになってくれる可能性は高まります。
あなたの会社に合ったリピーター獲得戦略を取り入れてみてください。
リピーター獲得戦略以外にも、簡単に大きな利益を得ることができる方法があります。
それは「商品の値上げ」です。
多くの企業が気づいていないことですが、実は商品価格を上げることは、顧客からの抵抗なく行うことができます。
さらに、単価アップすることで良いお客様が集まりリピート率を上げることも可能です。
リピーター獲得は、お客様を満足させて次回利用する動機付けさえ行えば、スンナリと受け入れてリピーターになってくれます。
「商品の値上げ」も同じです。
お客様に商品の価値を理解してもらうことで、価格を上げても抵抗なく受け入れてもらえます。