生涯価値(LTV)という言葉をご存知ですか?
これを理解し自社のビジネスモデルに組み入れれば、
一気にライバルを引き離すことができます。
まずは生涯価値(LTV)とは何なのか?をお話ししましょう。
生涯価値(LTV)の定義
生涯価値(LTV)とは、お客さんが自社にどれくらいの利益をもたらしてくれるか?という金額です。
こんな風に言えばややこしいですが、以下の例で簡単に理解できるはずです。
例えば美容室を経営していたとしましょう。
Aさんというお客さんがいます。
毎月、カットとパーマで1万円使ってくれます。
パーマ液だなんだで原価が1000円だとすると、
1回あたりの粗利は9,000円となりますね。
このAさんが2年間来てくれたとすると・・・
9000円 × 24ヶ月 = 216,000円
Aさんの生涯価値(LTV)は216,000円ということになります。
生涯価値で押さえるべきこと
ビジネスをする上で重要なのが、全てのお客さんの平均の生涯価値(LTV)です。
上の例でいけば、Aさんは9000円×24ヶ月ですが、
Bさんはカットとパーマだけでなくカラーもつけて
15,000円で30ヶ月来てくれるかもしれません。
Cさんは、1回目にカットのみの4,000円で終わるかもしれません。
いろいろなお客さんがいるわけですが、
平均してどれくらいの利益を自社にもたらしてくれるのか?
ということを考えるのです。
例えば、その金額が150,000円だとしましょう。
そうすると理屈上、
ひとりのお客さんを獲得するのに149,999円まで使っていい、
ということになりますね。
これが生涯価値(LTV)です。
生涯価値の最も簡単な算出方法
では、この生涯価値(LTV)はどうやって算出すればいいのでしょうか?
厳密に計算するとややこしくて仕方ありません。
なので、簡易的な方法をお話ししましょう。
それが・・・
生涯価値(LTV) = 粗利 ÷ 新規客数
です。
これでざっくりとした生涯価値(LTV)を算出できます。
よほど緻密にマーケティングをする会社を除けば、これでOKです。
(というより緻密に生涯価値を出さないといけないビジネスをしているなら・・・
戦う場所を変えるべきです。また、この話はいずれお話しします。)
また、この生涯価値(LTV)の計算方法は、
厳密に計算する時よりは必ず低く出ますから、
「終わってみたら獲得にお金を使い過ぎた!」
なんてことも起こりませんので安心してください。
生涯価値の期間をどう取ればいいのか?
では、上記の式の粗利と新規客数は、
どの期間の粗利と新規客数をもとに算出すればいいのでしょうか?
1年間の粗利と新規客数でしょうか?
それとも3ヶ月間でしょうか?
できる限り長く取る方がいい、というのが答えです。
例えば、3ヶ月よりも3年の方が生涯価値(LTV)が高くなるのはわかりますね。
期間が長い分、ひとりのお客さんの購入回数が増えますから。
3ヶ月で10,000円の利益、3年で50,000円の利益としましょう。
そうすると、3年の期間を取っているA社は49,999円までお客さんの獲得にお金をかけられます。
一方、3ヶ月しか期間を取っていないB社は9,999円までしか獲得にお金をかけられません。
となると、A社の方が断然、多くの広告の選択肢があり、有利なのはわかりますね。
それはあくまで理想論で、現実にはそうはいきません。
なぜなら、期間を長く取る(=生涯価値(LTV)を高く設定する)ということは、
その分、キャッシュの回収に時間がかかるからです。
上記の例でいえば、
A社は49,999円を3年かけて回収しなければなりません。
B社は9,999円を3ヶ月で回収すればOKです。
つまり、生涯価値(LTV)の計算というのは、
将来得られる利益を、先にキャッシュを出して獲得するという考え方ですから、
キャッシュを先食いする事になります。
あまりに回収に時間がかかり過ぎると、
長期的に見れば黒字だが、短期的にはキャッシュが足りない・・・
ということが起こります。
ですから、現実的には、中小企業の場合、
直近3ヶ月〜6ヶ月の期間の粗利と新規客数で計算するのがひとつの目安です。
黒字になるのは分かるけど、3ヶ月も待てない?
そんな人は『生涯価値(LTV)の弱点を克服する5つの方法』を読んでください。